今回は感想の中から技が出ます。色々考えてみたのですがおかしい様ならご指摘お願いします
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次の日、クラスの中では何故か三つの話題で持ちきりだった。
一つ、先日モモ先輩に返り討ちに会った不良たちが今度はピラミッド状に積まれ、道端にいた。
二つ、昨日一子が我流Xではなく、我流ピンクに会った事。(この話に一番食いついていたのはクリスだった。)
三つ、これはおれ自身のことだけどモロに調べてもらった、俺の作品の評価だ。
何故か知らないうちに世界中に知られているらしく、作品自体も高値で売買されている事が分かった。
(後でモロに値段を聞いたら、驚いた。九鬼が褒めるわけが判った気がする。)
この事でクラスの評価がモモ先輩並の武術家から戦う芸術家に変わったりしなかったり。
(なお、この後しばらく百代は放課後の橋の下で誰かを待っている姿が目撃される事になる。)
第十話 親不孝通りの攻防?変態にする加減など無い!
ゴールデンウィーク真っ盛りの今日。
本来なら友人達と出かけたりするのがいい事なのだろう。
しかし、風間ファミリーの連中は箱根に行くことになっていて無理。
その他の連中も用事が有ったりして無理だった。
(因みに風間ファミリーからは誘ってもらっている。百代から直々に。何故か知らないが、山奥という事を強調していたので断った。危険度センサーが振り切れるほどの身の危険を感じたからだ。)
という事で、今日は町を見てまわることにした。
後一つだけ予定もあるしな。
そして、各所を回り最後についたのはこの親不孝通り。
先日の闘い(百代との)で有名になった自分に挑戦状が届いたのだ。
別に行かなくてもいいのだが、此方の名前を知っている上、性質の悪い連中が後ろにいるらしいので”OHANASHI”に行くことにしたのだ。
「…で廃工場ってのは此処でいいのか?」
指定されたのは第五十一番工場。
すでに廃棄されて長いのだろう。
あちこちに廃材が目立っている。
「へへっ、よく来たな。お前があの百代とやり合ったっていう風林寺か?」
「そうだがお前か?お前が竜兵か?」
「いや、けど呼び出したのは俺だ。俺も此処にお前を呼び出せって言われただけなんだがな…」
確かに目の前の男が百代と戦ったと知っていながら、呼び出すとは考えにくい。
暴力に長けていなければ、そんな事を考えないだろう。そして目の前の男にはそのどちらかも感じない。
「俺を呼び出した理由は何だ?」
「そんなのはあの人に聞いてくれ。俺は命令されただけだ。最も聞けたらだが…」
その言葉とともに大柄な男が現れる。
「もしあの人が来る前にお前を倒せたら金がもらえる事に成ってるんだよ。弱い奴に興味がないって事で俺等に負けるようなら必要ないからってな。」
その言葉とともに巨体が駆ける。
そのスピードは巨体に反して速い。
そして、放たれる拳もまた速い。
「クラエッ!!」
「や~だよ。」
しかしすでに其処に姿は無い。
あわてて辺りを見渡す男に、
「加減はしてやるよ。」
その言葉とともに相手の体の側面と前部に三回の攻撃を当てる。
「兇叉!!!」
その攻撃に男は数メートル吹き飛ばす。
「ハ…ハ、タイ…シタコトぐっ!が!ぎ!げぇ!」
男は口から血を吐き倒れこむ。
「馬鹿な。イノシシすら倒して犯したルディが…」
「どうする、逃げ出すか?」
「こりゃあ、仲間集めといて正解だったかな」
「おいおい、今の見て逃げ出さないのかよ?」
わざわざ奥義を使って倒したのに逃げる気配がない事に少し驚く。(逆鬼式ケンカ大原則、第二章「竜の巻」代三項ケッヘル番号551)によるとこれで戦意を無くして逃げ出すはずなのに。
「へっ、そっちこそこの人数に全くびびってねーな。確かにルディーを倒した実力は認めてやる。だがな、数の暴力には勝てないだろう。」
その言葉とともに不良たちが謙一を取り囲む
「……」
「どうした、怖気づいて声も出ないか?」
「…いや、違う。唯人数を数えていただけだ。二十人か。」
「どうだ、しかもこの辺でも凄腕の不良達だ。」
「成程、なら少しぐらいなら大丈夫か。」
「…はっ?何を言って…」
次の瞬間、謙一は男たちに向かって走り出す。そのスピードは先の男を軽く越えている。
「フッハアアア!!」
その声が聞こえた時には周りの男達はすでに半分になっていた。
驚きのあまり声を無くしていると、最後の一人が投げられる。
先程までは、男を取り囲んでいたのに対し、今はまるで円を描くように倒れている。
「岬越寺無限轟車輪。お互いに関節を極めた状態で車輪を作り上げている。互いの体重で関節を極めてあるから、外から他人に外してもらわない限り技はとけることはない。」
「…マジかよ。こいつら、弱くないんだぜ。」
「残念ながら、これで終わりだ。」
「ああ、そうだな。……お前がな!リュウさんお願いします。」
男が一人廃工場に入ってくる。
暴力の気配がにじみ出る、野獣のような男だ。
「こいつか……例の武神と引き分けた奴は…」
男は値踏みするようにこちらを見て、そして足元の男達を見る。
「…成程、噂どおりの腕前らしいな。活きの良い獲物だ。」
「可哀想に、俺達にやられていたほうが幸せだったのに。」
男はすでに竜兵の後ろに移動している。
「お前が竜兵か?」
「そうだ、お前強いんだろ?同じ雄としてどっちが上かはっきりさせようぜ。」
どうやら、せこい真似をせずに戦いを挑んでくるタイプらしい。
「いいぜ、来な。」
その言葉とともに放たれる丸太のようなけりが腹を直撃する。が、
「輪唱アタック!。」
地面に倒れこんでいたのは竜兵のほうだった。
「ぐっ、何だと?…」
「危ない危ない。あんなのまともに食らったらアバラ折れちまうぜ。」
対して謙一にダメージを食らった様子は無い。
「く、俺の攻撃を受け流したのか?」
「よく分かったな。そう、お前のタイミングに合わせて攻撃を受け流し、その流れで攻撃する。名を輪唱アタックと言う!」
竜兵は自分の攻撃が読まれた事に驚きを隠せないがそれ以上に、
「……ははは!いいぞ最高の獲物だ!!」
「何だと!今の攻撃が効いていないのか。」
すでに竜兵には極度の興奮状態により痛みを感じていない。
「くっ、今度はこっちから行くぜ。」
その言葉とともに走り出す謙一。
「しっ。」
あまり加減していない一撃。川神流の師範代のレベルに近い速さを持ったそれを、
「甘いんだよ。」
その言葉とともにかわす。
謙一は知らない。竜兵の姉達が武術を習っているのが元川神流師範代だと言う事を。
その為に修行を横で見ている竜兵がそのスピードには慣れていることを。
「なっ!!」
今の一撃で終わりと思っていた謙一は思わず動きを止めてしまう。
「気を緩めてんじゃねえ!!」
その言葉とともに竜が昇るような勢いを持ったアッパーが炸裂する。
「…こいつは驚いた。まさか今ので骨にひびが入らないとは。」
あたる寸前にぎりぎりの位置でジャンプする事で何とかなった謙一だった。
「それでも今のは痛えだろ。もう意識も無いんじゃねえか?」
自分の一撃が決まり気絶させたと思い、謙一を見下ろす竜兵。それに、
「~~~痛え~~~~~」
と予想外の声がする
「…おいおい、嘘だろ。今ので無傷かよ。」
其処には顎を押さえている以外先ほどと代わらない謙一が立っていた。
「無傷じゃねー。顎が少し痛いじゃねえか。」
「普通なら顎が砕ける一撃だぞ。頑丈過ぎるにも程があるだろ。」
「これでも頑丈さには自身があるんだぜ!!」
と胸を張る謙一。
「…成程な…これは今まで有った中でも一番の上物だな…お前を犯せば、獣の飢えを満たせるだろう。」
その言葉とともに謙一に近寄る。しかし、その言葉に謙一は驚きを隠せない。
「??犯せば??あれ、俺と闘いたくて呼び出したんじゃないの?…」
「勿論それもある。しかし敗者をどうするかは勝者の自由だろ?」
くくく、と怪しげに笑う竜兵。
その顔を見て謙一は悟る。
奴は○○だと。
万が一にも負ければ……その光景を想像しようとすると震えが止まらない。
「…因みにどんな事をするつもり?」
嘘であって欲しい。そう思って答えを聞く。
「くくく、それはお前が思っているとおりだと思うぜ。」
その瞬間、謙一の中で何かが壊れた。
それは手加減という一つの押さえだった。
謙一がふらりと動き出す。
その動きは先ほどのような動きではない。
「なんだ、もうぎりぎりか?」
その動きを見て先の言動がやせ我慢だったのでは、と考える。後一撃入れれば終わるだろう、と。
「ならもういち!!」
言葉を続ける事はできなくなった。
投げ、当身、関節技を同時に仕掛けられ、竜兵は既に人の形をとどめていなかった。
謙一が嫌いなものには緑の物体。お化け、外道。そして最後にHENTAIが入っている。
竜兵は死んではいないが意識を失っている。
悶虐陣破壊地獄。手加減と言う枷を外した謙一の一撃は、竜兵を倒すのには十分な威力を持っていた。
人の形を留めていない竜兵の姿を見て流石にやりすぎたのではないかと思った。
悶虐陣破壊地獄を使ってしまった事に後悔しながら、しかし悪は滅びたと安堵する謙一。
外道や変態に加減をするような気持ちを謙一は持っていなかった。
それでも、気になるのは先の一撃をかわした事だ。
あれを見切ると成ると日ごろからあの速さに慣れていないと避ける事などできないだろう。
この町にはまだ見ぬ強敵がいる事に謙一は武者震いを隠せない。
そんなことを考えながら竜兵の体を元に戻していく。
ついでに途中で倒したまま気絶しているほかの男達の治療をしていく。
治療といっても外れた関節を元に戻す程度の事だが、一人一人こなしていく。
先ほどまで残っていた男は既にいなくなっていた。
「うう…」
と軽く意識を取り戻した竜兵に、こんな事が二度とおきないようにある技をかけもう一度眠らせる。
変態は滅びた。
これにて、親不孝通りの攻防は終わりを迎えた。
「へぇ~やるじゃねえか。」
この一言さえなければ。
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という事で修正版です。気絶したのではなく変態には手加減などしない。って感じで全力で攻撃をした感じです。普通に考えればそんな反応も有ると思ったのですが、やり過ぎでしょうか?
ふと思ったのですが何かを極めた人って意外とお化けの類が苦手ですよね?
今回も駄文ながらお付き合いありがとうございました。
ご意見、感想、必殺技をお待ちしております。
2009/9/21
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