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No.16318の一覧
[0] 私の幼馴染みは魔法使い!(※30路童貞とは何の関係もありません)[えくすり](2010/02/10 01:32)
[1] 1年目2月[えくすり](2010/02/09 20:53)
[3] 1年目3月前半[えくすり](2010/02/09 23:04)
[4] 1年目3月後半~入学式[えくすり](2010/02/10 01:24)
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[16318] 1年目2月
Name: えくすり◆95c85b80 ID:9aebbd29 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/09 20:53
 
≪如月さつき≫
 
2XX1年2月14日(火)
今日はバレンタインデーだった。にも関わらずあろうことか今日は県下一の進学校である私立帝開高校の受験日でもあったわけだ。
 
受験自体は大して難しいものでもなくて、『第二初等数学』で小問の1題が解けず、『ドイツ社会』の歴史科目で年号を1個埋められず、『日本語』で出た漢字の書き順の問題に若干不安が残る程度だ。
 
さすがにこれで落ちることはないと思う。5科目5000点満点で悪くても4950点くらいだろう。
 
それより驚いたことは受験者に私の幼馴染みである草壁直哉が受験していたことだ。
 
この前の期末テストで学年360人中180位というなんとも平均的な順位を記録していたヤツには少し荷が重すぎるのではないだろうか。ちなみに自慢ではないが私の順位は1位である。
 
ヤツは「おっ、お前もここ受けるのか! 落ちないように頑張れよ!」とか抜かしてくれやがったけどそれはこっちのセリフだ。
 
どうしてこの高校を受けたのかを聞くと「ふふふ……知りたいか?」とか聞いてきたのでスルーしておいた。どうせ落ちるだろう。
 
明日は面接がある。疲れたから早く寝よう。
 
2月15日(水)
面接は集団面接だったが、柄にもなく緊張してしまった。途中で噛んだ。二回も。
 
『出身校が同じだから』という理不尽な理由で受験番号がくっついて、そのせいで同じ集団で面接を受けることになったヤツはいつもとは違ってやけに真面目だった。
 
面接のときだけはしっかりするだなんて意外だった。いつもは破天荒なヤツだから面接のときも
 
「本校を受験した理由はなんですか?」
 
「そこに高校があったからです。」
 
とか言うのかと若干期待していたんだけどな。
 
まあどうせ落ちるんだから気にしないでおこう。
 
それにしても昨日後輩からもらったチョコが多すぎて処理に困る。家の前で集団で待ち伏せされるなんてたまったもんじゃない。私は女だぞばかやろー
 
2月16日(木)
みよこが「受験どうだった?」って聞いてきた。「もう私はダメかもしれない……」と答えるとあたふたしだした。うん、可愛い。
 
みよこは近くにある県立の進学校に通うらしく、来る受験日のために猛勉強しているようだ。私も滑り止めに県立は受けるが、十中八九大丈夫だろう。
 
ヤツは帝開高校を受けたことを教師以外に話していないらしく、休んだ理由を誤魔化していた。
 
「さつきと一緒に部屋で話をしたんだ。」とか言ってたけど私が帝開高校を受験したのをみんなは知っているので、まさかヤツがそんなところを受けるというところまで考えは至らず、ただのサボり扱いされていた。日頃の行いのせいだ。
 
ちなみにこの中学から帝開高校を受験したのは私、ヤツ、ネクラな学年2位の3人のみだったから結局最後までヤツは怪しまれていた。 
2月17日(金)
久しぶりに剣道部に顔を出してみた。「先輩!」と叫んで走ってくる後輩たちは実に可愛いものだ。
 
顔を出しただけで稽古はせずにすぐに帰るつもりだったけど呼び止められて終わるまでいさせられた。
 
帰りに後輩と一緒にパフェを食べに行った。おいしい。このパフェを作ったのは誰だぁ。
 
もうすぐこのパフェを食べられなくなるというのはなかなかに痛いものがある。
 
2月18日(土)
かなり昔に週休2日制で休日になった土曜日がやってきた。
 
どうでもいいことだが、一時期急激な科学発展(47科学革命)により仕事・勉強の超効率化が可能になり、『仕事も学校も週休6日制にしよう運動』とやらが起こった。
 
しかしいつの世にも知恵が回るものはいるもので、下級階層の人々の財産を目に見えにくい形で超上流階層が尽く奪っていき、運動は次第に収まって行った。
 
私の夢はそんな超上流階層になり、セレブな生き方をすることである。玉の輿は狙わず生涯独身でもいいと思っている。
 
そのため今日はセレブレティーな生活(またの名を引きこもり生活)を送ることにした。
 
2月19日(日)
起きたら昼の2時だった。お母さんにめちゃくちゃ起こられた。そんなんじゃお嫁に行けませんよだって。
 
「頭が痛い。」と言うと、「寝すぎなだけでしょ。私の方が頭が痛いわよ。」と返された。
 
「あ、お母さんも寝すぎなんだー」と答えると頭を叩かれた。頭が痛い。
 
毎回思うんだけど私のこういうところをみよこや後輩たちが見たらどう思うんだろう。
 
お母さんがその後も説教して来たので今度は生理でお腹が痛くなったことにしてみた。
 
「お母さん、お腹痛い。」
 
「頭を叩けば治るかもしれないわね。」
 
「私はどこのテレビだ。違うの生理なのお腹が痛いの。」
 
「私はあなたの進学のせいで懐が痛いわ。」
 
「あはは。うまいこと言うね~ 腹筋痛い。」
 
「別にうまいことでもないわよ。片腹痛いわ。」
 
「うー」
 
見ての通り毎週週末はこんな感じだ。うちのお母さんは毎週日曜日の午前中にパートに行っているため、帰ってきても私が寝てることがとてもすごく不満らしい。
 
今日の晩ご飯は『山本系24番和風ハンバーグ』という私の大好物だった。
 
和風ハンバーグに『山本系』とついているのは、料理が初等化学、心理化学、栄養学を併せて完全に学問化され、体系化されたためだ。
 
山本系は栄養を度外視し、おいしさを追究したためなかなか頻繁に食べるものではない。
 
普段はアレウス系という栄養的にも経済的にも味覚にも優しいものを食べる。だがアレウス系には結構な割合で『自分の味覚に合わない』ものが存在する。昔で言う『料理』がアレウス系だ。
 
他には橋本系という味覚にも栄養にも優しいが値段が庶民には全く優しくない体系や、メルセデス系という安くて一口で食べ終わる料理(いわゆる錠剤)の集大成である体系も存在する。
 
余談だけど料理が体系化されるにつれて数々のお店が潰れ暴動まで起きたことがあるとかないとか。
 
2月20日(月)
卒業式まで残すところ1ヶ月となり、みよこが卒業旅行をしようと言い出した。
 
どこ行くのって聞いたらやっぱり東京だった。リニアで2時間かければ行ける場所に卒業旅行って……まぁみよこだから仕方ないけど。
 
2月21日(火)
帝開の合格発表の日がやってきた。教師に呼ばれて職員室へ。ついでにヤツも呼ばれていた。
 
ヤツはやはり「お前何かしたのか」と言われていたが日頃の行いが(ry
 
職員室へ行くと案の定合格のお知らせだった。筆記4995点+面接410/500点で主席だとか。私すごい。
 
ヤツは得点3821点+面接420点でなんと合格者1000人中1000位だった。
 
ギリギリ合格になったことも驚いたが、意外ととれている得点と私より面接点が高いことに驚いた。
 
先生は「何をしたんだ。魔法でも使ったのか。」と言っていたがヤツはいつものように「計画通り」と言って笑うだけだった。ヤツは何世紀も前の流行語っぽいものを好んで使いたがる。
 
ネクラ2位がどうなったかを聞くと落ちたらしい。へぇ。
 
職員室から出て同時に教室に着きみよこに合格の報告をするとみよこは大層おはしゃぎになった。自分のことのように喜べるみよこは幸せな子だ。
 
ヤツは「俺帝開高校受かったぜ!」とか言っていたが、「嘘乙wwww」とか「じゃあ俺ハーバード大学受かったwww」とか「じゃあ俺はむしろ神」とか散々な言われようだった。
 
2月22日(水)
休み時間中にみよこたちと話していたら噛んだ。「さつきでも唇噛むんだね。」と笑われてめちゃくちゃ恥ずかしかった。てゆか私を何だと思っているんだ。
 
2月23日(木)
ヤツが休んだ。ヤツの友達によると『異世界アリアクーにあるミケーネ大陸を救うために明日1日休む』とのことらしい。いつものことだ。
 
先生によるとただの風邪だとか。
 
2月24日(金)
「ミケーネ大陸はどうなったんだ?」と聞かれたヤツは「ただの魔物の暴走だった。ミバル帝国の奴らめ、くだらんことで呼びやがって!」と何やら憤っていた。
 
くだらんことで休むお前はなんなんだ。ゲームで学校サボるなよ。
 
2月25日(土)
久々にみよこと遊びに行くことになった。みよこ曰く息抜きらしいが、君は先週も息を抜いていたじゃないか。息はしないと死んじゃうんだよ。
 
アイス販売店で『山本系8番抹茶アイス』を食べているとヤツが店に入ってきた。こちらには気付いてないらしい。
 
みよこと一緒に見ていると「予約してた草壁ですが」とか言っていた。しばらくすると『アイスがたくさん入ってそうな箱』を30個ほどもらっていた。
 
「代金は既に頂いておりますので指紋認証だけお願いします。」なんて言われていて私は一応の幼馴染のヤツの奇人ぶりに頭が痛くなった。決してアイスが冷たいから頭が痛くなったわけではない。
 
みよこは「あんなにたくさんの箱を落とさずに持つなんてすごいねぇ」とか言ってて私とは違う感性の持ち主なんだと再確認させられた。
 
2月26日(日)
また今日も叩き起こされた。「やぁー 布団返してー」と言うと起こしに来たのはあろうことかヤツだった。
 
「橋本系の1番バニラアイス手に入ったんだがお前食うか?」と言われたので全力で頷いた。
 
高速で食べ終わり、ヤツの分も盗んで食べたら涙目になっていた。私の安眠を妨害したからだ。
 
「断言しよう。お前は絶対に嫁に行けない。」と言われたがそんなことは知ったことではない。
 
2月27日(月)
またヤツが休んでいた。「ミバル帝国で内乱が起こった。あのバカ帝め。」だとか。
 
先生はヤツはインフルエンザで休んでいると言っていた。昨日の夜は元気だったから間違いなく嘘だ。
 
2月28日(火)
学校でもらったプリントをヤツに届けに行くことになった。やたらとヤツの友人どもが羨ましがっていたけどまぁ羨ましがるのは私の美貌ゆえに仕方のないことだ。
 
ヤツの家に行くと見知らぬ外国人美少女がいて2人でゲームをしていた。「初めまして。ミバル帝国の皇女でマリア=ディ=ミケーネ=ミバルと申します。どうぞお見知りおきを。」と言われた。
 
こいつ……外国人幼女を洗脳しやがった……
 
話を聞くと友人の子どもをしばらく預かることにしたらしい。「誘拐して来たのか」と聞くと「こんなやつ誘拐して何の得になるんだ。」と反論され、幼女とヤツの痴話喧嘩に発展した。
 
ヤツに外国人の友達なんていたのを初めて知ったため少しびっくりしたが、私もヤツの家にたまに遊びに行くことにし、幼女と戯れる計画を立てた。
 


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