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No.16303の一覧
[0] 【習作】サクラ大戦再構成[く~が](2010/11/06 20:40)
[1] 第2話[く~が](2010/02/09 01:20)
[2] 第3話[く~が](2010/02/09 19:37)
[3] 第4話・通常シーン[く~が](2010/02/11 23:16)
[4] 第4話・戦闘シーン[く~が](2010/02/11 23:13)
[5] 幕間(4,5話)[く~が](2010/02/14 20:28)
[6] 第5話・通常シーン[く~が](2010/02/16 20:57)
[7] 第5話・戦闘シーン[く~が](2010/02/21 01:55)
[8] 幕間(5,5話)[く~が](2010/11/06 21:45)
[9] 第6話・通常シーン(上)[く~が](2010/03/03 00:52)
[10] 第6話・通常シーン(中)[く~が](2010/03/10 10:46)
[11] 第6話・通常シーン(下)[く~が](2010/03/11 22:39)
[12] 第6話・戦闘シーン[く~が](2010/04/10 23:15)
[13] 幕間(6,5話)[く~が](2010/04/11 23:21)
[14] 第7話・通常シーン(上)[く~が](2010/04/18 23:07)
[15] 第7話・通常シーン(中)[く~が](2010/04/18 19:27)
[16] 第7話・通常シーン(下)[く~が](2010/07/15 22:51)
[17] 第7話・戦闘シーン[く~が](2010/09/29 21:11)
[18] 幕間(7,5話)[く~が](2010/11/06 21:47)
[19] 第8話・アイリスVer.【大幅加筆】[く~が](2011/01/05 16:29)
[20] 第8話・マリアVer.[く~が](2011/01/05 16:31)
[21] 第8話・カンナVer.[く~が](2011/02/13 22:14)
[22] 第8話・かすみVer.[く~が](2011/05/07 19:45)
[23] 第8話・さくら・紅蘭Ver.[く~が](2011/05/15 23:32)
[24] 第8話・あやめ回想[く~が](2011/06/21 23:17)
[25] 40000PV記念ネタ的SS[く~が](2010/03/12 11:04)
[26] 80000PV記念ネタ的SS[く~が](2010/11/20 22:36)
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[16303] 第3話
Name: く~が◆c894d15f ID:39da937f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/02/09 19:37
大神一郎、真宮寺さくら。

二人の出会い、そして強烈なしばき合い。
大神は左手で鳩尾を擦りながら、そして右手は添え木が。
さくらは案内をしているが、途中チラチラと大神のほうに視線を向ける。


傍から見れば、『けっ、やってらんね~よちくしょう』と捨て台詞を浴びせられそうな二人。
全く会話は無いが、あたかも長年連れ添った夫婦がごとく、帝都の通りをただ歩く。


もし二人の前に、そういう輩が出てきたらそれぞれの違った反応を見せてくれるだろう。


そうこうしているうちに、哀れな子羊が。


「いよぅ、さくらちゃん!今日は彼氏と同伴かい?」

「!」
「?」

「な・・・なな・・・」


顔を真っ赤にして口ごもるさくら。
思わず大神の方をチラ見してしまう。
大神はと言えば、興味なさそうな表情で目の前の男を見つめるだけ。


「このこの~!帝劇が誇る新人スタァのさくら嬢と同伴たぁ、軍人さんも隅に置けないねぇ!」


男は大神に近づき、からかおうと肘でグリグリする。


「何だ貴様は」

「!」


一言。たった一言で男の動きを封じる。
男はすぐに離れて大神を見据える。それに視線を合わせる大神。
だが、それにも負けずに男は気を取り直して更に大神に詰め寄る。


「て・・・照れるこたぁないだろ~。ほれ、軍人さんもほんとは嬉しいだろ?ん?んん?」

「お、大神少尉・・・」

「・・・?」


怪訝な表情を浮かべるも一瞬、大神は再び歩き出す。
それこそ二人を置いて、だ。


「・・・・・・」


スタスタスタスタ・・・

遠ざかる大神一郎。
それを見送るさくら、そして男。


「あ、あの。あの男性は支配人のお客様なんです。お連れするよう言われてて」

「そ、そうかい。邪魔して悪かったね、さくらちゃん」

「い、いえ。こちらこそごめんなさい」

「いいってことよ!また演目決まったら見にいくからよ、頑張ってくれな!」

「は、はい。ありがとうございます!」


会話が終わり、さくらは大神を追いかけ始める。

(んもう、大神少尉ったら・・・少しくらいは嬉しそうにしてくれてもいいじゃない・・・)

心の中で愚痴ってみるものの、大神の態度が変わりそうに無いのを認識し深いため息を吐く。


結果。

大神:無表情(何のことか分かってない)
さくら:照れ照れ(自他意識過剰気味)









【大神】

オレは今、小娘に案内されて帝都を歩いている。
本当ならば歩きながらも観光するはずだったのだが、オレの中ではさっきまでの戦いが渦巻いていた。

あの時、小娘が放った技。
あれは・・・『霊気』の類だ。

なぜあんな小娘が、しかも帝国劇場のスタァだと・・・?

こいつはいろいろきな臭いぜ。

もしかしたらあの小娘だけかもしれんが、一応注意はしておいたほうがいいかもしれん。

くそったれ、帝都を心行くまで堪能する計画が・・・
まぁいい。どうやら今から行くところは敵地だと見積もって行くか。

どんな化け物共が出てくるのか・・・楽しみだぜ。


しっかし・・・さっきの男が言ってた『同伴』って何のことだ?

あいつはただの迎え兼案内係だろうが。
帝都の人間はおかしい奴が多いと聞くがそういうことなのか。


まぁ変人がいるのはいいとしてだ、改めてみるとすっげぇな、帝都。
今までの常識が覆されていく。
まさに、今まで積んで言った積み木が一瞬にして壊され、斧でズタズタにされたみたいな衝撃を受けた。

あらゆるところから蒸気が噴出し、それを原動力にして街が生きている・・・わけか。
しっかしよぅ・・・数10年のうちにこれだけ文明が違ってしまったらどこかしらに『歪』ができてしまうんじゃないか・・・?

あのくそ爺の話にもあったな。
『文明の力はいつか人の身に災厄として降りかかる』

この言葉がオレの頭ン中から離れねぇ。


・・・っと、いつものクセが出た。
せっかく帝国劇場って所に配置されたんだ、まずはそこの仕組みから覚えるとしよう。
軍人稼業はひとまず封印。

一般の生活を楽しむという任務・・・くひひ、笑いが止まらんぜよ。

Side out









帝国劇場。

入り口近くの広間において、一人の幼い少女が熊のぬいぐるみを抱いて走り回っていた。
綺麗な金髪が肩口までウェーブを描き、ピンク色のリボンが更に可愛らしさを強調する。

イリス・シャトーブリアン。呼び名をアイリス。
帝劇において最年少の踊り子にして、特殊部隊『帝国華撃団』において後方支援・援護・回復を司ることになる。


「えへへ、今日だったよね、さくらが新しいお兄ちゃんを連れてきてくれるって」


本日の彼女はすこぶる気分が良いようだ。
先ほど米田の口から、新しい補充人員が帝劇に来ることを聞いていたからであろう。
友達と言ってはばからない『ジャンポール』を胸に、まるで踊るように広場を駆け巡る。


「ん~、でもそのお兄ちゃんってぇ、『霊力』・・・あるのかなぁ?アイリス達と一緒に戦ってくれるとしたら・・・」

「こら、アイリス」

「あ、米田のおじちゃん!」


いつの間にか、アイリスの後ろに一升瓶を持った米田がいた。


「アイリス、いっつも言ってるだろう?『霊力』と『部隊』のことについては誰にも言っちゃダメだってよ。おめぇ達みたいな訳有りを守るため・・・おいら達は頑張ってるんだ・・・分かってくれるかい?」

「はうぅ・・・ごめんなさい、米田のおじちゃん」


米田の窘めに、アイリスは素直に謝る。
それを聞き、米田の顔一杯に笑顔が戻る。


「いいってことよ、これから気ぃつけりゃあいいんだ・・・ほれ、もうさくら達も戻ってくる頃だ。おめぇさんも自分の部屋に戻んな?奴が落ち着き次第、おめぇ達に会わせるからよ?」

「うん、分かった!」

「あぁ、ちょっと待った」


戻ろうとするアイリスを米田が引き止める。


「アイリス、おめぇの力・・・大神って奴には使うなよ?奴ぁ得体が知れねぇ・・・さくらが付いてるから心配はねぇと思うがよ、気ぃつけてな?」

「・・・そのお兄ちゃん・・・怖い人?アイリス、また酷い目にあうの?」

「!!・・・っはぁ、すまねぇアイリス。間違ってもそんな奴じゃねぇってオレが保証するしあんなことをさせるつもりは無ぇ。そこは安心してくれ。な?」

「・・・うん」


アイリスの過去から続くトラウマ。
それを思い出させたことを酷く後悔する。
俯き、唇をかみ締める。

(くそっ、オレってやつぁ・・・)
「おじちゃん」

「ん?」


顔を上げれば、アイリスが笑顔で米田を見つめる。


「大丈夫だよ。アイリス、おじちゃん達がどんなことをしてもアイリス達を守ってくれてるってこと、ちゃんと知ってるから・・・そんな顔しないで?おじちゃんはいつもお酒飲んでふらふらしながら笑ってるのが一番だよ」

「アイリス・・・っ、すまねぇな!ったく、オレ様としたことがアイリスに慰められるたぁ・・・立場が逆転しちまってやがる!うははははは!」

「きゃはっ!だってアイリス大人だも~ん」

「うはは、違ぇねぇ!!アイリスの方がおいらよりもずっと上だ!うはははははは」


広間に広がる笑い声。
米田の眼鏡の奥に光るものが、綺麗に輝いた。









【さくら】

あら?帝劇の中から笑い声が。
この声は・・・米田支配人に、アイリス?

相変わらず仲が良いわね。
外見こそ似てないけど、あの二人には実の爺孫の関係が一番しっくり来る。
血も繋がっていないんだけど・・・私のお爺様が生きていらっしゃったらああなったのかしら?
マリアさんにそのこと言ったら静かに微笑んでいたのを覚えている。

っと、大神少尉に案内をしないと。


「大神少尉、こちらが私達の職場、帝国劇場です!」

「へぇ~・・・さっすが帝都、劇場といえどこの広さは半端じゃねぇな・・・」

「それはそうですよ。客席と舞台、そして私達が生活する寝室、厨房、事務所、売店。
全てがこの劇場の中にありますから」

「ほぉ~・・・」


くすっ、大神少尉ったらあちこちを目を輝かせて見回してる。
ちょっと・・・子供っぽいかも?
新しい一面を見つけた、とワクワクしていると少尉から声をかけられた。


「なぁ、小娘」
「!」


あ、あれだけ名前を教えておいたのに・・・!
あったまきた!!


「おい、聞いてるのか小む「さくらです!!真宮寺さ・く・ら!!」
「あぁ?しん・・・ぐうじ?んでさくら?」

「そうですっ!いい加減覚えてくださいよ、私の名前くらい!」

「いや、正直んなヒマ無かったし」

「っくぅ~~~・・・!そんな訳ないじゃないですか!いいですか、乙女にとって名前を間違えられたり、覚えてもらえないのは非常に、ひ・じょぉおおおに屈辱なことなんです!!分かりましたか!?」

「・・・乙女って誰が?」

「!!」ヴンッ!
パァアアン・・・!


「ってぇ・・・な、オイ!」

「少尉が失礼なことを言うからこうなったんです!少しは反省してください!!」
ツカツカツカツカ・・・

「???」


私は怒って大神少尉を放って歩き出す。
ちらりと振り返るが、ちっとも分かってないわねあの顔!!

更に怒りがこみ上げてきてそのまま私は階段を駆け上がり、自分の部屋に閉じこもった。


「うぅううううぅ・・・」

ボスッ、ボスッ!

枕に八つ当たりするがちっとも気が晴れない。
この感情・・・どうしてくれよう?

Side out









「んだぁ、ありゃぁ・・・」


呆然と見送る大神に、背後から先ほどの二人が近づく。


「おぉい、駄目じゃねぇか、うちの新入りスタァを怒らせちゃぁよぉ」
「おにいちゃん!どうしてあんなことさくらに言っちゃうの?信じらんない!」


責め口調で言い寄る二人に、大神の眉がハの字を作る。
そしてその口から吐き出る言葉。


「おぉう・・・酔っ払いに喋る西洋人形・・・どっかのびっくり屋敷かここは」


ピシィッ!!!

大神はこのとき、空気が張り詰め裂け目が出来るのを察知した。









【アイリス】

こ・・・このおにいちゃん・・・本気で言ってる・・・!?
アイリスの能力の一つ、『リーディング』。
人の心の中をのぞいちゃう、知られたらきらわれちゃう能力。

二度とあんな思いはいやだ。けど・・・
さくらの為に、使ったの。

おおがみ・・・いちろうっていうのか。
でもこのおにいちゃん・・・心で思っちゃったことをそのまま言っちゃうみたい。
アイリスのこと・・・しゃべる西洋人形、って・・・

あ、でもお人形さんにまちがえちゃうほどかわいいってことなのかな?
えへへ、それだったらうれしいな・・・

米田のおじちゃんに言った酔っ払い・・・
うん、アイリスもそれには賛成、かな。
でも、イヤな酔っ払いじゃなくって、頼れる、大好きな酔っ払いのおじちゃん。
このことはアイリスの中では変わらない、ぜったい。

あうぅ、まだこの国のことばになれてないから考えがうまくまとまらないよ・・・

でも・・・このおにいちゃんは・・・
しんらいできる。うん、まちがいないよ!
アイリスの『おとめのかん』はまだ外れたことないんだから!

まだこまった顔で頭を掻いているおにいちゃんに、アイリスからのごあいさつ!


「よろしくね、おにいちゃん?」

side out









【米田】

うはは、こいつぁ傑作だ!
オレとアイリスを見て間を空けずに言い放つ奴なんざぁ見たことねぇ!

アイリスの『挨拶』にも驚ぇた。
あの挨拶は気にいった奴にしかしねぇってこと、オレとあやめは良く知ってるぜ。

普段は人見知りで知らない奴の前だとオレの影に隠れてたアイリス。
それが今回はどうだ。
ハナっから大神のやろうに食って掛かってやがった。

そしてとどめにあの挨拶。

大神よぅ、どうやら『及第点』はもらえたみてぇだな。
オレからすると赤点ぎりぎりだがよ。


「あー、大神少尉、と言ったか」

「んあぁ?おう、オレが大神一郎。帝国海軍少尉だ」

「んじゃあよ、そこ曲がったところに事務所があるからそこで手続きやってくんな?オレぁ用事があるから付いていってやれねぇがよ」

「はっ、アンタに酒飲む以外の何の用事があんのか」

「こいつは手厳しいねぇ・・・ほれ、行った行った」

「チッ・・・」


くっくっく・・・て、帝国軍人が・・・舌打ちまでしやがった・・・
こいつはいろんな意味で規格外な奴だ!
面白くなってきたぜぇ・・・

そうさな、大神にお似合いの仕事・・・仕事・・・

どれが一番面白い反応が返ってくるか・・・


『これ』だ、『これ』にしよう!

奴の驚く顔が目に浮かぶえぜ・・・
クイッ、クイッ


「っと、どうしたアイリス?」

「おじちゃん、何かへんな笑顔してた・・・何考えてたの?」

「こいつぁアイリスと言えど教えらんねぇな・・・直に分かる、楽しみに待っててくれよ」

「おじちゃんがそう言うなら・・・あんまりおにいちゃんいじめちゃダメだよ?」

「おぉっと、釘を刺されちまったぃ・・・くわばらくわばら」


アイリスの心なしか冷たい視線を受けながらも、オレは『総支配人室』へと戻っていった。

Side out









「げっ、あんたぁ・・・」

「よう、大神。さっきぶりだな」


総支配人室。そこでは二人の男が対面していた。

事務所において、着任の辞令を受け取り、それに名前を記入し着任完了の手続きを行った後、事務所にいた藤井なんとか(大神覚え)に案内されて時間ぴったり、総支配人室に向かった。

そして入室を許され、目に写ったのは先ほど自らが『酔っ払い』呼ばわりした男の姿が。


「米田支配人ってのはアンタのことだったのか。チッ、せこい真似しやがって・・・」

「こらこら、帝国軍人ともあろう者が、仮にも目上の者の前で舌打ちなんかするんじゃあねぇ」

「オレが言いたいのはさっきのことじゃねぇ」

「ん、どういうこった?」


予想に外れた言葉を返され、少しばかり緊張した空気が漂う。


「はっは、やっぱりか・・・アンタ、学長室でこそこそ隠れてた奴だな?オレを『値踏み』するその視線・・・間違うはずがねぇ」

「!!・・・何のこった?オレぁただの民間人だぜ?んなところにオレがいるわけ無ぇ」


一瞬言葉に詰まるが、米田は何とか酔っ払いの『仮面』を維持し、返す。


「・・・そうかい、ならそういうことにしとく。んで?本題に入ろうぜ?オレの仕事は?この劇場に異動されたんなら軍事行動はするわけが無ぇ。だとすれば団員の為の補助、力仕事、事務の手伝い・・・いわゆる雑用か。どう使うつもりだ」

「・・・・・・」


だが、大神も然る者。
すぐに話題を転換し、己の有利に話を進めていく。
そして米田が黙り、『仮面』を脱ぎ捨てるのを見て口元を歪ます。


「どうやら当り・・・ではないが遠からずってところか。なら・・・おい、扉の外で聞いてる小娘!おめぇだよ!入って来い!」


米田が黙っているのを尻目に、外で盗み聞き、もとい仕事着を持ってきていたさくらに声をかける。

ギィッ・・・

そして入ってくるさくら。
その手には男性従業員の仕事着が。


「なるほど、これで何とか納得・・・とまではいかないが理解はした。『軍服は来たる時まで着ず』・・・これでいいんだろ?」

「「!!!」」


再び驚愕する二人。
対して大神は、仕事着をさくらの手からふんだくり、広げてみせる。


「あ、あのぉ、大神少尉」
「おい、小娘」

「っ!!」

「怒るんじゃねぇ。オレはこの地に来たからにはもう『海軍少尉』じゃねぇ。これからは呼び方に気をつけろ。いいか?」


大神の言葉に、さくらは怒りを顕わにしようとするが、その意味を考えしばし考え、
そして


「じゃあ大神さん、って呼んでいいですか?」

「はぁ?大神さんだぁ?・・・っく、まぁこの場合はしょうがねぇ、それで泣いといてやらぁ」

「じゃあこれからよろしくお願いしますね、大神さん?」

「あぁ、よろしく、小む「さぁくぅらぁあ!!真宮寺さくらです!」」
「っち、よろしく、真宮寺」

「ぐぅっ・・・」

「くくくく・・・ふっふっふっふっふ・・・うぁっはっはっはっはっは!!!」


二人の掛け合いを黙って眺めていた米田が、急に笑い声を上げた。
すでに先ほどまでの警戒感は霧散している。

怪訝に思った大神が言葉をかける。


「大丈夫か、酔っ払い?飲みすぎて頭でもイカれたか?」
「!お、大神さん!?」

「くっくっくっく・・・いやいや、おめぇさん達、すっげぇお似合いだと思ってな?ふふふふ・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・老い先短い老いぼれを笑い死にさせるつもりか?・・・大神よぅ」

「うぅううぅ・・・」

「あ?」


最後の方になって真剣みを帯びた米田の声に、大神が耳を傾ける。

「オレぁおめぇの事を信じる。だからっておめぇさんにオレを信じろなんて言わねぇ。ただよ・・・そのさくら、そしてアイリス・・・他にもまだいるんだが、そいつらだけでも信じてやってくれや・・・例え何が起ころうとも、な・・・・」


真摯に語られる米田の言葉。
大神はそれを全部聞き届け、零した。


「あんたぁ軍隊で言えば大将だ・・・オレぁあんたの命令、願いなら聞いてやらぁ・・・気が向けば、だがよ」









支配人室の外にて。


「おい、真宮寺。オレぁこの服着て何をすりゃあいいんだ?」

「あ、はい。忘れてました。えっと、大神さんには劇場入り口で・・・」

「入り口で?警備か?」

「いいえ。『モギリ』をやってもらいます!」


ドーーーーンと擬音が背後に表れそうなさくらの堂々たる言いっぷりに、大神はため息を吐きこう言った。


「転属願い・・・出していいか?」



さくらが舞う、そしてアイリスが笑顔を振りまく。
そのことごとくをあしらうかのように現る露出狂。
大神を取り巻く、3枚の花弁の三重奏。

次回、サクラ大戦『霊剣人形薙刀舞う』

大正桜に浪漫の嵐!!









あとがき:前作の予告にあった、モギリがオチ要員にw皆さん、石は投げないでください^^;
これまででご理解いただけたと思いますが、次回予告の文が全て描写されるとは限りません。作者の文章力が無いのが原因ですが・・・^^;

たくさんの感想、ありがとうございます。良い評価をしていただき、嬉しく思います。
引き続き、頑張りますのでこれからもお願いいたします。


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