【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第35話 第2次晋陽攻防戦へ。~幕間~晋陽陥落を知った漢王朝は衝撃を受けていた。黄巾の乱が終わったと思っていたら、今度は別の反乱が起こってしまったのだ。その上、その報告が来たのは晋陽太守が処断されてから丸々一ヶ月の時間が経っている。既に多数の民衆もこれを知っており、漢王朝の威名も落ちたものだと囁きあうほどだった。首脳陣は即時討伐軍を差し向けるように謀っていたのだが追い討ちのように、病で明日をも知れぬ身であった帝が病死。跡目争いによって、大将軍何進派と十常侍派の争いは激化していく。その時、洛陽には袁紹・袁術、そしてその客将である孫策の軍勢も何進によって招聘されていた。彼女達は何進派(孫策は袁術のおまけ扱い)であり、十常侍に対しての威圧目的で呼ばれていたのだ。そんな状態であり、賊軍制圧は後回しにされていた・・・いや、それで終わればよかった。晋陽黒山賊の蜂起だけではなかったのだ。偶然のことでしかないのだが、西と南でも争乱が起こった。まず南では、荊州南部で区星(おうせい)という男が周朝(しゅうちょう)・郭石(かくせき)という武将を率いて反乱の兵を起こす。西においては、この頃は漢王朝に地位を与えられ沈静化、大人しくしていた馬騰が不穏な動きを見せ始めていた。漢王朝と軍事的な衝突などはしなかったものの、軍兵の動きが慌しくなり始めているのだという。何進も十常侍も流石に慌て、3方に対して兵を派遣する流れになった。差し向ける主力部隊は・・・この中で一番手こずるであろう西方。そして南の区星、最後に張燕という順分けにされた。西方には皇甫嵩、南方には朱儁。北には張温が討伐軍として差し向けられる。ただ、呂布・張遼といった精鋭部隊はそのまま洛陽守備隊として残されることになった。彼女達は官軍と言うよりも、今は十常侍の私兵と言った立場に近い。十常侍としては自分達を守るための保険のつもりだったのだろう何進も警戒して袁と孫の軍勢を差し向けないまま手元に残した。この流れだけで、実に3ヶ月近くの時間を空費している。こうして、中途半端な対応の仕方をしたことで、何進・十常侍はお互いの寿命を減らす事になるのだが・・・。その3ヶ月の間、晋陽側でも決戦準備を着々と進めていた。高順達は閻行の元で修行。閻行は全員を趙雲クラスまで持っていく、と言っていたがさすがにこれだけの短期間でとは行かない。気の使用法も伝授してくれたが、楽進以外に適性を持っている者はおらず無駄足になってしまったのだった。楽進個人は、気の総容量を増やすための特訓などもあって充実していたようだ。閻行曰く「高順は私の息子なのだから使用できてもおかしくないと思ったのですけどね・・・。」と言っていたが、言われた本人にしてみれば「息子だからって適性持ってると限らないでしょ!?」である。その後は地味かつ辛い特訓が続くが、高順が昔にやっていたのと違う点は「閻行がそれなりの力で稽古をつける」という点だった。それでも手を抜いていると言うのだから、過去のものはほとんど遊びに近い感覚だったのではないだろうか。毎日のように限界まで身体を酷使して、閻行はともかく楽進は癒術練習も兼ねての治療・・・ということを繰り返す。高順はほぼ毎日胸の傷が大なり小なり開いたりして、一番辛かっただろうが弱音を吐くこともなく必死に特訓をこなしていた。閻行も少しずつ戦う時の力量を上げていき、皆が攻撃の早さ・重さに反応できるようになるまで・・・と、実力に見合っただけの力を出して特訓を続けていく。その甲斐あってか、2ヶ月ほど経った頃は皆、そこそこの結果を出していた。一番力量をあげていたのは高順である。一番と言っても、最初が弱いからそう見えるだけだが・・・母親が母親だけに、元々持っている武の才能がようやくに開き始めているようだった。趙雲・沙摩柯・3人娘に閻柔と田豫まで猛特訓をこなして、やはり2ヶ月前に比べれば強くなっている。閻行からすればまだ未熟ではあるが、全員で力を合わせれば・・・という程度に思えるくらいにはなっていた。あくまで「閻行から見て」なので、当てにはならない。元々強い趙雲や沙摩柯ですら子ども扱いなのだから、彼女の基準がおかしすぎるだけである。そして李典。彼女は別の意味で忙しい。投石器の作成・他の仕掛け等もだが、ある事をやっている。武具の改修である。特訓が始まってすぐのことだが、李典が高順を自室に呼んで「三刃戟」・趙雲の「龍牙」・楽進の「閻王」・干禁の「支天」を見て「う~ん・・・」と唸っているのが発端だった。他の皆は気が進まないようだったが、武器の調子を見せてほしいということで渋々自分の武器を李典の部屋に置いていった。本人達は閻行の特訓を受けている真っ最中だ。高順も特訓中だが李典がどうしても、と言い続けるので許可を得てわざわざやって来た。「どうしたのさ、李典。いきなり俺達の武器が見たいだなんて?」「いや、なぁ。これまで、兄さん達は戦を潜り抜けてきた訳やんか。で、沙摩柯はんやうちの武器はまだええんやけどな。気になって見せてもろたけど、兄さんらの装備、相当ボロボロんなっとるで。」「・・・うーん、そういわれて見れば。」高順は三刃戟をひょいっと持ち上げて刃の部分を見る。錆びはないが所々刃こぼれしている。閻王・龍牙・支天も同じ。あちこちヒビが入ったり割れていたり・・・といった感じだ。「んでな。ここらで、皆の武器を改修しようと思うんや。・・・金は高順兄さんに頼らんといかんけど。」李典は申し訳なさそうに高順を見る。いつものことであるが、こういった事項に関しては常に高順が資金を出している。「んー、金は出せる分は出すけど。それより、どうやって鋼鉄とかの調達と・・・施設はどうするつもりなんだ?」「それは心配いらへんよ。前に閻行かーさんが野戦で大暴れしたやん?あの時に両断された鎧やら兜やらが廃材として残っとる。それを使わせてもらうんよ。鋼鉄と施設は街の鍛冶屋何軒かに打診したらええ返事もろーたし。」「野戦って・・・あー。・・・あの時のか。」高順はどこか遠い目をしながら晋陽軍との野戦を思い出す。あれは思わず晋陽軍に同情したくなるくらいだった。「そ、あの時のな。でな、前に見せてもろうた・・・郝萌って人と朱厳って人の剣。あれを三刃戟の改修に使わせてもらいたいなぁ、と思ってる。」「郝萌と朱厳様の・・・?」高順は己の左腰に帯剣している2人の遺剣に視線を落とす。彼はもう一本、丁原の刀も常に佩いでいる。「うん。その2本・・・言いにくいけど刃はボロボロで使い物になれへんやろ?高順兄さんにとって思い入れのある品ってのは解るんやけど。」「・・・新しく作る武器に転用してやって方がいい、って事か。」「うん・・・使いようのない武器をいつまでも装備してても意味あらへんと思う。きちっとした理由で使うんやったら、お二人も文句言わへんと思うんですわ。打ち直しても、戟と同時に何本も剣とか使用できへんやろ?・・・決めるのは兄さんやけどな。」高順は2本の剣を腰紐から引き抜き、じっと見る。確かに、このボロボロの剣は武器としての使い道はないだろう。まだ使用できる丁原の刀はともかくも。迷う高順だったが、李典の言うとおり「何かに転用する事で使える様にする」ほうが・・・自分勝手な言い分である事は承知しているが、この剣にとってもいい結末であるような気もしてくる。「丁原様に贈られた戟と2人の剣を混ぜ合わせて新しい物を作る、か。」寂しそうに言う高順だったが、2振りの剣を李典に丁重に差し出して頭を下げた。「頼む。」と、ただ一言だけ言葉を添えて。「ん、任しとき。出来る限り最高の状態に仕立ててみせるわ。」その後も李典は全員を説き伏せて武器の改修を始めるのだった。それを考えると、軽めとは言え特訓をして武装の改修をこなし、かつ投石機などの調製もこなす彼女が一番忙しいだろう。張燕も政治に没頭して、なかなか暇がない。内政官などの話を聞きつつ色々と模索をしているようだ。商業振興や戦災復興、兵の調練等、やるべき事は多い。その中でも一番重視したのは「商業」「農業」である。この時代は商人という存在は扱いが悪く、搾取をされていた側の存在である。市に出入りするにはきっちりとそれ専用の名簿に登録をするのだが、それ自体に幾ばくかの費用がかかる。きっちりとした身分でなければ登録も出来ないとか、売り上げの大多数を徴収されたりとか、それほど裕福であった訳ではない。それでも大商人が存在するのだが、彼らは何らかの形で上に通じていたのだろう。(高順が虹黒を購入したのは洛陽だが、その時に接した売人は恐らく闇系であったのだと思われる。)それらはこの時代の常識であり、張燕もそれに倣うべきだと思っていたのだがそれに待ったをかけたのは李典であった。彼女、というか3人娘は自分達の村のために曹操支配下の陳留に幾度も赴いて行商をしていた。その時には露天商として商いをしていたのだが場所代や税金などを取り立てられることもなかった。それでも彼女達は陳留の食堂で食事をしたり、僅かではあるが陳留に金を落としていく。李典はそうやって「落とされる金」のほうに注視した。織田信長や六角定頼の行った楽市楽座とは性質が違うのだが、国(この場合晋陽側)主導の自由市場・・・どちらかといえば混合経済だが、それを作るべきだと提言したのである。これを流布することで商人を多数引き入れよう、情報も仕入れよう、という魂胆だが、特権を認めるのではない。商業振興するにも商人自体が少なく、また晋陽の経済事情も考えてのことだった。要するに「他所の様に多くの規制はかけないよ」ということだ。それを聞いて更に人が集まれば儲けものである。ただし、不正や闇は原則認めない。そこは変わらないのだった。李典の発案はもう1つあった。特産品がないなら交易をしよう、と。完全に漢王朝に対して反旗を翻した立場の自分達が何処と? と誰もが思ったのだが李典には1つだけ心当たりがあった。北。万里の長城を越えた先にいる人々・・・烏丸族と。烏丸族は一定の場所に定住しない遊牧民族である。彼らは現在公孫賛と強固な同盟関係になるが、漢王朝に屈している訳ではない。単干(烏丸の代表者のこと)代理の蹋頓、そして次代の単干である丘力居の方針で逆らいはしないと言う態度だが服属した訳ではない。何かの切欠があればいつでも暴発する危険性は持ち得ている。その烏丸族だが、特産品がないわけではない。毛皮・酪(乳製品)・放牧動物・岩塩などを不足しがちな穀物や工芸品と交換するような形で日々の糧を得ている。現在は北平の公孫賛とのみ交易をしているだろうが、そこに加えてもらおうということだ。公孫賛に迷惑がかかる可能性もあるが、公孫賛を通さずにやってしまえば良い。もし、晋陽と烏丸の関係がばれたとして、現在の漢王朝に長城を越えてまで烏丸族を征伐する余力はないだろう。自分達に逆らわなければ、と妥協をするのではないだろうか。李典はこう踏んだのだ。何よりも。「うちらには、烏丸と密接に関係してる人がおるねんで?な、高順兄さん?」「え、俺?」・・・と、こういうことだった。蹋頓に対して高順が直接頼み込めば決して悪い顔はされない。そういう考えだった。ただ、交易はともかくもそれ以外はいきなり実行するのではなく財源確保をきっちりと確立してから。そして戦争が終わってからと言うことで決着をつけた。まだまだ戦いは続く。そんな状態で人が来る筈もない。問題点も多々出てくるだろうが張燕にしても李典にしても政治のプロではない。色々な人の話を聞いて、実践・失敗をして、そこから学び取っていくしかないのだ。高順にも言いたい事はあったが、大抵の事は李典の口から出ていた。こういう話は自分よりも彼女達のほうがよく知っている。だからと言うわけではないが、高順はこれ以降晋陽の政治に対して口を出さないようにし始めた。李典達の経験のほうこそ頼りになると判断した為であった。そんな晋陽に向かって前述の通りに討伐軍が派遣された。総大将は張温。その数4万と言ったところ。この数は張燕晋陽軍の総兵数と変わらないのだが、これは官軍側の情報収集が甘かったせい。官軍に伝わった張燕晋陽軍の総数は1万4千という数。これは張燕が晋陽を攻めたときの兵力数である。その後に入城した残り2万数千は、全く話題に上っていなかったのだ。それともう1つ。派遣された張温と言う男・・・はっきり言って戦下手である。彼は元々西涼方面に配置された武将だったのだがあまりに戦下手すぎてほとんど勝利した事がない。相手が馬騰軍だったということで相手が悪すぎるとも言えるのだが・・・そんな経歴のために賊軍討伐に向かわされたのだ。今作戦で西涼方面に向かったのは皇甫嵩だが、彼女はこの時代で官軍最強の統率者であっただろう。だからこそ、戦えば苦戦は間違いないと思われる西涼方面へと配置されたのだった。それに比べれば、晋陽の事などは2の次3の次程度の考えだっただろう。その油断は、過去に張温部隊を散々に打ち破った閻行を擁する張燕晋陽軍にとっての幸運ともいえるが・・・それが語られるのはもう少し後のお話。おまけ。~~~その頃洛陽にいる孫策達~~~朝。洛陽の大通りを歩く3人の女性がいる。全員、グラマラスな上に布地面積が少なすぎる服を身に纏っている。そう、孫策・周喩・黄蓋。孫家の人々である。「しっかしまぁ・・・あの高順がねー。」腕を組みながら歩く孫策が半ば感心したかのように言った。「ああ、正直驚いたな。」その隣をあるく周喩はしたり顔である。この時点で、高順一党は既にお尋ね者として国中で手配されていた。趙雲・沙摩柯は・・・実際には素性が知られておらず、高順一党と言われても、高順以外の誰がいるのかと言うことは全く知られていない。知っているのは呂布達しかいないのだが、その呂布達から得られる情報が曖昧なものばかりだった。高順の罪は官軍である呂布に挑んだという反逆罪なのであるが、解っている事はそれだけしかない。何処に行ったか。高順一党、と言ってもどれだけの人数がいるのか。それすらもよく解っていないのだ。「驚いたわよねぇ・・・まさか、あの呂布に挑んだなんて。」孫策は黄巾戦の時に出会った人の良い青年の顔を思い出していた。確かに戦場では中々の武勇を見せていたが、まさかあの呂布に挑むとは。その結果賊として手配されたのだから間違いなく貧乏くじだろうが・・・。周喩も同じ考えだったが、彼女はそこからもう1つ「何故呂布に挑む必要が?」ということを考えていた。高順の武勇、彼に従っている少女達の武勇。それはよく理解していたが彼ら全員の力を結集させても呂布には敵うはずがない。にも拘らず、一体何故・・・?何か理由があってのことだ、くらいは解る。少しだけ頭の中で物事を整理していた彼女だったが、1つだけ鍵となりそうなことに思い至った。「そういえば・・・同時期に上党太守の丁原殿が反逆者として呂布に斬られたという話があったな・・・。確か軍勢同士がぶつかったとか。」「あー。そんな事聞いたっけ。でもさぁ、あれってどうなのよ?」「どう、とは?」「反逆者って言ってもさ。具体的にどう反逆したかは全然伝わってこないじゃない? これでさえ十常侍の言い分を全面的に信用して、という話だしね。」孫策の問いかけに周喩もふぅむ、と顎に手を当てて考え込む。「十常侍にとって都合の悪い事をしたとか、言動があったとか・・・。その辺りだろうな。その同時期に呂布に挑んだ高順。・・・ふむ。」彼女達は丁原が高順の主君である事を知らない。知っているのは公孫賛の客将であるとかその程度だ。彼の出身やら何やらまで詳しく聞いていた訳ではない。だが、周喩は彼らが主従関係であったのだろう、とおおよその見当をつけていた。そんな周喩の考えを他所に孫策は尚も話し続ける。「帝が亡くなってすぐに何進と十常侍の権力争い。西方・北方・南方でほぼ同時に起こった反乱。本当は南方の平定には私達が行くはずだったのにさぁ。勲功稼ぎ出来なくなったじゃない。」南方、というのは区星の起こした乱を指す。区星は長沙の賊で乱を起こした場所は荊州南部。本来ならば袁術や劉表、そして袁術の将である孫策たちが出張る筈だったのだが、袁術が何進の呼びかけに応じて自分たちまで洛陽まで連れて来たせいでそれが不意になってしまった。その上、この都では自分達などお呼びでないような扱いだ。十常侍が身の安全のために呂布軍を残したので、何進は警戒して呼び寄せた自分達を守りとして配置したのだ。中央に呼び出されて南には行けなくなった。が、西・北で戦乱が起こって自分達の活躍場所が出来た! と張り切っていたというのに。これではお預けを喰らったような状態に近くて悶々としてしまう。「あーもー! 暴れたい! 戦いたいー!」「おい、孫策。天下の往来で叫ぶな・・・。ん?黄蓋殿は何処に行かれた?」「へ? あれ、どこ行ったんだろ。さっきまで其処にいたのに。」孫策と周喩は黄蓋の姿を探して辺りを見回す。「まったく、こんな時に。まさかそこらの酒処に入って一杯引っ掛けているのでは・・・。」「だーれが酔っ払いだ!」今まで2人が探していた黄蓋その人が路地からひょっこりと姿を見せた。「誰も其処まで言っていません・・・。」「って、そんなとこで何してるの?」孫策の疑問に答えるように黄蓋が一枚の紙をひらひらと振るった。「なぁに。面白いものを見つけましてな。少し前まではなかったものですが・・・ほれ。」そう言って孫策にその紙を手渡す。「ん、何々・・・「以下の者、漢王朝に弓引きし重罪人。生死を問わず捕らえた者に8万銭の褒賞を与えるものなり。」ああ、高順の手配書のこtブファッ!?」孫策が思い切り噴出した。「な、なんだ。どうしたんだ、孫策?」お腹を押さえて必死に笑いをこらえてる孫策と、それを見てニヤリと笑う黄蓋。「ぶ、くっくく・・・。これ、見てみれば、わか・・・あはははははっ!!」差し出された手配書を手に持った周喩。「以下の者・・・ふむ、確かに手配書・・・手配・・・。」ここまで言って、周喩は完全に硬直した。そして暫くして。「んくっ・・・くく、こ、これは・・・こ、れは・・・は、ははははは・・・。」普段は笑うときでも上品な笑い方をする周喩だったが、不意を突かれたらしい。口を押さえて「ぷ、くくく・・・」と抑えているがちょっと涙目になっている。何がそんなにおかしいのか、と言うと手配書に描かれた高順の顔である。なんと言うか、子供の落書きレベルと言うか・・・角が生えてる。目が4つある。腕が3本ある。下半身が馬。人間の範疇を超えすぎている。滅茶苦茶すぎる。「これ。誰が書いたのかしらね・・・ぷふっ。駄目! それこっちに見せないで周喩! 素敵だからあっち行って・・・!」「私は何も悪くないぞ?しかし、これはっ・・・高順が知ったらどんな顔をするやら・・・。」本当にどんな顔をするだろう。これを見せられたらものすごく微妙な表情を見せるだろうことは想像に難くない。「そう思うじゃろ?しかしなぁ・・・一体何をお手本にしたらこんな顔になるのやら。」黄蓋が手配書をもう1度手に取り「むー。」と考え込む。こんな特徴を伝えるほうも伝えるほうだが書くほうも書くほうだ。というか、これを正式な手配書として公開するのがおかしい・・・よほど目撃者は高順の顔を覚えていなかったのか。やらかしたのは呂布だが3人がそんなことを知る由もない。呂布は高順を見逃すつもりのようで適当な特徴しか口にしなかった。高順のことを見た兵士達も呂布の意を汲んで適当な事ばかり言っていたのでおかしなことになってしまったのだった。「まぁ似顔絵の事は置いておくとしてだ。孫策、例の賭けはまだ有効だぞ?」「へ?・・・ああ、ライチ酒ね。でもさ、高順が賊になっちゃったなら私の勝ちで良いと思うのだけど?」「なぁに、まだまだ解らんさ。西の馬騰のように最初は反乱軍だった者がれっきとした太守になった例もある。」孫策の言葉に周喩が挑戦的に返す。どうしてそこまで高順の事を買っているのやら。「まあいいけどさ。でも、あたしが負ける要素は何もないのよね~。」「さあ、どうかな。どういうわけか今回ばかりは負ける気がしない。本当に理由は解らないのだけどな。」そう、今回は負ける気がしない。理由など解らないのだが、自分の感がそう告げている。黄蓋も同じらしく、自信満々である。「ふーん。別にいいけどさ・・・。」孫策はどことなく面白くなさそうに呟くだけだった。~~~楽屋裏~~~衝突するかと思ってたのに、幕間になってしまった・・・あいつです。幕間、ですが第2次晋陽戦までの流れって感じですかね。武器の修繕とかそういう地味な話も出ました。それと、こういうシナリオ書くためにあちこちのサイトで当時の文化やら何やら調べてみたりって事が多いのですが。当時の城壁、10メートルとか20メートルの厚さがあったらしいですね。あれ、楽進さん気弾でぶち倒してなかった・・・?(汁あ、あれは若さゆえの過ちなんだから!誤解しないdごめんなさい私が悪うございました(土下座書けば書くほど穴だらけのシナリオだという事が良くわかりました。こんな駄作を読んでいただいてる事がなんと言うかもう申し訳ないorzシナリオ中で烏丸と交易する?な話になりましたが、この中で公孫賛と烏丸は強固な同盟関係を結んでいる、と出ました。これが彼女の運命の分かれ道です。そして高順の手引きがあれば張燕とも・・・?蛇足かもしれませんが劉虞と烏丸の関係は冷め切っている状態です。蹋頓も意味もなく交易してくれるとは思いませんけどねぇ。ただ、北平との交易だけでは不十分かもしれませんし、これからの展開を考えて何らかの接触を持たせるのも良いかと思います。それともう1つ。張温という人ですが、呉の人ではなく洛陽の人です。同名の方がいるのですな。この人、史実でも戦争が下手だったようでいろいろな人に批判されています。最後がアレなせいで相当損な役回りですな。派遣される場所が基本的に間違ってるとは思うのですがどうかご勘弁を。最後のおまけもお遊びです、どうかご勘弁ryさて、次でようやく討伐軍が晋陽へ向かいます。どうなるのでしょうね。それではまた次回。(・・)ノシ