一言で言えば、戦力の差は圧倒的だった。
8つの班のうち、1つは突入前に全滅し、残りの班も戦力を削ぎ落とされている。
ゲームマスターと対峙しているのがリア一人であることからも、ゲームマスター自身の力というよりもこの圧倒的な数の方が問題だ。
ウィスパーでさっきリリーに状況を聞いたところ、リリーはトラストの例の「作戦」分の物資を残し、ほとんどお手上げ状態だと言った。
リリーに回復は使えない。敵を翻弄しつつ味方――ウェインの班のようだ――をアイテムによって回復していたが、今ではリリー自身が戦闘で前面に立って敵をあちこちに散らす作戦を取っているらしい。
その分手薄になりつつある中央、つまり俺たちが今いる玉座の部屋では、イベント開始時に召還されたラーセリア最強と謳われる最強ボスであるバフォメットが討伐された今、実質今のゲームマスターの手駒としては最強を誇るだろうタイラントを、フィリスが実質一人で抑え込んでいるが、例の『本』が邪魔だ。フィリスが削れば削っただけ、『本』が端から回復して全快、一方フィリスは見たところほとんどダメージはないものの回復役だったはずのアズレトもいない。あいつマジでどこいったんだ。
さらに戦力にはならないが作戦の立案をしたトラストも、アズレト同様消えている。
「――いくらアタシでも、いい、……っ加減キツいって!」
言うというより叫ぶフィリスの声は完全に疲弊の色が滲んでいた。
そりゃそうだ。今はともかく、実装当時にタイラントに数百人体制の連合パーティを全滅させられたというリアの話から、タイラントの強さは折り紙どころか千羽鶴を折っても余るくらいの折り紙の束が付いている。
勝てるのか、と聞かれたら「フィリスならいけるだろ」と思わなくもない。正気の沙汰とは思えないが。
だがそれはサシでならの話だ。むしろサシでも正気の沙汰じゃない。
ダーク・ブラックを倒した時はほとんどサシだった。だが今回は相手に回復がいる以上、セオリーであれば相手の回復を先に殲滅すべき場面だ。
「リア、フィリス、流石に無理だ。退こう!」
もうそれ以外に思い付かず、一旦退却を進言すると、リアが懐から短剣を数本取り出し、エクトルに向けて投げた。
エクトルが眉ひとつ動かさずにそれを叩き落し、
「『ダンシング・ソード』」
すかさずリアが短剣に向けて呪文を放つ。
叩き落された短剣が重力に逆らい、軌道を変えるのを振り返りもせずにリアはダッシュでエクトルから距離を取った。
そして、エクトルが咄嗟に叩き落した音を合図にすかさず振り返る。
「『ダンシング・ソード』」
MPも余裕がない、そう言っていたはずのリアの口から再び呪文が漏れると同時、エクトルに向けて短剣が再び軌道を変えた。
「――ッ」
さすがに驚いたのか、エクトルはバックステップでそれをかわした。
リアはもうすでに、フィリスのところまで下がっている。
「リア!」
フィリスは、叫ぶと同時に懐から瓶を取り出し、リアに投げた。あの青い色からして、魔力剤だ。
「――ありがとう。これでまだ戦えるわ」
言って、リアは片手でそれを受け取ると、その中身を半分だけ口に含んで飲み込んだ。
退く、と言った俺の言葉は、班全員、――及びウェインに届いているはずだ。
アズレトやトラストが気にならなくもないが、ヤツらはどこで何をしているのか、全く言葉を発しようとしないので当面は無視だ。とは言え一応小声で、
「――作戦があるなら小声でいいからいつでも言え」
そうとだけ呟いておいて、まずは班のうち、声を頼りに居場所が特定できるムルとリリーの様子を探る。
的確に指示を飛ばしているのは、それに返答するウェイン、及びその仲間たちと行動するリリーだ。こちらはしばらくほっといても大丈夫なはずだが、最終作戦の要はリリーだ。実行に移すなら、の話だが。
まぁ最終作戦は、最初の作戦が失敗した――あるいは失敗がほぼ確定となった段階から始まるため、こちらはあまり考えることもない。というよりその場合は完全に相打ちを覚悟の上なので、最終作戦は正直どうでもいい。まずは最初の、通常通りの作戦での勝利を考えるのが先だ。
『――もう無理そうだけど、リアは無事?』
ムルの疲弊、あるいは憔悴しきった声が頭に響く。
可能であれば、ムルを助けに行きたいところだが、確か4班リーダー……つまりドッペルゲンガーとの対戦中だったはずだ。
「一応状況を頼む。可能なら迎えに行く。場所はどこだ」
それでも僅かにでも可能性が残っていると信じたい。ムルはこのパーティの期待すべき戦力だ。
『――無謀だと思う。ちなみに場所は多分キミたちの反対側。――4班が爆破した通路のはず』
はず、ってのは何だ――そうツッコミを入れそうになってから思い直す。ドッペルがいる場所――それは恐らく4班が突入するはずだった通路だろう、そう俺も推測し直した。
ドッペルがそこから動くメリットは無いに等しい。なぜなら玉座の間に入れば、例のモンスターの大群がそこにはうじゃうじゃいるはずだ。そして、背後には4班が突入してきた、外へのかなり単純な道。そこをドッペルが塞ぐ形で居座れば、プレイヤーたちがそこを通って退却する道をひとつ塞ぐことができる。
間違いない、とまで断言はできないが、ならばムルはどこから通ってそこまで辿り着いたのだろう。
――『ボクは途中でベルゼ振り切って戻るところ』
ムルは、俺たちと離れてから最初そう発言した。つまり、少なくとも道を戻って玉座に向かったはずだ。
だとすれば、どこかで道を間違えたか、回り道をして反対側から玉座に辿り着き、ゲームマスターに奇襲でも仕掛けようとしてドッペルと鉢合わせたか――俺の頭で考えられる可能性はこの2つだ。
「ってことは、」
ざっと地図を思い返す。俺たち2班から見て4班通路に辿り着けそうな道はあっただろうか。
――ある。あるが確かにムルが言う通り、それを通ってムルを助けるには時間がかかりそうだ。
「――すまんムル。頑張って玉座に入ることは可能か?」
俺たちからの救出は無理だという意味を込めた謝罪を先に言い、その上でダメ元で提案する。
『仕方ないよ。――見捨てて行って。ボクはもう戦力外だ』
カチン。
俺の意識がそう音を立てた。
「リア」
ちらりと横を見ると、俺の表情から何かを察したのかリアがくすりと笑った。
「何かしら、――リーダーさん」
何をしたいのか、薄々勘付いているのはリアだけではなかった。フィリスも、一瞬の目配せだけで指示を寄越せと訴えると同時に、また無茶すんのか、と怒りの眼差しでもあるようだ。
「無茶な命令があるんだが。――フィリスにも」
「構わないけれど、――何をすればいいかしら」
横を見ると、イシュメルがやれやれ、と言いたそうな顔で弓に矢を番えた。カルラはすでに呪文の詠唱を始めていた。
「援護を頼む」
簡潔に一言だけ。俺のしたいことがわかっているなら、リアもフィリスもイシュメルもカルラも、多分俺の言った言葉の意味がわかるはずだ。
『――イベントが終わったら、』
ムルが何かを言いかけた瞬間、俺はその言葉の続きを待たずに駆け出した。
――玉座のど真ん中へと。
「うっせェボケ!今行くから耐え切れッ!」
『えっ?』
余程驚いたのか、ムルの、体の大きさに応じた少し高めの声が裏返る。
見捨てて行け?戦力外?負けることが前提の負け犬の言うことを聞く気はない。
――っつーかそんなに死にたいなら俺が踏み潰してやる!
「『フレイム!』」
まずは先制のカルラの炎が、俺の走る道を塞ぐ邪魔な雑魚どもを薙ぎ払った。中級モンスターなどは死なずに残って本の回復を受けているが、無視してそのど真ん中を突っ切って走る。どうでもいいけどカルラ、ちょっと熱い。
部屋の中央付近に差し掛かったところで、予想通りゲームマスターが進路を塞ぐ。
と、俺の耳に響く風切り音。
イシュメルの射た矢だろう、俺の横スレスレを掠めながらゲームマスターに向けた一撃。
当然のように軽くいなしたゲームマスターが、俺の突進を止めるべく手に持つ短剣を構えた瞬間、
「『ダンシング・ソード』」
リアの口から言葉が漏れた。
さっきリアがゲームマスターから離脱する時に投げた短剣が勝手に浮き上がり、イシュメルの矢同様に俺の体を掠めてゲームマスターを襲う。
「――ッチ」
舌打ちしながらそれを叩き落し、今度こそ俺へと刃を向けようとして、猛然とダッシュで駆け抜ける俺へと追いすがるゲームマスター。
一応横目でそれを確認しつつも、俺は足を止めずに走り続ける。
2つの風切り音。続けてリアの涼しげな声で呪文が漏れ、ゲームマスターの気配が少し遠ざかった。
構うことなく走り抜けると、4班リーダーの姿が見えた。あのリーダー、名前は何だっけか。
俺は頭の中で1つのスキルをイメージした。使ったことはない。ないが習得はしたはずだ。
成功するかどうかは関係ない。
それで一瞬でも、ムルへの攻撃の手が休まればそれでいいはずだ。
ムルの驚いたような顔が目に入る。反射的にか、ドッペルがこちらを一瞬振り向いた。
俺に驚きつつも、その隙を見逃すほどムルは迂闊ではなかった。咄嗟にか、口の中でブツブツと呪文を唱え始める。
その呪文に、今度はドッペルが咄嗟に反応した。両手に持つ巨大な剣を振り下ろすと、ムルを守るように囲んでいた狼のうち、一番先頭の一匹がムルとドッペルの間に割り込んだ。振り下ろされる剣はそれを何の慈悲もなく叩き斬り、勢いを少しだけ落としつつもさらに切っ先はムルへと向かう。
――間に合うか、と考えるまでもなく間に合わない。
だがムルの次の対応は見事だった。
先頭の一匹が倒されたことで先頭に踊り出された狼が、勢いを落とした巨大な剣へと体当たりし、剣はその切っ先を大きくムルから外して地面を叩き割った。それを確認しつつも、狼たちは防御の陣形を攻撃へと転じたりはせず、ただひたすらにムルは自身を守る。
もう少し、あと3秒もあれば辿り着ける――そう思った瞬間、俺の目の前に一匹のスライムがぷよん、と落ちてきた。咄嗟に走る足を止めようとして、しかしその衝動をかろうじて俺は抑えた。
ここで足を止めたら確実に間に合わない。
歩幅を無理矢理に調整し、半ば転びそうになりながらスライムの目の前で地面を蹴った。
「――ッ」
少しだけ地面を蹴るタイミングが早かった。飛び損じたか、とスライムの真上に着地してしまう想像をしつつ、無理矢理足と手を前へと伸ばす。わずかにスライムの粘液を踏み付けて転倒しそうになり、思わず声を漏らしつつ、軽く手を地面に付くことで転倒せずかつほぼ勢いを殺さずに飛び越えることができた。
――ドッペルは目の前だ。
ドッペルは俺の接近に気付いたか、俺の突進を軽いステップで右に避けた。そして同時に、両手に持った巨大な剣を右横に構えた。咄嗟に防御の姿勢を取る。
今だ。ここしかない――!
イメージしたこのスキルを発動するのはこれで合っているのか、タイミングはどんなもんなのか。自信は毛の先ほどにもなかったが、どうせ失敗したら死ぬだけだ。斬られたとして、それでも一瞬の好機をムルが得られればそれでいい。あわよくば成功してくれれば俺とムルの生存率が上がるというだけに過ぎない無謀な、賭けとも言えない賭け。
だから俺は、いつでも仲間から無謀だと罵られるのだろう。
ドッペルの、両手で右から振り切られる剣。スキルを発動するイメージ。
――スティール!
不自然に両手がドッペルの手に伸びた。
システムによる動きの補助だろう、そのまま相手の手から剣がすっぽ抜けるように、そして俺がそれを握ると同時、ドッペルの――すでに剣がすっぽ抜けたただの両拳が、俺の頭へと振り下ろされた。
鋭い衝撃。――レベルが違いすぎるためだろう。ほとんど満タンだったはずの俺のHPはそのたった一撃で脳内警告を発動した。――が、わずかにHPは残ったらしく、そして幸運なことに、殴られた勢いで俺の体はドッペルからムルのいるところを遥かに超え、5メートル近く吹っ飛ばされた。しかもスタンしたらしく、身を起こすこともできなかったが、わずかに頭が持ち上がっている状態で倒れているため、ムルとドッペルの様子だけはかろうじて見ることができた。
もし攻撃がまかり間違ってクリティカルだったら死んでいただろう。頭部への打撃だっただけに、クリティカルにならなかったのはただの運だ。
「なっ――!?」
一瞬遅れてドッペルが叫ぶ。
まさか剣を奪われるとは考えていなかったのか、呆然として立ち尽くしたそこへ、ムルの呪文が完成したのかしゅるり、と音すら立てて赤く輝く「糸」が絡みついた。
「――無茶だ無謀だと聞いてはいたけど……さすがに」
一瞬もドッペルから視線を外すことなく、ムルは溜息混じりに文句を呟いた。
俺だって驚いている。というか成功するとは思っていなかった。ただ運がいいだけなのか、それとも敵とのレベル差は関係ないスキルなのか。いやそうだとしても運がいいだけか。というかぶっちゃけ今のは死ぬのを覚悟してた。
「何やったのさ、――どうやって、……あぁもう、」
ムルは苛立ったような口調だったが、しかし声の質は明らかに嬉しそうな音色と震えを滲ませた。
「――ありがと」
ムルがその言葉を発した瞬間、ドッペルの体が炎に包まれた。
断末魔とともに、ドッペルの体がどんどんモザイクポリゴンに包まれて行き、片手を天井に掲げ――そしてついに崩れ落ちた。これでドッペルを撃破したわけではないが、プレイヤーが死亡した時のように、戦闘不能にはなっただろう。
「さて、――戻ろうか」
ムルが言うが、俺の体はスタンしていて動かない。それどころかしゃべることもできない。
ムルもすぐに気付いたのか、「まったく」と呟くと俺の横に狼を配置し、玉座から出てくる雑魚を赤い糸で倒し始めた。
『……急に会話がなくなったが……生きてるだろうか』
超小声。一瞬誰かと思ったが、この話し方はトラストだ。やっぱり生きてたか。
『――会話の返答がない場合はどんな状況が考えられるか教えてもらえるだろうか』
『……俺たちのように声を出すのが憚られるか、もしくは死んだか』
こちらも超々小声で、アズレトの声がした。
やっぱりツルんでたか、と俺は少しだけ状況を整理し始めた。
まずアズレトとトラスト。
――何らかの作戦で、どこかに潜んでいるのだろう。何の作戦かはわからないが、とりあえずアズレトがいる限りは大丈夫だと判断する。よって当面は無視。
次にリリー。
――ウェインのところで別行動。今のところ走るような息遣いが聞こえているし、こちらも当面は無視で大丈夫だろう。
リアとイシュメルとフィリスとカルラ。
――今はこの4人が1セットだと思っていい。だとすると、フィリスがいるなら大丈夫だということでいいと思う。ただ、戦っているのがフィリスが相手をしているタイラントだけなのか、さっきの俺への援護のせいでゲームマスターも戦闘に加わったのかはわからないが。
俺とムル。
――ムルには悪いが、俺たち二人だけで何ができるとも思えない。当面スタン状態は任せるとして、どうにかして4人とまず合流したいところだ。
だがそのためには、ゲームマスターがすこぶる邪魔だ。
合流して正面突破でゲームクリアを狙うか、もしくは4人と打ち合わせて挟み撃ちを狙うか、どちらもダメなら一旦退いて体制を立て直すかだ。
排除してゲームクリア。これが最短ルートで現実的な気がするが、問題はあのゲームマスターをどう倒すか――ということだ。「本」もそうだが、周囲に蔓延る強弱問わずの……言うなればテロ状態がどうにもウザい。
ゲームマスターの動きを見ていて思ったが、どうやら召還したものを自由に操れるというものではなく、単に呼び出すだけ呼び出して自分の敵を襲わせるというもののようだ。人型モンスターが少ないのはひょっとして、モンスター同士で争っているような種族もあるからではないだろうか。モンスターがモンスターを倒しても経験が入るという仕様は、もしかしたらその辺を狙ったものもあるのかもしれない。
などと考えている間に、ようやくスタンが治まったのか、ようやく体が言うことを聞きはじめた。
「大丈夫?」
赤い糸を手から切り離しながら、ムルがこちらをちらりと見た。
「――何とか」
『何とか、じゃないよ何とかじゃ』
フィリスの声とリアの苦笑、そして誰かの溜息が同時に聞こえた。
「……スマン、頭に血が上った」
言って身を起こし、どうしたものかと考えつつ、
「『我願う、静かなる清流よ、傷を浄化し癒せ、ヒール』」
自分にヒールをかけると、ようやく脳内で続いていた警告が収まった。
リアがふふ、と笑いかける。
『それでこそアキラ、って感じもするのだけれど』
『――違いない』
『どうせ何か無茶したんだろ』
『――らしいと言えばらしいのではあるが』
『いつもの、――こと』
『何とかって何だろ……』
銘々が俺への誹謗中傷……もとい感想を口にするのを華麗にスルーしながら、
「ところで、ゲームマスターは何をしてる?」
とりあえず4人に声をかけてみる。
『静観ってところかしらね』
リアがぽつりと答え、カルラが治癒らしき呪文を唱えるのが聞こえた。続いて、フィリスの「さんきゅ」という軽い礼の言葉がかかる。
「――相談というか、……戦略を変えよう」
ん?とフィリスが声を上げる。
さっき撤退を宣言しておいて戦略を変えようとかちょっとアレかと思ったが、
「タイラントとゲームマスターは無視。まずはそこいらの邪魔な中堅モンスターあたりを殲滅しよう」
玉座を走り抜ける時に思ったことだ。
カルラの一撃程度で倒せる敵、あるいはそれに近い雑魚ならば、フィリスやリア、いやむしろイシュメルや俺でもなんとかなる雑魚もいる。モンハウ状態から抜け出す鉄則をすっかり忘れていた。
「弱い雑魚から殲滅しよう」
『えぇ?何でさ。タイラントはいるだけでウザいのに』
俺の言った意味がわかっているのかわかっていないのか、フィリスが不満そうな声を上げる。
「ウザいからこそだ。回復さえいなかったらフィリスだけで勝てそうだし」
少し本心の混ぜて煽ててみると、フィリスがぶは、と吹き出した。
『さすがに買いかぶりだって』
現に今だって一撃食らったし、とさりげなく言うフィリス。食らったのが俺やイシュメルだったら一撃死するだろう。
『ところでトラスト嬢とアズレトは何やってんの?』
「わからん」
フィリスの問いに即答すると、リーダーなんだから把握しろと笑われた。