【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第130話旧都、長安。この年は曹操家臣、夏侯淵が守っている。劉備軍が攻めてくれば、支配地域を守る為に出陣する、と言う事を繰り返していたが、今回は相手が違った。西方異民族、そして支配地域にある諸部族まで魏に対して攻撃を開始。西方に対しての最前線である長安は、当然の如く東西両方からの攻撃を受ける事となる。(・・・もう、保たんかもな)城壁上から長安を囲む軍団を見つめながら、夏侯淵は人に言えない事実を確信していた。(ここを囲む敵は軽く見積もっても10万は下るが、それに近い。一部の攻め手が緩いから持ち堪えているだけだ)西方、つまり西羌が主攻軍になっているようだが、どうにも緩慢な攻めばかりだ。やる気が無い、と言っても良い。それでも攻めてこない訳では無いし、包囲が緩くなると言った事も無い。匈奴も氐もいて、そこらは果敢に攻めてくるが。西側は多少守りを薄くしても問題無い、と他の場所の守りを固くしていても、他都市からの援軍は期待できそうにない。篭城を続けていても、救援が無ければ削られていくだけ。解っていても生き残るためには戦わなければいけない。自身を信じてくれる将兵、市民の為に、と奮戦を続ける夏侯淵だったが、もうそれも限界に近い。減っていく水、食料。増えて行くばかりの死傷者。それでも長期間持ち堪えていたのは・・・「元気になれええええええええっっ! 」医者王、華佗と。「貂蝉、撃てぇぇぇぇえええいっっ! ワシを撃てええええええぇぇいぃっっっ!!!」「解ったわぁん卑弥呼ぉぉぉぉうぉぅうっっっっ!!!!」漢女道継承者達の活躍あっての事だった。華佗が負傷者の世話を全面的に看て、匈奴・氐には貂蝉達。筋肉が肌つやテカテカなマッチョ共が、何か良く解らない事を叫びつつ一騎当千してくる。攻めている側からすれば「なんで俺達が逆に攻められているんだよっ」と文句を言いたくもなる状況。そんなマッチョ漢女でも流石に疲労して防衛に参加できない事はあるし、そこを見計らって相手も全力で攻めてくる。華佗の腕がいくら良くても、全員治療できる筈も無い。兵も市民も少しずつ衰弱し、あるいは死傷して磨り減っていく。こうなれば敵の食料が枯渇するのを待つしかない。しかし、懸念が多々ある。この長安を無視してそのまま東に向かった敵兵が多い。長安以東はもう陥落しているかもしれない。下手をすれば洛陽も。そして、曹操と孫策の決戦が行われている現状。もしかしたらそこに西羌を始めとした敵が横槍を・・・。援軍を要請したくても、要請できる場所も無い。むしろこちらが決戦に参加せねばならないというのに。この時点では夏侯淵も北方異民族まで動いている事実を知らない。そして、陥落が間近になった長安に南西から魏所属ではない援軍が向かっている事も。さて、長安に向かっている孫・馬・関の軍勢。高順も当然参加しているのだが、彼の部隊は馬騰らと行動を共にしている。本来孫家の将である高順が馬家と行動を共にしているのは。「高順君、今から西羌の方々と物理・・・じゃない、話し合いをしに行きますので守ってくださいね?」「え!?」「場合によっては襲われることもありますし、逆に何も無く終わるかもしれません」「あたし達、一番兵数が少ないからなあ」「こーじゅんさんの兵と合わせてやっと他に追随できる、ってところなのかなー」「えーと、それって大丈夫なんですかね。軍の編成とかどうすれば」「私達と少数で構いません。迷当さんは話の通じる方ですし。あと、孫権殿には一応お断りを入れました」お断りをお断りされてないよねえ、と不安がる高順。そこに、孫権からの使者が木簡を所持してやって来た。内容は「しばらく馬騰殿と行動を共にするように」と。断る理由も無く、上からの命令であるから逆らう事も出来ない。了承の返事を出して、高順はガクッと肩を落とした。「・・・振り回されすぎだよね、俺」「・・・ごめんな、高順」フォローのしようが無いので素直に謝る馬超と、不器用な娘を見て「ふふふ」と少し笑う馬騰。「高順君にお願いして「影」に偵察していただいた結果・・・どうも、迷当さんの軍勢が長安を攻めているようですから」話し合いは可能だろう、と馬騰は結論付けている。「確かに「影」からの報告は上がってますけどね、油断しすぎじゃないですか? 信頼できる相手だと言う話なのでしょうけど」「大丈夫だと思うぞ?」「前も言ったけど、迷当大王はおば様を・・・好きとかを超えて、信奉の域だし」「迷当さんが率いているなら襲われる、という事は殆ど無いでしょう。末端の兵が私を知らなければその限りではないのですけどね」「だから護衛か」大丈夫かなあ、と不安がる高順である。「もしもの時の為に、と高順君に頼った訳です。ああ、でも・・・」「でも?」「高順君が私を襲うのは構いませんよ??」「は!?」「おい、高順?」今の発言は聞き捨てならん、と馬超が馬を寄せてきた。「お前、母様にナニをした? 怒らないから白状しろよコラこのちん○こ大魔神(槍構え」「いや、何が!? 俺何もしてないよ!! あと、怒らないって言いつつそれ怒ってるからね!!!!?」「もー、お姉様ったら早とちりしすぎだよ? こーじゅんさんがおば様に何かするわけ無いってばぁ」「う、そ。そうかなあ?」「そうだよー。ね、おば様?」「ええ。そうですよ」「・・・むー。からかわれただけかぁ」「ふふ」馬家のやり取りに高順隊の女性陣は無言で、しかし「むっふっふ」と笑っている。笑う事自体に深い意味は無いが、西羌では神威天将軍と呼ばれる武を持つ馬超の反応が可愛いのだろう。それに何より、馬騰が高順と何かヤったな、と想像している。馬岱の発言は裏を返せば「馬騰側から何かを仕掛けた」とも取れるからだ。嘘は言わなかったが、かといって事実を話したわけでもない。根っこが子供のように単純な馬超にはそれが解らなかっただけ、とも言える。ただ、これはあくまで想像。本当に何があったのかは当人達にしか解らない事だ。(追求すれば面白いことになりそうですがな。しかし・・・馬騰殿は女の私から見ても、こう・・・)そそられるっ! と、考える趙雲のようなHENTAIも居れば。(いやーでもあの乳で迫られたらこーじゅんにーさん速攻で陥落やろ。・・・む? 祭はんや蹋頓はん交えての乳比べ、馬一族総出のえろえろどんぶり・・・?)・・・ええな! とか叫びだす李典のような、たいへんなへんたいも居る。一方、楽進と周倉は「あーまた愛人増えたのか。馬家の子作り捗るな」とか、それはそれで不穏な事を考えていた。~~~長安西、西羌陣地~~~西羌王の一人である迷当大王は幕舎で鬱々としていた。「はぁ~・・・」馬騰様が行方を晦ましてから不運が続くのー・・・と、溜息をつきつつ同じ言葉ばかり繰り返す。「馬騰様が居られれば徹里吉に負けずに済んだのになぁ~・・・」と。何とも情けなく聞こえるが、西羌も他方の異民族同様に諸部族で形成されており、その中で別の部族を併合したりされたりを繰り返している。迷当などを筆頭とする親馬騰派、逆に馬騰打倒を考える徹理吉。馬騰が西涼に居た頃は互角、あるいは優勢だったが、馬騰が行方知れずになって直ぐに徹理吉が反攻を開始。質はともかく数で劣勢であった親馬騰派は敗北、こうして部下になる羽目に陥った。殺せば良いのに、それをしなかった理由。それは徹理吉が根っからの戦好きであるというその一点に集約される。「漢土での戦いを楽しめるとは限らない」楽しめればそれで良し、楽しめなければすぐに引き返しまた戦をするぞォ、とそんな風情である。つまり、迷当陣営が反乱をする前提で話を進めているのだ。馬鹿にしているとかではなく、それくらいしないと戦う相手が居ない。だから戦えそうな奴は殺さず生かす。もっともっと戦いたい。戦いを楽しみたい。それが徹理吉の本性だ。反乱をしろ、と言いたげに迷当の軍、何万という兵を没収せずそのまま丸々任せていることからも、それが伺える。なので、長安を攻囲している西羌軍は迷当の指揮に従う数万と言うことになる。「だからこそ、馬騰様が生きておられたら・・・」と、迷当は毎日のように言っている。大体匈奴と協力するのも嫌だ。異民族同士で結託して漢民族を滅ぼすつもりかのぉ、と思いもするが、徹理吉は戦いの匂いを感じただけのようだしなぁ・・・と、更に溜息を追加。そうやってウジウジしている迷当の幕舎に、配下である餓何(がか)が「王!!!」と転がり込んできた。「何じゃ騒々しい・・・ワシは今忙しいのじゃ。後にせい。」「で、ですがあのっ」「後ろから漢人の軍勢が来ておる様だがな。長安攻めなぞしとぅないが、そちら相手にも軍勢を送らねばならんしなぁ。はぁ~あ、馬騰様が何処に居られるのかが解ればのぉ。すぐにでも馳せ参じるのに」それ以前に生きておられるのかのぅ、と、爺臭い発言ばかりである。「ですから、その馬騰様がっ」「何・・・むう?」さっきから外が騒がしいのぉ、もう漢人の勢が来たか? と不思議に思った迷当がズカズカと幕舎から出ていく。実は少し前から騒がしい状態だったが、迷当が鬱々としすぎて気付いていないだけである。「・・・何じゃこれは?」そこかしこで、兵が武器を掲げて雄叫びを上げている。「ですから、馬騰様がこちらに! もう直ぐに焼戈が案内役として・・・馬超殿、馬岱殿も居られると」「なぬ・・・? 馬騰様だけではなく・・・こちらにおわすというのか! 何故それを早く言わんのじゃ!」「言おうとしたら忙しいとか言っておられましたが!?」「あ、すまん。」そうこうしているうちに、馬騰一行が焼戈を先導として歩いてくる。何故か高順一人がヘトヘトに疲れ果てていた。結局、少人数で赴くことした馬騰達だが、哨戒として付近を警戒していた西羌兵に見つかり交戦している。と言っても、戦力的に大幅に上回る馬騰達が相手。しかもすぐに馬騰と気付いた兵が、直ぐに交戦を止めて餓何・焼戈に連絡を入れたという流れだ。一番目立つ高順が一番多くの兵を相手にする羽目に陥って、周倉などが必死に守ったので負ける事こそ無かったが相当に苦労したようである。馬騰の懸念が微妙に当たったのだが、高順からすれば迷惑そのものだった。大体「出来るだけ無力化するだけに留めて」って無茶苦茶だろ俺そこまで強くないよ相手の強さ考えてよ馬騰殿なら簡単だろうけど、と繰言の1つや2つ言いたくなる。(ともかく、無事に西羌の陣地に入れた。あとは話次第)と高順隊の誰もが思っていたのだが・・・馬騰が到着するなり「馬騰様! 馬超殿に馬岱殿も無事で何よりです!(土下座」と、最初からイージーモードで始まったのだった。「そちらは無事、とは言えませんでしたか。ごめんなさい、一番大事なときに力になれず。」「いえ、そのような事は・・・して、馬騰様。今の状況はどうなって・・・?」かくかくしかじか。「成程、つまり我々の力を必要と。・・・解りました、我々は今より馬騰様と共に戦います!」「ええ、ありがとう」『はいぃ!?』「お前達、今の言葉を聞いたな! 我等が今戦うべき敵は長安に篭る者共ではなく匈奴族だ!」『いやあの』「神威天将軍も居られるのだ、万に一つも負けは無い! 包囲を解けぃ! 匈奴に向かって突撃じゃあああああっ」『うおぉぉぉぉおおおおぉっっっ!!!(西羌の皆様の雄叫び』 『良いのかそれで本当に!?』この変わり身というか単純さというか。そういえば武陵蛮の人々とか雲南などで南蛮と呼ばれている人々も案外単純な人が多かったかなあ・・・とか考えてしまう高順。だがしかし、それを見ていた趙雲は(いやいや、高順殿も人の事は言えないでしょうに)と心の中で突っ込みを入れていた。沙摩柯の仲介があったとは言え武陵の人々をあっさり動かすわ、その気になれば周辺異民族やら何やを動員できるであろう高順が馬騰の事を言えるのか、と。馬騰・迷当の連合(?)軍は長安南方に布陣していた匈奴軍へと突撃、高順も(距離は離れていたが)後方に控えていた袁柔らに使いを直ぐに出撃をするようにと使いを送る。孫・関軍も馬騰からの連絡を受け遅れながらも北方への匈奴へと向かっていく。匈奴は何故味方の筈の西羌が攻撃を仕掛けてきたか解らず、混乱しながら東に布陣した軍勢と合流。当然北方に布陣していた兵は堂々と切り込んできた孫・関軍と交戦。こちらは敵が来るのは解っていたので正面から引き受けたが、長安攻めで疲労していた事が尾を引いてか、初手から劣勢であった。孫・関の攻撃についに支えきれないと判断して東方へと後退していく。この状況を夏侯淵が見逃す訳も無く、「何故孫家の軍勢が?」と訝しみながらも兵を纏めて追撃を開始。長安東で合流した匈奴軍だが、敵軍の勢いを受け止めるのは難しいと見て「本隊」に合流、次第を知らせるために更に東方へ撤退していく。更なる追撃は不可能、と各自が判断し、長安付近へと集結。夏侯淵としては警戒せざるを得ないが、孫・関が「何故異民族に襲われているのか」という説明を求めた為に、この場にいる各軍首脳陣の話し合いの場が持たれる。共有できた情報は「曹操・孫策が決戦」「だが、そこで北方・西方異民族が決起」という事だ。現状では夏侯淵もそこから先の事は解らない。それに巻き込まれた形で劉備らが死んだ事はともかく、曹操と孫策の決戦にどんな影響をもたらしたのかが今ひとつ解らないのだ。その為に、どう動けばよいのかが判断できない。曹操からの書状が届きでもすれば話は別だが・・・もし曹操と孫策の戦いに文字通り横槍が入れば、両方とも異民族に対して戦いを挑むだろう、と夏侯淵は見ている。両者の気性が「大事な戦いを邪魔されるのは気に入らない」という点で一致しているからだ。これは孫権も同様の見解を示していて、もしかしたら曹・孫に関や馬も加わって異民族に対して決戦を挑むという流れになるだろう。どれほどの規模で異民族が動いたか、前述のような状況になっているのか、各軍で歩調を合わせるべきなのか、そうでないのか。もっとも、高順には関係の無い、出席することの無い会議なので、結果を後で聞くまでは長安近郊で待機しているしかない。馬超が「アタシの婚約者だ」「何・・・ですと・・・!?」と高順を迷当大王を紹介してくれたり、馬家が彼らにどれだけ慕われているのかを見せられたり。その馬家が魏と共闘する事になるかもしれないから、それはそれで馬騰殿も複雑だな、とか考えたり。更に予想もしなかった華佗との再開、負傷者の救護手伝いと色々あって暇と言うわけでもなかった。その手伝いの際に、高順は華佗に呼ばれて幕舎で幾ばくか話をしている。「高順」「何だよ、わざわざ人払いまでして。」「言わなくても解っていると思うのだが。随分無茶をしたな?」「な、なんのことかな」「とぼけるなよ。お前の寿命だ。」「んー。もう2年無いか?」「もしかしたらそれ以下かもしれないけどな。何をやったんだ」「簡単に言えば将来有望な武将を鍛えていた」それが強い娘さんでさー。鍛えたのは良いけどかなり無理したよアッハッハと高順は笑う。「はぁ・・・そんな余裕が無い事くらい解っているだろう。お前が何人もの人を助けたのは解るけどな」「そうか?」「楽進達、蹋頓達、周倉、潘濬、南方異民族。他にも沢山いるぞ。自覚してないのか?」「えーと・・・ごめん、こう見ると手当たり次第だな俺。助けられてばっかりでそこまで考えなかったかも」「自分の事を省みずに、よくもまあ」「む。それこそお前に言われたくないよ、華佗。お前だって自分のこと後回しにして患者救い続けているだろ」「俺は医者だからな。当然だろう」「それでお前が潰れたら意味無いだろう。お前は強いからそんな心配はしていないが・・・なあ、華佗」「何だ」「お前さ、そろそろ何処かに腰を落ち着けてはどうだ。後進の育成に入っても罰は当たらんだろ」前も同じようなことを言われた覚えがあるな、と華佗は返す。「俺が同じ場所に滞在し続けたら、救える人を救えなくなる。だから」「そこだよ。お前は一人しか居ない。だからあちこち廻らなきゃいけなくなる」「それは」「お前と同じ技術を持つ者なぞ、簡単には出てこないだろう。だが、人を救う志と技術を後々に伝えておかんと」「そうは言うが・・・しかしなあ」「お前さんが書物なり何なりで体系化して後に遺すのさ。その術、遺さないと本当に勿体無いし、消える事は世の中にとっての損失だ」「俺は、金で人を治療するつもりは無い。技術を残しても、伝えても、結局は金で請け負うか請け負わないか、を決める奴だって出てくる」「そこは難しいけどな。国からの補助が出て、気軽に治療を受けれるような受け皿を作れれば良いけど・・・でもな、それだって技術を伝えていかなきゃ出来ないことだ」「うーん・・・」乗り気じゃない華佗に高順は畳み掛ける。「お前が救える人間は多いかもしれないが、お前が弟子を取って、認められた者が各地に散っていくほうがより多くの人を救えるんじゃあないか?」「・・・」「まあ、考えておいてくれよ。指南所作るなら金は出すし・・・ああ、場所が問題か。できれば荊州あたりが良いと思うが」しかし、考え込む華佗を見て(これ以上は無理かな)と、この場所での説得を高順は諦めた。出来れば、俺の命が潰えるまでには決めて欲しいけどね。む・・・麗羽さんに相談しておくべきかもしれん、と、言えないような事を考える高順であった。これより前、東方。曹操・孫策は豫州は寿春北方で戦端を開いていた。双方、現状で出せるだけの戦力を出して、まずは小細工無しの正面衝突。お互いの軍の力量を見極める為のものだが、やはりというべきか完全に膠着。ここからどんな手を・・・と思ったところで、北方異民族である鮮卑が北側、魏軍の後背を。匈奴は孫軍の西から横腹を突く形で乱入してきたのである。その際、曹軍三羽烏を自称していた侯成・魏続・宋憲が五胡式戦闘術で全身の骨をベキ折られ再起不能(リタイヤ)になったが、大したことではない。この時点で、公孫賛・張燕といった北方にいた魏軍はおおむね無事である。北方異民族内部では「白馬将軍」と呼ばれた公孫賛は畏怖の対象であり、兵数は少ないが当たるべからず、と公孫賛が領有している北平よりも東から南下。そこから西進、南皮・鄴・北海・濮陽・小沛などを攻撃。一部の都市は陥落し、他の街や村も、通り道にあるものはその大小関係なく虐殺・略奪で破壊しながら圧倒的とも言える速度で南下。陳留をを攻めたが、落としきれずにそのまま南下して魏の後方へと到達した。鮮卑などは洛陽が漢人にとっての首都という考えがあったのか、そこを落としてしまえばそれで良しと言う事もあったのか。陳留や許昌を攻撃はしても落としていない。并州などは殆ど放置されていたし、異民族側としては魏、それに敵対している軍を殲滅すれば、あとはやり放題だと思っていたのかもしれない。ただ、曹操も孫策も流石と言うべきなのか、襲われた後方・西の部隊は損害を蒙ったが、それ以外が上手くフォローして壊滅は免れている。それでも陣形変更、反撃可能になるまでに時間がかかった事もありなどで損害が小さいわけでもなかった。また、攻めてきた敵の数が然程多くなかったと言う事も理由の一つだ。倒せればそれで、と言っていても後漢の軍が異民族に対して酷く弱かったので馬鹿にして兵を分散させた結果、こうなったようだ。何とか追い返す程度には善戦し、その上で両者「お前異民族と組んだの?」と使者を送り合い事情の説明を求めた。そこで大まかに確認したのは、両方が異民族に襲われている事、異民族同士で連携しているのなら、個々の勢力で対応が出来るのか、それが難しいと思うのか。もしも、異民族が連携してきたら・・・そこで「共闘すること」は可能なのか、と。曹操も孫策も異民族と組んだのか、個々の力で対応できるのか、という言葉には「否」と答え共闘は可能か、という言葉には「可」と結論を出した。何せ「自分の闘いの邪魔をするのは、それが誰であれ許さない」という共通の思考を持っている。敵対関係で無ければ割と共通項目が多い二人だから、それは良いとして・・・。これに頭を抱える参謀陣、何がどうなったのか解らず混乱する将兵達。頭を抱えるというのは共闘する事。に原因が少しあったが、それ以上に北方・西方異民族が大挙して動いているといった事にだ。鮮卑は動いたようだが烏丸はどうなったのか。南方異民族の動きは? 西羌は動いたのか? それらを把握しなければいけない。加えて将兵への説明やら何やらでやる事が一気に増えた事によるものであった。それでも、各地に散った鮮卑・匈奴を追い、又は倒しながら両軍は北上。長安にも使いを出し、夏侯淵と孫権に「共闘するのでよろしく。」と直ぐに合流するようにと送っている。馬騰や関羽もそれに着いていく事となるが、馬騰は洛陽を通った後に「私は虎牢関に残り、西方からこれ以上の敵の流入を防ぎますよ」と一時離脱を宣言した。高順は「じゃあ俺もそちらに残りますか?」と申し出たが、馬騰がそれを断った。「出切れば、高順君をこれ以上危険な場所に追いやりたくはないのですが」と思いつつ。彼の力は必要となってくる。その力が必要とされるのは決戦の時、虎牢関ではないと馬騰は読んでいた。その代わり馬超と馬岱は行かせるから、という形で落ち着いたが、夏侯淵からは「魏に対して、含むところがお有りですか?」と聞かれたが、そこは問題ではない。差し迫ったこの状況で恨み言を言うつもりは無く、勝つにせよ負けるにせよ、関での抑えは必要だと考えているに過ぎない。それを実行し、守りきれるのはこの場では私以外に居ないだろう。とも考えている。敵である西の異民族を多数従えている以上、何を思われるか・・・そんな危惧もある。これから、の事を考えれば、どうしてもこうせざるを得ない。出来る限り戦力を維持したまま西に帰らなければならない。曹操・孫策・関羽の戦いはこの戦いを乗り越えれば落ち着くだろうが、馬家の戦いは、それを超えた後に始まるのだから。結果、馬騰は自分の元から率いて来た兵の殆どを娘達に託し、後は西羌兵と共に関の守りを固める事になる。西からの敵兵流入を防ぐ為、決戦が終わった後に西へ向かおうとする敵を押し留める為。自身の旧領を奪回に移る時、すぐ動けるようにする為に。~~~もう一度、曹操・孫策連合軍に場面は戻って~~~曹操、孫策。二人は各軍総大将として仲良く(?)馬を寄せ、進んでいた。真名を呼び合う程度には信頼し・・・信頼しなければ協力できるわけもないが、一応はそんな態度だ。「雪蓮? 南方では異民族は動いてないというけれど、その情報は信頼できるのかしら?」「疑り深いわねー。安全だと解っているから私がここにいるのよ。うちの連絡・情報網甘く見ないで欲しいわ」「そうなるか。西方はともかく、北方まで動くとは思ってもいなかった。烏丸と白蓮でも抑えきれなかった、か」折角の決戦、1度目も今度も思わぬところで邪魔が入る、と曹操は歯軋りをする。「それはそうと・・・。非常の人、超世の傑と呼ばれる華琳殿?」「何よその小馬鹿にした言い方」「私個人がそう思っているのは嘘じゃないわよ。」「ふぅん、で、その口ぶりだと聞きたい事があるのよね? 聞きましょうか、希代の英傑、雪蓮殿?」「あら、お世辞? らしくないわねぇ」「そんな訳無いでしょ。」認めているからこそ、邪魔をされた事に怒っているのよ、と言い置いて、孫策に先を促す。「まぁ良いわ。西方・北方異民族はどこに集結していると思う? そしてどこが決戦場になると思う?」孫策の問いに、曹操は少し考え込む素振りを見せた。「何よ、貴女でも解らない?」「そうじゃないわ、奇遇だと思っただけよ」「奇遇?」「ええ」曹操は、戦場に目星をつけている。南下しようとして失敗した異民族の軍勢がどこら辺に集結するか。(・・・皮肉なのか、ただの偶然か。おかしなものよねぇ、麗羽。)貴女と北方の覇権を賭けて戦った場所。あの場所で、恐らくは曹魏・孫・関全軍で異民族との決戦に挑む事になるなんて。もしかしたら、貴女もこの戦いに参加するのかしら?曹操は、もしかしたら居るかも知れない、かつての好敵手に思いを馳せた。「決戦となる場所、そこは・・・許都の北。官渡となるでしょう」曹操と袁紹が雌雄を決した戦いは、一般的には官渡大戦と呼ばれている。そして、官渡大戦と区別する為に曹・孫・関が臨むこの戦を、後世の人々は「官渡決戦」と呼ぶ。~~~楽屋裏~~~皆様・・・たい、へん、お待たせしました・・・がふっ(喀血) あいつです(五体投地挨拶もう、リアルで色々あって、もう・・・本当に・・・そんなこんなの130話ですが、簡単に纏めると異民族キタワァ→あれ、やばくね?これ各軍で対処できなくね?→おk協力するわ(真恋姫における蜀最終編最初は原作通り魏呉蜀に100万ずつ・・・とか思ってましたが、うん、ぶっちゃけどう足掻いても絶望。真恋姫の異民族の強さ云々前に、300万とか絶対無理。その辺あって、無理やり南蛮やら烏丸やら南方異民族やらを敵対させないようにという流れにしてたのですが。なので、私の駄作では西方・中央・北方の一部、それでも4~50万位は(総勢で)いる・・・かなあ?曹・孫・関全軍でやはり40万~くらいの想定なので、それよりは多いかなあ、と。~~~露骨なアレ~~~集合地となるであろう、許都への行軍中。高順の陣にて。高順に用事があって来た馬超が、陣幕前でたむろしている人々を見て「あれ? 皆何やってんだ」と声をかけた。趙雲、楽進、李典、馬岱に、何故か黄蓋まで。周倉もいるが、彼女は護衛役みたいなもので、陣幕見張りに徹している。その内の何人かが馬超の方へ向き直り「しーっ!」と声を出さないでくれ、という素振りを見せる。「え、何? 何があるんだ???」「ええい、静かにせんかっ。」「そうだよお姉様! 空気読んでよね」「せやせや、声だけとは言え中々そそるんやで今の状況っ」『・・・・・・(見向きもせず聞き耳を立てている趙雲と楽進』「駄目だこいつら、早く何とかしねぇと・・・」周倉だけは「別に良いじゃねーか、大将が何してようとさぁ。」くらいにしか思っていないらしい。何日かすりゃ、俺達全員出番あるっつーの。とかそんな感じなのだろう。「いや、だから何があったんだよ・・・」馬超も周りに倣って陣幕に耳を寄せる。「あ・・・ん、はぁ。んぅ、そこ・・・」(馬騰の声)「はいはい。ここですかー、ここが気持ち良いですかー?」(高順の声)「んー・・・もっとそこ、を・・・んんっ」「アイヨー。じゃ、ここを重点的にクリクリしますよ」「ああ・・・気持ち良いぃ・・・」陣幕の外。(へぶしょぉっ!? ななななななっっ・・・高順・・・は、いるのが当たり前か。ていうかあの声母様!!!)(な? な? もうこの悩ましい声だけでご飯9杯はいけるで!?)(そーゆー問題か!? 何やってんだよ母様と高順は!)(そりゃお主、アレじゃろアレ)(もーお姉様ったらあ。別に驚くことじゃないでしょ?)(驚くに決まってるだろ! いやお前公認してるのかっ!!? おい、星も凪も・・・)(は? 何か?(鼻血を垂れ流している趙雲)(・・・・・・(全く聞いていない楽進)(駄目だー!?)陣幕の中。「ねぇ、こっちも・・・ね?」「こっちもですか。そんな溜まってないでしょう。」「駄ぁ目。こっちもクリクリってしてくれないと」「はぁ。んじゃちょっと体勢変えてくださいよ。そうじゃないと挿入できないんで」「はーい♪」「それじゃ・・・行きますよ、痛かったら言ってくださいね。」「んふふ、高順君はとっても上手だもの。痛い訳が無いわ♪」「そりゃどうも。はい、どんな按配ですか」「んぅ・・・ふぅ」陣幕の外。(か、かかかっ・・・母様のあんな甘えた声初めて聞いたぞ!?)(うわぁ、おば様凄いやぁ)(随分甘え上手だのお。ワシも見習うべきか?)(こっち・・・こっち!? まさか隊長そんな所もっ)(え? うち、経験済みやでそっちも。)(ぶべはぁっ!?(鼻血増量した趙雲)「こいつら、駄目すぎる」「も、もう我慢の限界だ! おいこら高順!!!」『あ、ちょっと!!』陣幕の中に入って行こうとする馬超と、それを止めようとする連中。「こるぁ!!!!!! このエロエロ○ンボコ大・・・魔、神???」「ん・・・あら、翠。それに皆さんも」「おや、どうしました。そんな大勢で」彼女達が見たもの、それは・・・高順の膝枕で、耳かきをされていた馬騰の姿。「は、え? あれえ???」「やだ、何これ」「えー・・・耳かきであんな艶かしい声出してはったん?」「だってぇ・・・あふっ、高順君、すっごく上手なのよ」「これくらい自分でやれるでしょう、と言っても聞いてくださらなくて」「痒い所、一番気持ち良い加減で掻いてくれるんだからぁ。皆さん、も、後で頼んで見なさ、あぁっ」はぅ・・・と、またも艶かしい吐息を漏らしうっとりする馬騰。事後ですと言われても信じてしまいそうな程、表情も蕩けきっていて見る者が見ればそれだけで興奮するだろう。実際、趙雲は馬騰の蕩けた表情を見ただけで「辛抱できぬ!」と叫んで何処かに走り去ったくらいだ(鼻を押さえつつ普通ならここで「なーんだ・・・色々考えすぎて損した・・・」で終わるのだが、そこはそれ。エロ揃いの女性陣だ。「ほんならウチもー!」「なっ!?」「あ、アタシも! おば様が絶賛するくらいなんだから凄いんだよね」「おい、こら」「た、隊長。その、私も後でお願いします!」「待て、あたしも」「これはワシも体感しておかねばのぅ。高順、まさか断るまいな?」「断っても無理やりやらせるでしょ・・・後でやりますから待っててくださいよ」「あ、あのな、高順。その、あたしも」(ひょっこり)「あ、馬騰殿の後で大将に耳かきして貰うの俺なんで。あと、あまり時間かけると眠る時間無くなるぜ」「むう、もうそんな経ってたか」じゃあまた明日だな、と呟く高順に、女性陣は「えー!」と文句を言ったが周倉が「また明日で良いだろ? 楽しみにとっとけよ」と言った為、渋々と引き下がるのだった。尚、馬超は直ぐに他の面々に引っ張られてしまったので、予約できず仕舞いであった。「・・・何でこうなったぁぁぁあぁぁ!?」と叫んでいたが・・・それを見送った馬騰と高順は「・・・どうしたのかな?」と不思議がるばかりだった。まあ、高順が後日ちゃんと耳掻きをしてくれたので、その日だけ馬超はご満悦だったが。~~~再度楽屋裏~~~どうだったでしょうか、どんな按配だったでしょうか。エロだと思った? 残念、騙しイベントでした!*あいつは暑さで頭をヤられているので、出切ればそっとしてあげてください。