【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第17話北平政庁にて。星の差し金(?)によって、高順たちは公孫瓚と面会を果たすことになった。その前に、政庁までの道のりで虹黒を見た星は「まさか、これほど立派な馬がいようとは。」と随分驚いていた。烏丸と幾度も戦ったことはあったが、こんなに立派な体格をもった馬は少し見たことが無い、という。やはり虹黒は特別な存在だろうか?と少し不安になる高順だった。(強さ的な意味もかねて。それと、丘力居達は馬車の中で待機している。陳留ほどではないがしっかりとした作りの部屋に公孫瓚が居て、その周りに兵士や・・・おそらく、将軍がいる。高順らは公孫瓚の目の前で皆跪いていた。「伯珪殿、客人をお連れしました。」「ああ、さっき聞いたよ。・・・ようこそ北平へ。私が公孫瓚。字は伯珪だ。よろしくな!」随分とにこやかな人というか・・・素直そうなお人だ。これが高順の公孫瓚への第一印象だった。素直と言うか、嘘をつけないというのか。いつか凄まじい貧乏くじを引きそうな、そんな感じだ。「ああ、それとな。そんなに畏まらなくてもいいんだけど?そうやって跪かれることには慣れてなくてさ。」公孫瓚は少し照れくさそうに言った。「そうですな、伯珪殿にはそういう礼は不要でしたな。」「いや、最低限は必要だと思うぞ!?」そんなやり取りを聞いて高順は何か安堵するものがあった。やはり、人を差別するとかそういう手合いには見えない。ずっと跪いてる高順たちに公孫瓚は少し困ったような表情をした。「あのー。ずっとそうされてるのはすっごく辛いんだけど・・・そろそろ立ってもらえないかな?」「・・・は。これは失礼を。」彼女らのやり取りが少し楽しかったせいですっかり忘れていた。促される形で立ち上がる。「で、お前は・・・高順、だったよな。星から何度か聞いてる。面白い人だ、ってね。」「・・・はあ。」何を吹き込んだのやら。星に抗議の視線を送る高順だったが、当の本人は何処吹く風、とまったく気にしていない。「それで、後ろの人々は聞かされていないけど・・・ん?」高順の後ろに居る3人娘や沙摩柯を見回していた公孫瓚だったが、蹋頓を見た瞬間反応が変わった。「お、お前・・・。蹋頓!蹋頓じゃないか!?」呼ばれた蹋頓はふぅ、とため息をついて「お久しぶりです。」と答えた。公孫瓚は蹋頓に走りよる。「あはははは、久しぶりじゃないか!?元気にしてたか?丘力居ちゃんは?」「ふふ、お蔭様で。何の因果か主君を得ました。あの子も元気にしていますよ。」「そうか、それは良かった。・・・まさか、こんな形で合えるなんて思わなかったよ。」盛り上がる彼女らを見て星は特に遠慮をせず質問をする。「伯珪殿?もしかしてお知り合いですか?」「え?あ、ああ。すまない。うん、友人だ。」「数年前に知遇を得まして。おかしな人ですよ。異民族の私にも偏見を持たずに接するなんて。」「そういうものかな。でも、高順もそうなんだろ?」「はい。そうですね。」蹋頓はゆっくりと頷く。「私は蹋頓を差別しない。高順も、多分その仲間も蹋頓を差別しない。それで良いだろ?」「ええ。・・・ふふ、あなたと言い高順殿と言い。おかしな方々ばかりですね。」公孫瓚の言葉にゆったりとした笑顔を浮かべる蹋頓だった。「さて、と。本題に入ろうか。星からの提案でね、お前達を客将として雇わないか?と言われたんだ。」高順は「やはりな。」と考えた。戦力を求める公孫瓚と、少し落ち着きたい高順。お互いの利害が一致しているのは解っていたし・・・どうも、公孫瓚の陣営と言うのはどうもパッとしない武将が多い。決して無能ばかりではないのだが公孫瓚と趙雲のおかげでなんとか保ってる、というイメージがある。烏丸は白馬義従を恐れている節があるからそれだけで戦いを有利に進められるのかもしれないが、それでもまだ不安はある。烏丸に限らないが異民族は数が多い。何度叩いてもしばらくすればまた勢力を伸ばし始める。公孫瓚としても、烏丸の強硬派を殲滅とまでは言わなくても立ち直れないほどの打撃は与えておきたいのだろう。「それでな、星は随分とお前の事を高く買っているし、蹋頓の実力は私も知っている。他の4人は実際に見て見ないと解らないけど・・・。どうかな?」「ええ、それではよろしくお願いします。」あっさりと頭を下げる高順に公孫瓚は「え、えらく判断が早いな・・・。」と言った。「こちらとしてもしばらく腰を落ち着けようと思っていましたしね。合間に星殿に稽古を付けていただきたいとか、いろいろ。」「なるほどなぁ。ははは、じゃあ頼りにさせてもらうよ。」公孫瓚がこう言ったところでその後ろに控えていた武将がずかずかと進んできた。「ん・・・なんだ、範に越。それに王門。どうかしたか?」「姉上、我々は反対です!」越、と呼ばれた男性武将が声を荒げる。皆、鎧兜に身を包んでいるので容姿はわかりにくいが・・・皆機嫌が悪いのが見て取れる。おそらく高順達を受け入れた公孫瓚の判断が気に入らないのだろう。「さよう、私も反対ですぞ、姉上!」「そんな氏素性も知れない者を受け入れるとは・・・一体何をお考えなのですか!」範と呼ばれた男と王門と呼ばれた男も吼える。「なんだ、お前達・・・。何に不服があるんだ?」「不服?大有りです!」公孫越が腰に吊るしている剣の柄に手をかける。「高順とやらはまだしも・・・異民族を客将?ふざけるのも大概にしてください。」「やめないか、越。彼らは私の客人だぞ?私に恥をかかせるつもりか!?」「そうではありませぬ!異民族に一端の位を与えるのが気に入らないのです!」その声に公孫範も王門も同調する。「越の言うとおりです。その上、蹋頓ですと・・・?烏丸の先代単于でしょう!」「一平卒としてならばまだしも、客将ですと?馬鹿馬鹿しい、そのような前例はありませぬわ!」彼らの意見に公孫瓚も少しカチンと来たようだ。せっかく戦力として迎え入れると言ったのに、それを部下から真っ向に否定されてしまっては自分の、そして彼らを推挙してくれた星の立場が無い。こんな言われ方をされれば高順たちとて面白くは無いだろう。案の定。「おいおいおい、兄さんら偉い言いようやなぁ?」「沙和も頭にくるの!」「仲間を侮辱されて、黙っているつもりは無いぞ・・・!」3人娘が殺気を発する。その只ならぬ気配に公孫越らは後ずさる。が、ここまで言ってしまった手前退く事も出来ないと思ったか。「ふ、ふん。お前らのような小娘に凄まれても怖くもなんとも無いな!」と、虚勢を張った。この言葉にいち早く反発したのが凪である。「ほう・・・?ならば、試してみるか?お前達の言う小娘風情の力を見せてやるぞ。」どうも、本気で怒っているらしい。本来ならば真桜と沙和を止める役割の凪がここまで激昂するのだ。蹋頓や沙摩柯をけなされたことに怒りを覚えたようだ。「待て、凪。お前がそんなことでどうする?」「そうですよ。怒っていただけるのは嬉しいですがそれも時と場合によりますから。」蹋頓と沙摩柯が後ろから凪を抱きかかえて止めようとする。「お前たちも。・・・気持ちは有難く受け取っておくよ。だから怒るな。私も蹋頓もこんな扱いには慣れている。」「・・・っ。し、しかし・・・!」凪は悔しさで唇を血がにじむほどに噛みしめていた。「お前達、いい加減にしろ!」公孫瓚も自分の部下達の行いに腹を立て、叱責をしている。どうやら、彼女の軍も一枚岩ではないらしい。これでもまだ他の都市よりはましなのだが。「これは客人に対しての無礼にあたる。下がれ。」「ですが姉上!」「下がれと言ったぞ?」「く・・・。」公孫瓚にここまで言われれば反論することも出来ず、3人は部屋を出て行った。それを見届けて公孫瓚はこめかみを押さえて唸る。「ったく、あいつらは・・・。悪かったな、嫌な思いをさせて。烏丸との戦いが続いて気が立ってるんだ。許してやってくれ。」「そんなに戦が続いているのですか?」「ああ。もうこれで何度目になるやら。それに劉虞殿や張挙のこともある。頭が痛いよ。」高順の質問に公孫瓚は俯きながら言った。「劉虞や張挙・・・?その方々が何か?」「ああ。劉虞殿は幽州の牧でな。烏丸を懐柔しようとしているんだ。人望のあるお方だから、彼になびく烏丸も多い。」「しかし、それになびかぬ者がいる。強硬派、とでも言うのでしょうな。それらを討伐するために我々が出向くのですが・・・。」公孫瓚に続いた星だが、少し表情が暗くなる。「そんな我々のことが気に入らぬようなのです。「こちらが丸く収めようとしているのだから邪魔をするな」と。しかし、烏丸の強硬派は収めようなどと思ってはおりませぬ。」これだから戦を知らぬ方は、と星は肩をすくめた。「劉虞殿は強硬派にも金品を送って恭順を促しているんだ。奴らはその金品を利用して軍備を増強する。これでは・・・。」「ふむ・・・だから公孫瓚殿は躍起になって烏丸の強硬派を倒そうとしているのですね?」「ああ、それもある。そこにさっき言った張挙という男が絡んでくるんだけど。・・・これは後回しでいいんだ。まず倒さなければいけないのが・・・。」「楼班。現在の烏丸の・・いえ、「強硬派」の首魁ですね?」「へ?知ってるのか、蹋頓!?」途中で口を挟んできた蹋頓に公孫瓚は驚きの声を上げる。高順達も驚いたがよく考えてみたら蹋頓は烏丸の先代単于だ。面識があったということだろう。「ええ。知っていますよ。何せ私の元夫ですから。」『なにいぃぃぃぃぃぃぃっっ!!?』一呼吸おいてから高順たちは叫び声を上げた。「元夫って・・・蹋頓殿、結婚なさってたのですか!?」「ええ。恥ずかしながら。」「うわぁ。ただれた関係なの?」「違います。」「結婚暦何年なん!?」「1年以下です。」「失礼ですが蹋頓さん、年齢はお幾つですか?」「・・・高順さんだから言いますが、23です。」「若いっ!?」「うふふ。」高順らの質問に律儀に答える蹋頓。公孫瓚や星らもさすがに驚いており、「まさか結婚してたとは・・・。」とか「しかし、楼班が夫とは。」とか言っている。「蹋頓、夫かどうかはともかく・・・成り行きを教えてもらいたいな。何故その男と結婚をしたか。何故追い出されたのか。」沙摩柯の言葉に蹋頓は頷いた。「ええ、そのつもりですよ。ではお話します。」蹋頓の話を要約するとこうだ。蹋頓は元々、単于ではない。単于だったのは蹋頓の兄で、それが前触れも無く急に病死をした為に急遽、仮に立場を継ぐことになったという。全く乗り気になれないような事だが、回りの者たちが随分と熱心にかき口説いたらしい。そこで彼女は1つの条件を出した。「兄には幼い子供がいる。次代の単于は当然その子がなるべきだが幼いゆえに何も出来ない。だから、私は一時的に継ぐことにする。兄の子が立派に成長したときに、私は単于をその子に正式に継承する。」周りの人々はその案に1も2もなく同意。こうして蹋頓は一時的に代理として単于を名乗ることになる。その子の名は丘力居。彼女が保護していた少女だ。それが7・8年ほど前の話で、そこから半年もせず婚儀が決まる。烏丸の有力者の一人で、名は楼班。その時既に齢40を超えていたとされる。彼の一族は別段有力者の家系というわけではなく、何度も結婚をし、離婚をし、というのを有力者の間で繰り返して家格を上げていたらしい。本来ならそのような男と結婚をするのはありえないことなのだが、その頃はどういうわけか有力者の「急な病死」が流行っていた。その為、何かあっては不味いという周りの思惑や、その頃に出来上がりつつあった楼班派閥の働きかけなどがあったのだろう。単于である蹋頓にはそういった流れは知らせていなかった。知った頃には用意が整ってしまっていたし、周りの(と言ってもごり押しだが)要望があって断るに断れない状況を作り出されていたのだった。が、蹋頓はこの男が怪しいと思っていたし、他の者もそう考えていたが証拠が無い。自身の兄から始まり、単于に近い男性が次々と亡くなっていく。その結果、今まで名前を聞いたことも無い男・・・楼班が台頭することになったのだから。半ば無理やり結婚をさせられたが、夫婦としての営みは何も無かった。向こうが求めて来ても拒んでいたからだ。何より楼班は部族の女性を何十と抱えていたし、愛情があるわけでもない。その後1ヶ月もせず楼班は後漢に対して戦争を仕掛けるべきだ、と主張し始めた。自分は後漢に臣従して部族の安泰を図ろうとしていたがそれとは真逆の方針である。穏健派である自分と強硬派の楼班との対立が始まり、それは日に日に深刻な形になっていった。しかし、自分の方針に好意的だった部族の有力者はほとんどが「病死」しており、その代わりに楼班に媚び諂う者たちが「有力者」となっている。なんとか劣勢である状況を打破しようと有力者の子弟達と話をしてみたが・・・それらは幼かったり、有力な発言権利を持てない人々ばかりで、今すぐ戦力という形にならなかった。そして・・・楼班が暗殺者を仕向けてきた。目的は自身と、丘力居の抹殺なのが目に見えている。暗殺者を蹴散らし、赤子の丘力居を連れて、追いすがる楼班側の兵士を振り切って。なんとか北平へ逃げたところで公孫瓚と出会い、更に徐州へ。そして今に至る、ということだ。「・・・随分とまぁ。散々な目にあった、としか言いようが無いですね。」高順は同情と言うか、心配をしてしまった。よく耐えてこられたものだ、と。彼女はその齢ですでに己の信念を持って行動していたのだろう。自身の責任の重さと向かい合って必死に生きてきたのだ。それに比べて、自分は・・・死亡フラグ云々と。本当に情けなく思えてしまう。「そうですね。ただ、私には丘力居がいましたから。兄の無念も晴らさねばなりません。なんとかして生き延びなくては、と思えば勝手に身体が動くものですよ。」「そうか・・・全く、そんな理由があるならもっと早く話してくれれば良いのに。何か手助けできたかもしれないじゃないか。」公孫瓚が口を尖らせて文句を言う。本当に蹋頓を友人と考えているからなのか、根っこからお人よしなのか。恐らくはその両方だろう。「ふふ、ありがとうございます。私の事情はこれで終わりです。次は先ほど話に出てきました張挙、とやらの事をお教え願えますか?」「ああ。張挙と張純だな。簡単に言えば楼班と結んだ反乱軍さ。しかも、張挙は天子を、張純は大将軍を名乗っている。」「皇帝を僭称?・・・どういう人々なんだ、それ。」「中山国の相だとか、泰山の太守だとか聞いたがそれはどうでもいいな。奴らは楼班と結んで数万の軍勢と率いて薊を攻撃してきたのさ。それ以外にも遼東を攻めたりな。なんとか追い返せたものの、大勢の人が犠牲になった・・・。」「なるほど。まず楼班を倒し、烏丸の援護を失くした状態で張挙らを討つ、ですね。」高順の言葉に公孫瓚は頷いた。「そういうことだ。天子を名乗るような奴らに遠慮なんか必要ない。問題は奴らにも金品を贈る劉虞殿なんだがな。討伐してしまえば文句は言うだろうけど、そこで終わるさ。あ、そうだ。1つ高順に聞きたいことがあるんだ。」「はい、何でしょうか?」「お前、部隊を指揮したことがあるか?」「無いです。」あっさりと断言する高順だった。ある、と言ってしまえばなんか面倒なことをやらされそうだと感じたからだ。「そうか・・・なら、お前の仲間と共に小部隊で戦ってもらおうかな。」「伯珪殿。しばしお待ちを。高順殿は嘘をついております。」「げっ!?」「・・・へー。嘘か。」「上党で100人ほどの部隊を率いておられましたな。なぜそのような嘘をつくのやら?」「へー。100人も率いたのか。」(しまったぁぁああ!星殿いるのすっかり忘れてた!どうする俺、どうやって言い逃げするよ!?)星の言葉を聞いた公孫瓚は意地の悪い笑顔で高順を見る。そこへ、3人娘も追い討ちをかけてきた。「あれ?高順兄さん、曹操はんのところでも部隊率いてたやん?」「そうなの、そこに沙和たちを編入したのも高順さんなの!」「確か・・・500人ほど率いておられませんでしたか?」「ほほう、曹操殿のところで仕官でもなさっておられたのですか?しかし、500人とは・・・ふふふ。」「へー、500人か。すごいなー。」星と公孫瓚はにやにやと笑っている。「ちょ、おい!?3人とも何言ってるの!あれはあの時一回だけ・・・あっ。」「認 め た な、高順?」「認めましたな。」「認めたなぁ。」「認めたの。」「認めましたね。」「ほう、高順は部隊長も経験していたのか、やるな。」「さすが高順さんですね。」皆が一様にそんなことを言い出した。「星殿、謀ったな!?」「謀ったとは人聞きの悪い。自分から率いたと仰ったではありませぬか。」「そうだな、それに嘘をついたのが悪いぞ?」「ううう・・・。」流石に言い逃れが出来る状況ではないようだ。諦めた高順はがっくりと肩を落とした。「はい、1度ずつですが100人と500人の騎兵を率いました・・・。」「素直で宜しい、なんてな?あはは。」快活に笑う公孫瓚だったが、高順としては笑い事ではない。どう考えても兵士を押し付ける気満々だ。何と言いますか。どうしてこう行く先々で兵士押し付けられますかね?皆おかしいですよ、行きずりの浮浪者に兵士率いさせようだなんて・・・。「それで、俺に何をさせようというのでしょうか公孫瓚様?」「なんだよぅ、嫌味だなー。そう難しいことさせないから心配しないでくれ。ちょっと騎兵200率いてもらうだけだから。」「・・・滅茶苦茶難しい気がしますが、理由を聞きましょうか?」「簡単だ、兵士を率いる武将がいない。」「・・・。公孫範殿、公孫越殿、王門殿。それ以外にも単経殿・関靖殿・厳網殿・田楷殿辺りがいらっしゃいますよね?それでも不足なんですか?」「な、なんだ?随分詳しいじゃないか?」「ええ、それはもう。北平に来るまでにある程度調べてましたから。」「調べたって・・・まあいいや。けど、実際に武将は不足してるんだよ。星にも騎兵500を率いてもらってる。小規模部隊の隊長が不足しているんだ。」「星殿、凄いですね。じゃなくて。では先ほど上げた武将は一体どれだけの兵数を・・・。」「そうだなぁ、1人に着き1000とかだな。ただ、全員1000の兵を纏める能力があっても100とか200の少数の兵を纏める才能が無いんだ。で、その少数の兵を纏める人材が少ないんだよ・・・。」「はぁ。そこで俺に任せたいと?」「うん。できれば他の者にも任せたいところだけど。皆高順の部下として働きたいんだろうし、兵を率いた経験も無いよな?」公孫瓚の言葉に3人娘は頷く。「せやなぁ。いきなり兵士率いろ。言われてもなぁ。」「自信が無いの・・・。」「我々にはまだ早いかと。できれば高順殿の下で働いて、それを参考にしたいと思っています。」「うん、そうだな。蹋頓と沙摩柯は・・・すまないな。越や範の言うことじゃないが・・・2人を隊長にすると、どうしても反発する奴らがいるんだ。本当にすまない。」「解っているさ。ただ、蹋頓には烏丸兵を率いさせてもいいんじゃないか?」「それはおいおい考えるよ。言い方は悪いけど楼班に対しての武器になるだろうからな。本人は嫌かもしれないけど・・・。」公孫瓚は蹋頓の顔色を伺うように言う。「解っております。高順さんがやると言った以上、我々も仕事をしなくてはいけないでしょう?それに・・・これは良い機会です。そろそろ盗られた物を取り返すつもりです。」「はは、頼もしい言葉だね。さて、今日はここまでにしようか。部隊の編成は後日打ち合わせをしよう。星、悪いのだけど彼らに空いている部屋を宛がってくれるかな?これからまだやることがあるんだ。」「承知しました。では、ご案内致しましょうか。皆様方、ついて来て下され。」星は公孫瓚に拱手し、高順達もそれに習い、星に続いて退室していく。「はぁ~~~・・・結局こうなったかぁ・・・。」廊下を歩く星についていく高順達。高順は一人ため息をついた。「宜しいではありませんか?期待されている証拠ですぞ?」「期待は良いけどさ。なんで一兵士に皆部隊を任せようとするのかねぇ。なんか過大評価されてるよ、うん。」その言葉に、そのようなことは無いでしょう、と星は呟く。「えー・・・と、趙雲殿?」「ん、何ですかな?」凪の呼びかけに星は振り返る。「我々に与えられる部屋、というのは・・・個室でしょうか、相部屋でしょうか?」「・・・ああ、なるほど。1人野生の獣がいるから不安だと言いたいのですな?」「獣とか言われた!?」「おや、誰も高順殿とは言っておりませぬぞ?」「ぬぐぐぐ・・・。」「い、いえ、そうではないのですが・・・。相部屋だと相当大きな部屋でないと全員入りきれないものですから。荷物などもありますし。」「ふむ、それもそうですな。では、今日は2部屋お使いください。・・・ここです。」案内された2部屋は共に割りと大きく、4人程度なら十分住めるような部屋だった。「寝台程度ならありますが・・・他の家具は今のところ我慢してください。それでは、私はここで。」そう言って星は去っていった。「・・・ふむ、今日からここが俺達の部屋、ね・・・。あ!?」「な、何!?」叫び声を上げた高順に驚いて全員が高順の方を向く。「丘力居ちゃん達、すっかり忘れてた・・・。」『・・・あ。』~~~馬車の中~~~「遅いね、高順おにーちゃん達。」「もしかして・・・忘れられてるのかも・・・。」実際に忘れられていた2人だった。その後、急いでやってきた高順に散々不平不満を垂れて、後日お詫びに好きな玩具を買っていい、ということを高順に約束させる子供達であった。~~~楽屋裏~~~どうも、あいつです。今回は色々おかしな設定が発覚・・・。史実では楼班は丘力居の子ですね。それと、牧、というのはまだこの時代にはありません。あと数年したら劉エン(劉ショウの父)が中央に牧という役職を作ろうという建言をするのですが。あと、烏丸では男は殺しても罪にならないらしいです。じゃあ楼班抹殺すればいいんじゃね?と思いましたが・・・知ったのは書き終わってからでした(駄目修整→下がれと退室しろって意味同じだと気づいた。本当馬鹿ですね私orzしかし、蹋頓さんがまさかの元人妻設定。うかつに歴史に名を残すと大変ですね(何それではまたノシ