「ひゃーーーー・・・・・・実際に来てみると、やっぱり圧巻やなぁ・・・・・・」「こ、小太郎さんっ! そんなにきょろきょろしてると、お上りだって思われますよ!?」刹那に言われて、俺は苦笑いを浮かべながら詫びた。しかし・・・・・・感無量である!!俺はついに、ついに!!麻帆良の大地に足を踏み入れたのだ!!え、何で負けたのに刹那までいるかって?あー、言葉にするといろいろ面倒だし、さくっと回想でも見てくれ。はい、それじゃVTR、スタート。・・・・・・『は? おっちゃん、今何て?』『ですから、勝敗には関係なく、私は最初から二人に行って貰うつもりだったと言ったんです』『・・・・・・せやったら何で俺たちに戦えなんてゆーたんやっ!?』『派遣する側として、人材の能力を知っておくのは重要でしょう?』『あんなんさせんでも、十分知ってたやろうに!?』『それは私を買被りすぎです。実際、君が使った獣化外装には驚かされましたしね』『全っ然、そんな風には見えへんわっ!!』『いえいえ、そんなことありませんよ? それに、君はともかく、刹那君はああでもしないと全力を出せないでしょう?』『む・・・・・・そりゃあ、まぁ、そうやろうけど』『君としても、刹那君の全力が見れて、満足だったでしょう?』『結果だけ見ればな・・・・・・けど、刹那には何て言うんや? 絶対、自分はまだ未熟やからー、とか言って、麻帆良行くん渋るで?』『・・・・・・はははっ!』『笑えばええと思うなよ!?』『では、私は仕事がありますのでこれで。あ、刹那君が目を覚ましたら、君から麻帆良行きのことを伝えておいてくださいね』『あ、ちょっ、コラァ!! 面倒事押し付けて消えるんちゃうわっ!!!!』・・・・・・以上、回想終わり。・・・・・・本気で長に殺意が湧いたわ。マジで、あのおっさんいつか拳でシバく!!それはそれとして、マジで刹那を説き伏せるのは苦労した。だって彼女ってば、超頑固なんですもの。長の意向を何度説明しても、「自分にお嬢様を護衛する資格は、まだありません」の一点張り。何で急に麻帆良行きに積極的になったのか未だに謎だ。ん? そんときの様子? まぁ、そんなに知りたきゃ、教えるのもやぶさかじゃない。んじゃ、もういっちょVTR、はいっ、キュウ!・・・・・・『なー? いい加減考え直せや? 刹那の守りたい人って、そのお嬢様なんやろ? やったら、この話は渡りに船とちゃうんか?』『いいえ。今回の件で身に染みました。小太郎さんの新技術に惑わされて動揺するようでは、まだまだ未熟です』『いや、あれはそうなるん狙ってやったんやから、そんな気にすることとちゃうで?』『いいえっ!! あれが実践なら、私はすでにお嬢様を護り切れなかったことになります。もう一度、一から腕を磨く必要が・・・・・・』『あーもう、ヤメヤメ!! 何回同じ内容で会話せなあかんねん!! 自分意固地になりすぎや!!』『ですが、これは私が決めたことです。それに、私が行かなくても、小太郎さんなら、お嬢様を立派に護ってくれるでしょう?』『そら、刹那の大切な人やっちゅうなら、やぶさかやない。おっちゃんにも恩義があるさかい、娘さんのお守くらいお安いご用や』『でしたら、私に憂いはありません。お嬢様の護衛に相応しい腕を得たなら、必ず駆けつけます』『そういう問題とちゃうやろ? それに、腕を磨くっちゅうなら、向こうにだって色んな達人がおるっちゅう話やで?』『それは、まぁ、そうなのでしょうが・・・・・・』『それに向こうに行くっちゅうことは、中等部に入学するっちゅうことや。同年代の女友達もできて、いろいろ楽しいことも経験できるチャンスやで?』『わ、私には、そのようなことに時間を割いてる暇はありません!!』『そうは言うても、自分も年頃の娘なんやから・・・・・・』『くどいですよ、小太郎さん?』『はぁ・・・・・・せっかく刹那の友達とか紹介してもらいたかったんに』『・・・・・・小太郎さん? 今のはどういう意味でしょうか?』『ん? いや、こっちやと同世代の女子なんて、刹那くらいのもんやろ? 向こうで刹那に友達が出来て、紹介とかしてもらえたら、俺も可愛い女の子と仲良くなれへんかなぁ、なんて・・・・・・』『ほう・・・・・・そんな浅ましい心根で、お嬢様の護衛が務まるとでも?』『ちょっ!? そんな目くじら立てんなや!? 俺かて健全な男子中学生やぞ!? 女の子と仲良くしたい思うんは当然や!!』 『それとこれとは話が別です!! 麻帆良に何をしに行くつもりですか!?』『もちろん、ちゃんと仕事はこなすわ!! せやけど、ちょっとぐらい女の子仲良くしたって罰はあたらへんやろ!?』『・・・・・・今まで気が付きませんでしたが、もしや小太郎さんは・・・・・・その、女好き、ということですか?』『おう、三度飯より大好きや(キリッ)』『そんな迷いの無い目で肯定しないでください!!』『いや、今まで自分が気付かんかったんが不思議なくらいやで? 良ぉ屋敷の女中さんの尻追いかけてふらふらしてるんを、おっちゃんに見つかって叱られとるんに』『知りませんよそんなこと!!』『そ、そうなんか? まぁ、別に年上が好きっちゅうわけでもないし、最近は大人しゅうしとったしなぁ』『こ、こんな人に、ウチは・・・・・・』『ん、どうしたんや? 刹那、何か顔色悪いで?』『・・・・・・小太郎さん、麻帆良への出発はいつでしたか?』『ら、来週の土曜やけど・・・・・・な、なんや今度は目つきが怖ない? 自分、ホンマ大丈夫か?』『・・・・・・気が変わりました。麻帆良行き、私も御同行します』『お、おお!? そ、そら良かったわ! けど、何でそんな急に?』『いろいろと思うところがあっただけです。・・・・・・出来るだけ、小太郎はんに女を近づけんようにせんと・・・・・・』『ん? 何や? スマン、聞き取れんかったわ』『な、何でもありません!! さぁ、早く準備をしましょう!!』『お、おう・・・・・・』・・・・・・ほい、終了。見ての通り、いきなり言ってることが180°変わってんの。まぁ、彼女も思春期だし、いろいろと情緒がアンバランスなのだろう。先人として、ここは温かく見守っていくのが最善と思い、俺はそれ以上の追及をしなかった。あ? 俺が女好きっていう設定?ああ、もちろん向こうの世界じゃ、女性経験は愚か、彼女すらいませんでしたとも。けどこっちにきて小太郎の身体になってみると、マジイケメンじゃん?半妖っていう事情を抜きにすると、そういう男の子って年上の女性に可愛がられる訳で・・・・・・。気が付いたら、俺は女性にかいぐりされることが、かなりお気に入りになってしまっていたのだった!!え? リア充爆発しろ? HAHAHA、聞こえねぇな。まぁ、前にも言った通り、今は恋愛どうのにかまけるつもりはない。ただ、可愛い女の子と仲良くしたいっていう願望は、非モテ男子の永遠のテーゼだろ?それに、ネギま!の登場人物は、本当に多彩で、俺の好みどストライクな子がたくさんいるしな。ストイックな、刹那や楓、古菲、真名、超みたいな生き様が格好良い娘たちには共感を覚えるし。女の子らしい、木乃香やのどか、亜子、夏美やさよ、茶々丸も護ってあげたくなる感じがする。少しとぼけた感じがする、明日菜やまき絵、いいんちょなんてメンバーもからかい甲斐があって楽しそうだ。弱冠擦れてる感じの、千雨や和美、パルや夕映、エヴァなんかは一緒に飲んでみたい。面倒見の良い、千鶴やアキラ、四葉には甘えたいとも思う。トラブルメーカーな美空や鳴滝姉妹、祐奈と悪戯に精を出すのもなかなかおもしろそうだし。部活に入って、チアガール三人娘に応援されるのも悪くないな。さすがに聡美やザジにはどう絡んだものか迷ってしまうが・・・・・・。お、言い出したら31人制覇してたな。つまり何が言いたいかというと・・・・・・俺はかなり節操無く女の子が好きだってことだ。本当にこの生まれてからの12年間、麻帆良に行くのが楽しみで楽しみで仕方なかった・・・・・・。ついにその念願が叶う訳だ。テンションも駄々上がりDAZE☆「ほら、小太郎さん。早くしないと約束の時間に遅れてしまいますよ」数歩先を歩いていた刹那が、少しむっとしたような表情で、こちらを一瞥くれる。はぁ~~~~、そういう顔まで可愛いって、刹那ちゃんマジ無敵ね。なんて、言ってる場合じゃない。俺は、すぐに刹那へと駆け寄った「おう! その学園長は、女子中等部の校舎におるねんな?」「ええ。長のお義父様、お嬢様のお祖父様に当たる方ですので、くれぐれも失礼のないようお願いしますよ?」「うへぇ・・・・・・俺そういうん苦手やから自信ないわ。けど、女子部の校舎かぁ~~・・・・・・きっと、可愛い女の子がいっぱいおるんやろなぁ・・・・・・」「(ぴくっ)・・・・・・く・れ・ぐ・れ・も! 粗相の無いようにお願いしますよ?(にこっ)」「は、はい・・・・・・」ど、どうしたというのだ!?今日のせっちゃんは、迫力がこないだの手合わせの5割ましだぜ!?久しぶりに木乃香に会えるってんで、気合が入ってんのか?それはさておき、俺はすたすたと歩き去って行く刹那の背中を慌てて追いかけた。これから、今まで以上に波乱万丈な日々が始まることを確信しながら・・・・・・。あとがき徐々に本文が短くなっていくミステリー。更新速度に重点をおくとこうなるのか・・・・・・。それはそうと、麻帆良編の開幕です。早く他の女の子が出て来ないかと作者自身わくわく。主人公がリア充過ぎてむかつく?それは言わない約束だぜとっつぁん・・・・・・ってなわけで、また次回。ノシ