【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第16話北海、平原、南皮を抜け、更に北へ。高順一同は北平を目指し進んでいた。北平に行く理由、というのは単純に高順が公孫瓚という人物に興味を抱いているからだ。白馬義従と、その戦いぶりを見たい。その戦いぶりを何かに活かせるかも。と考えたからだった。道中、蹋頓に公孫瓚はどんな人かを聞いたところ「勇猛さがありますが、性格は大人しく純朴です。」という返事が帰って来た。それを聞いた沙和と真桜は不思議そうな表情をする。「でも、北方の騎馬民族は漢民族と対立してたような?」「せやなぁ。そこいらで差別されたからわざわざ徐州まで来たんちゃんの?それなのに純朴?」「確かにあの辺りは我々烏丸と対立していますが、我々も単于・・・ああ、単于というのは漢で言うところの皇帝です。その単于が変わるたびに態度を変えていたんです。」「態度を変えるというのは・・・対立したり、そうでなかったり。ということですか?」凪の言葉に蹋頓は頷いた。「漢の擁護を受けるべきだ、と主張する者もいれば、その逆もいます。私は擁護を受けるべき、と主張した側ですけどね。」この言葉は高順にとって少し意外だった。史実では蹋頓は袁紹に肩入れして公孫瓚を攻撃している。公孫瓚も烏丸を憎んでいること甚だしい、という話のある人物だ。その点も考慮して「行きたくないなら、言って欲しい」と言ってみたし、元来、北方騎馬民族である烏丸にいた蹋頓は立場上で言えばやはり、公孫瓚とは仇敵のはずである。それを知っているので、最初から反対してくるかもな、と高順は考えていたが・・・そんな意見は飛んでこなかった。「結局、権力争いで敗北してしまって丘力居と共に逃げる羽目になりましたけどね。その時点で北平にいるのは危険でしたから。」「なるほど・・・。それで、公孫瓚は烏丸を差別したりとか?」高順の言葉に蹋頓は「いいえ?」と首を振った。「え?でも仇敵じゃないんですか?」「降伏して兵士になった者も、そのまま帰化した者も数多くいますよ。一昔前は差別も酷かったみたいですけど・・・今は漢民族と家庭を作ったりという人も増えてきたようです。」彼女の言葉にまたしても「意外だ」と高順は思う。どうも、そのあたりの性格が史実とは違うみたいだ。恐らく、公孫瓚よりも前の世代から異民族の受け入れは始まっていたのだろう。その政策を引き継ぐ形になっただけなのかもしれない。まあ、行ってみればわかるさ。それで蹋頓さんと沙摩柯さん、丘力居ちゃんが嫌な思いをするようであれば・・・すぐに出るとしよう。臧覇ちゃんは異民族じゃないから大丈夫とは思うけどね。~~~北平~~~「ふーむ、そこそこ賑わいがあるね。」街を見た高順の第一感想はこうだった。洛陽や陳留、下邳といった大都市と比べるのが間違いとは思うが、それでもそこそこに栄えている印象を受けた。そういえば上党もこんな感じだったな。皆元気にしているだろうか、と思う。それよりも、目を引くのが刺青をした人の多さである。その刺青をした人と仲睦まじく歩いている人もいれば、子供同士で遊んでいたり、という光景がちらほらと見られる。どうも、ここは本当に異民族を受け入れつつある街であるようだ。やはり、公孫瓚が異民族を執拗に殲滅しようとしていた、という史実と随分違うようだ。蹋頓はともかく、沙摩柯は随分と興味深そうに周りを見ていたし、3人娘も初めて来た街のあちこちを見ていた。高順も異民族と漢民族が同じ街で同じ人間として生活しているのを興味津々といった風で見ていた。こうやって両者が寄り添っているこの街でも・・・差別全部がなくなることなどありはしないだろう。それでも心を通じ合わせていく人々がいて、その子孫が新しい命を紡いでいく街なのだ。高順は何か、感じ入るものがあった。それと同時に公孫瓚という人に更に興味を抱く。その後、街中をある程度見て廻ったが特に気になるようなことは無い。沙摩柯にも蹋頓にも絡んでくるような者はいなかったし、市も奴隷売買をするような雰囲気ではない。ただ、興味深いことがあった。一度解散して街を散策したときに(沙摩柯と蹋頓、2人の子供組のことが心配だったのでついていった)蹋頓の知り合いがいたらしく、何かを貰っていた。後で聞いたことだが烏丸にいた時、漢に同じように擁護を受けるべきという立場の人だったらしい。高順は興味を引かれて「何を貰ったのです?」と聞いたが蹋頓は悪戯っぽく笑って「秘密です。後で教えますから」と言うのみだった。そして、食堂で集合したときに蹋頓は何を貰ったのかを教えてくれた。「これです。」と言って差し出してきたのは何か白い液体の入った入れ物だった。「これは何だ?」という沙摩柯の質問に丘力居が「これはね、酪だよ!」と胸を張って教えてくれた。「酪・・・?」と、丘力居と蹋頓以外はハテナ顔だった。「一度飲んでみてください。」と蹋頓は杯にとくとくと注いでいく。全員分回ってきたが、(高順は興味津々だったが)誰も口をつけようとしない。蹋頓も丘力居も「美味しいー!」とか「久しぶりに飲みましたね・・・。」と満足している。よし、と言って高順は一気に杯を煽った。「うお、高順兄さん度胸あるな!?」「ど・・・どうですか?」「美味しい?それとも不味いの!?」「・・・うまーい。」「ええっ!?」全員が「嘘!?」と言いたげな反応を見せる。うん、これヨーグルトだ。砂糖の入ってない感じだな、日本で食べるのと少し違うような感じだけど。飲料で甘みが無いって言うのも初めてだなぁ、とか考えつつ残りも全部飲み干し「ごちそうさま。」と手を合わせた。高順が美味しそうに飲み干したのを見て「ならば私も。」と凪が口をつけた。それに吊られて全員が恐る恐る飲みだす。「・・・美味しいとは思いませんが、飲めなくは無いですね。」「うぇ、けほ、けほっ・・・にがぁ・・・。」「ううっ、甘みが無いのぉ~・・・。」「ふむ、悪くない味だな。」「う~~、なんだか微妙な味だよぉ・・・」全員別々の反応を見せたが高順たちを除けば半々で飲めるといったところか。「ああ、素のままだと慣れてない人はつらいかもね。砂糖を少し入れるといいかも。」高順は時に気にする風でもなく言った。丘力居と蹋頓は高順があっさりと飲みきったことに驚いて「酪を知っていたのですか?」とか聞いてきた。「名前は初めて聞きましたけど、この味なら幾度か口にしましたね。俺は好きですよ。もっとたくさん無いかなー。」「本当ですか!?なら、材料を貰ってきますからまた一緒に飲みましょう!」と、蹋頓は嬉しそうに言うのだった。どうも自分たちの知る味を理解してもらえたのが嬉しかったらしく、丘力居も「さっすが高順おにいちゃん!」と喜んでいた。そこへ、食堂の外から歓声が起こった。何事だろう?と思った皆が耳を澄ましていると、「公孫瓚将軍万歳!」だの「さっすが白馬将軍だ!」など、そういう声ばかりだった。外を見てみると、軍勢が行進しているのが見えた。どうも賊か何かを討伐して帰還してきたらしい。どういう人物かな?という興味で食堂の外へ出て軍勢を見てみる。先頭を進む白馬に跨った・・・またも女だ。赤毛で、赤と白、そして黒を基調とした服に白い鎧を着込んだ少女が進んでいる。その後ろを進む騎馬隊も皆一様に白馬に乗っている。「へぇ、あれが噂の白馬義従か・・・。」「へ?何やその白馬義従て?」「その名前の通りさ、真桜。騎射とかできる優秀な人を集めて白馬に乗せてるの。強いらしいよ?」「へぇー。虹黒とやりあったらどっちが強いやろ?」真桜の言葉に沙摩柯が笑う。「比べようが無いだろう?乗ってる人間の良し悪しにも関わると思うがな。まぁ・・・虹黒のほうが圧倒的に有利だな。」「せやろなぁ。」なはは、と笑う真桜を尻目に、高順はずっと公孫瓚の軍勢を見ていた。軍事には相当の心得があるらしく、数は少ないながらもバランスの取れた軍容であった。騎馬が多いのが特徴だが歩兵もいるし、弓兵もきっちりいる。白馬義従も騎射ができる者ばかりだから弓の攻撃力が劣っているわけでもない。なるほどな。できれば戦いぶりも見てみたいものだな。そう思った瞬間。高順は、行進する軍の中に上党で出会ったあの少女の姿を見つけた。白い服に青い髪、龍牙というあの槍。間 違 い な い。(あ、あるぇー!?何で星さんここにいんの!?もっと後じゃないのか?黄巾前からここにいるなんてどういうこと!?)うん、やばい。絶対不味い。何が不味いって・・・。こんな沢山女性に囲まれてる現状を見られたら凄まじい弄りが発生すること間違いなし。4ヶ月ほど前での母と彼女の結託ぶりはそれはもう凄かった。そのせいで自室が鼻血の海と化すわ謂れのない暴力を振るわれて俺が一方的に涙目にされたりとか。それでいてこっちをからかってるのか本気なのか解らない態度で真名教えてくれたり。なんというか星さんは俺にとって台風の目です。今のうちに隠れよう、うん、それしかない。そう考えて、こそこそと食堂の中へ避難しようとした高順であったが、その瞬間。こつん。と小石を頭に当てられた。ま、まさか・・・と後ろを振りむく。行軍している軍勢の中にいる星が満面の笑みでこちらを見ていた。気 づ か れ た ! ?星は唇だけを動かす。曰く「しばらくそこで待っていてくれ。」そのまま食堂の前を通り過ぎていく星。普段の表情に戻り、正面を向いて行進していく星だったが・・・。また1度だけ振り向いて人差し指を左右に「ちっち。」と言わんばかりに動かした。彼女の言いたいことは高順にも解っている。恐らくこう言いたかったのだろう。「甘いですな。」と。行進している軍の最後尾が通り過ぎた後も、高順はそのまま呆然と立ち尽くしていた。心なしか真っ白になって。「いやぁ、すごかったなぁ。・・・どしたん、高順兄さん?」「なんか、真っ白になってるの・・・。」終わった・・・絶対に終わった・・・|||orz←高順の心の声意外と言えばあまりに意外な再開。どうしてこうもおかしな運命の下に生まれたのだろうか、と叫びたくなる高順だった。それから半刻ほど経った食堂。「あの、高順さん?どうしてずっと食堂にいる必要が?」「高順殿?そろそろ出ませんか?」蹋頓と凪が遠慮がちに声をかけてきた。高順は何故か椅子の上に正座して座っていた。「いや、ここに居たい訳ではないのですが居ないといけない理由があるんです。」「・・・?」どういう意味かがよくわからない。他の皆も食事を終えているし、いつまでも残っているのは不自然なのだが・・・。そこに、1人の少女が「邪魔をする。」と言って入ってきた。辺りを見回して、「おお、居ましたな。感心感心。」とか言って高順の元へと歩いて行く。びくっ、と高順は肩を振るわせた。「?」皆、高順に近づいていく少女を不思議そうな表情で見ている。少女は高順の横まで来て「お久しぶりですな、高順殿。お元気でしたか?」にこやかに言う。その一部始終を見ていた周りの人々は「だ、誰だ?」と騒然とする。「しかも、このような綺麗どころ・・・いや、一部幼い子も混じっておりますが。高順殿も隅に置けないですな?」「星殿・・・その事でからかうのは勘弁してくださいよ・・・。ま、それはともかく。お久しぶりですね。お元気そうで何よりです。」星は右手、いや、拳を突き出す。高順も拳を突き出し、「がっ」と拳同士を叩き合わせ笑った。彼らなりの挨拶なのだ。何だかんだと言いつつも、やはり仲が良い。「あ、あの~・・・。」そこへ沙和が入り込んでくる。「こちらの人・・・誰なの?」皆もうんうん、と頷いている。「おお、これは申し送れました。私は趙雲、字を子竜と申します。」ここまでは尋常な挨拶である。だが、ここからが彼女の本領発揮であった。「高順殿の妻一号です」「ぶふぅーーーーーっ!!?」『!!?』「ちなみに、2号と3号も居ます。」「がふぁっっ!?(吐血」この言葉に周囲は色めきたつ。「ほ、ほんまかっ!高順兄さん!?」「だとしたらとんでもないスケコマシなの!」「うわ~・・・高順おにいちゃん、大人しそうに見えて・・・。」「ねえ、沙摩柯お姉ちゃん。スケコマシって何?」「・・・。まだ、お前が知るには早い言葉だな。」「?」ところで、この状況に無言だった者がいる。凪と蹋頓だ。拳を握り締めワナワナと震えている。背中に「ドドドドドドド・・・・・・」とか「オオオオオオオオオ・・・」とか、そんな擬音が出そうなくらいの雰囲気だ。「あ、あの・・・お二人とも?どうなさいました?」高順の言葉に2人は殺意の篭った何かを漂わせてにっこりと笑った。~~~同日同刻・陳留のとある食堂~~~『えくしゅっ。』二人の少女が同時にくしゃみをした。眼鏡をかけた少女と、金髪の背の低い少女。稟と風である。、「「ふぅう・・・珍しいですね、寒いわけでもないのにくしゃみなんて。」「おー。誰かが噂を・・・ぐぅ。」「寝ないで早く食べなさい。」「おおっ!?噂をしたのが高順おにいさんかと思うとつい眠気が。」「え、高順殿・・・ぷぱはぁっ!」高順と一緒の布団で眠った(とは言え、悪戯なのだが)稟にとっては、その言葉は危険なものだった。何せ色々と妄想をしてしまうのだ。「ああ・・・高順殿の逞しい(中略)私の誰にも(中略)そんな(中略)ああ・・・ぶぱぁっっ!?」「おお。今日はいつもより多めに出ております。2割り増しぐらいで。・・・ほら、とんとん。」いつも通りのとんとんをしつつ、風は考えていた。(星ちゃんと高順おにいさん、元気でいてくれるといいのですけどねー。)いや。案外今頃はどこかで再会でもしているのかもしれない。この国の、どこかで。~~~北平に戻る~~~星の自己紹介を受けて、高順側の人々も自己紹介を済ませていた。ただ、高順は星の虚報により混乱した凪と蹋頓に(何故か)しばかれた。その時の状況は・・・。「とりあえず、詳しいお話をお聞かせください。明確に言えば格闘戦で。」「私もお聞きしたいですね。主に馬上戦闘で。」「なんでそんな力ずくな展開に!?」という感じだ。実際に戦闘をしたわけではないが何と言うか・・・一方的に叩かれたり殴られたりどつかれたり、だった。「ううっ・・・なんで俺ばっかりこんな目に・・・。」「まったく、酷いことをなさる人々ですな。」『あなたのせいでしょう!』凪と蹋頓の声が重なった。「で?結局のところ、高順とはどういう間柄なのだ?」沙摩柯は特に気にするでもなく高順に質問する。「ああ・・・。昔、というほどじゃないですね。俺が上党にいたときに、縁があって一緒に戦ったんです。妻は嘘ですよ?」「ああ、あの戦いは大変でしたな。」星もどこか懐かしそうに言う。「それは良いとして・・・。高順殿は何故このような大所帯で北平に?」「ん、公孫瓚って人に興味があってね。白馬義従のこともあるけどさ。」「ほう?」「ま、烏丸とも一応仲良くやってるみたいだしね。兵士だと家族を殺された恨みとかあるかもしれないけど。」「・・・。」高順の言葉に星が複雑そうな顔をする。「どうしました、星殿。」「実は、そうでもないのです。」「・・・何故です?」「街の中は平和です。しかし今現在、公孫瓚殿は烏丸と抗争を繰り返しています。」「・・・。」星の言葉を聞いた蹋頓は目を伏せた。理由を知っているのだろう。「先ほどの凱旋をご覧になっておられたでしょう?あれも烏丸との戦いに勝利したからですな。」「そんなに数が多いのか・・・。」「ええ、この頃幾度も出陣しましたが・・・なかなか思うように行きませぬな。」「・・・星殿、俺も1つ聞きたいのだけど。」「む、何ですかな?」「何で星殿は公孫瓚に仕えたんです?俺はてっきり曹操あたりに仕えたものだと。」「曹操・・・?ああ、あの御仁の名を出すとは。高順殿はお目が高いですな。」「そういうものですかねぇ。」「確かに、あの御仁はたいしたお人ですな。しかし、何と言いますか・・・百合百合しいのですよ。」星の言葉に3人娘がぎょっとする。「百合・・・もしかして我々が誘われたのって・・・。」「うわぁ・・・受けなくて良かったの。」「そ、そーいう趣味があったんかいな、あのお人は・・・。」「ほう、あなた方も誘われておりましたか。ふふ、ああいった雰囲気も悪くはありませぬが。どうも、あそこは排他的でしてな。それに。」「それに?」「私の活躍する場が見出せませぬ。あまりに完璧すぎる。仕える甲斐がないのですよ。」あのお方は私の性に合いませぬ、と星は肩をすくめた。「その点で言えば公孫瓚殿は仕え易いですからな。決して凡庸ではないのですが、どうも、こう放っておけないと言うか。それと、正式に仕えてる訳ではありませぬ。客将という立場ですよ。」「客将ね・・・。」高順は何か悩むような素振りを見せる。彼には現状で2つの思惑があった。1つは前から考えていたが白馬義従、あるいは烏丸族の戦いぶりを自分の目で見たい、という欲求だった。蹋頓の戦い方を見て、ある程度は烏丸の戦術を理解した。それを集団戦で、というのを見たいものだ。あともう1つは、皆のために少し腰を落ち着けたい、という事だ。徐州滞在があまりに短くなってしまって3人娘にとっては良い迷惑だったはずだ。にも関わらず文句1つ言わず着いて来てくれている。だが、そろそろ疲れも見え始めているのが解っていた。丘力居も臧覇も何も言わないが相当に参っている。1年とは言わなくてもそれに近いくらいは落ち着きたいものだ。そして、星も星で彼らの品定めをしていた。高順が何故旅をしているかは知らないが、道楽のためという訳ではないだろう。凪を筆頭とした3人娘もだが、蹋頓と沙摩柯という全く別の異民族が一緒に居るところも興味深い。それに、(子供2人は別としても)皆相当に腕に自身がありそうだ。高順とてこの4ヶ月ほど、ただ無駄に過ごしていた訳ではあるまい。公孫瓚にも興味を抱いているとの事なので、丁度良いのかも知れない。公孫瓚はそれなりに強いし自分もいる。が、まだ戦力としては物足りない。その上脅威なのは烏丸だけではない。黄巾のこともある。彼らのように腕に自身がある人材を確保しておきたい。ならば。「高順殿?」「はえっ!?な、何です?」「もしそちらが宜しければ・・・公孫瓚殿に会ってみませぬか?」「・・・何ですって?」「ですから、公孫瓚殿にお会いしてみるつもりはありませんかな?」星の言葉に高順は不信感を覚えた。確かに、公孫瓚の白馬義従に興味もあるし、腰を落ち着けたいというのもある。しかし、いきなり面会してみる?とは。彼女は客将の立場ではあると言っていたが、そこまでの権限を持っているのだろうか?「うーむ。・・・皆はどう思う?」高順は凪達の顔を見回して聞いてみた。「会うだけならば構わないのでは?」こう主張したのは3人娘。「会うな、とは言わないが慎重になったほうがいいのではないか?」と主張するのは沙摩柯。「私はどちらでも」というのは蹋頓。多数決で決める訳ではないが「行かないほうが良い」と言うのは誰1人居ない。多少、きな臭いものを感じないではないが・・・星のことだ。高順に嫌がらせをしても回りを巻き込むような嫌がらせはすまい。「・・・じゃあ、会わせて頂きましょうかね。」「そうこなくては。では、早速行くとしましょう。」星は随分嬉しそうな表情で言うのだった。~~~楽屋裏~~~どうも、史実の公孫瓚の性格を捻じ曲げましたあいつです。この作品は基本は恋姫で残りは全てあいつの妄想でできています(いまさら公孫瓚と烏丸の関係については色々とあるでしょうが見逃してください。土下座いたしますから(ぇさて、作中に出てきた「酪」。これは色々な解釈があるのですね。説によっては「チーズ」とか「バター」とか「ヨーグルト」だったり。この作品ではヨーグルト説をとらせていただきました。実際どのような味だったのでしょうね?ていいく&かくかは・・・この時点では住んでいる場所解りませんね。曹操に仕官したとは思うのですが、鄄城に行くのははもう少し後だと思ったので陳留にしてみました。今回は名前だけでしたが次あたりに公孫瓚が出てきますね、原作のように影が薄く出来るかどうか(ぇ、そこ?それではまた。ノシ