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好感度 の 変動 がありました。
冒険者 べレス の 好感度 が上がった。
現在 の 好感度 は 【好意的】 です。
冒険者 トーレル の 好感度 が上がった。
現在 の 好感度 は 【普通】 です。
冒険者 ルミウス の 好感度 が上がった。
現在 の 好感度 は 【普通】 です。
あなた は 身体を休め2% の 潜在能力 をアップさせた。
あなた は 4時間半眠った。あなた はリフレッシュした。
あなた は 目を覚ました。少し頭痛がする。
おはようございます! プレイヤー えいじ
《言語と書物の女神》ルーエルが冷たい声で呟いた。「貞操観念くらい持ちなさい。豚同士の交尾なんざ見たくありません」
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気のせいかルーエルに罵られたような気がする。
はて、と思いつつもベッドから身体を起こし、ズキリという頭痛に頭を抑える。
見知らぬ部屋だった。少し首を巡らし、状況を把握しようとする。
毛布と思って身体を包んでいたのはどうやら自身のローブらしい。つまりローブを脱いで掛け布団代わりにしていたということであって。
ベッドは随分と大きい。枕が二つあるにダブルベッドであろうか。
どういう状況だ、とローブを上に被せたまま、*ぽふっ*と後ろに倒れ、そのままもぞもぞとベッドの中に潜り込む。
なんとなく使わないまま出るのは勿体無いような気がしたからである。
酒のせいで倒れるように眠ってしまったのだろうか等と、少々ズキズキする頭を巡らせながら思い出すこと暫し。
そういやなんかドワーフのおっさんの勢いと雰囲気に勧められて飲みまくってふらふらになったような気もするなぁ。
そんな事を思い出しつつ、そういやふらふらになって誰かに肩を貸してもらっていたようなとそんな事柄を思い出していると、吐息のようなものが耳へと入る。
はて、と思いつつベッドに入ったまま身動きせず、耳を澄ました。
それは静かな吐息だったが、確かにこの部屋のどこかで聞こえてるとそんな確信を持つに至り、
とりあえず靴を履こうと*ごろり*とベッドの中で左右に転がりつつベッドの下を確認。靴は見つからない。
むむっと唸りつつ、仕方ないので靴下のまま足を降ろし、頭を抑えつつもそのまま靴を探そうとして、
そこで俺は足を止めた。
「は?」
おもわずあげた自分の間抜けな声を第三者の出した声のように感じつつ。
なんとそこには大柄な男が地面に横たわっていたのだ!
「いやいや」
どういう状況ですか?これ。
少し近づきつつ、と、そこで脱ぎ散らかされていた自身の靴を発見し、とりあえずその大柄な腹がどっぷり出た男を見降ろしつつ、靴を履き、
「えっと、なんだっけ。そうそう。べレス」
その豚面を確認し、昨日肩を貸してもらったのはこの男だったのだなぁと考えつつ、どういう状況になっているのかと思い巡らすこと暫し。
「あれ?」
なんだろう。なんか忘れてる気がする。
この奇妙な事柄には多分俺が関わっているよなぁ、と、ズキズキする頭を巡らせる。
「コマンドステータス」
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所持金 325G 84S
カルマ -2
筋力 7 Great
耐久 8 Great
器用 7 Great
感覚 5 Good
習得 12 Great
意思 5 Good
魔力 0 Nothing
魅力 12 Good
クラス アイテム師
信仰神 ドルーグ
獲得スキル 交渉Lv.2 剣技Lv.1 言語Lv.Max アイテム鑑定Lv.2 アイテム効果上昇
状態異常 二日酔い
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あー成程。この頭の痛みはやっぱ酒のせいかーと改めて確認しつつ、
どういう状況でこの宿に入ったのかを思い出し、
そこでなんかほら着替えるぞー服脱げるかーとかなんとか言われたようなそんな記憶が無きしにも非ずっていうか、それからなんかあうあうあー、
っ。
「うわぁ」
そんなことを呟いて、件の豚を見降ろしつつ、口を人差し指と中指で抑える。
「ありえねぇ・・・」
「んんー」
と、ベレスが気だるそうに呟き、ごろんと地面で寝返りを打った。
俺は溜息を吐いて、そのどっぷりとした腹をベッドに座ったまま足で軽く踏みつつ、ローブから麻痺薬を取り出し、息を短く一息。
ベッドから立ち上がり、足を振り上げ、その豚面をサッカーボールのように、
「起きやがれ、この豚野郎っ!」
蹴飛ばすのはなんかやりすぎなような気がしたので、拳を縦にしてそのままそのよく出た腹へと落とした。ぼにょんとした。
迷宮世界
待ち合わせの場所とやらに、ベレスを道案内に話をしながら歩く。
「つーことでさー。その最下層に居たのはハーフリングの弓使いだったってわけ。今まで出てきたやつらはただ近づいてくるようなやつだったから戸惑ったのなんの」
勿論昨夜衝撃な事柄があったわけで。
少々警戒してたものの、その警戒がすぐに霧散してしまったのはどうにもこのなれなれしい豚面をにくめないからであって。
「遠距離攻撃かー。まだ会ってねぇな。ってことはもしかして後衛募集ってそのことがあったり?」
後衛求むの募集を思い出しつつ尋ねる。
「まぁ、それが切欠だわな。なにが面倒ってそいつ近づかれないように逃げんのよ。追いかけてる間にも迷宮の怪物共は寄ってくるしな。
それで足を止めてるとあの野郎嬉々とばかりに撃ってきやがる。糞が。あのにやけ面思い出すだけで腹が立ってくるぜ」
「難儀だな。まぁ、そういうやつが出てきたら俺はお前を盾にするよ」
そんなことを冗談交じりに言うと、
「ぶはは。任せろ。お前に矢が届く前に俺がぶった斬ってやんよ」
なんか得意げに言われた。
良くわからんが頼りにはなりそうだなぁ、とそんなことを思いつつ歩いていると、ふと昨日見た顔を見つける。
俺が軽く手を上げると、ドワーフが斧を担いだまま右手をあげた。
一瞬ルミウスの目線が俺の横にとび、
「大丈夫だった?」
それから俺へと目線を合わし、小声で尋ねる。
「頭が痛い。飲みすぎた」
俺は頭を抑えながら答えた。
「情けないな。うちの女共はわし以上に飲むぞ?」
と、どこか茶化すような声。
「ドワーフの誘いに乗せられた自分を反省するよ」
「トーレルのおっさんに付き合おうとはどんな酒豪かとは思ったもんだがな」
ぐふっとベレス下品に笑う。
「うるせーな」
俺はおもわず苦笑。
ふとなんか変な目で見つめられてたので、俺はルミウスへと目線をずらした。
「どうしました?」
「いや、なんか随分と仲がいいようなと思っただけで」
「そりゃ一晩一緒に過ごした仲だしな」
ニヤリと笑ったベレスに対し、
「あ、ああ、そう」
と、そこでなにやらベレスへと近づき、小声で何か言っているそのPTリーダーを見つつ、
そこでふとどういう状況かをようやく理解し、俺は気持ち悪いことになってるなと思いつつ冷めた心で言った。
「一応言っておくが、何も無かったからな? 変な勘違いしているような気がするから言いますが」
まぁ睡眠薬ぶっかけなけりゃ色々やばかったかもしれないけれど。
キスはされたような気もするが夢だ夢。ありえん。
* * *
ああ、ここは日本ではないのだなとそんなことを改めて風景を見ながら思う。
まるで西部劇の荒野のようだなとそんなことを感じつつ。
しかしなんでこんなに時間が経っているというのに、未だにどこか現実ではないように感じているのかなー。
まぁ、そのこと自体はどうしてもかつての過ごしてきた景色が心の根幹にあるからなのだけれど。
目的地の迷宮は半日ほど荷馬車でいったところにあるらしい。
この荷馬車は借り物なのかなと思ったが、どうやらこれはリーダーことルミウスの持ち物のようだった。
なんていうかリーダーという割に遠慮がちで引っ張っていくようなリーダーシップは感じられないのだけれど、
ちゃんとしているとこはちゃんとしているのかもしれないなぁとそんな事を思いつつ。
「ていうかやっぱナヴィの信仰便利そうですね」
なにやら空中で操作をしているルミウスへ話しかける。どうやら目的地の迷宮が未だ踏破されていないかどうか調べているらしい。
「あ、そーか。えいじさんはここの生まれじゃなかったんだよね。
他の神信仰に切り替えられないほどの便利さはあるからね。例えギフトをもらってもやめられないかもしれないなぁ」
「こいつがPTリーダーなのはそれもあるな。ほら、俺とおっさんはナヴィ信仰してねぇし」
なるほどなぁ、となんでこの人がリーダーやってるんだろという疑問が一つ解消。
ベレスはといえば、ふわっと暇そうにあくびなんかしている。
ってかこいつにしてみりゃ面倒ごとの押し付けみたいな感じな気がしなくはない。
いざ俺がそういう立場になったとしてもやりたくないしなぁ。
「そういや詳しく知らないんですが、ナヴィのギフトってどんなのですか?」
ふとそういやコマンドヘルプには乗ってなかったなーと思いつつ尋ねる。
「え?あ、えーと、迷宮内のマップに階段が表示されるようになるらしいと。そんなことを聞きました」
どこか目線を逸らしつつ、答えた。
そりゃ確かに便利そうだなぁ。攻略がかなり楽になるなぁ。
「ところで、本当に昨夜は何も?」
「何も無かった。てか思ったんだが、絶対何かあるって思ってただろうになんでこいつを送らしたんだ?」
「あ、いや、それは」
と、どこか気まずそうに言葉を濁す。
まぁ、なんでそんなことを聞かれるかといえば要因があるわけで。
つまりだ。
「時にベレス」
「あ?」
「なんでお前は俺の胸を揉んでるんだ?」
話の最中になんか急に揉まれたわけである。
いやなんていうかあんまりにも自然に揉まれてたので特に不快でもないし放っておいたわけなのだが。
「いやー俺もなんで揉ましてくれてるのかわかんなかったけど」
「お前があまりに自然に触ってきたからだよ。不快でもなかったし。で。どうだ?」
「なかなか良いがもうちょいでけぇほうが俺好みだな。手伝ってやんよ」
「自分でもなかなかの感触だとは思うが、俺はこれ以上大きくはなってほしくないな」
そんなことを会話しつつ、もちろんもにゅもにゅとそんな会話の最中ももまれつつ、ふぅと溜息を吐いて、ふと目線は下へ。
そこでふと何かテントのようなものが張っていることに気がつき、俺はそこで初めてぞぞっとして、その手を払い、距離をとる。
で、その行動に何を思ったのか、
「たまんねぇな、お前」
何故かぐふふと笑いながら迫ってくるベレスに対し、
「あの、べれs」
「いいとこだから邪魔すんなよリーダー」
馬のたずなを握りながらふりかえったルミウスに対し、そう一言。
おいおい。と、心の中で思いつつ、
「どうでもいいが、昼からさかるな。やるなら迷宮の後にしろ」
非常にどうでも良さそうに言われたドワーフの一言に、ぴたりとベレスの動きが止まる。
ふぅっとドワーフを見ながら溜息を吐き、
「それもそうだな」
それで先ほどまでの剣呑な空気は霧散し、よいしょっと腰を降ろす。
「悪かった。なんもしねぇよ」
ニヤリとしながら言ってくるベレスに、俺は溜息を吐いた。
そういや向こうはおそらく俺に性欲沸かしてると思うわけなんだが、なんであんま不快感ねーのかなーとか少々考えること暫し。
ましてや不細工な面である。人間離れした豚面と言っても良いわけで。
ああ、つまるところはそのせいか等と疑問を解消。
「そういや、トーレスはなんで迷宮に?」
「わしは迷宮内で取れる鉱物に興味があってな。
勿論職人として店を構えてるのもいいんじゃが、大抵希少な金属はもっと腕のいい職人に流れてしまうんじゃ。
それならわし自身が自分で取りに行くしかないじゃろ? 細工用の宝石も手に入るしな」
そんな他人の迷宮話を色々聞きつつ、少々周りも薄暗くなってきたところで、荷馬車が止まる。
「ってことで無事着きました。早速いきましょう。先に入った探求者もいないようですし」
見ればそこには高くそびえる塔。
「おう。おつかれ。んじゃさくっと踏破すっかー」
「鉱石類はわしによこせよ」
と、荷馬車を置いたまま前を行く三人に、このままで大丈夫なのかなと馬を繋いでもいない荷馬車を見ていると、
「なにやってんだ? 置いてっちまうぞ」
そんなベレスの言葉に、これはそういうものなんだなと憂いなく早歩きで向かう。
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ここ は 初心者の塔です。
この迷宮 は まだ誰も訪れていません。
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そういや未踏破のダンジョンは初めてだなぁと初めて見るそんなポップアップに少々胸が高鳴りつつ、3人に続き、扉の中へと入った。
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あなた は 迷宮の中へと足を踏み入れた。
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後書き
次回は再び迷宮探索です。
そういやPTメンバー自体のパラはやっぱりサイコロで決めたのですが、
なんかベレスの魅力が最高値をたたき出した為、
結果マイナス補正入れても魅力がこのPTメンバーで一番高いという(えいじを除く)。オークなのに。