【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第111話。馬騰・高順隊は交州を北へ抜けて桂陽へ向かった。既に劉備軍主力部隊は長沙の韓玄を攻めている。つまり、高順達は出遅れている訳だがさして問題は無い。桂陽の太守は趙範。彼は漢王朝から派遣された太守だが、どちらかと言えば曹操に派遣された形であり、漢王朝の臣とは言い難い面がある。彼らは既に孫家侵攻部隊が北上してきたことを察知、戦闘態勢を整えている。もっとも、劉備が南荊州に侵入してきたことも知っていたので、どちらにせよ態勢を整える必要はあった。彼らが交戦を決意したのは、馬騰・高順隊の兵力が少ないことも察知していたからだ。事実、馬騰らの兵力は一万数千といったところで、趙範の手元にはあるのは総兵力二万。攻城をするのなら、馬騰らの兵力は少ないという事になり、野戦でも自軍の数が多い。いざとなれば荊州の(主力がいないとはいえ)曹操に助けを求めることだって出来る。その上、装備もそれほど行き届いていないという。つまり、自分達が負ける事はないだろう、という考えの下でわざわざ「野戦」で打ち破ってくれる、と豪語している程である。この考え自体は然程悪くは無いだろう。ただし、趙範の不幸は相手が誰かをあまり知らないという事だった。馬騰は曹操に負けた、ということで見くびられている可能性もあるのだが、高順一党の事を何1つ知らないのだ。高順と関わりのある人々は、彼らを評価して、或いは恐れている。呂布に武力で勝てなくても、兵の数が少なくても、将兵の質ではどこの勢力にも見劣りしない。惜しむらくは智将の類がいない事だが、それを抜きにしても精鋭が揃いすぎている。各地を転戦してきた彼らだが、しかし名声は高くは無い。言い換えれば「知ってる人は知っている」レベル。曹操に負けた馬騰に、聞いたことも無いような武将が率いる部隊。趙範が勘違いをするのも無理は無い、と言えた。馬騰らが趙範の動きを察知したのは、趙範が馬騰隊を察知したよりもずっと前。この辺りは情報収集力の強弱が露骨に出ており、しかも「影」は趙範の繰り出した斥候を一部捕らえてから、嘘情報を持たせて帰還させている。内容は「装備がそれほどではなく、食料も少なく人数も多くない」で、嘘と事実を織り交ぜているところが嫌らしいところだ。上手く事が運んでくれれば、程度のものでしかなかったが、ある程度の効果はあったようだ。事実、趙範は武将である鮑隆(ほうりゅう)、陳応(ちんおう)と一万五千ほどの兵を率いて桂陽の南に布陣。迎撃の体制を採ってくれていた。もし負けても直ぐに桂陽に退避できるような位置取りをしているのは、そこまで甘く見なかったと言う事かもしれない。布陣も、迎撃という前提で陣を敷いており弓兵が多数配置されている。以上の事柄を、馬騰は報告として聞いていた。「さあ、どうしたものか」幕舎で主だった者が顔を合わせて、桂陽軍とどう戦うかの協議をしてる。「野戦なら負けることは無いだろ? 難しいこと考えずに突撃すれば良いじゃないか」「そりゃそうだけど。お姉様ももう少し考えようよぉ」馬岱がジト目で馬超を見やる。「むっ。私が何も考えてないみたいな言い方止めろよなー。」な、高順? と同意を求めるが、高順は「そうですね、馬超殿ももう少し考えてください」と、馬岱を支持。「ちくしょー!?」「そりゃ突撃だけ考えればそうなりますよ・・・さて、馬騰殿。どういう策で行きます?」馬超の批判など気にも留めず、高順は馬騰の指示を仰ぐ。「相手が出てきてくれたことは好都合。何とか野戦で打撃を与えて攻城を有利に運びたいところですね」「ふむ・・・しかしながら、相手は迎え撃つ姿勢を見せている。なんとかこちらに攻めこんで来るように運ばねばなりませぬな?」「趙雲殿の言う通りです。しかし、相手を吊り上げるとなれば・・・」趙雲の言葉を肯定し、楽進が腕組みをして思考する。向こうはこちらより自分達が優勢と思っており、野戦を挑む形になった。しかし、それでも警戒して迎撃を選ぶ程度には慎重だ。更に油断をするようにわざと大敗して、突出してきた所を叩くのが良いか。となれば。馬騰も、高順も同等の事を考えていたようで、周りの視線が一斉に馬岱へと向く。「・・・え? 何、あたし!?」~~~翌日~~~「はぅぅ・・・何でこんな事にぃ」布陣を終えた馬騰・高順の先鋒部隊ど真ん中。そこが馬岱の布陣場所として指定された場所であった。何故馬岱が、と言えば・・・簡単に言えば「弱い奴を中心に据えてわざと負け続ければ良いのでは?」だ。「それなら李典でも良いじゃない!」と馬岱は反論したが、高順は「彼女は投石器部隊の指示しないといけないので」とあっさり却下された。それに、弱いというのはあくまで馬騰・高順隊の中での話であって、他の部隊であれば馬岱は一線級戦力である。彼女が弱いという事ではなく、消去法で考えるとどうなっても馬岱になる、程度のことでしかない。布陣は、中央先鋒に馬岱、後衛、というより本陣が馬騰・馬超。この後ろに投石器部隊である李典がいる。右翼は趙雲、楽進。左翼が沙摩柯、高順(ここに周倉や蹋頓が含まれる)といった編成で、趙範を相手にするにはえらく豪華な顔ぶれにも思える。横列の薄い布陣に見えるが、これを抜くのは曹操でも苦労するだろう。作戦は、1日だけは負け続けて、ある程度のところまで引き寄せたら投石器で敵後続に対して攻撃を仕掛けながら、孤立した前線部隊を叩く。そして、趙範の兵の装備を奪って「影」を撤退していくであろう部隊に侵入させ、篭城を決め込む趙範の隙を見計らって門を開かせる。大まかに言えばこんなものである。「野戦で大打撃を与えることが出来れば、もっと楽なんだろうけどねぇ」と高順は言うが、最初から篭城をしなかっただけまだマシなのだろう。~~~戦の流れ省☆略☆~~~「え?」今回の戦は誰もが呆気に取られるほどあっさりと片がついた、というかついてしまった。それこそ当初は馬岱が「攻撃→趙範軍の敷いた防御陣を抜けずに早期退却」という事を繰り返して、油断させ・・・と、予定通りの流れだった。案の定、趙範軍は釣り出されたのだが、調子に乗ってか趙範本人までが前線に出てきてしまった。総大将が一番前に出てしまえば、畢竟兵士達も前に出なければいけなくなる。馬騰達は趙範軍の動きを見て、作戦が上手く行った、とは思ったが趙範が出てくるとは思ってもいなかった。また、馬騰側で趙範の顔を知っている者もいない。突出してきた趙範軍前衛部隊に対して、馬騰側も反撃。敵からは見えないように幕舎などで隠していた投石器も使用して、一気に反攻に出たのだ。今回は自重します、と言っていた馬騰が、案の定前線に斬り込んで行ったりして、こちらもこちらで趙範軍と変わらない状況であったりしたが、そも将兵の能力が違いすぎた。投石が終わった後に馬騰が斬り込んで、後を追って馬超・馬岱も突撃を開始。左右の両翼部隊も援護・追撃に入るわけだが、投石が終わって馬騰隊が攻撃に移った時には、既に趙範が石に潰されて圧死していた。総大将があっさり戦死。陳応・鮑隆も、馬騰の最初の突撃に巻き込まれて戦死。率いる部将が全滅してしまい、残ったのは何をどうしていいのか解らない兵士達ばかり。誰かが纏めようとしても兵士の混乱を抑えきれる人材がいない。その隙を突かれて、馬騰軍よりも兵数の多い趙範軍は反攻に出ることも出来ないまま、羊皮紙のように軽く切り裂かれていく。統率する者がいない状態では、軍は機能しない。どうしようもない、と兵は城の中に撤退していくが、統率者もおらず、指揮を執る、と名乗り出るようなものもおらず、士気は低下するばかり。それを見越して馬騰は「このまま降伏すれば手荒な真似はしませんよ? 仲良くしましょう?」という降伏勧告の使者を送った。抵抗してもどうにかなるわけでもなく、援軍も期待できない。それならば、馬騰の気が変わらないうちに・・・と桂陽は白旗を揚げ、馬騰に降伏。開門して新たな領主を迎える事を選択した。ちなみに、冒頭の「え?」は、趙範が真っ先に戦死していたことへの、馬騰の反応である。篭城も含めて、日数がかかると思われた桂陽攻略はなんというか・・・実に情けない形で、しかも3日程度で終結してしまうのであった。馬騰・高順らが入城して数日。それほどの混乱も無く、占領は割合にスムーズ、と言って良いかどうかともかくも、進んでいた。戦死者よりも負傷者が多かったこともあり、まず真っ先に行われたのは物資の搬入。食料・救急物資などを重点的に倉庫に積めて行き、入りきらない分については幕舎を建ててその中に保管する。これら、物資搬入に於いて指揮を執ったのは高順ではなく、闞沢(かんたく)である。「闞沢殿、倉庫に資材が入りきりませんがどうしましょう?」「幕舎を建ててそこに詰めてください。何を詰めてあるか解るようにお願いしますね。あと、高順様か馬騰様に倉庫の増設をお願いしてください」「闞沢殿ー! 高順様が「軍需物資は直ぐに出せるようにお願いします」と仰ってましたがー!」「はーい! ええと、この場合は矢と矛と剣とー。」「すいませーん、配給する食料と薬品は何処に・・・」「それは中央の倉に入れてありますからー! あ、どれだけ持って行ったか台帳に記入を・・・」まだ10代半ばの闞沢に、大の大人が従っている様に見えるが、当人達はそんな事を考えてもいない。闞沢は高順に見出されて輜重隊を取り仕切っているのだが、元来仏教徒である彼女にはそちらのほうが性に合っている。こんな時代だから軍隊同士の殺し合いまでは否定できないが、自分が殺しをするつもりは無い。裏方の方が気が楽だし、それのせいで忙しい程度は苦にもならない。むしろ、こういった仕事を与えてくれた高順には本当に感謝しているくらいだ。「・・・ふむ。」そんな闞沢の働きを見ている人物。馬騰である。「高順くん」「ずるるっー・・・ふは、何でしょう」馬騰と一緒に街の食事処で昼食を摂っていた高順は、熱々のラーメンの汁を少しすすって馬騰へと顔を向けた。「昨日見させて貰ったのですが、闞沢ちゃんでしたか。よく働いていますね」「あー。そうですね、良い子ですよ。」まだあんなに若いのに、大人顔負けの働きぶりですしねー、と高順は同意する。「むしろ、働きすぎじゃないかと思いますね。遊ぶ時間くらいの休み取っても良いよ、と何度も言ってるんですけどね・・・倒れやしないかと、そこは心配です」「そんなに働いているのですか?」「ええ、睡眠時間も少ないと言ってますからね。あんな働き方じゃ身体壊す、って何度言ったか。」今は若いから良いですけど・・・今度、無理やりでも数日休暇を取らせますよ、と高順は麺を口に運ぶ。そんな高順を見て「貴方も働き詰めでしょうに」と馬騰は苦笑する。「ずぞぞーっ。・・・んで、闞沢ちゃんがどうしました?」「ええ。あの子が欲しいのですよ。ください」「嫌 で す」「え、そんな!?」「当たり前です! 物じゃないんだから欲しい言われても嫌ですし、あの子はうちの貴重な輜重係なんですよ!?」「良いじゃないですか、貴方の所には人材は多いでしょう!」「彼女以上に輜重をこなせる人なんていませんよ! 我侭言うと馬騰殿の女神のような身体思い出しまs(メゴシャア)ちにゃ!!」(壁にめり込む高順「忘れろとあれほど言ったでしょう! 泣いた上で殴り飛ばしますよ!?」ラーメンを引っかぶって壁にめり込んだ高順からすれば「殴った後に言わないでください」であった。*騒ぎすぎた上に店を一部破壊したせいで二人とも追い出されました。店の修理費は高順持ち。この後も、馬騰の引き抜き(?)は続いた。高順にしてみれば有能かつ、これから更に成長を期待できる人材である闞沢を取られるのは避けたい所だ。ただし、馬騰の言い分も判らないではない。何せ、曹操に敗北した時点で兵力・・・特に人的損害が自力では立て直せないほどのダメージを受けている。深刻なのは文官の類がいない、という点に尽きる。荒くれ者が揃っている西涼軍だが、頭を使う作業を得意とする人間がほとんどいない。馬騰も寿春でそういった人材を探していたようだが、上手く行かなかったようだ。ようやく眼鏡に敵う逸材を見つけた馬騰だが、闞沢を自分の・・・というよりは、馬超の参謀に、と考えている。馬超は武勇に長けており、それは親の贔屓目を無しにしても認めるところだが、どうにも音が単純で頭を使う事には向いていない。そこを行くと馬岱は武勇では敵わずとも、頭を使う事は出来てその所では心配していないのだが。しかし、自分の跡取りがアレでは本気で心配だし、それを支えてくれる人材がどうしても欲しい。そんな理由で、馬騰はしつこいくらいに「闞沢を是非とも馬超配下に!」と言い募ってくるのである。「む~~~・・・こっちだって、苦労して得た人材なんですよ? 馬騰殿の事情もわかりますが、流石に譲れませんよ」「そこを理解して、無理と承知しながらも頭を下げているのです。譲ってください」「むぅぅぅ。しかしですねぇ」「・・・判りました。ではこうしましょう。」埒が明かないと見たのか、馬騰は1つ条件を出した。「馬超だけではなく、馬岱も孕ませて良いですよ。あと2・3年もすればあの娘も馬超並みの「良い女」になりますし」「孕っ・・・!? いやちょっと! そーゆう事は馬岱殿の意思を確認してからにしてくださいっ」「関係ありません。強い子孫を残すのは急務。それに、あの子の一族は本人以外に残っていないのです。」あの娘も、男性に興味を持つ年頃・・・少し早いかもしれませんが、子を産むには十分な身体です。と馬騰は勝手に話を進めていく。こればかりは本人の意思は絶対に必要だと思うが、やまり馬騰も騎馬民族の思考。蹋頓ばりの「産めよ増やせよ」である。何せ蹋頓は、もしも高順が烏丸の世話になっていたら「高順さんの好みの娘がいたら孕ませて良いですからね。今日から烏丸の娘は全員高順さんの妾です!」くらい言いかねない女性である。「いや、あの・・・」「2人は姉妹同然。姉妹丼ですよ? 男の子の夢の1つでしょう?」「そういう問題じゃないですからね!!!」「もう! どういう条件なら呑んで下さるのですか!?」「最初っから呑まないって言ってますよ!!!?」後に馬岱本人に確認したところ「あたしが高順さんと? お姉様が良いなら別にいーよ?」とあっさり承知してしまったそうな。幾度も話を差し戻したり時には強引に進めたりして「じゃあ本人に聞いてみましょう」という事になった。こればかりは闞沢も「高順様の元を離れるのですか?」と本気で難色を示した。高順は「俺としては馬騰殿に託すつもりはないし、できれば残って欲しいが・・・」と、自分の意思を示しつつも決断は闞沢に任せることにした。馬騰も「出来る限りの待遇を良くしますから、馬超を支えてあげて欲しい」と頭を下げる。闞沢は高順と馬騰を何度も見比べて悲しそうに俯いた。「馬騰様のお気持ちと事情はわかります。けど、私は高順様に助けて頂いた恩と、仕事も頂いた恩があります。高順様の下を離れて馬騰様、ひいては馬超様の元へ行くのは・・・」「そうですか・・・」馬騰は本当に残念そうに肩を落とした。「ただ・・・桂陽と武陵にいる分には、馬超様の為に働いても良いですよね?」「へ?」「この二都市は馬騰様が陥落させた折には、一時的とはいえ領地になる、と聞いています。この二都市で仕事をするのは馬超様の為にもまります・・・よね?」「そりゃそうだけど・・・?」「そして、成都攻めには麗羽さんが同行する筈ですし、孫権様と多数の部下の方々もいらっしゃいます。そうなれば、一時的でも私は離れても良いのではないでしょうか?」「・・・。何ですと?」確かに成都攻めは孫権率いる征西軍が主軸となる。闞沢の言う通り、一時的にだが楽にはなるだろう。「その間だけ、馬騰様の元で働くというのは如何でしょう?」「ええええーーー!?」「本当ですか!?」愕然とする高順と喜色満面な馬騰。対照的過ぎる表情の二人だが、闞沢は「ただし、いくつか聞き入れていただきたいことがあります」と条件を提示する。「何でしょうか」「1つ、私は前線には出ません。あくまで後方補給、輜重などの裏方に徹します。2つ、やるからには全力を尽くしますが、馬超様がどうしても自分と合わないと思えば、直ぐに高順様の元へ帰らせて頂きます。これが条件です」「ほぅ・・・。」「生意気だとは承知していますが、肌に合う合わないは重要だと思います。高順様は私のやりたい様にやってくれ、と好きにやらせて頂けましたから」「良いでしょう。それくらいの意気込みが無ければ勤まらない。それに、気概ある人材を使いこなせければ娘はその程度だという事」あの子の器がどの程度なのか、私も見させていただくとします。と馬騰は頷いた。高順としては折角の人材を取られたに等しく、ションボリである。「ううう・・・でも、本人の意思を尊重するって約束だし仕方ない・・・」いつでも帰ってきて良いからねー、と高順は闞沢の肩を叩く。「はいっ!」高順の言葉に、闞沢は嬉しそうに返事をするのであった。馬騰が桂陽を陥落(?)、手中に納めたと同時期、関羽・張飛を主軸とした南荊州侵攻軍は2都市を陥落せしめている。これほどに早く陥落させたのは、華雄らがいたことに加えて、一時的ではあるが呂布が攻撃に参加していたことが理由として挙げられる。ただし、呂布を使用するには莫大な食費が必要であり・・・まだ懐具合の寂しい劉備軍は、長沙・零陵を攻略した時点で少し足踏み状態に陥っている。しかしながら、次の攻撃作戦への準備を迎えていることは明白。そして、高順達はまだそれを知らないでいる。~~~楽屋裏~~~そげぶ。あいつです(挨拶趙範の扱いが悪すぎる、という意見がありそうですが、これは仕方がありません。だって南荊州攻略って地味なお話ですもん(コラーあまりに地味すぎてどうしようもないから、黄忠とか忠臣(笑)とか反骨とかいう八つ当たりイベント増量されてるわけですし・・・次は金旋の武陵攻略ですかね。こっちは劉備軍がちょっかい出してきそうな感じです。赤壁ですが、これはそんな大戦にはならんかと思います。正史どおりの流れになりそうですし・・・黄蓋を心配する声もありましたが、彼女にはそもそも死亡フラグがありません。あるのは便所で放置フラグで助けるのは韓当(ぁだと考えましたが、よくよく思えば。恋姫世界の黄蓋が負傷したとはいえ便所で放置プレイされる姿(というかどうなればそんなシチュになるかが)思い浮かびません。なので、多分無いのでしょう。黄蓋が赤壁で記録された「便所で放置」事件(wしかし、味方でしかも武将である黄蓋を便所に捨て去る兵士って一体。~~~おまけ、桂陽的日常~~~「ほほう、これは中々」趙雲が、手にしたキノコを見てニンマリと笑う。そこは桂陽に程近い山中。そこで趙雲が何をしていたかと言えば・・・。「ふふん。これだけあれば酒の肴に困ることはあるまい」手にした籠にはどっさりとキノコの山。彼女はキノコ採りに精を出していたのであった。事の発端は、趙雲が肴・・・ぶっちゃければメンマだが、それを齧りながら酒を呑もうと考えてメンマを詰込んである壷の栓を開けたところ。「・・・む、カラだと・・・?」これは参った、と趙雲は再度栓をした。(酒のみでは味気ないし、かと言って・・・財布の中身は)懐から財布を取り出し確認するも、中身はすっからかん。無一文状態だ。高順隊は、基本的に給料が良い。将と兵が同じでは示しがつかないからそこは区切られている訳だが、将の1人である趙雲もけっこうな額を高順から貰っている。趙雲は酒とそこに付随する物に金を使いまくる。風変わりな物を見つけては購入してみたり、を繰り返すので直ぐに金が無くなってしまう事が多い。楽進は堅実に貯めていたりするし、李典は工具などを購入したりするものの、これは仕事にも使用するので高順の承知の元で「経費」で落とせたりする。蹋頓や沙摩柯はそもそもお金に執着が無い性格、というか食事以外でお金を使う趣味が無いので無駄に使ったりという事が無い。時折武器の修繕などで金を使うが、それこそ経費で落としてください、と高順に言われておりやはり懐が痛まない。周倉は山賊(親衛隊)連中とつるんで宴会をやったりするが、やはりお金が残るように考えて使っている。つまり、大小差はあれど、周りから見て趙雲の無駄遣いが多すぎるという事になる。自覚している癖なので、誰かに助けを求めにくし、高順に給料の前借を頼むというのもあまり良い事ではない。「また無駄遣いしちゃったんですか? 気をつけてくださいね」と困り顔でお金を出してくれるのだろうが、頼りっぱなしはどうにも。少し考え、それならば自力で調達してみせよう、と割と手軽に出来るキノコ狩りを思いついたのであった。ただ、趙雲はキノコに詳しい訳ではない。それなのにキノコ狩りを行ったのは、身近に知識のある人間がいたからに他ならない。その人物は周倉。周倉は賊であった時代に勉強(或いは実践)して、食用のキノコをある程度見分ける技術を習得している。その周倉に鑑定をした所「まぎわらしい物も存在してたけど、このあたりは食える」と食用のキノコを選定してくれた。毒キノコは「あ、これ駄目だ」と捨てていくのだが、中に1つだけ判断のつかないものがあったらしい。それを見て首を捻っており、「こんなの見たことねーなぁ・・・」と観察しているのだ。「ほほぅ、ならば食べてみて確かめるのもありだな」「やめとけって・・・毒とか本気で洒落にならねーぞ? どーしてもってんなら止めねぇけどさ。あと、焼いて食えよ?」「はっはっは。この趙子龍が少しばかり毒に負けるわけがあるまい。」「ならなんで俺に鑑定させるんだよ・・・ま、いいけどさ。」「はは、すまん。いずれきっちり礼をするので許せ♪」さて、炙って食うとするか、と趙雲はご機嫌で自室に帰っていった。翌朝、趙雲が部屋から出てこない。毒にあたったんじゃねーだろーな、と流石に心配になったのか。様子を伺いに周倉が趙雲の部屋まで赴いた。扉を叩いて「おーい、生きてるかー?」と返事を待つ。暫くして、お、おぉ。周倉か? と返事があった。「なんだ、元気そーだな。入るぞ?」「お、おい! いや・・・その、ちょっと待て!」「あぁ? 何をそんなに慌ててやがる」大将と乳くりあってるわけじゃなかろうに、と遠慮なく扉を開ける。「わー! 入ってくるな!!!」「ったく、無事なら部屋から出て来いって」趙雲は真っ赤になって、掛け布団に包まって周倉を威嚇する。「何を怒ってんだ? ほれ、さっさと・・・「わー! わーーーー!!!?」・・・。おい、これって・・・」涙目になって掛け布団を奪い返し、蹲ってしまう趙雲。「こ、こりゃどーゆーこった・・・」趙雲が陥ってしまった状態、それは。股間に一物が生えました。(投げやりこの後すぐに周倉と趙雲が高順の部屋に転がり込んで「どうすれば良いっすか大将!?」「何卒お助けくだされ!(涙」という話になり・・・「・・・何があったのさ」高順も高順で頭を抱えてしまうが・・・。~~~ここから僅かに少しだけぇろ要素あり~~~~~~更に翌日~~~「・・・」「えっへっへ」「ふふふ・・・」朝の食事をしている最中。椅子に座って食事を摂っている高順の右に周倉、左に趙雲(一物は無かった。消えたらしい)がいる。ただし、隣に座っているのではなく両側から抱きついている。高順としては食べにくい事この上ないし、くっついていられると男として非常に困る。その上、他の女性陣。楽進やら李典やらまでいて、ニヤニヤしていたり「何があったのだろう? 予想はつくけど」というような表情の者も居る。高順は意を決して、離れてくださいね、と言おうとするのだが。「あの・・・」「んー? なんだい「ご主人」?」←周倉「何か御用ですかな「主殿」?」←趙雲「なんだとテメー!!?(ガタンッ」←バチョンさん『ほほぉ・・・』←他の女性陣「ちょ、まっ!? 何ですかそのご主人とか主殿って!!!」馬超は放っておいて(というか余裕無し)、高順は2人の言葉に凄まじい反応を見せた。「なーに言ってんのさ。昨夜、俺達2人をあんなに激しく攻め立てておいてさぁ」「そうですぞ。「お前らの(規制)は俺が(規制)してやるっ」だの「俺の(規制)に(規制)(規制)」、あまつさえ我々に(超規)の誓いを立てさせたではありませぬか♪」「「馬を乗りこなすくらいなら(ピー」とか。俺達に「武器を捨ててご主人の肉(ギャー)使いこなします」とか言わせてそりゃないぜ? 覚悟を決めてこれまで以上に尽くすからさぁ♪」「言ってねぇー! んな事一言たりとも口に出してないですし言わせてませんよ俺は!!!?」「いやいや、むしろ口に出されたのは我々で」「そうだよなぁ、上と下も」「だぁーーーー!! どーしてそーいう反応するかな!?」楽進や李典は(うわ、すごい事になったな・・・いずれ自分たちも)とか考えているのだが、ここでこれまで黙って聞いていた蹋頓が立ち上がった。「・・・高順さん!」「え、はい! ごめんなさいっ!!」ああ、怒ってる・・・と高順は、自分が悪い事をしたわけではないが即謝罪した。高順以外の誰が見ても、特に表情を見れば蹋頓が不機嫌なのは一目で解る。女性にそんな事を言った、あるいは言わせた(冤罪)事に怒っている・・・誰もがそう考えていた。「ずるいですよ、お二人にそんな誓いをさせるなんて!」「・・・。・・・・・・え?」予想外の反応に、高順は硬直した。「言ってくれれば、私が直ぐに誓いを立てました、というか今すぐにでも立てますっ!!」「え、あれ? そっち? 怒ってるとこそっちなんですか???」「当たり前ではないですか! そんな言葉責めとか羨ましい・・・私、今まで一度もしていただいた事が無いというのに」ああ、そっちの理由で怒ってたんだ・・・と、高順だけではなく、趙雲や周倉までガクッとずっこけそうになった。この女性にかかれば、高順がどこそこの女性と関係を持った、とかは何ら問題のある行為ではない。どんな「接し方」をしたのか、そこしか見ていないのだ。その「接し方」を自分がしてもらえてないことに嫉妬した、とかそういう話なのである。「高順さんは私を優しく愛してくださいますけれど、たまには(もうやだ書きたくない)とか、激しい一夜も過ごしたいわけですよ!」「だからなんでそっち方面で怒るの!?」「さあ、そういうわけですから・・・李典さん、楽進さん、あと馬岱さん。今から高順さんの部屋に行きますよ」「えっ」「な、今からって」「・・・あたし?」「おい待て私が呼ばれて無いぞ聞いてんのかコラ」「そうです、試したことの無い領域を垣間見るには良い機会です。いざ進まん未知の世界へ!!!」(高順と馬岱の首を掴んで歩いていく蹋頓「いやああああっ!? そんな数人も相手とかできるわけないでしょぉぉぉお」「ああ、ずるいぜ! それなら俺たちも」「うむ。我々もご相伴に預かりましょうかな」「ぎゃああああ!!! だ、誰かっ、沙摩柯さんたすけてえええええ」「・・・。仕事は私と馬騰殿、馬超で済ませておく。心置きなく果てて来い」「馬岱。若いのですから多少は仕方ないですが、はまり込まないようになさい。平和な時代になった後に心置きなく励むのです」「心置きなくって・・・」「果てて来いってそれ死の宣告!? あ、ちょ、引っ張らないで・・・へ、へるぷみぃー!?(ばたんっ」食事もそこそこに、無理やり拉致されていった高順。へるぷみーって何だ? と首を傾げつつ、当たり前のように自分の膳を片付け始める沙摩柯。その沙摩柯に、馬騰が声をかける。「沙摩柯さんは良く解っておられますね」「何がです?」「高順くんが働きづめだから、少しは休ませてやろう、という事でしょう? まあ、休みになるかどうかは判りませんけどね」休む休まないに関わらず、体は酷使するのだから彼も難儀なこと、とくすくす、と声を押し殺して笑う馬騰。一方、完全にハブられた馬超は真っ白になっていた。「あれ、私も高順の愛人だよね・・・? この扱いの差は一体何?」「差があって当然でしょう。貴方はすでに桂陽の太守代理。やらなければならない事が多くあるのです」「え、何で・・・お母様が太守じゃないのかよ?」「いつまでも私が指揮を執るのは好ましくないでしょう。闞沢ちゃんにあれこれと教えてもらわなければならない事もあるのです。貴方にこそ、休む暇はないのですよ」「そ、そんなぁ!!」「我侭を言うものではありませんよ。それに、先ほど言ったでしょう。平和な時代になったら存分にまぐわいなさい。・・・子孫を残すことは肝要ですから、今はそこそこで良い筈です」そこそこなら許すのかよぅ、とぼやきつつ、自分の立場の悪さに涙する馬超であった。翌日。凄まじく疲れた表情で部屋を出てくる高順。とりあえず、沙摩柯は何も聞かないことにした。・・・もうやだこの姦陣営。~~~楽屋裏~~~自分で建てたぇろフラグなど、自分で打ち壊す。あいつです(再度挨拶このところ、露骨にぇろフラグ建てまくってる気がしますが、特に続きはありません。アンケートの結果を何とか反映しようとした結果がこのざまです。つうか、アメリカ版EDFなめてんの? あれでフルプライスは詐欺だと思った(でも買ったあいつあのボリュームの少なさと劣化しすぎな爽快感はどうかと思うよ・・・(吐血