【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 最終話 ~夢の後先~下邳が燃えている。城壁のあちこちが壊され、破られ、所々に兵士の死骸が散乱していた。城には「曹」の旗がたてられており、先ほどまであったはずの「呂」旗は引き摺り下ろされ燃やされている。下邳。つい先ほどまで呂布が治めていた都市。つい先ほど、というのは劉備と曹操の連合軍に攻められて陥落したからだった。連合軍の威容に恐れを為した呂布軍の将、侯成・宋憲・魏続が城門を開けて降伏。結果、三国最強と呼ばれた少女、呂布は関羽・張飛・趙雲。そして魏の夏侯惇・夏侯淵・典韋・褚猪と言った両軍の勇将相手に闘い、あえなく討ち死にをしたのである。降伏を呼びかけられた陳宮は最早これまでと、自身の胸に短剣を突き刺し自刎。張遼も夏侯惇と激闘の末、敗北し捕縛された。高順と、彼に付き従う武将も最後まで戦い抜いたが、呂布亡き状態である上、どうしようもできない物量差に押され、関羽らに破れ捕縛されたのだった。その高順を見下ろす形で、曹操が仮の玉座に座っている。劉備らもその横にいて、どうしたものかと悩んだ表情だ。張遼、そして高順に付き従っていた3人娘と沙摩柯は、すでに曹操への臣従を了承しているが、傷を負っていて、その治療のために陣幕へと運ばれここにはいない。だが、高順だけが頑なに臣従を拒否しているのだ。曹操は、何度目になるか知れない言葉を高順に言う。「高順、私に仕えなさい。貴方の才能は呂布程度に扱いきれるものではなかったわ。呂布は貴方の能力を理解できず、貴方の鍛え上げた武将と兵を全て魏続に与えた。そのような事をせず、貴方と陳宮の言葉に耳を傾けていれば今日のような無様な敗北はなかった筈。」「貴方であれば、その才能とやらを使いこなせると?」「当然ね。私を誰だと思っているのかしら?貴方が臣従する、というだけである程度は丸く収まるわ。貴方を慕って、ここまで着いてきたあの娘達の気持ちを理解してあげて欲しい。」「・・・。」「さあ、決断しなさい。」曹操の言葉に、高順は「お断り致す。」とだけ。この一言を口にするのみだった。この態度に、夏侯惇も頭に来たのか、高順を怒鳴りつけた。「貴様、いい加減にしておけよ!?華琳様のご厚意を何だと思っているのだ!?」この言葉に、高順は取り乱すでもなく答える。「厚意?そんなものは知ったことか。俺は前にも言ったはずだぞ・・・?俺と言う人間は曹操と言う存在の器に入れない手合いだとね。」「華琳様の器の中に入りきれないとでも言うのか!」「逆だ。曹操殿の器の中に入る事すらできない、という意味さ。俺は前にも仕えるつもりは無いと明言しただろう?言った以上、それを違える事はない。それとも、あんたが逆の立場なら臣従するとでも言うのか?」「そのようなこと、ありえるはずが無い!」「無いのなら、黙っていてもらおう。人にはそれぞれ思うところがある。曹操殿が言うから、それに従う。そんな人間ばかりではないよ。」「・・・ならば、劉備はどうかしら。彼女ならば貴方の眼鏡に適うのではなくて?」曹操の言葉に、高順は劉備を見やる。その劉備の表情だけで、言いたい事が解る。「お願いだから、生きる道を選んで。」と。昔、彼女の真意を掴めずに随分と酷い関わり方をしたものだ。と思い出す。彼女らの真意は何1つとして変わっていなかった。義と情。その2つの文字のみは絶対に斬り捨てることなく、彼女たちはこの戦乱の世を生きているのだ。彼女はその言葉と意味を万人に伝えようとするのだろう。そして、そのまま世界が平和になってくれればいいと思うのだろう。それに比べて自分は、彼女の力量を疑い、義と情を封印しろと言った。そのくせ、自分が彼女と同じような行動をしていたのだ。それに自己嫌悪を感じ、それから何とか性格を変えようと試みた。だが、結局は出来ないままだった。自分の性格、性質を偽って生きる。そんな器用な生き方などできなかったのだ。そのままズルズルと生きた結果がこれだ。自身の運命、それを変えることが出来ないまま、ここで死を待つ身となっている。「・・・劉備殿、か。はは、それもいいかも知れんな。」「ならば・・・。」「だが、それも断る。」「・・・どうして?何故そこまで死にたがるの?」曹操の悲しげな問い。それに対して、高順は簡単な話だ、と言いたげな表情を見せた。「俺如き凡才が生きる場所が劉備殿の下にありますか?もし俺が仕えると言った所で、活躍の場など無いまま終わるでしょう。・・・俺の気持ちは変わりませんよ。さあ、勝者と敗者の差。功罪を明確になされるが良い。」「・・・解ったわ。高順を刑場に連れて行きなさい。」毅然とした態度で曹操は言い放つ。「しかし、宜しいのですか?」夏侯淵が遠慮がちに言うが、曹操は首を振った。解ったのだ。彼の心が動かせないことに。無理に支配下においても、結局は満足するように動いてはくれないのだろう。そのまま他陣営に属されて、敵対でもされたらまた苦労する羽目になる。本当に惜しいが、仕方が無い。そのまま刑場に引き立てられた高順は座して目を閉じる。結局、自身の運命を変えることは出来なかったがこれはこれで楽しい人生だった、と思う。本来なら知りあえる筈も無い人々と出会えた。呂布という存在の元で、自分の力を出し切って戦えた。あの曹操、劉備。英雄と評される存在を相手に存分に戦えた。心残りがあるとすれば楽進達だが、彼女達ならば曹操の下で実力を発揮していけるだろう。自分は一足先に逝って、その活躍を見届けるとしよう。いや、先に逝った呂布達と共に向こうで大暴れしてみるのも一興か。そのまま、高順は執行吏の1人に押さえつけられた。そして、もう1人の執行吏が高順の首に向けて、青龍刀を振り下ろす。数瞬の後、肉を切り裂く音が刑場に響き渡った。建安3年12月。高順刑死。最強の騎馬隊を率いて三国無双の名をほしいままにした呂布軍。その呂布と共に乱世を駆け抜けた高順の死は、1つの時代の終焉であり、これからの時代の始まりの予兆でもあった。あいつ「という夢を見た。」高順「夢かよっ!?」~~~楽屋裏~~~人間である以上、どうしようもない疲れが存在するのです、あいつです(挨拶さて、今回のシナリオ、人によっては驚くかもしれませんね。むしろ、「ふざけんな!」とか。ただ、これは旅が中途半端な結果に終わってしまった場合の高順くんの末路でもあります。あのまま丁原さんの元にいても同じような結末ですね。BADEND、というのを書いてみたくなりましたw色々な批判、意見を見て「なるほど。」と思うところもあれば「ふざけるな!」と激昂もして見たり。意見にすらなってない批判感想には反応しない、これで良いのでしょうかね・・・。この回が問題になったので削除しましTA!(駄目でもまた疲れたらやります(現実逃避として次回はちゃんとしたものを書きます!それではまたノシ