さて遅くなったが、転校初日。
思っていた以上にあのクラスは面白そうだ。
エリート達なんかよりも充実した日々を送れそうだ。
けど初日は何で登校しよう。
馬よりもインパクトが大きい物は無いだろうか?
第五話 ボクサーは僕さ?…ゴメン実はボクサーじゃないんだよ
皆でだらだらと登校した。
・・・朝のHRは、いつもよりも早めに始まった。
「それでは、お待ちかね。転入生を紹介しよう。」
ざわ…ざわ…生徒達が騒ぎ出す。
「始めに言っておくが、本来は女子一名のみの転入だったが、急遽このクラスに転校する事になった生徒がいる。」
その言葉にざわめきが増す。
周りからは、
賭けに負けた。あ、俺もぼろ負けだといった声がする。といった声が聞こえる。
「ま、もともと、ドイツからの転入生が対象の賭けだし大丈夫か。」
これで賭けは勝った。
そしてドアを開けるとおっさんが立っていたことには驚いた。
しかし馬で登校してくることには、さらに驚いた。今時、馬はやりすぎだろう。
もう一人の転校生はどうなったのだろうか。
「そして、もう一人の転入生だが、実はまだな「すいません、遅れました。」も…今来たな。」
其処には我流Xに似た体格の男が立っていた。
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side風林寺謙一
やってしまった。
原作キャラぐらいのインパクトをどう与えるか、悩んでいたら遅くなってしまった。
お馴染みの大学館シリーズの「目立つ登校の仕方」を見過ぎていたのがいけなかったのだろうか。
初日から遅刻なんて最低だ。
「始めまして。自分は風林寺謙一といいます。」
第一印象を大切に、と思い挨拶をする。
しかし、周りの反応が薄い。
やばい、なんかしたのかと思ったら、
「良かった。二人目は普通だ。」と声がした。
―――――――やっぱり馬で来たのか、クリス。…見たかったな。
「おほん。え~、風林寺は県外から最近引っ越してきた。仲良くするように。」
説明をされている中、自分は周りを見渡していた。
見た感じ疑いの目線を向けている奴が何人かいる。
やっぱり、まともな奴からすれば、我流Xだと疑ってもしょうがないか。
しかし、今百代と戦うわけにもいかないだろう。
どうにかして、誤魔化す事はできないものか。
そんな事を考えているうちにクリスへの質問が始まっていった。
「なんと誇り高い!ボクサーまでサムライとは。」
え、これって腹切りの話だったっけ。
一応ボクシングを学んだものとしては此処は訂正するべきなんだろうか。
そしてクリス父が帰っていき、俺への質問に変わる。
「では、風林寺に質問があるものは挙手をしろ。」
その質問に何人かが手を上げる。
「はいはい、貴方何か武術やってる?」
ワン子、もとい一子から質問からの質問だ。
「やっているけど、腹切りはしないよ。」
なにかクリスからいわれると思い言っておく。
ワン子の目が光った。いやな事を考えている顔をしている。
「YES!梅先生提案!転入生達を歓迎してあげたいと思います。」
何でさっき言わなかったのかと思ったけどこっちも見てたんだ。
「クリス、戦闘で勝負よ!」
「分かった、受けて立つ!!」
俺はしなくてもいいんだよな。
「お前の相手は俺様がやってやるよ!」
別に頼んでないよ。
そんなこんなで"歓迎"始まります。
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「ドイツから来たんだよ。」
「あの金髪は見事なもんだよな。撫で撫でしたい。」
転校生の歓迎を見に来て見ればなかなか。
あれも相当鍛えているな。
見た感じ相当な使い手なのが良く分かる。
しかし、自分の相手にはまだ物足りない。
そしてワン子が負けてしまった。
もっと本能で戦えば負けなかったのに。
「本日二戦目!!」
二試合目?
「今回転入生は二人だったんだ。」
それを先に言え義弟よ。
「その転入生だけど我流Xに似ている気がするんだけどどう思う?」
我流Xだと!いまだに見つからない奴が転入生!
「島津 岳人対風林寺 謙一 両者前へ!」
そこで転入生を見る。
!!!こいつは!!!
「どう?姉さん?」
「ふっ、はははははっ。」
笑いが止まらない。
「残念ながら奴ではないぞ。奴の気はもっと静かだったからな。」
確かに近づかないと探れない辺りは奴に似ているが奴の気は静かだったからな。
「だが、奴の実力は師範代クラスかもしれないぞ。」
「えっ?」
奴とはまったく違うがこいつも相当な腕前だ。
この勝負しだいでは…
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「いざ尋常に、はじめい!!!!!!」
「いくぞ!!」
凄まじい剛拳が放たれる。
「甘い!」
それをぎりぎりの所でかわしていく。
「今度はこっちの番だな!」
その言葉と同時にジャブを繰り出す。
プロボクサーのそれを超えた速度で打ち出されるそれを正面から受けてしまう岳人。
「……痛ぇ…けど足りないぜ…!!」
強烈なボディーブローが炸裂する。
「入った!!」
「いや、まだだ。」
見ると片手でそれを止めている。
「やるな、お前。名前は?」
「俺様の名前は島津 岳人。って言うかさっきアナウンスで言ったじゃん。」
「聞いてなかったし。」
此処までは岳人が微妙に押されている。
しかし、奴はまだ本気を出していない
「浮沈艦ラリアット!!」
凄まじい勢いで放たれたそれをしゃがんでかわし、
「ジャイアントネコメガエルーパンチ」
下から全身のばねを使って伸び上がるカエルパンチが腹にヒットする。
「ぐはぁぁ…まだまだ…」
凄まじい剛拳の嵐が続く。
「そんな本気じゃないパンチじゃ俺は倒れないぜ!!!」
見た感じは凄まじい速さのパンチの数々。しかし速さだけで力はそう強くは無かった。
「タフガイな俺様を倒したいなら本気で来な!!!」
その間もラッシュは続く。
「――失礼した。どうやらお前を馬鹿にしていたみたいだ。ボクサーじゃない俺がボクサーの真似事をするなんて、確かにやる事ではないな。」
そう言うと今までスウェーでかわしていたそれを半歩踏み出しただけでかわす。
「これも一応ボクシングの技だが、お前に敬意を込めて俺の得意技で止めを刺そう。」
その言葉とほぼ同時構えてない状態からの一撃。
その一撃が岳人を吹き飛ばす。
「……オートゥリズム。」
ノーモーションから放たれたそれは一撃で岳人の意識を奪っていた。
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どうもお久しぶりです。クリスがボクサーの話をしていたのでこんな感じにしてみました。しかし主人公は別にボクシングはしていません。
最後の技だけ別で後は真似事です。なので岳人の大して聞きませんでした。
気についてですが、主人公は動の気と静の気を自由に切り替える事にしました。風林寺の時は動、我流Xの時は静。こうすればばれないのではないでしょうか?
あと感想ありがとうございます。週末に話を改訂したいと思いますのでその時に入れる技もあるかもしれません。
次回はこっちの状態で百代と戦う事にするかもしれません。何を主体にするか決めてないので次はいつになる事やら。
後、戦っているときレベルが違のにと思ったときは手加減しているものとしてください。基本的に主人公は梁山泊に世界の修正力を加えたレベルで人外です。
主人公の名前ですが兼一ではなく謙一にしたのはワザとです。某弟子ではないので変えました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
2009/9/17