【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第29話 上党の落日。高順と趙雲は無言のまま馬を走らせる。先に行った沙摩柯は、重症の丁原を乗せているためにそれほど速度を出せるはずもない。直ぐに追いつくだろう。だが、丁原のあの傷。そうは長くないだろうし、馬に跨っているだけでも相当な苦痛のはずだ。果たして、沙摩柯の姿が見えてきた。既に彼女は馬を下りて、天幕の傍にいる。「天幕?どうしてこんなところに?」趙雲が疑問を口にする。高順も何も言わないが同じ事を考えていた。「おーい!2人とも、こっちだー!」沙摩柯が手を振る。やはり間違いはないようだ。2人とも直ぐ傍まで近づいて馬から下りる。「2人とも無事だったか。何よりだ。」沙摩柯が安心したように言う。「沙摩柯さん、どうしてこんなところに天幕が・・・?」「ああ、これはな。楽進が残ってくれていたんだ。李典と干禁は上党兵と共に退いたようだが、楽進は少しずつ下がっての移動だったようだ。」確かに、この場所はさきほど高順達が休もうと天幕を張ったところからは更に北だ。楽進は自分達が撤退したときに備えて、そして何かあったときの足止めのために1人で残っていたのだろう。無茶をするな、と思うがそれ以上の無茶をしてしまったのは自分だ。そして、彼女の無茶のせいで一時的とはいえ丁原を休ませる事ができるのだからこれは不幸中の幸いといえるかもしれない。・・・だが。「・・・高順、中に入れ。丁原殿がお待ちだぞ。」「ええ・・・。」沙摩柯の表情も沈みがちだ。やはりもう長くはない、ということだろうか。高順は天幕の入り口を潜る。中には楽進と、寝かしつけられた丁原がいた。「隊長・・・。」「・・・こう、順か。」今まで、手当てをしていたのだろうか。楽進の額には汗が浮かんでいる。そして、丁原は腰のあたりを幾重にも包帯で巻かれているが、その部分が真っ赤に染まっている。やはり、無理なのか。「ふ・・・、そんな顔をするな。」よほど酷い顔をしていたのだろう。丁原は薄く笑うが、その笑顔には生気がない。楽進は、2人に一礼して天幕を出た。応急処置くらいしかできなかったが、彼女も理解していた。これが彼らの今生の別れであることを。丁原の横に、高順はひざを立てて座り込む。「丁原様・・・。」「高順。いいか、呂布達を怨むなよ。・・・こんな事になったのは、私のせいなのだからな・・・くっ・・・。」「ですがっ・・・。」「高順。馬鹿な真似だけはするな。敵を討つとか、そんなことは絶対に考えるな・・・ぐぅ、これ以上、この件で死者を出すべきでは、ない。上党の者達にも伝えろ。降伏しろ、と。無駄な抵抗は一切するな。罪は私1人に被せてしまえ・・・。」高順は無言だ。だが、命の灯が消えかかっている丁原にはそれを気にする余裕などない。「お前にしか、頼めん事だ。解るな?」「・・・はい。」「うむ。・・・まったく、私も罪深い奴だ・・・。罪もない若者たちを巻き込んで、無駄死にさせてしまった。ぐぅっ・・・。」「丁原様・・・。」丁原はその手を高順を探すように彷徨わせる。目の焦点があっていないのだろうか。目が見えていないのか。高順は思わずその手を握り締めた。「郝萌を・・・兵達を巻き込んで。私は・・・わた、しは・・・。」丁原の目から涙が溢れてくる。死に瀕して心も弱ってしまっているのか。高順は丁原が涙を流すところなど初めて見た。そして、丁原は静かに目を閉じる。「ん・・・なんだ、お前達。そんな場所にいたのか・・・?」「丁原様?」「はは、律儀な奴らだな・・・朱厳に、郝萌か?わざわざ、私が来るのを待っていた、というのか・・・。」今の丁原には何が見えているのだろう。朱厳、そして郝萌。先に逝った兵士であろうか。「わ、解って、いる。直ぐに私も逝く・・・。そう、急かす、な・・・。」丁原は一度だけ息を深く吐き出し、そして、そのまま動かなくなった。「・・・丁原様・・・?」呼びかけるも、彼女は動かない。手に力が篭っていない。息をしていない・・・。「くっ・・・。」高順は今まで握っていた手を離し、両膝を着いた姿勢のまま拱手をした。趙雲たちは、天幕の外で呂布隊が進撃してくるであろうと、常に警戒を続けている。本音を言えば直ぐに上党まで退きたいのだが、これは高順と丁原の最後の別れになるだろう。それぐらいができる時間は稼いで見せよう、と思っていたが呂布隊は来なかった。少し時間が経ち、高順は天幕から出てきた。焦燥しきった顔をしている。「高順殿、丁原殿は・・・。」「逝かれた。今、旅立たれたよ・・・。」「・・・そうですか・・・。」うつむき加減で、高順は答えた。その場を沈黙が支配する。だが、ここでゆっくりしている暇などない。高順は直ぐに口を開いた。「帰還する。天幕はそのままでも良い。行こう・・・。」「承知。」高順は丁原の亡骸を抱えて虹黒の背に跨る。彼はさきほど呂布に肩を打たれて負傷しており、それだけでも辛いはずだ。趙雲、沙摩柯、楽進は何度も「自分達がやるから、無茶をするな」と言ったが、高順はどれだけ言われても丁原の亡骸を離そうとはしなかった。呂布隊は、先ほどまで戦場だった場所に留まっていた。追撃を仕掛けようと思えばいくらでもできたが呂布はそれを許可しない。「戦死者の埋葬。それが終わってから。」と言い張って頑として動こうとしなかった。陳宮にせよ、他の武将にしても、立場上追撃を進言せねばならないだけで戦死者を埋葬したいという彼女の言葉に無理に逆らうつもりもなかった。2日ほどを費やして、上党、呂布軍の戦死者を弔い、負傷者も収容し終えた呂布は、静かに進軍の命令を出すのであった。上党へ帰還した高順だったが、兵も住民も騒然としていた。ようやく出陣の準備が整ったと思ったところで丁原、朱厳の戦死。そして付いて行った3000の兵士がほぼ全滅と言う話を高順から聞いたからだ。朱厳の死をその目で見ていた訳ではないが、あの人の性格からしてあの状況での降伏はあり得まい。高順は丁原から託された遺言を、誰に託すべきか迷った。なにせ、中核部隊である親衛隊も壊滅し、政治的に動ける人材が少ないのだ。ここで、上党の弱点が露出してしまった。丁原、朱厳に頼るところが大きかったために、音頭を取ろうと言う人間が出ないのだ。人材の少なさがここでも裏目に出てしまったのである。高順がすべてを主導する訳にもいかないので、太守代理として文官達を立てて、兵士達に伝達をするようにお願いした。「これより進軍してくるであろう呂布軍に逆らわぬ事。彼女らは官軍である。篭城の用意も何もしないでいい。」という内容だ。何があろうとも服従しろ。丁原の遺言である。そこまでは良かったが、問題はもう1つだけあった。丁原の亡骸をどするのか?ということだ。高順は火葬を提案した。この時代は基本的に土葬で、当然この意見にほとんどの人々が反発した。だが、高順は主張する。「謀反者として扱われている可能性がある為に街中に埋葬するわけにもいかない。それに、普通に埋葬すれば遺体を掘り起こされ、首を切られ洛陽に送られてしまうだろう。間違いなく市で晒し者にされてしまう。」と。丁原が何故謀反者として扱われたのか、その詳細を知らない人々からすればこれは納得がいかない話だ。結局、高順が押し切る形で、火葬にすることにした。問題は弔う場所だが・・・。丁原は花見や月見など外での宴も好んでいて、よく街の外に有る小高い丘で酒宴を開いていた。どうせなら、丁原様の好んだ場所に。あの丘のどこかに弔って差し上げたい。この主張はあっさりと通り、直ぐに埋葬をしようと言うことになった。いつ呂布達がやってくるかは定かではないが、もたつけば本当に首を落とされ晒し者にされるのだ。2日後、急いだこともあって、略式ながら葬儀も終わり丁原の遺骨も埋葬された。昼までは沢山の人が墓前にいたが、少しずつ人がいなくなり今は高順と、普段彼の周りにいる人々のみである。夕方になり、夜になっても高順は動こうとしない。墓は全部で4つあった。丁原・朱厳・赦萌。そして、あの場所で散った兵達の墓。その墓の前には「桃園」と書き込まれた徳利や沢山の花などが献じてあった。既に夜。頭上には星空が広がっている。「・・・隊長、そろそろ帰りましょう。夜風は身体に毒ですよ?」楽進が遠慮がちに言う。高順はこの2日間あまり眠っていない。やる事が多かったからだが、精神的に眠れるほどの余裕がなかった。高順は答えない。ただ、じっと墓前で立ち尽くしている。どうしたものか、と回りの者が悩んだその時。干禁が星が流れるのを見つけた。「あ・・・今、星が落ちたの。」「星・・・。」趙雲が呟く。彼女の真名は「星(せい)」であるため流れ星、とかいう言葉はあまり好きではない。「それは丁原殿の星ですかな・・・。」「ふむ?なぜそう思うのだ?」「人が死したときには、巨星堕つ、と申すでしょう?偶然ではあるとは思うのですが。」趙雲らのやり取りを高順は黙って聞いていたが、小さな声で呟いた。「・・・違うよ。」「違う、ですか?隊長はどのようにお考えなのでしょう?」「かっこ悪いから言いたくないけどさ。それに、これは俺の考えだから。」「それでも構わないぞ?高順の考えを聞かせて欲しいな。」沙摩柯の言葉に高順は「はぁ。」とため息をついた。「人はさ。生まれるときにこそ地面に流れてくる。」「生まれたとき?」「ああ。巨星堕つ、だったら死んだ後でも堕ちちゃうじゃないか。それはあんまりじゃないか、ってそう思うんだ。だから、こう思うようにしている。人は死んだら、星になるためにあそこへ登っていくんだってね。」高順は恥ずかしそうに言いつつも、空を見上げる。空にあるのは、夜中ではあるが雲1つ無い空。満天の星空だ。「そのほうがさ、よほど夢がある。そう思えないかな?」高順の言葉に、李典が笑い出す。「ぷっ。ほんまにかっこわるいなぁ。そんな夢見がちな事言うの高順兄さんくらいやと思うで?」「ぬぅ・・・。」「しかし、その考えはわからぬではありませぬな、ですが、高順殿がそういったお考えとは・・・ふふふ。」「頭の中がお花畑なの。」「うるさいよ!つうか干禁に言われるのは何故か腹が立つな!?」「お、怒らないでください、隊長!?」皆、冗談を言ってからかっているだけである。そうやってひとしきり笑いあった後、高順は空を見上げて目を閉じる。彼のまぶたの裏には、丁原達が在りし日の思い出が鮮明に焼きついている。丁原達が生き残った未来があったかもしれない。最終的にどこかに飲み込まれるにせよ、これから来るであろう群雄割拠の時代に、群雄の1人として名乗りを上げていたかもしれない。だが、そんな「もしも」ですら・・・考える必要の無い事になってしまった。自分の言ったとおり人が星になるために空に上がっていくとして。今頃、丁原は朱厳、赦萌。先に逝った人々と出会えたのだろうか?高順は静かに目を開けて空を見る。もしかしたら、彼の目には映っていたのかもしれない。丁原が朱厳達と肩を組んで、肩を並べて歩いていく姿が。丁原達は己の志の欠片を今を生きる人々に受け渡して、あの空へと還って行く。~~~楽屋裏~~~だからシリアスなんて書けないとあれほど言ったのに!あいつです。(挨拶またしてもやりました、1日更新。こんなことやるから終わりが早くなるのだと子一時間。皆様の感想をご拝見させていただきましたが、「朱厳が死ぬのは予想してたけど赦萌が死ぬのは予想GUY」という方が多かったようです。本来、彼女はここで死ぬ運命ではありませんでした。ですが(テープレコーダー故障)というわけでここで退場になってしまったのです。ちなみに陳宮はここから先ほぼ出番はありません。むしろこの出番以外何処に(ryさて、皆様に質問です。高順くんが一時的でも呂布のもとで戦うほうが・・・良いですよね?→いいえ いいえ いいえあれ?(ぉぃそれではまたお会いしましょう。(;ω;)ノシ~~~すべてをぶち壊す番外編~~~注意:今回に限り台詞形式です。駄目な人はお帰りはあちらです(何つうかどこかで見たことがある?忘れなさい(何高順「もう、なんだよコレ!担当に文句言ってやる!」電話中・・・高順「あ、もしもし、馬超さん?ひどいじゃないですか、読みましたよ今月号の俺の漫画!(高順伝)」馬超「え、酷いって・・・ストーリーが?」高順「ぐへぇー。違いますよ、誤植ですよご・しょ・く!台詞の文字が間違ってるんですよ!」馬超「えー、ほんとにかー。どこどこ、何ページめー?」高順「ほら、高順が魏の夏侯惇に挑む前の会話で「あいつだけは・・・許さない。」って、最高にかっこいい台詞が・・・。」「作者だけは・・・許さない。」高順「ひどいっすよコレ!(シナリオが)」馬超「あ、本当だ。やっちゃった♪」高順「いや、やっちゃったじゃないですよもう!?主人公がいきなり作者に喧嘩売ってる感じになってるじゃないですかっ!」馬超「あっはっは!」高順「あっはっはぁー!?なんでそんなご機嫌なの?誤植はここだけじゃないっすよ!」馬超「え、ほんと?どこどこ?」高順「主人公が自分の暗い過去を語って「俺の憎しみは、消えないんだ!」って、決意を新たにする蝶☆渋いシーンで・・・。」「俺は肉汁が、美味しいんだ!」馬超「あ、ほんとだ。漢字間違ってる。やっちゃった♪」高順「いやだからやっちゃったじゃないですよちょっとー!?」馬超「あっはっはっはっは!何、肉汁って、油汁?あっはっは。」高順「あっはっはじゃないですよ、何でそんな上機嫌なの?」馬超「いやー、じつは先日彼氏ができちゃって。」高順「え、ほんとですか?それは良かったですねってこっちは全然良くないですよ。まだ誤植あるんですよ!」馬超「え~?どこどこ~?」高順「いや、ついに現れた夏侯惇が「お前が高順か。」っていう蝶☆緊迫した画面で・・・。」「お前は芳醇(パン)か。」馬超「あっ、ホントだ。」高順「お前は芳醇(パン)か、って何ですか。どんなボケをしたら誤字をした挙句括弧つきでパンとかかかれるような誤植になるんですかっ!?またやっちゃった♪とか言わないでくださいよ!?」馬超「ひゅ~♪(口笛)・・・やっちゃったぜ☆」高順「いややっちゃったぜじゃないですってば!何ちょっと小粋な言い方にしてるんですか!誤植はまだあるんです!」馬超「えー、どこー?彼氏いない暦0年のあたしが一体どんな間違いを?」高順「その次のシーンですよ。高順が「俺が高順だ!」蝶☆くーるなシーンが!」「俺は皇潤(ヒアルロン酸)だ!」高順「なんで主人公がいきなり健康食品宣言しちゃってるんですか!?しかもまた括弧つきだし・・・!」馬超「あ、ほんとだ。間違ってる。」高順「間違いすぎですよね!?」馬超「はっはっは、やっちゃったぜ☆」高順「ぐくっ・・・かっこよく言わないでください、気に入ったんですかそれ!?」馬超「気に入ったんだぜ、とっちゃやだぜ☆」高順「とるかそんなもん!それよりもっとあるんですよ誤植ー!」馬超(うざそうに)えー、まだあるのー?どのへんなんだぜ?」高順「ありますしってどのへんなんだぜ!?無理に言わなくてもいいです!最後ですよ最後!高順が「俺の新しい技を見せてやる」っていう、蝶☆土器土器のシーンですよ!」馬超「どれどれ・・・?」「俺の新しい足を見せてやる」馬超「あ、ほんとだ。やっちゃったぜ☆」高順「なんですか、新しい足て!」馬超「ごめん、彼氏のことで頭が一杯でつい。」高順「しかも、もっと酷い誤植が最後にあるんですよ!高順が三刃戟を構えて「うぉぉぉぉーっ!」って突っ込むところですよっ!」馬超「え~~~~?そんなところ間違えないと思うんだけど・・・。」高順「間違ってるんですよ!」「ちゃんと台本読んでください。」高順「なんすか台本って!もう意味わかんない!しかもこのコマについてるあおり文句、なんすかコレ!?「彼氏ができました~」何自慢してるんですか!」馬超「やっちゃったぜ☆」高順「やっちゃったじゃないでしょ、これあおり文句自分が自慢したいって、ただそれだけの事で言っちゃっただけでしょー!?」馬超「言っちゃったぜ☆」高順「あーもー何かもぉぉぉぉ・・・!やってられないんだぜ!」馬超「ごめんねだぜ☆」~~~数日後、電話中~~~馬岱「もしもし、月刊あるかでぃあの馬岱です。お疲れ様♪」高順「え、馬岱さん?」馬岱「今日からあたしが担当になりました。よろしく♪」高順「え、あの、馬超さんは・・・。」馬岱「おねーさま・・・亡くなっちゃった。」高順「うぞぉぉぉぉぉおおぉぉぉっ!!?な、何故に!?」馬岱「実は、初めて出来た彼氏が他にも浮気してたようで・・・。」高順「え、浮気!?それで自ら命を・・・。」馬岱「ショック死だよ?」高順「ショック死!?」馬岱「なんか、ご主人s・・・じゃなくて、その彼氏さんが、他の女性と何股もかけてたみたいでー。」高順「え、相手、そんな男の屑だったのか・・・ちなみに、何股かけてたんですか?」馬岱「おねーさま含めて20股。」高順「かけすぎじゃああああああああああああああああああああっ!!!?」これがやりたかっただけ。最初は桃香にしましたがそこまで鞭打つような真似はかわいそうだ、と思い馬一族にでていただきました。純情かつ愛すべきお馬鹿な娘なのでこういうときは動かしやすいですwここから、あのおかしなノリの番外打ち切りが続くのですな(笑