カード事情に関しては超・適当な設定です、突っ込まないでください。
というか原作の設定の方がてk(ry
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壁を背に胡座を掻きライキを抱っこしつつ、重い胸を丸くなって眠るライキに乗せ、テーブルカードゲーム『デュエルモンスターズ』をユーノと対戦中。
しかし転生というか憑依というか、こんな事になって大ダメージだったのがゲーム関係のデータだよな…
俺の物理ライチュウと狂戦士型テッカニン他十数体が…厳選にアホほど時間をかけた、時間カンストプラチナが…うう、思い出すとまた泣けそうだぜ。
カードゲームもそうだ…モンコレとかギャザとかガンダムとかポケモンとか、全部パーだもんなぁ。泣きたい。
そういうゲームがこっちで販売されてなきゃ諦めも付くが、普通に売ってるから困る。ポケモンとかは実際に存在する関係上、色々違ってたけど。伝説ポケモンに「このエンテイはスタッフの想像上の姿であり、実際に云々」とか注意書きがあったりな。そら滅多に見られないから伝説であるわけだし、当然と言えば当然だが、製作スタッフのスペシャルアドバイザーにオーキドユキナリの名前がある辺り、レッド達の図鑑参照にしてるんだろう。ゲーム中の伝説ポケモンも前世でのソレと大差あるようには見えなかった。まあ完全に余談だが。
「よし、モンスターを裏表示でセット、更に魔法&罠カードゾーンに2枚セット、手札から手札抹殺発動!」
手札がゼロになるのは結構当たり前だから遊戯王は困る。まあこの世界の遊戯はプロデュエリストで世界チャンピオンな訳だが。ソリッドビジョンマジ凄かった。ユーノも一流の幻影魔法使いでもここまで出来るか分からないとか驚いてたし。
デュエルディスクも二個買ったけど流石にいちいち家でプレイするのに起動するのもな、という訳で普通にデュエルしてる訳だ。
ちなみにプロのデュエリストとかプロ野球選手並に稼いでるぞ。ありえねぇ。流石にライディングデュエルはないみたいだが。
「賄賂発動でキャンセルです。ドローどうぞ」
「ち…まあ良い。ドローしてターンエンド」
「危なかったねぇ、ユーノ君」
「ドロー。スタンバイフェイズ――」
と、10分ほどやりあって俺の負け。敗因はダークシムルグ。
この世界、一部のカードは本気で世界に一枚しかないから困る。コピーカードはデュエルディスクには通らないとか海馬コーポレーションの技術力はマジパネェ。
ちなみになのはのお気に入りはブラマジ軸の魔法使い、ユーノは苦痛ハーピィダクシム軸のイヤガラセデッキ。性格悪いにも程がある。
まあその一部のカード、青眼白竜とかブラックマジシャンとかはプロデュエリストが持ってる『本物』と一般に市販されてる『量産カード』とあるみたいなんだが、量産カードの方ですらシングルで買うと結構な値段なんだよな。なのはは自力で引き当てたらしいが。
まあそういう事情なんでアニメや漫画みたくデッキテーマが決して被らないなぞという事はなく、プロですら普通にライロ・ライコウやエアーマンを混ぜたりしてるし複数のデッキ使うのも当たり前な訳だ。遊戯とか社長とか一部のプロ以外は前世でのゲーム同様、普通に回るデッキ使ってるしな。
遊戯とか社長のデッキはアレだ、あいつらのドロー力(欲しい時に欲しいカードを引き当てる力)があってこそだよ……
まあそんな訳なんで「折角だから俺は海馬プロの使ってるカードを選ぶぜ」という感じで量産カードでデッキ組んだりする訳だ、プロ野球の選手と同じメーカーで揃えるとかそんなイメージだな。青眼白竜だけは冗談抜きに量産カードも作らない辺り、社長の嫁愛が見て取れる。マジで世界にただ一人の青眼白竜使いな訳だ。
そして現実というか前世というか、兎に角以前の世界にあったネズミ王国はこの世界にはなく――
同じ場所に海馬ランドというテーマパークがあるのだった。
海馬ランドで正義の味方カイバーマンと握手だ。海馬ランドには専用デュエルスペースがあり、カレンダーの赤い日にはプロデュエリストが何人か常駐して相手してくれるというサービスっぷり。
休日にはブルーアイズホワイトトレインが舞浜の駅に到着だ。子供に大人気らしい。ちょっと調べて見たらカイバーキャッスルとかがど真ん中に社長の巨大像と共に建ってる辺り、社長の自意識過剰っぷりが凄まじいにも程がある。
更に言えば世界海馬ランド計画は順調に進捗中らしく、日本の隣二国以外の先進国と呼ばれる国には一国一カ所以上建設・運営されてるとか。社長マジパネェ。
がちゃり
「お菓子出来たよ」
「あんた、寝てなくて良いのかい?」
「ああ、薬飲んで一眠りしたら一気に収まった」
流石半分が優しさで出来てる薬。まあ薬慣れしてないからだろうけど。それとも俺が慣れてないだけであの程度は普通なのかも知れん。今は下腹部に違和感あるけど平常運行のレベルだ。
「静香、どうかな?」
「ほう、ライキの形のサブレか。ライチュウサブレ、上手いじゃないか」
耳、目、口などはチョコをかけて描いたのか。多分、ユーノが下絵を描いてあげたんだろうな、フェイトの画才はスプー並だったし。
味の方は若干舌触りが悪いが、十分及第点だろ。小学3年でここまで出来れば大したもんだ、ユーノが口出したとはいえ。
「フェイトちゃん凄い!」
「ライ♪」
見ようによっては共食いだな…いや良いんだけどね、美味しそうに食べるライキ可愛いぜ。静電気に負けずなでなでするぜ。
「ありがとう、なのは、ライキ」
「フェイト、今度はドッグフード作っておくれよ」
「え? 静香、教えてくれる?」
「残念ながら専門外だ。というかドッグフードは買うものであって作るもんじゃないな」
ねこまんまとかなら作れるけどな。
そういやドッグフードが出来る前って犬は何食ってたんだろうか。やはり残飯か?
「なのは達は何やってたの?」
「カードゲーム! おもしろかっこいいんだよ!」
と、決闘盤を取り出してブラックマジシャンを召喚して見せるなのは。
これ、単体で海馬コーポレーションの衛星にアクセスしてKC本部のサーバから映像情報引っ張ってきて映し出すって仕組みらしいんだが……どんだけハイテクなんだこの世界は。まあ結構な値段したけどな、ガキの玩具って額じゃなかったぞ。
「凄い…!」
「ね! 格好良いでしょ!」
「凄いねぇ、これ幻術かい?」
ブラックマジシャンに手を入れて、実態がない事を確認するアルフ。
「ミッドでなら確かに幻術のカテゴリーに入りそうですけど、魔力は使ってない、そういう技術らしいですよ」
続けてダークシムルグを召喚して見せるユーノ。
「で、これで何が出来るんだい?」
「ゲームなの!」
「…こんだけの技術を遊びの為だけに…呆れて良いやら感心してよいやら」
「同感ですけど、これ、結構面白いですよ」
「あたしゃパス」
「ユーノ、なのは。私もそれやりたい」
「いいよ! まずはわたしの余ってるカード上げるね」
「どうせならストラクチャー買って来い。これでな」
と諭吉さんを取り出す俺。
ちなみに海馬プロデッキとかチャンピオンデッキとか城之内デッキとかあるんだぜ。ネタでなく。
「ユーノとなのはも一つずつ買って良いぞ、フェイトは適当にな」
「ありがとう静香!」
「すいません、静香さん」
「ありがとうお姉ちゃん! 行こう!」
と、片付けもせんと二人の手を取って廊下へ飛び出て行くなのは。
子供らしいトコが見られると嬉しくなるね、何とも。玩具やゲームを楽しまないで何が子供かってんだよな、全く。
「で、あんたは寝てなくて良いのかい?」
「ライ!」
「もう殆ど違和感ないしなぁ」
「ライライ!」
ぺちぺち
「分かったから叩くな」
焼きたてのコッペパンのような柔らかい手で叩かれると気持ち良いだろ、常識的に考えて。
しかしこれが雷パンチをぶっ放す時は厚さ20㎝のコンクリ位平気でぶち抜く威力だから怖い。スタンガンなんて目じゃない程スパークするし。どうなってるんだか。
「アルフ、このサブレをプレシア達に届けてやれ」
側にあった適当な紙袋にライチュウサブレを突っ込み、アルフに押しつける俺。
「ん。分かったよ」
「狼モードで走るなよ」
「大丈夫だって。心配性だねぇ」
前科持ちだからな。このバカ狼は通常モードで散歩しやがった事があるのだ。全長2mの狼が彷徨いてればそれは騒ぎになるというものだ、全く。
「ライライ!」
「分かったから引っ張るな」
「じゃあ行ってくる」
「ん」
アルフが部屋から出て行くと、ライキに引っ張られるようにベッドの方へ移る俺。
意外と過保護だな、こいつも。可愛いから良いけど。
まあ基本的に365日殆ど休みなしで働かざるを得ない身分である事だし(翠屋に定休日はない)たまにはのんびりさせてもらうかね。
「らぁい」
あくびも可愛いから困る。そして眠気が――
****
「静香お姉ちゃん! 遊園地のチケットが当たったの!」
「遊園地って面白い所なんだってね」
「ただ、カップル用の二枚セットなんですよね、当たったの」
お前ら帰ってくるなり騒がしいわ。
「大丈夫! もう一枚買えば問題ないの! ねえねえ! 海馬ランドへ行って良いでしょ?!」
「なのは、おちついて」
「そんなに楽しいトコなんだ」
ふむ、田舎育ちのフェイトは遊園地がどういうものか分からず、中身が大人のユーノと同じで落ち着いてるが、うちの妹はなんかやたらとテンション高いな。
「まあGWだから別段、行くのは問題なかろうが。
誰がついていくんだ? まさかお前らだけで行かせる訳にもいくまい?」
ちなみに夕飯の支度中である。
ライキは俺の足下で護衛中だそうだ。
「大丈夫だよ! ユーノ君とフェイトちゃんがいれば殺人犯とだってやりあえるよ!」
「落ち着け、心配してる方向が違う」
あと包丁使ってんだから近寄るな。
と、ユーノに視線をくれると察したのか、テンション高いなのはの片腕を抱き抱えるようにしてテーブルまで引き戻してくれた。
「とりあえずそこの林檎でも食べ落ち着け」
わざわざプレーンヨーグルトまで掛けてあるのは自分で食べる為だったのは内緒だ。
「しかし何に当たったんだ、それは」
「福引きなの!」
フォークで細かく割った林檎を刺しながら、なのは。
「カード買ったら福引き券っていうの、お店の人がくれて」
「で、フェイトが特別賞の海馬ランド無料チケットを手に入れたというわけです」
ふーん。うちの商店街もなかなかやるな。期限がやたら短いのは気になるが。
今日はおでんだぜ。ちなみに高町母は関西生まれだが東京育ちなので昆布は入れるのだ、父士郎は放浪しまくってる男だから味に拘りはないしな。ちなみに俺の前世も東京育ちなので問題なく昆布が入る。
しかし料理が楽しいな。前世じゃ嫁さんなんぞもらわなかったから、滅多に誰かに喰わせる事もなく独り暮らしで自炊能力を上げてきた訳だが…ガキどもが旨いって食べてくれるのは、何というか幸せだ。
思わず気合いも入るというものだ。まあおでんに気合いも何もないんだが。基本的には出来合の材料突っ込んで出汁とか調整するだけだしな、家庭料理としてのおでんでそこまで凝ったもん出す訳ない。
あ、でも餅巾着は中に五目野菜と一緒に入ったのと餅だけの二種類入れてるぜ、俺の趣味で。
で、飯の方は筍ご飯だぜー。
……振り返って見ると随分、女である事に違和感感じなくなって来てるな、まだ一ヶ月ちょい過ぎたばかりだと言うのに。
それとももう一ヶ月も過ぎたというべきなのか。難しいトコだ。
そもそもこんな体験、他の誰がしてるというのか。相談も出来んしなぁ。
「ご馳走様ー」「ごちそう様です」「ごちそうさま」
「ん。飯が出来たら呼ぶから遊んでろ。
海馬ランドの件は高町母に相談するんだな。反対はされないと思うが…」
「はーい。いこ、ユーノ君、フェイトちゃん。デュエルしよー」
「うん」
どたどたどた
しかしかき入れ時といえばかき入れ時なこの時期に、保護者として付き添える奴がいるか?
横島だって結構戦力だしなぁ。まさか小学三年、9歳のガキだけで東京に放り出すとかしないだろうし。
ん? ライキは何処行った?
「ライ!」
ああ、貯まった電気を出しに行ったのか。災害緊急用の大容量バッテリーを庭先に設置し、日々貯まるライキの電気を蓄電させているのだ。ライチュウは体内に電気が貯まり過ぎると性格が好戦的になり面倒だからな。
これで大災害が起きてもうちは問題なく電化製品が使えるというもの。飼ってて良かった電気ポケモン。
そのうち一家に一匹Lvで普及しそうだな。まあ、うちは魔法使いがいるから電気なくても何とかなりそうな気はするが。
「後は減圧すべしっと」
減圧加熱調理器という便利なモノが手に入ったからには使いたいのだ。新し物好きな俺です。
100人近くもの諭吉さんが必要なのだが、作ってるのが月村工業だからな。もう知り合いに社長とかいると大助かりだわ。
所詮世の中金とコネってか。試作品だから爆発しても云々言ってたがまさか爆発すまいよ。
「さて、明日の朝飯の仕込みでも――」
「よう、静香。邪魔するぜ」
「お前はインターフォンの意味を辞書で引いてこい」
黙って上がってくるな、不法侵入だろうに、全く。
「土産にタイヤキ持ってきたぜ」
どさっと十数個入ってるであろう紙袋を放るアキラ。
「まあ良い。茶位出してやる」
受け取り、電子レンジの上に置いておく。流石に夕飯も前だしな。
ちなみに冷めたタイヤキは霧吹きで裏表、軽く水気を付けてからレンジで温めると皮もパリっと復活するんだぜ。
「おう、すまねぇ。
ちょっと相談があるんだよ」
どっかと居間のソファーに腰掛けるファッションセンスがズレてる男、アキラ。
「今日はまた随分可愛い格好してるじゃねーか」
「さっきまで寝てたからな」
ちなみにたれぱんだ柄のパジャマにエプロン、髪は頸の後ろで結わいてるだけという簡単なもの。寝起きだしこれから飯喰って風呂入ったらまた寝る時間だしな、寝られるかどうかは別として。どうでも良いけどネグリジェってあんまり着る意味無くないか、寝心地的に。一回で辞めたわ、見せる相手もいないし。
「なんだあの日か」
「殺すぞ」
デリカシーの無い奴だな、全く。
どんっとわざとらしく音を立てて湯飲みをテーブルに置く俺。
「ライ! ラーイ!」
「相変わらず嫌われてんな。さっさと帰れだとよ」
なんだライキ。放電しに行ったかと思ったら毛を逆立てて居間に入ってきたぞ。
しかしこいつ動物の心も読めるのか…まあポケモンなら人間並の感情持ってておかしくないけどさ。
「まあ待て、ライキ。こんなんでも客は客だ。落ち着け」
「らぁい」
ぷうっと頬をふくらませるライキが愛おしい。茶を置いた後そのまま明日の朝飯(と弁当)の仕込みを始める俺と、アキラとの間にでんと座ってアキラを睨んでる。そんなに嫌いか。
「で、相談とは? 妹さんか?」
「おう、カオリの事だ。
実はよー、ちびっこハウスに海馬コーポレーションから招待状が届いたんだわ、海馬ランドのな」
んー、あ、社長の夢か。確か自分達みたいな親無しの子供を無料で、自分の作った遊園地に招待するという。
で、詳しく話を聞くとどうも別にアキラのトコが特別な訳でなく、月に一回のペースでランダムに選出された孤児院などの施設に保護されてる子供達全員の宿泊料や飲食代も含めた完全無料招待と、その孤児院の存在する街へ規模に応じた無料パス(勿論海馬ランド内での飲食を含めた買い物やランド内にあるKCオフィシャルホテルの宿泊料は別)の無料配布など行っているらしい。
どうせ慈善事業するなら徹底的にという社長の思想も見え隠れするが、「俺に常識など通用せん!」と言い切る社長の割に素晴らしい事業だ。金に執着心がなく、若いから出来る芸当だろうが、素晴らしい事には変わりない。
道理で海馬コーポレーションの諸外国における評判がやたら良い訳だ。それで招待された子供達がデュエルモンスターズにハマれば二度美味しい訳だしな。強力なシングルカードに固執しなきゃそれなりの金で遊べるしなぁ、最終的には運だしね、勝利の鍵は。
なるほど、なのは達が福引きで当てたってのもソレか。
期限が極端に短いのは「とっとと来い! そして思う存分楽しむが良い!」という訳か。この期間中、一般人の入園は人数制限されてる可能性すらあり得そうだ。
「で、なんでカオリは行きたがらないんだ?」
チケットはタエコやアキラ、院長の分も用意されてる所か、新幹線のチケットまで用意されてるらしい。
ここまで来ると「来い!」という脅迫めいたものも感じるが、あの社長の自尊心を考えれば当然かも知れん。
「車椅子でしか行けない、お兄ちゃんに迷惑になる、お兄ちゃんは彼女誘って行くべき。だそうだ」
「突っ込み所は兎も角、そんなに悪いのか、カオリの体調は」
「良いとは言えねぇ。けどホントの所はよく分からん。あいつの心は読めないしな」
「…カオリもHGSか」
「多分な。てか最近になってからなんだが、読めなくなったのは。
それは良いんだが、カオリ残してったら俺もタエコも、院長だって気になって他のガキどもの引率してらんねーしよぉ」
多分じゃなくて医者に診せろってんだ。まあ金がないんだろうが…
それとも実験台にされる方を恐れてるのか? どっちもあり得そうだ。
「それは分かったが、私に相談してどうなるというものでもなかろうよ」
「カオリを説得してくんねぇか? 正直困ってる」
「ふむ」
まあ一人だけ残して行く訳にもいくまい。その場合はアキラ一人残って面倒見るんだろうが…
「遺憾ながら私がアキラと行く事を望んでるのだろう?
私が説得してどうにかなるものでもないと思うが?」
「ンな事ぁねぇよ。勘だけど」
勘かよ。
面倒だなぁ。海馬ランドは行きたいが、このGW中とかあり得ない上にこいつの妹のチケットで行くとかあり得ない。
学校サボらせて遊園地行くのもアレだが実家の家業サボってとかかなりないわ、俺的には。
「ラァイ!」
「別に困らせたい訳じゃねーから落ち着け」
なるほど、俺が困った様子だから威嚇か。ライキはホントに良い子だな。
後でハバネロスナックを上げよう。
それにしても相談に来るなら来るでもっと早く来いってんだ。ギリギリまで自分でどうにかしようとした結果だろうが。
「ライキ、落ち着け。
とりあえず分かった。飯喰ったらちびっこハウスに行く事にしよう」
アキラはどうでも良いが、カオリが行けないというのは可哀想だしな、話の限りじゃ健康的にはさほど問題もないみたいだし。
ん、まあこんなとこか。後は明日の朝に仕上げだな。
どたどたどた…
「あ、アキラさんこんにちわー」
「アキラ、いらしゃっい」
「こんにちわアキラさん」
「おう、ガキども。タイヤキ持ってきたから後で喰わせてもらえや」
「わーい♪ ありがとう、アキラさん」
ガキどもは素直で宜しい。
「静香お姉ちゃん、テレビ見て良いでしょう?」
「構わんぞ。アキラ、飯はどうする? 喰ってくか?」
「お、静香の手料理か。ゴチになるぜ」
手料理って程でもないがな、おでんだし。まあ餅巾着以外にも色々作ったが半分位出来合のだし。
「スーパー1格好良いのっ!」
「滝の人間ゆえの強さは惹かれるものがあるよね」
「ストロンガー…」
「ライ! らぁい!」
ライキ、それはストロンガーの変身ポーズか。
というか。
仮面ライダーSPIRITSアニメ化してるのかよ!!
今世紀最大のショックだ、これだけでこんな馬鹿げた世界に生まれ変わった甲斐があると言い切れるぞ。
「おー、うちのガキどもにも人気だぜ、これ」
なんとぬるぬる動く事か。アニメ黄金期90年代の動きを超えてると言って良いアニメーション!
やべ、超見たい。OPだけで引き込まれたわ。
番組欄見たらどうも月一回の月刊、一時間放送みたいだな。流石テレ○系、やってくれる。
正直毎週やらんで良いからクオリティ高めて維持すべきだよな、うん。
「なのは、録画してあるのか?」
「勿論なの!」
なら後で纏めて見るか。
「ん? 何処行くんだ?」
「食事の後出かけるんだろう? 着替えてくる」
「ラァイ?」
「ああ、見てて構わん」
そんなにストロンガー好きか。親近感感じるのか。フェイトもだけど。
フェイトのバリアジャケット装着時に変身ポーズとかハマるかもな。
さて、着替えるか。