【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~~高順伝外伝 河北の王・袁紹伝~~~ 第1話。河北、渤海という地。この渤海の太守であり、河北最大勢力を誇る袁紹。その袁紹は城の大広間で・・・。「をーほっほっほっほっほ!!!」馬鹿・・・じゃない、高笑いをしていた。董卓陣営が崩壊し、各諸侯は己の根拠地に戻っていった。袁紹もそうだが、彼女だけは帰還してすぐに勢力拡大を図ったのである。元々兵力が多かったせいもあるが、瞬く間に南皮(なんぴ)を併合。劉備の拠る平原にも圧力をかける。袁紹の馬鹿笑いは、南皮を兵力の損失無く取り込んだ事に満足したからである。袁紹。字を本初。河北最大勢力である袁家には、従う将も多い。謀臣としては田豊、郭図、逢紀、許攸。武将としては顔良・文醜。麹義、朱霊。他にも審配、王修、蘇由、周昂、崔琰、陳琳・・・多くの配下が居る。袁紹本人が働かなくても、他が働くので楽は楽なのだが・・・。そのせいで、袁紹本人の資質が丸つぶれであった。名族の生まれである袁紹は、幼い頃から我侭放題でそれが普通の環境であった。そんな我侭な彼女だが、内面は優しく涙もろい。顔良や文醜も袁紹の我侭に振り回されっぱなしだが、それでも彼女を見捨てずついて行くのはそういった内面を誤解せずきっちりと理解しているからこそである。さて、それは置いておくとして。城の大広間には、殆どの武将が集っている。いないのは募兵に出ている審配と、袁紹に直言はばかることのない田豊くらいであろうか。その広間に居た軍師の1人である郭図が、ご機嫌な袁紹に進言をした。「殿、一つ宜しいでしょうか。」「あら、何かしら、郭図さん?」郭図は、外面を見れば・・・まあ、解り易いくらい陰険な顔をした男である。逢紀、許攸もだが自身の栄達ばかりを考えている節があって、気に入らない人間はどれだけ優秀でも諌言しまくりという、主君にとってはた迷惑な軍師である。その郭図の進言である。良識のある武将は皆、どこか嫌そうな表情をしていた。「はい、わが殿の威光は四海に遍く(中略)。いかがでしょう、この余勢を駆って鄴(ぎょう)を奪われては?」「鄴? あら、韓馥(かんぷく)君のところですわね。」「は。黄巾の乱の後、鄴は復興著しく。わが殿の威光であれば、韓馥など瞬く間に降伏し忠誠を誓いましょうぞ。」このゴマすりに、軍師陣は皆「その通り!」と袁紹を誉めそやし、顔良らは「また始まったか・・・」とうんざり気味である。ただ、袁紹はこの言葉に微妙に不快感を持った。「郭図さん、韓馥など、と申しましたわね? ・・・何だか気に入りませんわ。」実際はお馬鹿なのだが、割と情理で動く事のある袁紹には妙に気に入らない事だったらしい。これには郭図らも驚いて「いえいえ、これは言葉のあやと言うものでして」と弁解をしている。「しかし、この河北で覇権を握ろうと思うのであれば鄴を得るは必須ですぞ」「う・・・うーん。」「我らの兵力は10万以上、鄴の兵力はそれほど大きくありません。兵を出して降伏を促せばすぐに決着がつきましょうぞ!」「公孫賛が攻め入ろうとしている、とでも言って兵を救援に差し向ける振りをするのです。さすればすぐに軍権を奪えましょう。」公孫賛が攻め入る、というのには理由があって、彼女は現在劉虞と交戦状態にある。交戦と言っても、公孫賛から仕掛けたわけではなく、劉虞が攻撃したのだ。劉虞は反董卓連合に参加しておらず、公孫賛の兵力が多少弱体化したことを見越して行動に移したのであろう。彼の軍師に魏悠(ぎゆう)という人物が居たが、魏悠は公孫賛を攻撃したがる劉虞に「彼女の才は今の時代に必要なもの。どうか私怨を忘れなさいませ。多少気に入らぬといっても目をつぶるべきです」と常日頃から説得を続けていた。魏悠が生きているうちは我慢していたようだが、その魏悠が病死。劉虞はすぐに軍を起して根拠地である薊(けい)から東進、公孫賛の本拠である北平へと迫る。が、劉虞には軍事的才能は欠片もなかった。心ならずも迎撃に出た公孫賛の軍勢に火計で攻められ、また白馬義従に散々に追い散らされて命からがら薊に退却。公孫賛としても、攻撃をされた以上黙っているわけにも行かず薊へと軍を出す。現状がそういった所で、もしかしたら南へと攻めてくるかも・・・と疑心を起させようと言うのだ、そう言って畳み掛けていく軍師陣。それに大して顔良は「まだ南皮を併合したばかりなのに、そんなに兵を動かしてどうするんですか!」と反論をする。許攸が「鄴を併合した後に内政に励めば宜しいでしょう!」と更に反論。袁紹軍は毎度こんな感じだ。配下同士で議論をすることが許されているが・・・肝心要の袁紹の判断が伴っていない。これが曹操や孫策ならば、ある程度の方策を打ち出した上で部下の進言を聞くという形なのだろう。ところが袁紹は方策そのものですら部下に丸投げしてしまっている。それが妙に上手く行くときもあれば、逆に大失敗であったり。ともかく、今回の出兵には顔良や麹義など、主だった武官は出兵に反対。郭図など強硬派は顔良らと議論をせず袁紹本人に出兵を求める。「殿、ここで兵を出さぬのは天意に反しまするぞ!」とか「顔良殿の言い分は現状意維持の消極策ですなぁ」など、景気のいい言葉ばかり並べている。袁紹もあっさりそれに乗せられて、「なら、出兵ですわ!」とか決めてしまう。「ぇええ・・・麗羽(れいは。袁紹の真名)さまぁ・・・」顔良は何とか袁紹を思い留まらせようと食い下がるが、袁紹は「をーほっほっほ!」と馬鹿笑いをしていてまるで聞いていない「ねぇねぇ、文ちゃん。文ちゃんも反対してよぅ」顔良は隣に居る文醜の袖をくいくいと引っ張る。だが、文醜は「ふぁぁ」と欠伸をして・・・何と言うかやる気がない。「ちょっとぉ」「あー。無理だってば、斗詩(顔良の真名)。あーなった麗羽さまが人の意見聞くわけねーじゃん?」「あぅ・・・そうなんだけど。」「ほら、今攻めなくたってどーせどっかで攻めるんだし。伸るか反るかってやつ?」「・・・すっごい極端だよね、その考え方。」相方の無茶理論のせいで痛くなった頭を抑えつつ、顔良は「はぁあああ・・・」と溜息1つ。袁紹という変な主君と、猪突猛進、たまに袁紹と共に騒ぎを大きくする文醜のせいで、思考も行動も一般人な顔良は普段からどれだけの苦労をしているか。偵察・部隊の指揮・袁紹の身の回りの世話、護衛など。これだけやって倒れないのは苦労に慣れてしまったから、というところだが・・・本人からすれば「そんな慣れ方やだなぁ」と思うだろう。そして、話は誰が向かうか、である。これは袁紹がすぐに決めた。「そうですわねぇ・・・麹義(きくぎ)さん、先鋒軍は貴方が大将としていきなさい。副将は高幹(こうかん、袁家の血縁)補佐としては・・・郭図さん、逢紀さん、許攸さん。」「はっ!?」「あら、何ですの? 言いだしっぺは貴方達ですわ。」「むぐっ・・・」麹義以外の3人はむっつりと押し黙った。彼らは危ない場所には絶対に行きたがらない。自分の発言に責任も持ちたくないから、そういう荒事は全て他人任せである。そのあたりを考えると田豊は剛毅だ。現在彼は、郭図らの諌言を真に受けた袁紹に蟄居を命じられて自宅にいる。もともと直言はばからぬ人なので、正しいことを言っているのを理解してても袁紹には煙たがられていてそんな結果になってしまっている。そんな扱いを受けても袁紹を見捨てぬ辺り、素直なのかそうでないのか。「後詰として、私が2万を率いますわ。ただし・・・韓馥君は、絶対生かして私の前に連れて来るように。殺してはなりませんわ! ・・・宜しいですわね?」「ははっ」軍師陣が余計なことを言わぬうちに、と麹義と高幹は平伏した。少し補足をすると、現状の袁紹軍で兵の統率力・・・扱いが上手いのは麹義か審配だろう。その次が顔良、文醜と続く。袁紹の血縁でもある高幹もそこそこだが軍を使うことは上手く、副将につけたのも箔をつけてやろうとしたのかもしれない。こうして先鋒軍3万、後詰に2万。総勢5万の大軍勢が鄴に向かおうとしていた。さて、鄴。こちら側でもすぐに袁紹が進軍してきた事を察知して「さあどうする」と主要な人々が会議を行っていた。会議を行っているのは韓馥、張郃・高覧・沮授・辛評など、韓馥配下主要武将だ。鄴は裕福な土地柄で、黄巾の中核軍に占拠されていた時代もあったが、復興は早かった。楽進の攻撃でボロボロにされた北城壁の補修には手間どっていたようだが。兵士もやろうと思えばすぐに3万なり4万なり集める事ができる。もっとも、韓馥は「まず復興を第一に」という目標を掲げていたために、現在の兵数は1万数千。兵を募集したところで、装備があるわけでも無く、兵数が5倍近く。北城壁をすぐ突破される事もわかっている。張郃・高覧が実戦部隊の指揮を行い、策を出すのが沮授。後方で支援に徹するのが韓馥と辛評。これが彼らの布陣なのだが、さすがに5倍近い軍勢に抗えるはずも無い。「どうなさるおつもりか、韓馥殿。」張郃の言に、韓馥は「抗戦をしても勝ち目は無いです。それなら降伏するしかないんです。」とだけ応えた。韓馥は10代半ばの若い・・・少年と言っても差し支えがない。袁紹とは、幼い頃からよく知っており、顔良らと同様袁紹の性格を誤解せずに理解している。袁紹にしても自分を殺すかどうか解らないし、降伏さえすれば自分はともかく、兵と民の命は安堵されるはずだ。「されど、それでは韓馥殿のお命が危うくないか?」「うん・・・そうだろうね。僕もそう思うけど・・・それで皆の命が助かるなら。」それに、いきなり攻撃される訳じゃないよ、と韓馥は笑う。戦力差があったからといって問答無用で攻撃を仕掛けてくるとは考えにくい。袁紹軍がきたのなら、自分から降伏を願い出てもいいとすら思っている。「ま、そのときが来たら来たで、この老骨の首も差し出すと致しましょうかの。」そう言って笑うのは辛評。老骨と言うほどの年齢ではないが、彼は韓馥軍では一番年上である。またそのような戯言を、と苦笑するのは沮授。彼女は韓馥の軍師だ。君主である韓馥が一番年下だが、心優しい彼は将兵にも民にも慕われていた。「どちらにせよ、すぐに応戦する準備をする必要はあります。袁紹の目論みは間違いなく、ここ・・・鄴の占領でありますれば。」「左様、いざ戦とあらば我らにお任せを。なぁ高覧。」「おう!」「いざとなれば住民を退避させた上で、都市内に誘き出すこともありうる。それに・・・ふふふ、黄巾の時とは都市の造りを変えたのだ。勝ちを拾えなくともそう簡単にやらせはしない。」「待て待て。それでは負ける言い方ではないか。」「おっと・・・失礼。」戦力の差は大きく、また戦となることが決定した訳ではないが、彼女達はやる気満々であった。~~~真・恋姫†無双~萌将伝 発売決定を祝って~~~「よう、ヒロインの1人のはずなのに出番がない馬超だ。」「初めまして、じゃないかもだけど、このシナリオでは出番がないかもしれない馬岱だよっ♪」「まあ、祝うといいつつまともな話にはならないのが解りきってるけど・・・。」「そうだよねー。」「ところで、だな・・・」「ん? なーに、お姉さま?」「その・・・今回も20股・・・なのか?」「・・・。(沈黙)」「そ、そうなのか!? やっぱりそうなんだな!? あのやりt(削除)」「え、えっとぉ・・・その、すごぉく言いにくいんだけど・・・。」「は・・・? まさか、もっと・・・? い、いや。あの世界でのご主人様の事だ・・・さ、30股くらいなら許す!」「んっとね・・・まだ未確定情報だけど・・・出演する人々数えたら・・・その。」「その、何だよっ・・・?」「・・・50股くらい?」「Σ!?」「え、あわっ・・・まってお姉さま! こんなところで槍振り回しちゃ駄目だってばぁっ!」「うううううるさいー! こうなったらご主人様を焼いてから埋めて死なす!」「何その猟奇的な順番!?」~~~楽屋裏~~~どうも、応援しちゃってるあいつです(挨拶もしスタッフロールで名前出たら「先生、アホの子がここにいます!wwwww」とでも笑ってください(何をさて、ここからしばらくは外伝になります。高順らが孫家に合流、袁術を倒したりしている間の北の情勢・・・といった感じでしょうか。このシナリオの袁紹は最終的に原作とは違う感じになると予想。少しでもかっこよくなればいいなぁ・・・彼女にネタを期待している方には申し訳ありません、と最初に謝っておきます(笑それでは、以降しばらくは「外伝・袁紹伝」をお楽しみください。