【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第18話公孫瓚の根拠地、北平。この地で高順達は公孫瓚の客将となって兵士を率いる立場になってしまっていた。公孫瓚は「次の出陣までは約1月かかるだろうから、それまでに隊の掌握と訓練を頼む。ちなみに、新兵だからさ、ちゃんと教育してくれよ?」と無茶な命令を出してきた。無茶、と言うのは現状で(高順側から見れば)馬術に秀でた者が沙摩柯と蹋頓しかいない、と言う事に起因する。異民族に教えられるのはあまり気分の良い物ではないかも知れない。公孫越らが蹋頓らの事で公然と反発をしたのも「異民族風情が」という感情が先立っているからだ。自分と虹黒のやり方では正直参考にならない、という事を理解していたし、3人娘にしてもまだ馬上戦闘に慣れきっていない。さて、どうしたものだろう?自分に与えられた部屋(さすがに男が相部屋では不味いので別に部屋を用意してもらった)で、悩む高順だが、その前にいくつかやりたいことがある。まず1つ目。北平でも味噌を広めようという、味噌汁好きの彼の野望である。幸いと言っても良いかどうかは解らないが、北平は上党からは割りと近い。1月もあれば・・・恐らく、往復はできなくてもそれに近い距離は移動できる。そう考えて、沙摩柯に竹簡を上党にいるであろう親方さんに届けて貰えるように頼んだ。。内容は「味噌売れてたら、ある程度の金額と出来上がった味噌を寄越してください。それと、出来ればで良いので職人さんを2人ほど回していただけると助かります。」というものだ。正直、金額のほうは期待するべきではない。その中から職人さん達への給料も出るし、自分が居ないのだから横領されてても文句など言えない。其れでなくても迷惑をかけているのだから、その程度は許容範囲といえる。味噌は自分で味見をしたい為で、職人はここ、北平で広めるために手伝いをしてもらおうと考えるからだ。最低でも半年はいるつもりだし、その間にこの味を広めたいものだ。美味しい、というのもあるが上党で受けいられた味がここでも通用するだろうか?ということがある。そして2つ目。これが重要だ。まず、自分に与えられた兵士(騎馬兵)だが、どうも烏丸と北平の人間からなる混成部隊のようだ。両者共に馬の扱いは慣れているだろうが、北平側はやはり劣るだろう。どちらも均等に、とまでは行かなくてもそれに近い質まで持って行きたいものだ。そうなると、どうしても蹋頓にお願いをすることになるのだが。自分自身も星に稽古をつけて貰いたいというのもあるし、兵士の質を上げるために訓練も見なければならない。なんだか騎兵ばかり任されてそこは不満でもある。歩兵とか任せてもらえないだろうか。その辺りは置いておくとして、今高順のやってることは兵士リストを作成する、というものだった。あいうえお順に兵士の名前を竹簡に書き込んで、点呼の時などに使おうと思っている。「さぁて・・・こんなもんか。」筆を置き、竹簡に書き連ねた名前を数え、200人分書き込まれていることを確認する。こういう作業は部下の数がそこまで多くないからこそ出来る作業だ。これが1000とか2000だと、自分だけで出来る仕事ではなくなってしまう。「ふう、残りの仕事は明日だな。」ふと窓の外を見ると既に夕日が落ちかけていた。1つのことに集中すると周りに目が行かない、というが高順もそういう人間だ。「明日は実際に部下になる人と対面、か。どんな事言えばいいのやら。」これだから人の上に立つのは嫌だ。面倒なことが次から次へとやってくる。部下の命を預かるという立場も正直重い。人の命など金より軽い、というのはどこの時代でもそうだが・・・戦乱の時代と言うのはその傾向が顕著になってくる。これから始まるはずの大乱世。その軽い命でも、現代的な感覚を持つ高順にとっては重過ぎる物だった。こんな事を考える時点で部隊の長失格なんだろうな、と自嘲気味に呟いた高順は竹簡を畳んでいく。既に部隊の育成方針は固まっているし、蹋頓に任せておけばその辺りは心配ないだろう。馬上戦闘のみではなく、馬を失った場合の歩兵戦術も教え込んでいかねばならない。そちらは楽進ら3人娘がいるからそこも問題・・・問題は、彼女らの戦い方を実践できそうにない事だ。気、とか言われても普通は出来ないし。そこら辺は自分で教えるしかない。その為の武具とかを揃えないといけないだろう。考えないといけないことは沢山ある。だが、その前に。「厨房行って腹ごしらえをしよう。」いそいそと部屋を出て行く高順だった。~~~次の日、北平訓練所~~~整列した200人の兵士の前で高順は三刃戟を片手に、訓示をしていた。その200の兵の中に3人娘と蹋頓も混じっている。訓示と言っても立派な事を行った訳ではないが。一通りの事を言い終わった高順は、「では、ここから訓練内容を発表します。」と言った。「騎馬戦闘は・・・蹋頓さん、前へどうぞ。」呼ばれた蹋頓が高順の隣に移動し、兵達のほうへ向き直る。「騎馬戦闘は彼女に教えていただきます。本来なら俺が教えたいところですが、俺のやり方は当てにならないらしいので。蹋頓さん、何か言いたいことは?」「はい。・・・初めまして、皆さん。これより馬術を教えます蹋頓です。烏丸族の私に教えられるのは不服を覚える方もいらっしゃるでしょうが、生き残るためだ、と思って頑張ってください。」この言葉に高順も続く。「他にも色々と教えないといけないことはあるのですが、いきなり全部詰め込んでも混乱をするだけでしょう。ですからまず、馬上戦の技術の向上のみ目指してください。その後に歩兵戦闘もお教えいたします。それに伴いもう1つ。自分の馬の世話ですが、極力自分で行ってください。」高順の言葉に3人娘と蹋頓を除く兵士達がざわめく。そのざわめきが一段楽するところまで待って、高順は続ける。「皆さんが驚くのは無理も無いことですが、これを実行してください。馬という生物は臆病です。ですが、主人を慕っているならきっちりとこちらの思い通りに動いてくれる聡明さがあります。馬を好きになれなければ馬から好かれることなどできないでしょう?両者が信頼しあうからこその騎兵だ、と俺は思っています。信頼が無ければ馬は主人の命令でも聞かないことがあるでしょう。」そこで一旦言葉を切って、高順は三刃戟の柄を地面を「こつっ」と叩いた。「何も、全てを自分でやれとは言いません。ですが、可能な限りの世話をしてあげてください。馬がこちらを信頼してくれれば多少の危険を顧みることなく皆の指示に従ってくれるでしょう。・・・宜しいですね!?」最初は迷っていた兵士達だったが、高順の丁寧ではあるが力強さを感じる口調に押される形で全員拱手をしていた。「・・・宜しい。それでは、蹋頓さん。後をお願いしますね。」「はい。お任せを。・・・皆、騎乗しなさいっ!」先ほどまでの温厚な表情が一点、蹋頓の表情が厳しくなる。兵士たちも背筋を伸ばしてすぐに自分の馬に乗る。普段は温厚、というより弱気と言っても良い彼女だが、教練のときはかなり怖い。凪達も「あの二面性はいったい何だろう。」と驚くほどだったらしい。が、厳しいのは自分の技術をきっちり教えようとしているだけで、不当な怒り方など決してする事は無い。兵士たちも最初は戸惑うだろうがすぐに慣れるだろう。「彼女に任せて置けば安心だな。よし、俺は・・・。」「高順さん!隊長たるあなたが何をしておられるのです!?さあ、早く虹黒に乗ってください!」「え?お、俺もですか!?」瞬間、ゴシャッ!という音が響く。そんなことを言った高順の頭に蹋頓が思い切り棍を叩き落したのだ。「のぉぉぉおおぉっ!?」『!!?』のた打ち回る高順を見て兵士が本気で震え上がった。蹋頓が棍を持っているのは、練習で相手を必要以上に傷つけない為だ。それでも彼女の戦闘能力なら平気で人を殺傷する武器になる。兵士達はこう思っていた。「隊長でも口答えすればああやって制裁されるのだ。」と。「高順さん、皆が待っているのです!隊長たるあなたが兵に迷惑をかけて何としますか。さあ、お早く!」「はいっ!申し訳ありません!」何故か敬礼をしてから虹黒に跨る高順だった。(兵士も最初虹黒を見たとき驚いていたがいつものことなので省略「宜しい。では始めます。これは初歩的な技術ですが槍と言うのは突き・薙ぎ・下ろしの3つから成り立ちます。最も、これはどの武器に言えることですが・・・。」蹋頓の話は続く。長柄の武器で突く、というのは思った以上に難しい。なので皆(高順らを除くとして)は先ず払いと振り下ろしからだ。剣や刀のように短ければ払いは斬りとなるが、刺すのは長柄に比べれば易い。「まず皆さんには馬の扱い、ならびに馬上での剣・槍・弓の扱いを覚えていただきます。今回はどれか1つを徹底的に教え込むことはしません。ですが均等にこなせるようにはなっていただきます。」そう、次の戦いは少なくとも一ヶ月以上先のことだ。それまでに最低限の戦力にはしなければならない。「それだけではなく、筋力・耐久力。そして歩兵戦も覚えていただきます。馬を失ったときでも最低限の戦いを出来るように。・・・解りましたか!?」『はいっ!』高順も、3人娘も、兵士たちも、皆一斉に返事をしていた。「良い返事です!」そして、彼らの特訓が始まった。~~~数時間後~~~「・・・よしっ、今日はここまでにします。皆、ご苦労でした。明日からも同じように行きますから、休めるうちに休んでおくように。解散!」『はっ!』皆、一様に疲れた顔だったが返事はしっかりとしたものだった。全員が下馬をして、自身の馬の手綱を引き厩へと引き上げていく。おそらく、これから馬の身体を洗ったり、餌を与えたりするのだろう。高順の言ったこともきっちりと覚えていたらしい。凪達も、高順も馬から下りて汗をぬぐっていた。「ふぃぃ・・・今日もまた凄かったなぁ。しかも、思い切りぶん殴られたし。」ぼやく高順の隣で蹋頓は「申し訳ありません・・・。」としょんぼりとしていた。「あー、蹋頓はんは謝ることないと思うでー。あれは高順兄さんが悪いねんって。」「そうですね、高順殿は自分だけ逃げるつもりだったようですから。」「たまには沙和たちと一緒に訓練するべきなの。」「いや、そりゃそうだけどさ。勿論蹋頓さんは悪くない。でも、俺にもやりたいことがあったんだよ。」「へー、何やの?趙雲はんを手篭めにするとか?」「何でそうなるかな!?彼女と槍の手合わせしてもらいたかったんだよ、修練です!」「ま、まさか・・・股間の槍!?」「人の話をどこまで曲解させるんだああああっ!?しかも人聞き悪いぞ!」叫ぶ高順と、それをからかう真桜と沙和。蹋頓と凪は何を想像したのか真っ赤になって俯いている。「ううっ、俺全然尊敬されてないよね・・・。」「せやね。」「そうなの。」「・・・え、わ、私は高順殿を尊敬していますから!ね、蹋頓殿!?」「え?ええ、勿論!?」「・・・2対2ですか、そうですか。って、それよりも。皆、後で俺の部屋に来てくれる?」「へ?何かあるん?」真桜の言葉に高順は「あるんですよ。」と返した。「はっ、まさか・・・沙和達の瑞々しい身体をムググッー!?」「よーし、沙和?ちょっと黙っていようか?」凪に絞めと言うかチョークスリーパーっぽい技をかけられて沙和は強制的に沈黙した。「あら、私は構いませんけど。」余裕ありげに言ってのける蹋頓。「うぉー、さすが元人妻。余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)やなぁ・・・。」「とと、蹋頓殿!?そういう冗談を口にするのはまだ時間的にも!」「え?冗談など言ってませんよ?」ふんわりとした笑顔を浮かべる蹋頓に凪も真桜も高順も絶句した。(沙和は現在気絶中訓練を終えた今、全員汗だくになって服が身体に張り付いている。普段露出しっぱなしの真桜。それに対して凪や蹋頓は「普段は露出が少ないが、ちょっとしたしぐさで異様な色気を感じる」手合いだ。高順は正直どちらにも弱い。全員見た目も良いし、何だかんだ言いつつもきっちり信頼もしてくれている。例え冗談であっても、そういう人々に迫られると高順は本気で困ってしまうのである。顔を真っ赤にして、ごほん、と咳をした高順は「それはともかく。」と場の流れを変えようとする。「後で皆で来てくださいね。馬の世話して、風呂で汗流してから。それじゃ。」高順はこう言って虹黒の背をポンッと叩いて厩へと歩いていった。「・・・口説き損ねましたね。」『!!?』蹋頓は・・・割りと本気だったらしい。言われたとおり馬の世話を終え、汗を流してきた4人は高順の部屋へと赴いた。途中で一緒になったので皆で赴く。凪が高順の部屋の扉をコンコンと叩き、「失礼します。」と入っていく。「ああ、ご苦労様。」「いえ。それで、我々に用事とは?」「ん、これ。」高順は銭の入った袋を4つ取り出した。「・・・これは?」「お金。公孫瓚殿に給料として貰ったの。で、これに支給額が書いてある。確認してね。」高順は竹簡を取り出して4人に見せた。竹簡の一番最初にかなり大きい額が書き込まれている。これを6人分に割って支給するのだ。高順達は客将とされているが実際は傭兵である。その為、公孫瓚と色々交渉をして自分達の給料を決めなくてはいけない。そういった役割は真桜が一番向いているので助言者として一緒に交渉をしてもらった。結果、「まあこんなものだな」と言う所で互いに納得できたので、特に大きな混乱も見られなかったがこれからの戦いで活躍できれば額も増えるのだろう。その辺りは自分達の腕にかかっている、という事だ。「沙摩柯さんには渡したんだけどね。そこで皆も呼べばよかったのだけど。今日、皆が集まるからそこで良いかと思ってね。」全員、竹簡を見て、間違いが無いかどうかを確認していく。だが、皆が「あれ?」と首を傾げていた。どう見ても金額が合わない。よく見ると高順だけ、随分と額が少なめであった。「なあ、高順兄さん?」「ん?」「なんで高順兄さんだけこんなに取り分が少ないん?」「一番楽してるから。」「・・・・・・。」あっさりと言ってのける高順に、全員が固まってしまった。確かに現状では兵を鍛える、という肉体的に辛い役目は彼女達の役割である。だが、高順も今日のように訓練には参加するし場合によっては自分から凪や沙摩柯にお願いして居残り特訓のようなこともしていく。それに加えて部隊の編成や、兵士の名簿を作ったりと隊長としての仕事もある。なのに、一番楽とか言ってしまうのである。欲が無い、と言えばそれまでなのだろうが、部下としてはもう少し欲を出したほうが良いのでは?と心配させられてしまう。「心配しなくても、ちゃんと生活できる分は確保してあるから。そーいう顔しないでくださいよ。」彼女らが心配そうな顔をしているのが解ったのか、高順も取り繕ったように言うのだが、凪達にしてみれば「そういう問題ではないと思う。」といったところだ。「さて、俺の用事はこれで終わり。解散していいですよー。」「・・・はい、解りました。」皆、釈然としなかったが本人がこれで納得をしているのなら仕方が無い。この欲の無さが悪い方向へと向かなければ良いのだが。退室していく4人は全員そんなことを思っていた。4人が出て行った後、高順は「ん~~~。」と、身体を伸ばした。「よし、今やらないといけない事は全部終わったな。」後は沙摩柯さんが帰ってこないとなんとも言えないなぁ。・・・よし、時間も余ったことだしアレの進捗具合を確かめに行こう。前に厨房の人にお願いをしておいたので出来上がってる頃だろう。~~~厨房にて~~~「どうもー、頼んでた奴できました?」厨房に入っていくなり高順は作業をしていた人々に声をかけた。「あ、高順さん。お待ちしてました。こんなもので宜しいですか?」彼が出してきたのは肉の腸詰め・・・そう、ソーセージである。作り方は教えておいたが、問題は材料だった。氷とか燻製機とかもそうだが、香辛料などがどうしても間に合わせの物しか使用できない。口金や絞り袋などはあったのでなんとかできるだろうとは思っていたが、形だけは何とかなったらしい。温度を保ったりとか、そういう面倒なことが出来ないだろうから、どうしてもある程度のところで妥協しなくてはいけない。「いやぁ、苦労しましたよ。空気がすぐに入るので針で穴を開けたり、薄いところが破れたりとか。」「はは、そうですね。でもちゃんと形になってるところは流石ですね。」実際、大したものだ。形状などはなんとなくのイメージしか伝わらないものだが、きっちりとソーセージの形になっている。その辺りはやはりプロだということだな、と高順は納得した。「では味見をして見ましょうか。皆さんも一緒にどうです。」「え?でも、我々よりも高順さんから食べたほうが・・・。」「別にかまいませんって。作ってくれたのは皆さんですし、最初に食べる権利があると思うのですよ?」「そ、そうですか?じゃあ・・・。」1人の女性がおずおずと箸でつまんでソーセージを口に入れ噛み千切る。ポリッという、いい音がした。「むぐ・・・お、美味しい・・・!?」「え?本当に!?」「こんな変な肉が!?」「・・・変な肉って・・・・・・。」味噌汁のときと言い、どうしてこうおかしな評価しかもらえないのだろうか。まあ、彼らからすれば初めて見た物だろうし、警戒するのも無理は無いか。「じゃあ、俺もいただきますかね。・・・むぐっ。」ふむ、ちゃんと水抜きはされてるし、作り立てだからか余計に美味しい。少し胡椒が強い気がするけど食欲が出てくるくらいの良い辛さだ。これは良いな。成功と言っても差し支えない。「よーし、大成功。でもこれ・・・かなり数があるけどどうしよう?」「そうですねえ、趙雲さんや公孫瓚様にも試食して頂くのは?」「それだっ。よし、じゃあ持っていくよ。皆さんありがとうねー。」そう言って高順は出来立てのソーセージを持って行くのだった。結果。公孫瓚:「美味しいな・・・どうやって作ったんだ?」星:「ほほう、これは中々良い辛さですな・・・。酒のつまみに良いやもしれませぬ。」また酒ですか。ついでに3人娘と蹋頓さん達にもお裾分けして見ます。 真桜:「美味いなぁ。これも高順兄さんが作ったん?」沙和:「これ、豚肉なの?ちょっと信じられない・・・。」凪:「もう少し胡椒が利いていれば更に美味しいのですが・・・。」蹋頓:「あら、形が(中略)。美味しいですよ、ふふ。」丘力居&臧覇:(無言でむくむく)なんだかおかしな反応をした人が1人いましたが概ね好評なようです。ケチャップあればなー。この後、公孫瓚に「前の肉、量産してくれる?」とお願いされることなど夢にも思わない高順だった。それから2週間ほどして、沙摩柯が帰還した。大量のお金と2人の職人を連れて。旅の疲れがあったが、彼女らはまず高順の部屋へと赴いた。高順の部屋の扉を叩き、部屋に入る。「あ、沙摩柯さん。おかえ・・・り・・・。何その大量の袋。」「ただいま。お金だ。持ちきれない分があったからそれはまず私の部屋(沙摩柯と蹋頓は相部屋。丘力居らもいる)に突っ込んでおいた。後で持ってくるよ。」その異常な数の金の詰まった袋を見て、高順は「一体どれだけ儲けたんだよ・・・。」と、気が遠くなりそうだった。「で、沙摩柯さん。その・・・後ろに居る方々は?」高順の部屋には現在、本人と沙摩柯、そして後ろに2人の女性・・・少女と言ったほうがいい。が立っている。高順より少し年が下かも知れない。その少女2人がその場で高順にひれ伏した。『お初にお目にかかります!』「え?何?どうしたの!?」いきなりのことで思考が追いつかない。「私達、上党で味噌作りの仕事を与えられていた者です。」「高順様のおかげで職を得られたも同然です、感謝しています!」「え。あー・・・。君たちを選んだのは親方さんだと思うけど・・・うん。」なんだろう、凄く感謝されてる。俺、味噌の作り方を親方と一緒にあれこれ悩んで後を任せただけで・・・別にこの子達の雇い主じゃないんだけど。でも、何らかの技術、つまり手に職つけらたのは大きな自信になるとは思います。「あー。お二人共、そろそろ立ってくれないかな?」まだ跪いてる2人に高順を声をかける。その言葉を聞いて、2人とも素直に立ち上がった。「ま、小難しい話は無しにして。ようこそ。あなた方にもここで味噌を作ってもらいますけど・・・きっちりと給料は出すのでご心配なく。」「はい!」「それと、2人の名前を教えていただけますか?」「閻柔です!」「田豫です!」また、マイナーな人々が・・・。両方とも優秀な人だとは思いますが、何でそれが上党から来るかな。いや、もういいけど。慣れたけど!「あの、高順様・・・?どうかしましたか?」「え?ああ、いや、何でもないです。それよりも・・・参ったな。来るのは男性だと思ってたし、2人か・・・部屋が無いな。」「大丈夫です、高順様の部屋で泊まります!」「ブフゥッ!?それは不味いですって!」「別にかまわんだろ?」「沙摩柯さん何言ってるのさ!?俺男ですから!女の子2人と一緒にお泊りとかキツイですから!?」「問題ありません!襲われても構いませんから!」「ブーーーーッ!!?」なんというテンションの高さだ・・・。正直おじさんも疲れます。無意識にえろい事言う蹋頓さんもきついが、この子達も天然でこういうこと言うのかなぁ。疲れるなぁ。まあ、悪い子達ではないと思う。おじさん頑張る。結局、この日は彼女らに同じ部屋に泊まってもらったが、翌日3人娘と星に弄られるわ、凪や蹋頓に絞められそうになるわで散々な思いをする高順であった。後日、真桜に自分達専用の鐙を作ってもらったり、歩兵戦闘用の6mクラスの長槍や馬上戦闘用の籐牌(円形の盾で藤を編み込んだもの)を更に木や金属で補強した物を作ってみたりと色々な話があるが・・・。それはまた、別の機会に。~~~楽屋裏~~~どうも、またしてもちょい役武将を出しましたあいつです。連投は出来ませんでしたが休日を丸一日使って書き上げたことは評価して欲しいと思うんだ(何さてさて。最後に馬上戦闘用の籐牌や長い槍を作成したりとか色々やってますが、他にもアイロンのような形をした盾やら楕円形の盾やらも作ってそうです。歩兵用の盾とか作成してるかもしれませんね。そしてソーセージですが・・・作中のやり方できっちりした物が出来るかどうかは解りません。「できる訳ないだろ!」と思ってもスルーの方向で(待閻柔と田豫は上党ではなくどっちかと言えば北平よりの人になると思いますが・・・名前だけの人で今後出てくることは無いでしょう。恐らく上党と同じように味噌倉を作って生産に乗り出すのでしょうね。いつ解体できてもいいような形でw楽進さんも解体スキル持ちになってましたし。そして高順くんの扱いが悪いのは仕様になりつつりますね。それより、元人妻設定になったことで蹋頓さんの性格が次第にえちーな方向へ。最初こんな性格ではなかったというのに。一体どうなる(本当に話は変わりますが、当初、この作品は10話程度で終わらせるつもりでした。他の作品でもありますが、3話とかで黄巾の乱終わらせて、5話くらいで洛陽編終わって、残りで徐州編。「俺達の戦いはまだ続く!(漢坂?」なノリで。しかし、蓋を開けてみると。「あれ、番外編入れてもう20話近くやってるのにまだ黄巾いってなくね?」・・・迂闊すぎる私に乾杯(黒烏龍茶でなんで処女作がこんな長編になってるのでしょうね。迂闊にも程があります。単純に私の構成力が無いだけなのですが・・・(笑そのあたり、読者様はどう思ってるのでしょうね?もっと早く進めろよ!とお思いなのでしょうか。さて、次あたりから烏丸との戦いになると思います。白馬なんとかもありますから、きっと戦いそのものは楽なのでしょうね。烏丸は白馬なんとかを恐れていたらしいですから。それではまた。ご意見ご感想お待ちしております。ノシ