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No.12333の一覧
[0] (習作)ファンタジー憑依ものRPG風味入り[凡人の種](2009/11/02 16:27)
[1] プロローグ 見知らぬ場所で…[凡人の種](2009/09/30 09:57)
[2] 第一話 現状を確認[凡人の種](2009/11/01 21:56)
[3] 第二話 出発、はじめてのせんとう[凡人の種](2009/11/01 22:42)
[4] 第三話 町へいこう[凡人の種](2009/11/02 16:22)
[5] 第四話 学術都市[凡人の種](2009/11/06 00:11)
[6] 第五話 技能の習得[凡人の種](2009/10/02 22:05)
[7] 第六話 医師ミシェル[凡人の種](2009/10/02 02:47)
[8] 第七話 弟子入り[凡人の種](2009/10/04 00:16)
[9] 第八話 薬草採集[凡人の種](2009/10/08 00:26)
[10] 第九話 結果報告[凡人の種](2009/10/05 01:58)
[11] 第十話 調剤 - ポーション作成[凡人の種](2009/10/13 04:05)
[12] 第十一話 ギルド[凡人の種](2009/10/04 21:00)
[13] 第十二話 ショッピング[凡人の種](2009/11/05 16:56)
[14] 第十三話 初勝利[凡人の種](2009/10/06 01:22)
[15] 第十四話 ギルド試験[凡人の種](2009/10/08 00:30)
[16] 第十五話 ギルド試験その2[凡人の種](2009/10/22 00:38)
[17] 第十六話 称号[凡人の種](2009/10/13 04:05)
[18] 第十七話 技能訓練[凡人の種](2009/10/22 00:14)
[19] 第十八話 技能訓練その2[凡人の種](2009/10/17 20:38)
[20] 第十九話 技能訓練その3[凡人の種](2009/10/22 19:04)
[21] 第二十話 初クエスト[凡人の種](2009/10/26 21:32)
[22] 第二十一話 初クエストその2[凡人の種](2009/11/23 05:03)
[23] 第二十二話 初クエストその3[凡人の種](2009/12/03 05:56)
[24] 第二十三話 釣り日和[凡人の種](2009/12/03 06:15)
[25] 第二十四話 釣り日和その2[凡人の種](2009/12/13 22:58)
[26] 第二十五話 釣り日和その3 [凡人の種](2010/01/13 20:03)
[27] 第二十六話 釣り日和その4 [凡人の種](2010/01/15 20:31)
[28] 第二十七話 地下研究所[凡人の種](2010/01/20 21:22)
[29] 第二十八話 地下研究所その2[凡人の種](2010/04/06 23:07)
[30] 第二十九話 地下研究所その3[凡人の種](2010/04/06 23:14)
[31] 番外編 設定の説明[凡人の種](2009/11/05 01:40)
[32] 番外ノ二 習得済み技能[凡人の種](2009/11/05 23:36)
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[12333] 第一話 現状を確認
Name: 凡人の種◆84b6463f ID:4fa409a1 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/01 21:56

目が覚めてからどれぐらいたっただろうか。


時計もない部屋で混乱しきりだったので経過時間がわからない。

…延々と錯乱していてもしかたない。
まず現状を正しく認識しなくては…。

とりあえずどうしてこうなったか、から考えるか。



Q.自分は昨晩寝る前に何をしていた?
A.いつも通り仕事が終わって、布団で寝た。


Q.何でこんなところに居る?
A.わからない。よくよく見直してみても見覚えがない。


Q.こんなことになった心当たりは?
A.自分の体が替わるなんて常識的にはありえない、よってこんなことできる心当たりもない。
 

そうだ、体!

起きてしまった変化の中で一番大きいことだ。
コレも確認しないと…。

これはいつもの俺の体じゃあない。
男であること、少々筋肉質であること、元の自分より背が高いことぐらいしかわからない。
体の動き自体に違和感は無いんだが。

鏡もないから顔も確認できん。
勿論水もないから水鏡で見るという方法も使えない。

今はこれ以上の分析は不可能。


「わかったのは、結局分析してもほとんどわからないってことだけか…」

諦めの声と共にため息をつく。


と、ここで一つ気が付いた。
今まで結構な時間悩んでいたし、最初に混乱していた時間もかなりのものだ。
にも拘らず、全く腹が減らないし、喉も渇いてこない。
トイレに行きたいとすら思わない。



一体どうなっちまったんだ?
コレも体が替わったせいなのか?

便利さよりも不気味さのほうが際立つ。
本当に一体なにが起こったんだ?




あとは…そうだ、外を確認してなかった!
別に監禁されてるって訳じゃないんだから、当然扉もある。
ここから見る限りじゃ、鍵は無いみたいだ。


ここには窓がないので、外の様子を見るには扉から確認するしかない。

とりあえず様子だけ見てみよう。



薄暗い視界の中、見渡す限りの木、木、木。
今出てきた小屋以外は植物しか見えない。


…森の中だな。しかも夜だ。全然先が見えない。


………あきらめて朝を待とう。





さて、夜が明けるまでに、外に出る準備をしようか。
待っていても何が変わるわけでもない。

遅かれ早かれ外に出て、誰か探さなくてはならない。
…『誰か』がいればな?

といっても目に付くのはランタンとナイフくらい。
獣や毒虫、蛇などもいるかもしれない森に入るのには準備不足もいいとこだ。
ま、無いよりはましかな…。
とりあえずナイフを手に取…

[ダガーを取得しました]

「うお?!」

…ナイフが消えた。
触った瞬間消えてしまった…。

そして謎の声。

…声?!

「誰かいるのか?!」

慌てて声の元を探しまわる。

…誰もいない。当然の話だ。
部屋の中はさっき十分に調べた。
誰もいなかったからこそ、こんなに困惑しているのだ。

わかっていたことを再認識し、先ほどの声を疑問に持ちながら、ナイフのことを考える。

声から考えるとダガーだったらしいが。
今はどこを探してもダガーは無い。
手品のように一瞬で消えてしまった。

手品と違うところは、俺は決して眼を離していないということだけ…。
俺が触れたことが原因なのは確かだが、なぜ消えたかがわからない。
さっきまで俺は自分が寝てた寝台や枕、毛布に触れていたはずだ。
なのに消えたのはダガーだけ。
毛布や枕は確かに存在している…。

もう一度毛布や枕に触れても何の変化もない。

ん~、もしかして…。
モノは試しと、思い付きを実行しながらもう一度枕に触れる。

[枕を取得しました]

………今度は消えた。
そしてまた声。

よくよく聞いてみると声には抑揚が無い。
まるで機械音声だ。そして声は俺自身から聞こえているらしい。

念のため服を隅々まで調べる。
…何も無い。

どこかにスピーカーを身につけているわけでもないみたいだ。



とりあえず道具が消える条件はわかった。
持ち歩こうと思いながら触れると消えてしまう。

声によると取得はしているらしい。
取得ということは、手に入れているということだ。

しかし…

「取り出し方がわからん」



……



「あ~、もう!どうしろってんだよ…」



あれからいろいろな方法で試行錯誤したが、結果は出なかった。

取り出し方を見つけるために念じてみたり、
手から吸ったから手から出るだろうと手を振りまくってみたり、
「ダガー出て来い」と口に出してみたり…。
一向に出てくる気配は無い。

「クソッ」

苛立ち紛れに椅子をけりつける。

…ここでまた違和感が。
足に衝撃が来ない。全然痛くないのだ。

一応靴は履いているようだが、全く痛くないというのはありえない。
しかもこの靴、運動靴とか普通の革靴とかじゃない。

いや革靴ではあるのだが、あんなに硬くてしっかりしていない。
もっと柔らかい、布か何かでできているような…。

…話が逸れた。
ともかく、こんなもので蹴ったら痛くないはずが無い。


…物は試し、逆に椅子の方で足を踏んでみる。

てい。




…痛い。

普通に痛い。


…気を取り直して今度は手で机を強めに殴る。
痛くない。


あ~、なるほど。
つまり、こちらから叩くと反動がこない、ということだろうか。


異常な法則だ。

物理学者が泣くぞ。


さっきの機械音っぽい声といい。    

まるで、ゲームだ。





ん?

『ゲーム』?

まさか、ゲームなのか?


何かを取ったときのシステム音。攻撃時に自分にはダメージが来ない。腹が減らない。トイレもいらない。

確かに大部分のゲームにあてはまるが…。

いや、ここまで非常識なのだ。いまさら否定しても仕方ない。
これは『ゲーム』だと思っておこう。


だからといって油断する気は欠片も無い。
先ほど椅子で実験したように攻撃されれば普通に痛いし、死ぬこともあるだろう。
そのときゲームと同じく、セーブポイントで生き返れるかなんて試したくも無いことだ。



さて、これがゲームだとすると…。

「ヘルプ、ヘルプコマンド」

ちっ。だめか。
説明書のようなものが出てくるのを期待したのだが、全く反応が無い。

とりあえずありったけ試してやる!



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