【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第46話 反董卓連合。汜水関・一戦目。高順が洛陽に来て半年と少し。それだけの時間が経った頃、袁紹が橋瑁という男を動かして、偽詔勅を出させた。おおまかに言って「董卓が皇帝を蔑ろにして、洛陽で暴政を働いている。心ある諸侯は今こそ漢王室のため、大儀の為に挙兵し、姦賊董卓を滅ぼすべし」という内容である。この(偽ではあるが)檄に、各地の諸侯が反応して立ち上がった。まずは仕立てた袁紹、橋瑁(きょうぼう)。張邈(ちょうばく)・袁術・孔融(こうゆう)・鮑信(ほうしん)・孔由(こうちゅう)・王匡(おうきょう)・韓馥(かんぷく)・袁遺(えんい)・劉岱(りゅうたい)・公孫賛など。そして曹操・孫策・劉備・・・錚々たる顔ぶれである。董卓側も黙ってみていた訳ではなく、色々と折衝を繰り返し、各諸侯との共存を図ろうと努力をしていたのだが・・・袁紹があまりに自分勝手すぎて、董卓側としても持て余してしまったのである。もともと董卓政権を認めていない袁紹だったし、自分が一番上でないと気がすまないというお子様な彼女は自身の財力と権力を嫌な方向に活用。一大勢力を作り上げてしまったのである。こうなると、董卓側としても迎え撃つ算段を整えなくてはならない。洛陽の官軍を総動員して、東の虎牢関、そしてその更に東の汜水関に軍勢を派遣する事になる。(本来、この2つの関は同一のものだが・・・この世界には別々の関として存在したらしい防衛に適さない洛陽での戦いは最初から埒の外である。汜水関に華雄と張遼を派遣。そこで時間を稼ぎつつ敵戦力を削る。そして虎牢関に戦力を結集して、諸侯の軍勢との決戦を。それが賈詡の描いた計画である。賈詡には自信があった。血の気の多い華雄だけに任せるには不安が残るので、張遼を派遣する。高順らでもなんとか抑えられるだろう。その間に、投石機を虎牢関にありったけ設置。呂布を筆頭として、出来うる限りの戦力を虎牢関に集結。華雄・張遼を下がらせて一体と為す。呂布とその配下の騎馬隊による機動攻撃力と、投石機の攻撃を交えた攻撃的防御で反董卓連合の戦力を引き裂いてしまおう、ということだ。事実、賈詡の考えどおりに行けば・・・虎牢関はこの時点で最大の要塞と化すのだろう。出撃を命じられた華雄・張遼部隊だったが、その中には高順部隊がいなかった。高順は「用意しないといけないから」と1日だけ出撃を遅らせていたのだ。用意、というのは自分達が敗北することを見越しての「夜逃げ」用意である。用意と言っても、味噌倉を分解して、私財の処分やら何やら。勝てればいいが、負ければ戻れることは無いだろう、と今まで使用していた居館も綺麗に掃除をしている。それだけの事を行ってから、高順隊は出撃した。その中には兵士だけではなく、兵士の家族や味噌職人などもいる。その片付けの最中だが、高順は母である閻行に1つ、あるものを伝授されていた。居館で、母に呼び出された高順は何故か母の前で正座をしていた。「順、貴方にこれだけを教えようと思いました。これから先、どうなるか・・・予想もつかない情勢です。我々が死に別れるということもありえます。」「・・・随分と弱気ですね。」「冗談を言う訳ではありません。時に順。あなたは素手での殺りあいをしたことはありましたか?」「・・・いえ、ありません。」楽進と組み手を、という訓練ならばあるが命の取り合いで素手、というのはないよな、と思い至る。そうですか、と呟いた閻行は高順の左腕を右手で掴んだ。「・・・!? いででででっ、ちょ、たんまぁっ! 痛い痛い痛い痛い痛い!!」ぎりぎりと、万力か何かで締め付けられるようなもので、それだけで彼女が凄まじい握力の持ち主であることが解る。「「握撃」です。読んで字のごとく、握力のみで敵の体を破砕する・・・貴方も、相当な膂力の持ち主です。これを教えたくて呼びました。」「あぅぅうう・・・だからって、俺の体で試さなくても・・・。」「ふふ、ごめんなさいね、順。・・・武器を失ったとて、己の腕・足を使って戦うのです。諦めぬ限り、人には己の運命ですら踏みしめて立ち上がることができる物です。・・・忘れないように。」「・・・はい、母上。」いつもの冗談を言っている感じではない。彼女なりに学んだ事を、一部といえ息子に教えようとしているのであろう。その気持ちを感じて、素直に頷く高順であった。同じ頃、汜水関の東では連合軍が集結をしていた。各諸侯が陣幕に集まってあれこれと会議をしているのだ。そこへ、一番遅れて劉備の軍勢が到着した。「ふわぁ・・・兵隊さんがたくさんいるよ、愛沙ちゃん、朱里ちゃん。」劉備は関羽と諸葛亮を真名で呼びつつ、馬上で辺りを見回した。諸葛亮。字を孔明。知る人ぞ知る、三国志最高の軍師であり政治家。話によっては火薬を使ったり、東南の風を起こしたり、延命祈願を行ったりと無茶っぷり甚だしい人物だが・・・この世界では。「はわわっ」「あわわっ」・・・相棒である鳳統と共に、はわわ軍師・あわわ軍師と呼ばれてしまうちびっ娘達である。鳳統も、諸葛亮に負けぬほどの智謀の持ち主なのだが2人揃ってドジであり、不名誉極まりない先述のあだ名で呼ばれてしまっている。「そうですね、桃香様。・・・これほどの軍勢が集まるのを見ると、流石に威圧されます。」「にゃはは、愛沙おねーちゃんは無駄に緊張しているのだ。」「何だと、鈴々。私は・・・」「ああ、もう、駄目だよ2人とも。でも・・・本当にすごいなぁ。」劉備の言葉に、帽子を風に飛ばされないように押さえている鳳統が頷いた。「そうですね、各地の諸侯が一堂に会しているんです。陣地の中央にたなびく旗は・・・袁の一文字。袁紹さんの旗ですね。」「ふむ、曹操殿と・・・あれは孫策殿の旗か。見覚えがあるぞ。」「どこもかしこも、凄いのだ。」そうやって、田舎者っぽい感じであちこちを見回していた劉備たちの元へ、金ぴかの鎧に身を包んだ兵士が近づいてきた。「長の行軍、お疲れ様です! 貴殿のお名前と兵数をお聞かせいただけませんか?」おそらく、袁紹軍の兵士なのだろう。「ええと、私は平原の相、劉備です。1万2千の兵士を率いて参陣いたしました。連合軍の総大将にお取次ぎをお願いできますか?」まず、尋常な言い方である。兵士もそれを紙に記載してから、困ったように返事をした。「ははっ! ・・・しかし、何と言いますか。恐れながら、連合軍の総大将がいまだ決まっておらず・・・。」「何? これだけの軍勢が集まってどれほどの時間が経っていると・・・にもかかわらず、総大将が決まっていない?」「その、申し訳ありません!」「え? あ、いや。」そのつもりは無いが、関羽の言い方が少しきつくなってしまって兵士が萎縮してしまう。「でも、それじゃ今は何の軍議をしてるのだー?」と、張飛がもっともな質問を口にしたところ。その背後から誰かが声をかけてきた。「その総大将を決めるための軍議をやってるんだよ。」声に振り向いた劉備たちの顔が、驚きと喜びの色に染まる。「あ・・・白蓮(公孫賛の真名)ちゃん!」「やあ、桃香。皆も元気そうで何よりだよ。」「うん! 白蓮ちゃんも元気そうだね!?」「はは、お蔭様でね。で、総大将なんだけど、さ・・・冗談でも何でもなく、本当に決まってないんだよ。」言われる前に、公孫賛は事実のみを言った。「どうしてでしょう、諸侯の主導権争いがそれだけ激しいのでしょうか?」諸葛亮の疑問に、公孫賛は困りきった顔で呟いた。「そんないいもんじゃないよ・・・むしろ、皆そんなもんやりたくないって感じだ。責任もついてまわるしね・・・それで軍議が進まない。」「そんなもの、やりたい人にやらせれば。」「・・・そうなんだけど。やりたそうにしてる奴が自分から言い出さないんだ。周りに言わせようとしてる。」「えっと・・・それを言えば責任を追うことになるから誰も言おうとしない。でもやりたい人は自分で言わない。だから話が進まない・・・?」鳳統の言葉に、公孫賛は頷いた。「まさに、その通り。・・・腹の探りあいばっかでね。疲れたから軍議からちょっと抜け出してところで皆に出くわした、ってわけだ。」「権力争いを大真面目にやってるけど・・・はぁ、この間に董卓軍は軍備を整えているのでしょうね。」「まったく。英雄駿傑と呼ばれる者がそろってこの様か・・・。」鳳統・関羽は同時に嘆息した。大儀の為に集まったはずの諸侯は、足の引っ張り合いに終始しているのだから。皆の愚痴を聞いているのかいないのか、劉備は、陣幕に向かって歩き始めた。「え、桃香様!?」「こうしている間にも、洛陽の人々が辛い思いをしているかもしれないんだよね。だったら・・・!」「ま、待ってください! 今我々が行ったところでどうなるものでも!」「そうなのだ!」関羽と張飛が後ろから劉備を引っ張ってとめる。「うぎゅぅ・・・」首が絞まったのか、劉備が変な声を挙げた。「はぁ・・・変わらないな、桃香。・・・まあ、愛沙達の言う事も正解だ。今の私やお前が何を言った所で・・・影響力は無いだろうな。」「むー・・・じゃあ、どうすればいいの?」「ぇと、あのぅ・・・率直に「総大将決めれば?」と言うのが一番いいと思いますっ・・・。」鳳統が挙手して言った。「白蓮さんが言った通り、腹の探りあいなんです。空気を読めない振りをしてまっすぐに「早く」と急かせば・・・。」「なるほど! って、それじゃ私達が責任を負うことになるよね?」「でも・・・こうやって無駄に時間を過ごすよりかは・・・」劉備は少し考えて、それしかないと思ったのか。決意をして陣幕に乗り込んでいった。のだが・・・。彼女が踏み込む数瞬前に、総大将が決まっていた。公孫賛が出て行った後、袁紹と共謀していた韓馥の支持によって、袁紹が総大将となっていたのだ。早く軍議を進めたい曹操や孫策が適当に「それでいいんじゃない?」と支持もした為に、あれよあれよと決まってしまった。勢い込んでいったはいいものの、活躍の場を奪われた劉備はがっくりと肩を落としたのだった。(可哀想に・・・軍議が終わって、陣幕に残ったのは袁紹・袁術、そして供回りの顔良やら張勲、そして諸侯の1人である韓馥である。「おーっほっほっほ! 皆さんのおかげで、軍議は滞りなく終わりましたわ。韓馥さんには感謝してもし足りないくらいですわ・・・おーっほっほっほ!」手を口に当てて、馬鹿みたいな高笑いをする女性が袁紹である。曹操以上にくるくるな金髪ロールで、金ぴかの鎧に身を包んで・・・正直、ちょっと可哀想な人にしか見えない。文武共に曹操に激しく劣る彼女だが、背丈の高さとスタイルの良さでは激しく勝るくらいだ。その袁紹に韓馥は困りきって苦笑している。その韓馥を見て、袁紹お付の顔良と文醜は「ああ、彼も苦労しているなぁ・・・」と、同情してしまうのだった。韓馥。彼は、見たところ14~5歳、まだあどけない感じを残している少年である。その性格のせいで友人の少ない袁紹が、珍しく心から友人と呼べる存在である。(公孫賛も共通の友人であったりする袁術にとってもそうなのだが、幼い頃から袁家の令嬢達に振り回されていて慣れているのかもしれない。友人が少ない袁紹の、心根のまっすぐなところや優しい部分をきっちりと理解して、普通に接してくれる韓馥である。顔良らとも仲が良く、彼女達に「良心そのもの」と評される優しい少年であった。曹操、そして孫策は自陣に帰ってから「疲れた・・・」とばかりにため息をついた。総大将を決めるための腹の探りあいもそうなのだが、その後の作戦でも頭痛を感じてしまう。「華麗に雄雄しく、美しく進軍・・・はぁぁぁ・・・。」2人とも、同日同時刻。同じことを呟いて同じことでため息をついているなど夢にも思わなかっただろう。さて、孫家の陣地。孫策は周喩を伴って帰還した。「おお、帰って来ましたな・・・て何じゃ、2人して凄まじく疲れた表情で?」出迎えた黄蓋が怪訝な顔をする。「はは・・・あれに参加すりゃこんな風にもなるわよ・・・。」孫策も周喩もげんなりとした表情であった。「・・・まあ、それは良いとして。黄蓋殿、皆を集めてください。」周喩の言葉に「応」と答えて、黄蓋はこの戦いに参加している武将を呼びに走る。数分の後、孫策の陣幕には主要武将が揃っていた。孫策、周喩、黄蓋。そして、先代である孫堅の四天王と呼ばれた程普、韓当、祖茂。(ここに黄蓋で四天王他にもまだいるが、特に目立ったのがとある2人である。1人は孫策に良く似た容貌を持つ少女。もう1人はその少女に影のように従う・・・これも女性だ。孫策の妹である孫権、その護衛の甘寧である。全員揃った事を確認して、周喩が口を開いた。「ご苦労。軍議で決まったことを伝えるために集まってもらった。・・・さて、発表するぞ。」固唾を呑んで、一同は周喩の発言を待つ。「総大将は袁紹殿。先鋒は我々ではなく袁術殿だ。直ぐ目の前にある汜水関を、明日攻める。そして、袁紹殿の作戦は・・・。」「作戦は・・・?」「・・・ただ、攻めろ。だそうだ。」この言葉に、孫策と周喩を除いた全員が「がくっ!!」と崩れ落ちた。ただ攻めろって。そんな作戦があるものか。小城や村落ならばともかく、難攻不落と言われる虎牢関と肩を並べる堅牢な汜水関を作戦も無しに攻める?「あ、あの、周喩。」「はい、何ですか、孫権殿?」「攻めろって、本当にそれだけなの? 例えば、汜水関を攻め落とした後は虎牢関を迂回して洛陽を直接叩くとか、そういう作戦は?」「ありません。まっすぐ攻めろ、だそうです。」「・・・・・・。」孫権のみならず、他の武将もただ呆然となってしまった。余談だが、孫家の根拠地に残された武将も多い。陸遜(りくそん)、周泰(しゅうたい)、呂蒙(りょもう)。孫策と孫権の妹である孫尚香(そんしょうこう)も居残りだ。まずないだろうが、この戦いで孫策と孫権が死んだとしても、尚香がいれば孫家は終わらない。話を戻して、呆然となった皆を落ち着かせるように周喩は話した。「袁術が先鋒となったということは、後続に我々が布陣するのか、それとも盾にされるか、というところだな。・・・幸いと言うべきか、汜水関の守将は華雄と、こちらは油断ならないが張遼だという。」「華雄と張遼か・・・ふむ、初戦から辛い相手よな。」この中で一番年配である程普(ていふ)が陣幕の天井を睨むように呻いた。孫家の将の長老格である彼の言葉と態度は重みがある。孫策・周喩の信頼も篤く、それだけで孫家における彼の重要性が知れるというものである。「ええ、その通りね。華雄はともかく、張遼は辛い相手よ。数もこちらが圧倒的に少ない。」華雄は大したことがない、と酷評されているように聞こえるが、張遼と言う存在がやりにくい相手なだけだ。比重の差があるだけという意味合いでしかない。華雄も張遼も、名を馳せた武将であって油断をするべきではないが・・・華雄は昔、孫策の母である孫堅に手痛い敗北を喫していて、その戦いを孫策は体験している。その事実があったせいかもしれない。「袁術側からの要請で盾にされる可能性もあるわ。功に逸って自力で動こうとするかもしれないけど・・・。」「孫権殿の言うとおり。戦は我々の手で片をつける・・・くらいに気持ちでいかなければ。」「できれば張遼と華雄は蹴散らしてすぐに董卓の首が欲しいわね。・・・汜水関まで出て来てくれないかしら?」「はは、まったく・・・欲張りな大将ですなぁ。」黄蓋の言葉に、皆が笑った。が、彼らの表情は直ぐに引き締まる。「ともかくも、私達はこんなところで立ち止まる訳には行かないわ。最高の結果を出し続ける、これを目標に。・・・それと陣割りは・・・」孫家の軍議は尚も続く。~~~汜水関~~~その間、汜水関に軍勢を集結させた華雄と張遼は今か今かと連合軍が攻めてくるのを待って・・・いるわけではない。この時の汜水関の総兵力は4万。趙雲らの軍勢を合わせてだが、高順の軍勢も含めれば4万数千。だが、その高順が未だに到着していない。ということは蹋頓も沙摩柯もいない。(李典と干禁は虎牢関で防備を固めて連合軍を迎え撃つ準備をしている彼らがいないだけで戦いの帰趨が変わるということではないが、それでも華雄は焦れていた。「ああっ・・・あいつらは何をしているんだ!」「将軍、落ちついてください。」「そうですぞ、気持ちの荒れは肌の荒れですからな。」「こう見えて案外気が小さいから胸も小さいのでしょうな。」「いや、この場合は小さいと言うか薄いというほうが・・・。」「・・・やっぱり、お前達が私のことを嫌ってると実感できたぞ、今。」李粛やら徐栄の言い方に、華雄も少し傷ついて城壁(というのが正しいかどうか)で、のの字を書いてふて腐れ始めた。「ははっ・・・お主ら、あまり華雄将軍を苛めるな?」傍から見ていた趙雲が笑いつつ諌めた。「・・・そう思うなら途中で止めてくれ、本当に。」「いや、そう思うのですが・・・やはり最後まで見たいと思うのが人情ですな。華雄将軍が弄られるのが新鮮ですし。」「・・・お前も私のことが嫌いなのか? ・・・きたかっ!?」趙雲の嫌がらせ(?)に少し項垂れた華雄だったが、何かの気配に感ずいたのか・・・城壁から身を乗り出して東の地を見据えた。進軍してくる連合軍の兵士が、少しずつ見えてくる。「・・・ほぉぉ、これはまた。」「うはー、すっごい大軍やぁ・・・。」趙雲と張遼が感嘆している。人、人、人。こうとしか表現できないほどの兵士の数である。袁旗やら曹旗やら、各諸侯の旗も見える。「これ、何人くらいいるんだろうな。」「さて・・・10万ではききますまい。20万か、それとも30万か。・・・はは、随分な大舞台が回ってきましたな?」華雄の言葉に、趙雲が笑って答えた。普通ならばこれだけの数が向こうに回っているのだ、少しくらいは恐れを抱きそうなものだが、趙雲は楽しそうに体を震わせた。この趙雲の名、満天下にしらしめてくれる、と思っているのだろう。「で、どうすんねん。一応、賈詡っちの考えではここで時間稼ぎやけど。」「ふん、そんなものは決まっている。お前達、出撃の用意だ!」張遼の問いに、華雄は振り返った。その視線の先には趙雲・楽進、そして徐栄らがいる。『応っ!』彼女達は答え、自身の部隊を展開するために走っていった。「・・・熱い奴らやなー。うちらは出撃せーへんで。もしものときの守りがおらなんだらまずいからな。」「かまわんさ、華雄隊・趙雲隊・楽進隊の2万で奴らの出鼻を挫いてやる!」~~~連合軍~~~先鋒となった袁術軍は孫策軍を従えるように進軍していく。先鋒と言っても、周りに軍勢がいないわけではなく、韓馥の軍勢や、劉備の軍勢もいる。袁術軍は孫策の軍勢も含めて4万ほどだろうか。汜水関の軍勢と遜色ない数だ。ただ、士気も錬度も低い袁術軍だ。実際の能力としてはもっと低いのだろう。これは袁術軍に限った事ではない。この連合の中でやる気があるのは曹操、孫策、劉備、公孫賛。あとは鮑信くらいであろうか。他の諸侯は「これだけの大兵力なのだ、自分が何もしなくても周りが勝手に」と、思い込んでいた。袁紹、袁術もさして差はない。参加して名声を上げ、面倒なところは影響力・発言力のない連中に押し付けようと、そういうことである。汜水関の前には既に華雄隊が展開して、迎撃態勢を整え終えている。総大将である袁紹は、汜水関の攻撃を指示。指示を受けた先鋒部隊・・・袁術は張勲に命じて、攻撃を開始させた。自分の軍勢と孫策の軍勢を合力させて進撃させる。劉備なども攻めようとしたが、狭い隘路に人が溢れ、その上袁術軍が回りの進軍を妨げるように動くので思うような動きが出来ない。穏やかな彼女も内心、「味方のはずなのに味方に邪魔されるなんて・・・!」と、不満げである。さて、その袁術軍の先頭を走っているのは孫策ではなく、袁術軍の猛将の1人である兪渉(ゆしょう)という男だ。袁術本人は子供である事もあって、割とどうしようもない人だったが、周りに人材がいないわけではなかった。孫策軍(というか孫策本人まで)も負けじと駆けており、孫策と兪渉の馬が隣り合う。「はっはっはっ! 孫策殿と共に駆けるとは思いもせなんだわ。袁術様がよくお許しになられたものよ!」「はっ、言ってなさい! 一番槍は私達が頂くわっ!」兪渉、孫策は馬上で軽口を叩きあっている。孫策は、袁術とその取り巻きである張勲を嫌ってはいるが、その下にいる武将全員と仲が悪い訳ではない。例えば袁術軍の武将だが、橋蕤(きょうずい)という男は孫策や、その母である孫堅を尊敬しているし兪渉も一武人として孫策を認めてもいる。漆黒の旗・・・華雄軍の旗が翻り、銅鑼がなると同時に突出した袁術軍に向かってくる。「雑兵めが、失せろぉっ!」「でえええいっ!」兪渉と孫策の刃が振り下ろされた。「孫策、無茶をするな! ・・・ああ、もうっ! 黄蓋殿、程普殿、孫策の援護を!」「おうともさっ!」「任せよ!」先頭を走る孫策の無茶っぷりに、周喩は困りつつも指示を飛ばしていく。「華雄、出て来い! 臆したかーーーー!」孫策と共に暴れまわっている兪渉の叫びが戦場を駆ける。華雄は、袁術軍の猛攻を後方で見ていた。「ふん、孫策・・・いや、袁術軍か。なかなかやるじゃないか。いいだろう、私も出るぞ!」と、出撃しようとするがそれを隣にいた趙雲が押しとどめた。「お待ちを、華雄殿は総大将・・・そう軽々しく出るものではございませぬ。」彼女の言葉に、華雄配下の将が「うんうん」と頷いた。「むがっ・・・しかし、総大将であるからこそ先頭を駆けて兵の模範と・・・。」「時と場合に寄りましょう。もっと大物が出た時にこそが華雄殿の出番かと?」「むう。しかし、誰かは知らないが敵将は私を指名しているのだぞ?」趙雲の言う事もわからないではないが、華雄は食い下がる。趙雲は笑って更に諌めた。「ははは。確かに、あの男はそれなりの武勇のようですが・・・鶏を切り裂くに、何故に牛刀を用いる必要がありますかな? ここは私にお任せを。」趙雲はこんなお世辞を言う。華雄もおだてに乗るわけではないが、少しだけ気分が良くなった。それに、趙雲も手柄は欲しいだろう。たまには譲ってやるか。という心境も合って、「解った、出撃しろ。ただし、死ぬなよ?」と趙雲を送り出した。「委細承知。吉報をお待ちくだされ!」「趙雲殿・・・お気をつけて。」「ふっ、解っておる。なぁに、案ずるな、楽進。行ってすぐ帰ってくるだけのことさ。」趙雲は楽進の言葉を背に受けて、馬の腹に蹴りを入れた。「趙雲隊、出撃! 狙うは敵将の首ただ1つ、進めっ!」「ははっ!」趙雲の命によって趙雲隊2000も前線へと動く。前線部隊で指揮を取っているのは徐栄。彼女も戦巧者で、初期は押されていたが持ち直している。その徐栄の隣に馬を進める趙雲。「徐栄、無事か!?」「あら・・・趙雲。今は耐えているけど・・・さすがに苦しいわ。貴方が救援に?」「はは、それほど大した働きは出来ぬと思うがな。」「謙遜ね。今、袁術軍の兪渉が暴れまわっているわ。さっき華雄様を名指ししたのもあいつよ。・・・孫策も嫌な相手だけど、あいつを討ってくれると助かるわ。」徐栄は、現状では孫策よりも袁術軍のほうが厄介だと踏んでいた。孫策軍のほうは数が少なく、袁術軍はその逆だ。精兵の多い孫策軍も厄介である事に違いはないのだが、兪渉の活躍で袁術軍の兵士は弱卒ながらも勢いづいている。まずはそれを止めるべきだと結論付けている。「ふ、解った。私もそのつもりで出張ってきたのでな。」「行ってくれるか?・・・まあ、貴方の腕であれば心配をする必要も無いだろうな。」「ああ、任せろ。では、少し行ってくるぞ。」それだけ言って、趙雲は更に軍勢を前に進ませる。「ふん、華雄も大したことはないな。この程度の兵が董卓軍3指に入る将の率いる部隊とは。」兪渉は目の前にいた兵を切り捨てて呟いた。乱戦で孫策とはぐれてしまったようだが、さして問題はあるまい。彼女の実力ならばこれくらいで・・・と思ったところ、こちらに馬を進めてくる武将に気付いた。袁術軍の兵士が10数人ほどそちらに向かっていくが問題にならず一蹴されてしまっている。その配下の兵士も、追い立てられる華雄隊の兵士を助けるかのように動いて袁術兵を追い散らしている。「ふむ、貴様が華雄か?」血濡れた槍刃を目の前の武将に向けて兪渉は質する。「違うな、私は趙雲。」「ふん、違うか・・・が、そこそこの強さはあるようだ。良かろう、この兪渉の刃の錆となれっ! 勝負!!」兪渉は馬を一気に駆けさせて趙雲に向かっていく。槍を振りかぶり、間合いに入った趙雲を今まで屠った兵士と同じように刺し貫こうとした。だが、一歩も動かなかった趙雲はそれ以上の速さで自身の槍・・・「龍閃」を切り下ろす。交差した両者だったが、数瞬の後兪渉の体は袈裟懸けに切り裂かれた衝撃に耐えることができず、真っ二つになって吹き飛んだ。龍閃の斬撃で兪渉の馬すら切り倒され、主人と同じく血と臓物を撒き散らして死んだ。最初、兪渉には何が起こったか理解できなかった。先に武器を構えて槍をつけようとしたのは兪渉だ。それよりも動きの遅かった筈の趙雲の槍(青釭の刀がくくりつけてあったので薙刀のようなものだ)が、その身体を切り裂いていた。信じられない。そう思いながら兪渉は戦死した。返り血を浴びて純白の服を赤く染めた趙雲は槍を突き上げ、高らかに。「敵将、兪渉。常山の昇り龍、趙子龍が討ち取ったり!」と、大音声で名乗りを挙げた。趙雲の圧倒的な勝利に華雄軍は勢いを取り戻して攻勢に出始める。機を逃すまいと、華雄自身も戦線を押し上げ始めたのだ。兪渉が一合で討たれた事で袁術軍の士気が落ちている。孫策軍が暴れている為に無様な敗北にはならなかったが一部の兵が浮き足立って後方に下がってしまった。これによって、後方で焦れていた劉備と韓馥の軍勢が前に出始める。韓馥軍の勇将と呼ばれる潘鳳(はんぽう)が一騎駆けで趙雲に向かっていくも、これもまた僅か一合で討ち取られてしまった。それを後方で見ていた劉備・曹操・袁紹はそれぞれ違う反応を見せていた。劉備は、まさか趙雲が董卓軍に所属しているとは思わなかったらしい。傍にいた関羽や張飛も驚いている。関羽は志を同じくした趙雲が無道(と、連合軍から思われている)の董卓に参じたことへの怒り、そして武人として槍を合わせることができる! と相反した感覚を味わいつつ、趙雲へと突進した。曹操は、高順に与えたはずの青釭の刀が龍閃にくくりつけられている事に多少の驚きを感じていた。どういう経緯であの趙雲という女の手元に渡ったのだろう。が、それ以上に「大した武勇の持ち主ね・・・張遼同様、欲しいわ。」と人材収集癖を燃え上がらせている。最後に袁紹だが・・・あんな武勇の持ち主がいるとは聞いておらず、混乱。自身の軍団最高の武を誇る顔良と文醜に出撃を命じた。「無理ですよ・・・ここは連合軍中央ですよ?前線でまだ戦ってる部隊がいるのに、それ搔き分けていくんすか?」と反論されてしまった。「曹操殿とか孫策殿もいるんです、大丈夫ですよ。」と部下のほうがしっかりしている。「むぅぅう・・・ならば、任せましたわっ!」としかいえない袁紹であった。向かってくる兵士や武将を切り伏せつつ、趙雲とその軍勢は戦い続けている。武勇に聞こえのある兪渉、潘鳳が一瞬で討たれた事で連合軍先鋒部隊の士気は著しく下がっている。趙雲だけではなく、楽進や徐栄らの奮戦もあって数で勝る連合軍相手に有利に戦いを進めていた。後は適当に斬り散らして・・・と思った趙雲だったが、自分に向かって闘気を充てて来る何かが接近している事に気がついた。その「何か」が、猛烈な勢いで自軍の兵士を吹き飛ばしてくる。その姿には見覚えが合った。「趙雲ーーーっ!」青龍偃月刀を振りかざして駆けてくるその女、関羽である。「ふっ、関羽殿か・・・それこそ、相手に不足なしっ!」不敵な笑みを浮かべて、趙雲も向かっていく。「うおおおおおっ!」「はあああっ!」2人は気迫を込めて武器を交差させた。ガキィッ! と金属がぶつかる甲高い音が戦場に響く。「趙雲、貴様・・・見損なったぞ!」「ほぅ?」「立派な人物だと思っていたのに・・・! 悪政を敷いている董卓に仕えているのはどういうことだっ! 恥を知る心があるなら退け、趙雲!」鍔迫り合いのような状況で押し合っている2人だが、まだまだ余裕があるのだろう。問答を始めた。「悪政? あれのどこが悪政だ? 民を愛し、治を施さんと努力をしている董卓のどこに悪意があるのか!」「なにっ・・・」「どうせ、董卓に嫉妬している連中の流す風評であろうが・・・事実を見ず、真実を知らぬ輩がどう言おうと、有るべき物が変わることはないっ!」趙雲はまくし立てて、関羽を押し込んでいく。馬の力、趙雲の膂力・・・それが関羽を上回っているのだ。彼女の怒りは本物だった。反董卓連合とはいうものの、董卓にどのような野心があったというのか。数の力によって弱い存在を虐げる・・・趙雲には、連合軍がそういった手合いのものにしか見えなかった。十常侍であればまだしも、と舌打ちまでしてしまった。「ぐっ・・・!?」「恥を知るべきはそちらだな、関羽。今の貴公の刃に正義の輝きは欠片も無しっ! 無道がどちらか、よくよく考えてみるが良い!!」龍閃の一閃が、関羽の手にある青龍偃月刀を弾き飛ばした。「なっ・・・馬鹿な・・・!?」今の衝撃で痺れた手と、趙雲を交互に見て呟く関羽。趙雲からすれば、関羽を討つ絶好の機会だったろうが、彼女はそれをしなかった。興味はない、とばかりに趙雲は関羽に背を向ける。「趙雲、貴様・・・情けをかけるというのか!」「左様、情けをかける。貴公らが洛陽に攻め入るかどうかは解らんが・・・そこで見るのだな、洛陽がどのように治められているかを。もっとも」虎牢関より先に通すつもりはないがな、と心中で呟き趙雲は退いた。「くそっ・・・どういうことだ・・・?」その時に、帰陣を促す銅鑼の音が鳴り、両軍共に兵士が退く。気付けば日は沈み、辺りは暗くなり始めている。関羽もまた、青龍偃月刀を拾って劉備の陣に引き返していく。初めての敗北、そして趙雲の言葉に思いを馳せながら。こうして、汜水関の初戦は両軍共に被害があったものの、実質董卓側の勝利だった。高順隊が兵士の家族やら何やらを引き連れて汜水関に到着するのは、この日の夜である。この闘いの帰趨がどうなるか、それはまだ誰にもわからない。~~~別の話にするまでもない番外編~~~汜水関にたどり着いた高順だったが、すでに夜だった事もあって睡眠をとることにした。趙雲の活躍や徐栄・楽進の奮戦を聞いて、高順は嬉しそうだったが、無茶をしないでほしいとも思ってしまった。それはともかく、高順も明日から戦線に加わるのだ。疲労を残してはいけないと思い、壁を背に座り込んで、三刃槍に持たれかかる様にして眠るのであった。そして、またしても・・・あの夢を見る。「・・・なさい、起きなさい。高順や、起きなさい。」野太い声が呼んでいる。高順は「すぅっ・・・」と静かに目を開けた。その高順の目の前には・・・何だろう、変なグラサンをした戸愚呂みたいな人がいた。「あんた・・・誰?」「私は貴方の槍。三刃槍の精ですトグロ。」瞬間、高順は母譲りの握撃で目の前の精霊(?)の頭を握りつぶそうとした!「ちょっ、やめっ! やめてください話を聞いてくださいお願いですから許してくださいトグロー!」精霊(?)の懇願に、高順は手を離した。「・・・ここはどこだよ。俺は帰る。」高順の言葉に、精霊(?)はニィィ、と笑う。「ここはこの私、三刃槍の精空間。「トグロ」空間なのでトグロ。」「はぁ・・・?」「お前はこれからワシと一緒にゲヴェルを倒しに行ったり、オヤカタサムァー! ユキムルァー!と叫んだり、馬2頭の上でバランスを保ちつつ「武田家名物!操作失敗!」とかするんだトグロ。」「・・・何を言ってるのか良くわからないのだけど・・・。」「変な顔してるときの石橋タカアキと太宰治の顔って区別つく?」「知らんわそんなもん!」瞬間、精霊(?)の眉間に一本の矢が刺さった。精霊(?)は額から血を流してその場に倒れた。ピクリとも動かないという事は、おそらく死んだのだろう。「誰だっ!?」いつの間にか、背後に背の高い男が・・・どこかの高名な武将だろうか、弓を構えて立っていた。「危ないところだったな、高順。そろそろ起きるといい。楽進や趙雲が待っているぞ。」日焼け顔に、立派なひげを蓄えた壮年の男・・・恐らく、3~40くらいの年齢だろうか。裏表の無さそうな、人の良さそうな笑顔だ。「えっと・・・貴方は?」高順の問いに、男は考える素振りを見せてから答えた。「そうだな・・・別の世界のお前、というところか? 或いは、本来この世界に生まれるはずだった高順、とでも言うべきかもな。」「え・・・ええっ!? じゃあ本物の高順将軍!?」「はっはっは、本物かどうか、ではないぞ、もう1人の我よ。お前も我も同じ「高順」。本来、会う事のない運命だったはずなのだがな・・・まあ良い、しっかりとやれ。」「はぁ・・・」「むっ! あそこにバット将軍が!」「えっ!?」「こんにちわ、ゴバルスキーです。」「犬飼倫太郎です!」「二人合わせて「飼い犬に手を噛まれたーズ」デス。DEATH!!」「帰れ! そんなネタ誰がわかるよ!?」「アウトブレイクです。とりあえず皆殺し。」「病原体!?」「こんにちわ、ゴール帝王です。」「何このケイオス空間っ!」・・・。・・・・・・。「おーい、高順。こーじゅーん!」「・・・ぬわっ!」「あ、起きた。」「へ、はれ? 華雄姐さん・・・?」混乱している高順を見て、華雄はため息を1つ。「しっかりしてくれよ、弟。・・・何か悪い夢でも見ていたのか?」「いや・・・何でもないです。」そう言って立ち上がった高順は、自分の手にある三刃槍を見据えて、首をかしげた。「まさか・・・ねぇ?」~~~楽屋裏~~~キャラクター紹介。高順。えろいこととかヌップリとやって羨ましいんでなんかもう死にます。楽進。人物崩壊とか凄いことになってて面倒くさいので多分もう死にます。関羽。神様。そろばん。ヒゲ。たーんえーたーん。でもただのヤクザ。扱いが可哀想になってますが、原作で一方的に董卓陣営を悪扱いしてたんでなんかもう死にます。8割がた嘘ですが。あいつです(挨拶ようやく、三国志で一番盛り上がるであろう反董卓連合の話になりました。2番目は王朗が諸葛亮に言葉で殺されるアレ(嘘色々と設定をこねくりまわした結果、本編もケイオスになってます。あれは本来、華雄が呂布に言った言葉なんですけどね・・・w趙雲もこの戦いで大いに名を上げましたし。あと、劉備の扱いもかなりガッカリものですが・・・こき下ろしている訳ではないのですけどね。話の内容として劉備ではなく孫策・袁術を先鋒にしたかったので、ちょっと可哀想な目にあっていただきました。自分の持ちうるネタを最大限詰め込んでいるので・・・もしかしたらあるかもしれない次回作が大変な事になるかも(遠さて、ようやく高順一党(李典と干禁いないけど・・・)が表舞台に立ちます。・・・大丈夫かなぁ、死なないかなあ。それでは、また最終回次回お会いいたしましょう。