【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第77話 孫家的日常。その2。孫家の中にあって、高順と言う存在は異端である。孫家の主である孫策や、その妹である孫権。そして重鎮からは評価され、ある程度の自由が許されている。かと言って上からの寵愛・・・というか、そういう立場を嫌っていて、宴席などでも一番に下座を占拠する。その分、下と横からの苛めが多く、武官はある程度納得させたものの今度は文官からの口撃・・・と、周りから見ればどう評価して良いのか良く解らない人である。ただ、孫策にしても意味無く重用していた訳ではない。実力も兵力も戦力もあるので重用されないほうがおかしいと思うが、それとは別にある目的があったからである。正確に言えば、ある男の入れ知恵・・・。その、孫策らに「高順殿を重用してくださいよ」と入れ知恵をした者の名は・・・。魯粛、字を子敬と言った。魯粛は周喩の求めに応じて財産を孫家に預けた男である。幼い頃から弓馬、兵法、剣術などを習い周りから「名士である魯家に気違いが生まれた」と嘆息されるほどであったという。その魯粛は軍師として孫家に招かれたのだが、ある大胆な戦略を胸に秘めていた。彼が言うには「曹操を今すぐ除くことも出来ないでしょうし、漢王室再興もまだまだ出来ないでしょう。」と前置きをしてさらにこう言っている。「まず、荊州を得てそこを足がかりに長江という天然の要害を利して曹操に対抗するべき」と。その先もあるのだが、魯粛は自分が孫家に合流したての時期はその先を言わなかった。孫策や周喩に聞かれても「まだ早いです」と絶対に言おうとしなかったのである。ただ、高順に関しては「絶対に他の勢力に行かせない様に注意してください」と言っており、孫策は内心で疑問を持ちながらも高順を擁護していたしかし、袁術を追放して寿春を手中に収めたことで「可能性が見えてきた」として、ついに全てを打ち明けたのである。~~~孫策の執務室~~~「あっしの言うのは天下二分。南と西を制してそこから曹操に立ち向かう・・・という策ですわ。」「天下二分、ねぇ。このまま北に向かうってのは不可能なのよね」不可能ですな、と魯粛は孫策の言葉を断じた。「ようやくに楊州を得た孫策殿は、外征をする余裕は今はまだ無い。足固めの時期ですからなぁ」「解ってるって。でもさ、なんでその戦略に高順が必要な訳?」孫策の言葉は尤もだった。確かに彼も、彼の部隊も孫家の戦力としては無くてはならないものになりつつある。だが、戦略・・・というのとは少し違う気がしたのである。この点については同席している周喩は何も言わない。彼女は何となく察していた。「いやぁ、はは。ですからね、それをこれから確かめに行こう、っていうんで。」「はぁ? 確かめってどういう事よ?」意味が解らない、と孫策は首を傾げた。「まま、そう仰らずに。あっしの予見とか予想とかが正しければ、やっぱ高順の旦那はこれからの戦略に外せん人ってことっす。」「う~ん・・・良く解らないけど。周喩、貴方はどう思う?」困った顔つきで、孫策は隣に立っている周喩を見上げる。「魯粛のやりたいようにやらせてやれば良い。まぁ、その予想やら何やらが外れても高順は戦術的に外せぬ男ではあるがな。」「へっへ、さっすが周喩の姐さん。んじゃ、ちょっくら行ってきまっさ。」~~~高順の居館~~~「それじゃ、手を合わせて」『いただきます!』高順の声に合わせて、皆の声が重なる。高順の館では、普通に夕食中であった。彼の住む館はそこそこに広いが、それは他の女性陣も一緒に住んでいるからである。楽進・李典・趙雲・沙摩柯・臧覇・閻柔・田豫・蹋頓・周倉・闞沢などなど。これだけの人数が住むのだから広くなければ住める筈もない。そんな時である。来客があった。「んぉ?」その音に気付いたのは周倉であった。「ん、どうした?」「いやぁー・・・なんですかねぇ、扉を叩いてる音・・・誰か来たんすかね?」「え、ほんと?」それなら出迎えなきゃ、と高順は一人立ち上がった。「あら、私も行きますね」と蹋頓も立ち上がる。一人で良いんだけどな、と思いながらも高順は断りもしない。蹋頓は高順の護衛の為についていくつもりであるし、本人もソレを理解している。「はーい、どなた・・・およ?」「よっす。」「よーう」出迎えた高順の前に立っていたのは男が2人。魯粛と太史慈であった。「お・・・何だ、どうしたんだよ2人して?」「いやぁ、急に押しかけるのもどうかと思ったんだけどなぁ。子敬(魯粛の字)がお前の家に向かってるのを見てな。ほれ、酒と肴も持ってきたぞ」高順の問いに、太史慈がにっかりと笑って答える。太史慈は中々の好青年で、背丈も高順とそれほど変わらない。降将同士で気が合い、遠慮の要らない友人の間柄である。「肴は良いけど酒はなぁ。ま、いいけどさ。ほら、上がりなよ」「いやぁ、でも夕飯最中っぽくないか?」「別に構わないさ。」ほら、入れ入れ、と促されて魯粛と太史慈は「それじゃ遠慮なく」と上がり込んだ。高順は、自分から交友を求めることが少ない。何度も言われているが、降将である為に自分から交友を拡げて後ろ盾を作ろうとしないのである。もっとも、向こうから来る分は構わずに招き入れたりする。そのせいか、交友を求めないやり方の割りに広く深いという感じの交友関係であった。 2人が来たためか、この日はすさまじいまでの宴会と化した。太史慈に勧められて、一口だけ酒を舐めた高順が大酩酊するわ、沙摩柯と太史慈が「どちらの弓勢が上か」で激論するわ。当然のように太史慈は酔っているが、ふとしたことで「皆はどんな夢がある?」という話になった。太史慈は「三尺の剣を引っさげて天下を所狭しと駆け回る将になる。それが男の本懐よ」と豪快に笑った。李典や趙雲、楽進らは「高順の元で楽しくやればそれで良い」とか「高順殿が立派な大将となる姿を見たいですな」いう感じだし、沙摩柯は「そうだな・・・臧覇が一人前になってくれることだな」と答えている。言外にまだまだ未熟だ、と言われたに等しいが、臧覇は「頑張ります!」とやる気を見せて太史慈に「けなげだなぁ」と感心され、直後に「この娘を俺にくれ!」と高順に言って「お前・・・」とあきれた顔をされていたり。蹋頓は微笑して首を横に振るだけだったが、趙雲と高順だけは彼女の願いを理解している。最後に「お前は?」と太史慈に話を向けられた高順は、酔った頭で考えて「そうだなぁ・・・戦争のない時代になって欲しいなぁ」と呟いた。「戦のない時代? おいおい、そんなのまだまだ見えないもんだろう」「だから夢さ。天下統一でもいいのだろうけど。」そしたら、また皆に会える。と高順はしみじみと頷いた。その意味を知っている人々は皆押し黙った。「皆、って?」「あー・・・曹操のところにさ、家族が4・・・いや、5人いるんだよ。戦争が無くなれば国境も無くなる。そうしたらすぐに会いに行ける。家族全員で静かに暮らせる・・・」父母と干禁、張遼と・・・性別も知らない自分の子。恐らく名前は張虎だろう、と高順は思う。当面の夢はそこかなぁ、と高順は笑う。そりゃ、誰の天下ですかねぇ・・・と魯粛は思ったのだが、口にはしなかった。まあ、曹操ではあるまい。本人から聞いた話だと随分と相性が悪く聞こえるし、曹操の天下を望むのなら最初から向こうに付いていただろう。自分で天下統一を狙うような御仁でもなし・・・そうなると、消去法で孫策殿だわな、と魯粛は納得した。この後は、何故か個人の武勇談の話になり、魯粛も太史慈もなかなか面白い逸話(競争相手を出し抜いたり、周りの人々に気違い扱いされたり)を持っていたが、高順は何度も何度も死にかけた話をする羽目になった。孫家に仕えるまでの高順の経緯には魯粛も興味があったようで、色々な陣営を渡り歩き、時には賊扱いをされ・・・という話を聞いて普通に驚いていた。戦で死に掛かったよりも母親の一撃で死に掛かっていたことのほうが多い、と聞かされて魯粛達以外は「さもありなん」と頷いており、意味不明である。そういった話を聞けば、幾度も死線を潜り抜けてきたという話も嘘ではないようだ。孫家の重鎮でも同じようなことを経験した人は多いだろうが、高順は主君を殺され、賊扱いをされ、その仇に拾われ・・・。しかも、行く先々の陣営でそれなりに遇されて、一時は太守と言う厚遇も受けている。ここまで波乱万丈な生き方をしている人も珍しいのではないだろうか。高順の苦労話を聞きながら、魯粛はそんな事を思っていた。宴は終わり。殆どの者が酔って眠りこけている中で、魯粛は蹋頓に「すいやせん、ちょっとお願いがあるんですけどね」と喋りかけた。「はい?」蹋頓は浴びるほどに酒を飲んでいた筈なのだが、一向に潰れていない。むしろ、酔っ払っておらず素面に見える。「いやね、ちょいと旦那に話がありやして・・・その、ねぇ?」なんとも歯切れの悪い言い方であるが、蹋頓はそれとなく察したらしい。眠りこけている人々に自室で寝るように声をかけ、太史慈には空いている部屋に布団を敷くのでそちらにどうぞ、と促してから「ごゆっくりどうぞ」と頭を下げて部屋を出て行った。魯粛は「すいやせんね」と思いつつ、回りと同様に眠りこけていた高順を起こす。「旦那、だーんーなー。」「ん・・・んぉ? あれ、寝てたのか・・・ん~・・・」ぐぐっ、と伸びをして高順は起き上がる。「眠ってるところ悪いんですけどね。ちょいとお聞きしたいことがありやしてね?」「聞きたいこと・・・。ふぁあ」欠伸をかみ殺して「何を聞きたいのさ?」と高順は問う。「いやぁね、ちょいと小耳に挟んだ話なんですが・・・旦那、婚約者がいるそうで?」「ぶふっ!? ・・・な、何で知ってるの・・・?」大当たり。「にっしっし。睨んだとおりって事かぁ。どこのご令嬢で? このこの」羨ましいねうりうり、と肘でつんつんと高順をつつく魯粛。「っとにもう。聞きたければ正攻法でくればいいじゃんよ。酒で酔わせて情報引き出そうとか、搦め手使う必要ないのにさぁ」「いや、そういうつもりじゃなかったんすけどね・・・。そもそも酒持ってきたの子義(太史慈の字)ですし」「それもそうか・・・。でも、何でそんな事聞きたがるのさ? それも子敬の戦略?」「・・・っと。いやはや、旦那も鋭い。」鈍いくらいだよ、と高順は苦笑した。高順は正史における魯粛の戦略を知っている。そういう意味で、婚約の探りを入れてきたのだろう、と感づいていたのである。「ま・・・隠すほどでもないけどね。西涼の馬家の跡取り娘の馬超殿。一応、俺と彼女は婚約しているらしいね。」「らしい? 当事者なのにえらく曖昧な。」「ははは。親同士が勝手に決めたことでね。本人たちがソレに納得するかどうかは別のお話ですし・・・いや、ちょっと待て」「はぁ?」「もしかすると、彼女の妹たちまで「婚約者」の範囲に入っているのかもしれん。あの母上だしな・・・」「・・・・・・(汗」どんな母親だ。~~~同日同刻、西涼にて~~~「っくし!」「どうしたの、お姉様?」「風邪なのですかー?」「いや・・・誰か噂して・・・ふぇ、っくしゅ!」 ~~~西涼編、完~~~魯粛は「泊まって行けばいいのに」という高順に断りを入れて、館を辞した。(去り際、高順に「蹋頓さん、良い人ですなぁ。大事にしてやってくだせえよ?」と言っているが、「当たり前だろう」と返されている。魯粛は歩きながら、先ほどの話を思い返していた。実は、魯粛は高順と馬超が婚約者である事を前から知っていた。反董卓連合が結成される以前から各地の情報を集めており、その中の1つとして覚えていたのである。高順から聞き出そうとしたのも本人の口から事実である事を聞き出そうという意図があっただけ。相手が馬超だろうが、その妹であろうが、たとえ馬騰であっても、何の問題も無い。正しくは高順が西涼馬家の女性と強い結びつきがある事を本人から聞く、と言うべきか。魯粛は、天下二分の計を念頭において戦略を練っている。その中身は「この国の南を孫家が制する事。西の益州を切り取り、西涼の馬家と盟を結ぶ事。」で、戦力が整い次第曹操に一斉攻撃を仕掛ける、というものだった。暗愚ではないが、凡庸である劉璋治める益州は孫策や周喩であれば切り取れるだろうが、西涼はそう簡単にいくまい。何せ屈強な騎馬隊を擁する馬家だ。長年の乱で鍛えられた兵は手強いだろう。その馬家を屈服させるために戦って戦力をすり減らすよりは、盟を結んだほうがよほど賢い。当然、それが上手く行くとは思えない。曹操だっていつまでも西を放って置く筈がないのだ。もし、曹操が自分達よりも早く西涼を陥落させ、或いは馬家が壊滅すればそれこそ馬超と婚約をしていた高順を推し立てて西涼奪還の為の御旗としてしまえば良い。そして、高順に西涼を任せ、西からの異民族の備えにして且つ曹操に対して圧力をかける立場になってもらうのだ。この場合従属とは行かないまでも、ソレに近い力関係になるだろう。自分たちが進出するまで馬家が無事であれば、高順を中に立てて同盟交渉の材料になる。盟約を結ぶ、奪還する、復興させる。その全てを結ぶ存在として、馬家と深い関係にある高順が活きるのである。魯粛は、高順をそれだけの存在と思っていないし、孫家の首脳陣もそんな事を考えはしないだろうが・・・。実力やら何やらより立場のほうが強い意味を持つ。この件に限ってはそれだけの事であって、高順擁する戦力はこれからの戦いに必要なものなのだ。それに、どちらかといえば。(しっかし・・・こちらの考えを読まれてるたぁね)魯粛はそちらのほうにこそ驚いていた。やっぱ、あの旦那は鋭い。下手に隙を見せるのは危ない。普段は茫洋として、自分が罵られてもあまり気にしてないような感じなのに、先ほどの話ではこちらを射抜くような眼光の鋭さを垣間見せた。何も言わなかったが、自分の思い描く天下二分の計もある程度気がついているに違いない。あの御仁が敵でなくて、本当に良かったよ・・・と、魯粛はしみじみと思うのであった。(完全に誤解である。魯粛は、ありのままを孫策と周喩に報告。周喩は「ほぅ・・・」と唸り、孫策は「げっ」と声を出した。周喩としては(これで、高順が嫌がらせをされることは少なくなるか。しかし、西涼の馬家とも知遇があるとは・・・彼の交友関係はどうなっているのやら)孫策は(うーわ。西涼に逃げる要素が出来ちゃったか・・・こりゃ、本気で嫁用意しないと・・・)・・・あの宴席の話は、どうも本気だったようです。~~~リクエストに応えてみた~~~ある日の宴席にて。高順一党はいつもどおり下座を占領、仲間内でちびちびとやっていた。とは言っても、太史慈は高順の隣にいるし、陳武や董襲といった武官が「是非お話を」と高順の元までやってきたり・・・と、それなりに賑やかである。寿春攻略戦の後、武官で高順をけなすものは殆どいなくなった。きっちり働きを見せればそれを評価する、というのは当然なのだが、孫家の武官は高順の戦いを見てそれまでの悪意を見せなくなった。割とさっぱりした気質の人が多いのか、「いや、まさかあれほどとは」と感心してくれたらしい。黄蓋や周泰なども下座まで来てくれたし、孫権や孫策は流石に下座までは来なかったが、高順一党を上座に呼んで色々と話をしていたのである。そんな中、一人の文官が騒ぎ出した。どうも、高順に対しての悪口を言っているらしい。宴席でそういう事を言うものではないと思うのだが、酒に酔った勢いで・・・ということらしい。その文官の名は呂壱と言った。この男の役職は文官と言うか官僚と言うべきなのかもしれない。仕事は「文書行政の監査」であり、軍政どちらに対しても何らの権利はない。だが、ある事ない事を孫策に上奏して重要人物を遠ざけて自分が権力を握ろうと画策したのである。当然孫策はそんな讒言を信じるような耄碌した人物ではないし、そもそも周喩が国政を握っているのでまるっきり意味は無い。未だに立場の固まっていない、そして何を言っても反論してこない高順の大人しさを良いことに、自分の思い通りに行かないという憂さを酒の勢いでぶつけていたというのが本音だろう。「なあ、高順」「ん、どうしたよ、子義」太史慈は、隣の高順に話しかける。「あいつ、また言ってるぞ・・・」「あー。いいよ、放っておけ」高順はいつものことですよ、と肩をすくめた。今回は武官がそういった悪口大会(?)に参加していないし、孫策や孫権と言った人々も「また始まったか」と苦虫をかみ殺したような顔をしている。趙雲らも宴席に参加しているが、高順と言う武将に仕える武将、という立場である為か文句も言えず歯を食いしばって耐えるのみ。「俺が悪口言われても怒る必要は無いからね」と言ってあるのだが、こう毎回繰り返されていては腹の虫もおさまらないだろう。蹋頓も沙摩柯も涼しい顔で酒を飲んでいるが、内心では頭にきている感じだった。「しかしなぁ。お前も少しくらいは怒った方が良いぞ?」「俺の悪口で済んでいる間は安いもんだよ。・・・たまーにへこたれるけどさ」それ、安くないだろ・・・と太史慈はぼやいた。それで終われば良かったのだが、ここで呂壱は無用なことを言ってしまった。「薄汚い異民族がこの場所にいるなんてどういうことかなぁ。どうせ、男に股を開いて武将の地位を買ったのだろうさ」という意味合いの事を。これを聞いた瞬間、空気が冷たくなった。趙雲、楽進、李典・・・彼女達は呂壱を睨み、殺気を漲らせる。蹋頓と沙摩柯は辛そうな表情だが・・・問題は高順であった。(うわ、やべえ!?)太史慈は焦って高順のほうへ振り返るが、既に高順は立ち上がって呂壱のほうへと歩き出していた。「む・・・何だ、役立たずの降将か。何の用だ」呂壱は酔っ払って高順へと挑むような物言いをした。宴席であり、誰も武器など持っていないし、このような場所で殺しなどできるはずもないと高をくくっているがそれが命取りとなった。高順は右手で座っている呂壱の髪を掴んで、持ち上げる。「ぐあっ!?」「おっさん、今なんて言った?」「な、何だと・・・」「俺の家族に「股を開いた」とか言ってたよな・・・」「べ、別にお前の女の事とは」「あの2人しかいないけどな。お前曰く「ここ」にいる異民族は。」「うっ・・・」呂壱は殺気の篭った眼で睨まれ、ただただ震えるばかり。この場にいるほかの人々は今まで見たことのない高順の怒りと殺気の鋭さに驚いて、ただ呆然とソレを見ている。孫権は「高順、やめなさい!」と叫んでいるし、太史慈は高順を止めようと走りよって「待て、ここで殺しは不味いだろ!」と言い聞かせているが高順は全く聞いていない。「大した苦労も仕事もしないくせに言う事だけは一人前。そんな悪い口は・・・この口かな」高順は左手で呂壱の顎を摩ってから、下側から抉りこむような拳打を喰らわせた。「ぼぶぎゃああぁっ!!」歯が折れ、血まみれになる呂壱の口。高順はそんな苦悶の声を完全に無視して、今度は掌で呂壱の顎を強打。「うるさい、黙ってろ」「べぐっ!? げが、はぁぁあ」折れた歯が歯茎や舌に刺さり、更に苦痛の声を上げる。彼の口内から血が溢れて高順の右手を濡らすが、全く気にせず呂壱を地面に引き倒した。「どうした、痛そうだな。消毒で酒でも使うか?」「ひゃ、ひゃのむ、ゆるひ、てぇ・・・」命の危険を感じたのか涙で顔をくしゃくしゃにして許しを請う呂壱。しかし高順は・・・「断る」冷酷に言い放ち、引き倒された呂壱の顔を踏み砕いた。ごしゃり、という嫌な音が響き顔を踏み潰された呂壱は絶命した。顔の表面だけを砕いただけで中身が飛び散ったわけではないが、血はドクドクと流れ続けている。高順は顔色1つ変えない。「・・・ああ。失礼した。後始末をするので、皆様方はどうぞこのまま」周りの沈黙に今頃気がついた高順は、笑顔で言って呂壱の遺体を引きずって退席しようとした。この沈黙は「あの高順が最初から殺すつもりで・・・」という戦慄と「あの馬鹿、もう少し場所を考えろ・・・」と顔を顰めている2種類の反応だった。前者は黄蓋など親しい間柄の人々が多く、後者は孫策や周喩といった宴の主催者の思考である。「ま、待て高順。お前、後始末って・・・」太史慈が声を震わせて聞く。「ん? ああ、これか? 路地裏にでも捨ててくれば野犬が始末してくれるさ」「・・・・・・。」絶句する太史慈だが、高順は普段と変わらぬ様子である。仲間達に声をかけて共に去っていく高順であった。こんな状態で宴の続きなどできるはずも無く、その場はそれなりに流れて解散と言うことになった。流石にこれはやりすぎだ、と孫策は高順に対して謹慎を言い渡している。孫権の制止を聞かなかった=上の人間の面子がたたない、ということらしいのだが孫策が止めようとしなかったし、「寛大な処置を」と頼みに来る者が多かった為かすぐに謹慎も解かれている。(それには孫権が含まれていて、「あそこまで言われて怒らぬほうがおかしい」と言っている。実は孫策すら「あーこれで五月蝿い奴がいなくなったわー」と清々していたし「そりゃ自分が大切にしている人を股を開いて云々言われたら殺意も沸くわよねぇ」と考えていたので最初から厳罰にするつもりがない。名目としてある程度の罰を与えないといけないし、宴席を開いた自分の面子があるのでそうしただけ・・・という側面が強かった。この一件以降、高順への嫌がらせは極端に減った。たとえ宴であろうと、例え主君である孫策の目の前であろうと関係がない。家族を馬鹿にされた瞬間、躊躇無く本気で殺しにかかってくる現場を見たのだから。同じく現場にいた魯粛は「怖えー! 旦那本気で怖ぇぇー!」と思ったそうな。~~~楽屋裏~~~夏ばてきついですねあいつです(挨拶こんな感じの孫家的日常でございます。実は高順と馬超の婚約、というのは今回のネタに使うための話でした。まあ呉でなくても蜀でも魏でも同じネタを使用できたのかもしれませんが。ちなみに、呉での天下二分は周喩の打ち建てた策でもありますね。劉備を呉にとどめておいて、曹操が漢を滅ぼした後に劉備を旗頭にして・・・という策だと思います。魯粛の場合は「漢なんて関係ないから勢いに乗りましょうぜ! 孫家が皇帝になれますYO!」 な感じだったと思いますがw劉備は益州制圧に数年掛かりましたが、周喩が益州攻めをしたら・・・もっと少ない年月で制圧した気もします。(あいつの妄想しかし、(正史)孫権では周喩を使いこなせないのではないかなぁ、とか考えたりもします。(これも妄想そして、リクエスト。・・・これ、やりすぎちゃったんじゃないかなぁ(汗でも孫策は佞臣を嫌いそうですし、甘い処罰でもいいんじゃね? な感じでやってしまいました。本当なら高順に対してはもっと重い罰だと思いますよええ。・・・。文官と武官って同時に宴席に出るものですっけ?(ぉぃ・・・・・・え? 何? 西涼編もう終わりかって?うん。(ぁぁあ 番外編。ぱk・・・インスパイアされて書いたら思った以上に酷くなった。わーにんぐ! ここから先は酷くあれと言うか卑猥な発言が出てきます。その上パクッテマス。それでも良い方のみお読みください~~~あとがきふゆかい話・高順くんご乱心~~~出てくる人:高順くん・華雄姐さん・沙摩柯さん。高順(以下、高)「ハイハイハイ、まーそーいうわけで高順なんですけどねいやーほんとー。がんばってまいりましょうさーいきましょー。」華雄(以下、華)「あ、あの」高「まー高順さんとしましてはこれからバリバリにがっんっばっつって世界中をピンクだの桃色に染め上げよっかなーと思ってるワケなんですけど。」華「あの・・・高順。一体どうしたんだ、お前・・・何か悪いものでも食ったのか?(汗」高「何か用ですか貧乳姐さん。少しはパイオツでかくする努力したらどうなんですか。そんなだから萌将では人物紹介もないんですよ? そんな微妙な乳の分際で露出度高いとかなめてんですか? あと、そろそろ葉雄って呼ばれるべきです貴方は。」華「ひ、ひんっ・・・・・・酷い! こんな屈辱、孫堅に晒し首にされた時以来だぞ・・・!?(めそめそめそ」高「あっ・・・泣いちゃ駄目ですドンマイ! 貧乳も微乳もステータス&希少価値! 世の中広いんですから、そういうのが好みの人もいますって!」高順の言葉に、華雄は涙目になりつつ振り返る。華「・・・マヂで?」高「マヂです。」そう言った高順だが、くるっと振り返った先にいた沙摩柯の巨乳を見て・・・高「うそです。巨乳こそが、まさよしじゃなくてヂャスティス。」(華雄を指差しあっさり前言撤回した。高「俺の夢はおっぱいの、おっぱいによる、おっぱいのためのオッパイランド(きょぬー開放宣言)。乳の無い人はあれです、出番なしで良いですし主君の座から降りるべき。」(Σ!? by曹操)華「お前、さっきと言ってる事違うぞ!?」高「違いません。ちーがーいーまーせーんー。胸の無いのは罪。次の恋姫出るまでに、胸の先っちょでビキニを支えられるくらいのきょにゅーになってきてください。」沙摩柯(以下、沙)「お、お前な・・・それはちょっと言いすぎだぞ!? 姐さんに謝れ!」高「・・・沙摩柯さん、つまりシャマカ。カをラに変えるとシャマラになるんですね。なんか次世代のチ○ボコみたいでかっこいい。明日までに改名してください。さもなきゃ華雄姐さんが酷くエロイ目にあうんで」沙&華「Σはぁ!?」姦いや完~~~楽屋裏~~~・・・正直すまんかった(´・ω・`)