【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第109話。「・・・はい? どゆ事? もう一度言って頂いてよろしいですかねえ・・・?」怪訝そうな表情で、高順は孫策に聞きなおした。高順の家にて。あの騒ぎから1ヶ月ほどしてから、孫策から使者が来た。「相談したいことがあるから登城するよーに」という事であるが「俺、まだ体の調子良くないんですけど・・・」と答える高順。使者はその言葉をそのまま孫策に伝えるわけだが、再度「じゃ私が行くわよー。逃げちゃ 駄 目 よ?」と使者を派遣。逃げたくなるような何をするつもりなのか、と高順は空恐ろしくなりつつもこれを了承。妙な流れではあるが、孫策と、ついでだと言わんばかりに周瑜が高順の家にやってきたのであった。ただし、少しだけ日が悪くて・・・「・・・。お楽しみ中だったわけね」「ごめんなさい」例の如く黄蓋が「お世話」に来た日と被っており、「お楽しみ中」の現場を孫策に握られ、ついでに言えば黄蓋にチン○握られてる高順なのであった。とりあえず言っておくと、この日は最初から黄蓋の休日。「休日に何をやっても構わんじゃろ?」とばかりに高順の世話を焼きに来ていたというわけだ。それが犯罪じゃなければ、黄蓋の言うとおり休日に何をしていようと構いはしない、と孫策も周瑜も寛大な姿勢であった。「それはともかく・・・うわぁ、あんた手がすっごい事になってるわねぇ。大丈夫?」高順の左手を見て、孫策はそれを手にとって傷口をしげしげと見つめる。護衛役の蒋欽もいて、彼女は孫策の後ろに控えているが、時折寝台に寝ている高順をチラチラと見ている。理由は、黄蓋が高順から離れようとせず体を密着させているからだ。ほぼ全裸に近い黄蓋が、寝台で半身を起こして話をしている高順に絡みつくように体を重ねていた。当然、掛け布団を纏っている状態だから裸身が見えるわけでもないが、高順の胸に頬を摺り寄せている。(つまり、胸が高順の腹部に当たっている)「当ててるのじゃよ」とでも言いそうだが、とりあえず黙って両者の話を聞くことに集中しているようで、口を挟むことは無い。ただ、時折悪戯をしようと布団の中に潜り込んでナニをしようとするので、その度に「ちょ、やめっ!?」と高順に窘められている辺り、子供っぽいというか。高順も高順で、無意識だろうが右手で黄蓋の髪を梳いたり、背中を撫でていたりして、傍目から見ているとアツアツの恋人関係に見える。孫策はそれを気にすることも無く、というかけしかけたのは自分なので「若いわねー」とまるで気にしていなかったりするが、ともかく。「これからは前線指揮は趙雲殿に一任しようかと。何かあれば俺が出るようにはしますけどね。」「左目も悪いって聞いたけど。無茶すんじゃないわよー?」「解っていますよ。で、どんな用事で・・・?」孫策は高順の左手から手を離し、むふふーと胸を張る。「私、昇進したのよ。」「・・・はい? どゆ事? もう一度言って頂いてよろしいですかねえ・・・?」「だーかーらーぁ、私が呉侯から呉公に昇進しましたーいぇーい♪」「・・・。昇進・・・? 漢王朝牛耳ってる曹操と戦おうとしているのに?」「うん。陛下に貢物贈る事数回。「そろそろ部下に報いてやりたいのですけど!」って言う事を何度も言い続けてやっとこさよ。」「はぁ・・・」「まだ「孫家は」曹操と喧嘩してないしね。こんだけ領土広げて何度も金銭贈ってんだから、向こうだってそれなりの事はするわよ。」「そういうもんでしょうね。」「そーいうもんなのよ、きっと。で、こっからが本題。そろそろ高順にも将軍位あげたいのよねえ。だから貰いなさい。意義も反論も認めないわよ。」「・・・・・・え? しょ、将軍位~~~!? ・・・も、もしかして褒美って・・・!」「大正解♪ 流石に上位将軍位は無理だけどね。そこらは程普、黄蓋とか母様の代からの功臣が優先よ」「そりゃそうですが・・・しょ、将軍位かぁ・・・」むぅ、参った・・・と高順は頭を抱えた。「あによー、将軍よ将軍。孫家内で、武官としてこれまで以上にきっちりとした立場になれるのよ? なんで悩むのよ」別に孫家で偉くなりたい訳じゃないし、んなもん貰っても苦労増えるだけだから、とは言いづらい。孫策も孫策で、これまで高順に何ら報いる行動をしていなかったのだし・・・と言う事を気にかけており、それはそれで良い。「うーん・・・じゃあ無官ってことでおn「却下」「却下だな」うわ早っ!?」「ああ、裨将軍とかは駄目よ。それは周瑜のだし。名誉職みたいなもんね。あと、高順の部下にも将軍位・・・ではないけど、正式に軍候(部隊長)を与える。当然、高順指揮下でね」「私に将軍位は不要なのだがな。更にこきつかおうという魂胆が丸わかりだ」「うっ」裨将軍とは将軍位としては雑号将軍と同じく最下級。もう一つ偏将軍というのもあるが、これらは名誉職に近い。他の将軍の副将或いは部隊指揮官のような扱いだ。将軍となった場合、殆どは一番最初に拝命するのがこの2つの将軍号であったりする。同じ位としては牙門将軍と言うものもあるが、これは大将軍直下の将軍で砦の入り口、即ち「牙門」を守護する存在である。ちなみに、周瑜の将軍位は低いのだが、彼女の場合は政治的な立場のウェイトのほうが大きい。軍・政両面に多大な影響を及ぼす存在である周瑜に、実行権そのものを与えてしまうというのは、主君以上の権力があると周りに思われてしまうのだ。正史・演技における諸葛亮のようなものだが、あれは主君が劉禅であるから成立していたようなもの。もしも孫策が王なり帝であれば、周瑜は確実に丞相か大都督となっていただろうし、今現在、政の責任者のような立場だ。「へ? 趙雲殿とかにもですか?」「ええ。趙雲、楽進、李典、沙摩柯、蹋頓、周倉・・・えーと、他にいたっけ?」他、というのは恐らく閻柔と田豫だろう。だが、彼女達はそれほどの兵数の指揮権は無く、趙雲の副将を兼ねている。(今は南中にいるのだが。あまり出会う事がないせいで印象が薄いのか、単純に覚えていないのかのどちらかだが、あの二人に将軍位を与えると趙雲らと同格になってしまう。「いますが、彼女達は副官みたいな感じで・・・あと、蹋頓さんも似たような感じです。周倉は俺の個人的な護衛官・・・かな」「あら? でも蹋頓は交阯で留守居やってるのよね?」「そりゃまあ。残された人員で、となると蹋頓さんが一番適任ですしね。数だけで言うなら、俺より多くの人数率いたことも多いでしょうねえ」「へぇ、そうなの・・・意外だわ。」本当に意外そうに言う孫策だが、実際に意外である。何度か会った事はあるが、それほど強い人と言う印象は受けていない。むしろ沙摩柯のほうが、と思うのである。尤も、蹋頓の強さとは別方向に発揮されていて、孫策はそれを知らないだけだ。「それは置いておくとして、高順にはね・・・雑号将軍を贈ろうと思うのよ。」雑号、というのは将軍職が増えすぎたために増設された将軍位で、前述の裨・偏将軍は伝統的なものでもあるが、これよりも位としては上。孫策が名乗った討逆将軍、曹操が自称した奮武将軍。これらも雑号将軍位である。「雑号ですか。」「あら、不満?」「まさか。屯長とかその辺りでも嫌・・・じゃない、コウエイだと言うのに。」「うっわ、本音と棒読みを同時とか・・・」「ははは。ですが良いんですかね。俺が将軍位とか。」「良いのよ。本音としてはまだ足りないかなぁ、とも思うけど。」「ふむ・・・じゃあ、足りない分を補填してもらっても?」ニヤリ、と笑う高順。孫策は「な、何よ? お金とかは少し勘弁して欲しいけど」と少しだけ後ずさる。「いえ、そっちじゃなくて。趙雲殿にも将軍位与えて欲しいんですよ。」「はぁ? でも、それじゃ雑号くらいしか空いてないわよ? 最低位とはいえ高順と同格になっちゃうじゃないの」「いえ、それで良いんです。先ほども言いましたが、俺に何かあった場合の指揮権は彼女が受け継ぐことになってます。」「む・・・あー、趙雲を上に建てる説得力が薄くなるとかそういう事? あんたって、そーいうとこ拘る性質なのねぇ。」「申し訳ない。指揮権云々は皆も承知していますが、形としてはやはり必要かなと」「解った、それくらい面倒見るわ。ああ、それと高順の将軍位は威南将軍。趙雲は・・・そうねー。これからあの娘が表立って戦うってことだから、威西将軍かしら」「適当ですねー」「適当よー?」「いつも通りだ」「あっさり肯定したよこの人達・・・あ、そうだ。もう1つ聞きたいことが。馬超殿とかはどうなるんです?」「馬超? あの娘は漢の臣である馬騰殿の娘。立場としては漢の臣、でしかないわけね。孫家の武将とは言えないから、孫家の立場を与えることは出来ないの」馬騰殿も、私の呉公就任に良い顔しないでしょうしねぇ・・・と、孫策はぼやく。が、意外と言うべきか。馬騰は孫策が呉公に上がったことについては、不安がないわけではないが、文句を言うことは無かった。孫策に野心が無い、とは思わないが他2人に比べてまだマシで、色々と便宜を図ってもらった恩義もあるし、高順のことについても同じだ、という事なのだろう。馬騰は曹操・孫策・劉備と出会っているが、曹操は危険、孫策は前述の評価、劉備に至っては話にならない、という評価をしている。曹操に関しては、姦雄の評価ばかりを聞いていた為の先入観もあったが、実際に交戦してその結果、義妹と愛娘2人を失ったことが大きい。曹操と一緒に働いてみれば、決して悪人では無いと言う事が理解できただろうし、曹操は野心があっても帝位に興味を抱いていないという事も解っただろう。ただし、いきなり「部下になれ、じゃないと攻める」という理由で交戦し、自分の不甲斐なさもあるが家族を殺した相手と正常な関係を築けと言われても、それは無理な話だ。劉備はもう論外で、一緒に仕事をしようと言う気にすらなれない。勢力も実力も無く、その上野心が大きい、と関わっているとこちらにまで被害が出かねない。あの時の会談を思い出すだけで腹が立ってくるというのだから、相当である。もしもあの時に自分の軍勢が多数残っており、馬超・馬岱の体力に余裕があったならその場で劉備を手討ちにしていただろうに、とすら考えている。公でも認めにくいが、どちらかと言えば私で認めることが出来ないという感情が先立つのは曹操。公私共に認められないのが劉備、という図式が馬騰の中では組みあがっているようだ。「かと言って何も無しという訳にはいかん。「漢の」偏将軍に任命してもらえるよう上奏し、容れられているよ」「そうですか」それなら良いか、と高順も納得した。さて、他に話す事は・・・と言い掛けた高順だが、ちょうどその時に天井から「コツコツ」とノックのような音が聞こえた。蒋欽が「何者!」と反応して剣を抜きかけるが、高順が「大丈夫ですよ」とそれを制した。それらが終わってから高順は天井を見上げる。「どうした?」「少し良いか? 報告だ」「その声は・・・楊醜だな。江夏から帰ってきたということか、お疲れ様」「おう、頼まれていた件の報告はこれに書いておいた、目を通してくれ」「解った。暫く休んでていてくれ。・・・犯罪にならない程度に」「話せるじゃないの。もうアソコがパンパンだぜ」(アソコ?)(パンパン?)(アソコって何処なのだ?)(何がパンパンなんだろ?)黄蓋・孫策・周瑜・蒋欽が不思議そうに思うのはさておき、天井の蓋が僅かに開き、そこから紐に吊るされた形で木簡が降ろされてきた。それを黄蓋が掴み、紐をほどいてから高順に手渡す。それを確認してから天井の蓋が閉まり、気配も消えた。黄蓋の行動は左手が使用できない高順の為の行動なのだが、孫策からは阿吽の呼吸と言うか、細やかな気遣いに見えた。(へー・・・。良い感じじゃない。祭自身が「蹋頓には勝てないまでも、寿春にいる間はワシがきっちり面倒を見てやるさ」と豪語してただけあって・・・ふぅん?)高順が苦労して木簡を開いて目を通すのを見ながら、孫策はニヤニヤ笑っていた。しかし、孫策が笑っているのとは対照的に、木簡に書かれている内容を読み進める高順の表情は厳しい。「ワシも見て良いのかのぅ?」「・・・ええ、どうぞ」ちょっと気になったのか、黄蓋が布団の中から動いて高順の隣に移動する。・・・紐下着、しかも先端を隠す布の形が小さなハートの形であった。「むっ・・・」高順に遅れて読んでいく黄蓋の表情もまた厳しい。何が書いてあるのやら、と思う孫策だが、二人が読み終えるまで待つ。暫くして、高順は木簡をパタパタと畳み始めた。「ちょ、私にも見せてよ!?」「はっ。いや、申し訳ない。面白くない内容でしてね。最初に周瑜殿に見せたほうが良いよなー、と思いまして・・・ちょ、黄蓋殿どこ触ってるんですか!」「(無視)私が蔑ろにされてるみたいな言い方よそれ。良いから見せなさいよ」「(同じく無視)私に、という事は劉備関連か。どれどれ」はいはい、と高順は木簡を孫策に渡す。一度畳まれた木簡を再度開いて、孫策と周瑜は中身を読み進めていく。「これは・・・」ふん、確かに面白くないわね、と吐き捨てるような物言いをする孫策。内容は、江夏の劉備に関する事と、反乱が起きた事で劉備が孫家へ不信感を募らせている、というものだった。劉備は、兵士の増強を行っている、という事なのだが、それは別に悪いことではない。見ようによっては、曹操との決戦を意識しての事と思えるからだが、どうもそう思えない増強の仕方だ。周瑜は前に「江夏には劉備と劉琦の軍勢がある」と指摘していたが、そのどちらを増やし、どちらを曹操との戦に使うのか? という事が問題となる。楊醜の報告によれば、増強されたのは劉備の軍勢と言うことだ。つまり、最初に劉備が申告した一万の兵士が増えた、という事。報告では六千ほどが増えたらしいのだが、どうにも引っかかる、というのが皆の認識である。少ない兵士を見入りの少ない曹操との戦に使い、実入りの大きい南荊州攻略に大きな兵数を充てるのが常道。それは理解しているが、このどちらの軍勢をどちらの戦に使うのか? が読みきれないのだ。普通ならば増員された劉備軍を南荊州攻略に使うだろう、と思う。しかし、劉琦の軍勢を曹操との戦で使うのか、と言われればかなり微妙である。周瑜は「劉備は自軍を一万と号した。恐らく、同じ数の劉琦軍を曹操との戦につぎ込むだろう」と予見した。両軍ともに同じ数であるし、劉備の軍勢の事を聞いても劉琦の件については聞いていないのだ。だから、同数の劉琦軍を投入してくるだろう。「しかも、性質の悪いことに一万全てを投入するわけではない。国内の守りと称して実際には六~七千の兵を送り込むに留まるだろう。統率する武将も質が低いだろうな。かといって」余りこちらを舐めた真似もできんだろうから、うかつな者を充てる事も出来ないだろう。あくまで私の予想に過ぎないが、と前置きをしてから。「曹操との戦で出向いてくる統率者は劉備、補佐に諸葛亮と数名の武官。南荊州に向かうのが関羽や張飛。軍師として龐統。こんなところだろうな」「へぇ? なんでそう思うのよ」「簡単だな。私ならそうするからだ」「・・・随分と解りやすく納得できる理由だわね、それ」「いやはや、全く。」「ふむ、もっともらしい論拠も提示して見せようか?」彼女の言葉に高順と孫策は「お願いします」と応じた。「何故敬語だ。さて、劉備が戦に弱いことは解るな? あれは勝ったり負けたりを繰り返してはいるが、実情としては関・張と軍師陣の働きが大きい」「そうねえ。」「戦に勝ちたいのであれば、劉備を出さないほうが良いのだよ。逆に、負けても後方の安全が確立されて逃げる手立てがあったなら、劉備は出てくる。何せ逃げ足だけは曹操でも追いつけんからな」「勝ちを得たい戦には関・張をね・・・じゃあ、諸葛亮はどうなんです?」「あれは、軍事的にさほどではない。統率力があろうと、それと戦で勝てるかどうかはまた別問題だよ。無いよりはあったほうが良いのは確かだがね。」「周瑜の見立ては、諸葛亮は戦で弱いわけではないが、他に比べて劣る。って事なのね」「その通りだよ、孫策。対して龐統だ。これは戦略でも戦術でも、諸葛亮に勝る。勝つための方策を龐統に、実行するのは関・張に任せる。これが劉備軍の勝率を高める為の土台さ」「・・・じゃあ、劉備と諸葛亮が組んでも・・・」「雑魚ならばともかく、相手は曹操だ。兵力も将の実力も考えれば負けるのは必然だよ。勝ちたければ劉備以外を出せ、という一言に尽きる。実際に戦うのは私達だから尚更主力を出すことはしないだろうな」これは、高順にとっては「なるほど」と納得する考えである。史実も演義も、確かに「勝ちたきゃ劉備を後ろに引っ込めろ」だ。「それと、もう1つ。孫家内の反乱も知られているようだな?」木簡を畳んで、高順に返す周瑜。「みたいですね。知られてどうなるって事もないと思いますけど・・・こっちの足元見てくるかもしれませんねぇ」「かもな。そんな相手と同盟を結んでいて大丈夫だろうか、と思われても仕方が無い。が、奴らがどう思おうが、それが原因で同盟が切れても一考に構わん。」周瑜は不敵な笑みさえ浮かべて言い切った。「既に曹操との戦を、避けようのない所まで持って行けたのだ。そうなった時点で我らにとって劉備は価値の無い存在さ。」「捨て置けって事よね。本当、あんたって冷酷よねぇ・・・それが解ってて曹操への盾にするって事で南荊州半分やるって言うんでしょ」孫策の発言に、周瑜はやめてくれ、と苦笑する。「幾らなんでも孫家の武将や仲間と思う者に冷たくはしないさ。」「でも、俺には冷淡ですよね?」「・・・。高順、お前の嫌味、今回ばかりは堪えるよ・・・ああ、そうだ。もしも劉備討伐となった場合、先陣を切るのは高順隊と馬騰殿率いる西涼軍だからな」「はい!? 何でですか! 嫌味に対しての仕返しとか軍師汚い!」「いや、そうではなくてな・・・なぁ、高順。孫家内で、関羽と張飛に個人武力で勝てそうな者を数名挙げてみろ」「数名? えーと・・・ぇー・・・」・・・あれ? と高順は首を傾げる。思い当たらない。「いやいやいや。でも、黄蓋殿や太史慈あたりなら」「そうだな、関羽とならなんとか戦えるだろう。もしかしたら孫策でも渡り合えるかもしれん。だが、勝てるか?」「・・・うーわ、そういう理由で来たか。」「ははは。仕返しではないと解ってもらえたかな? そういう事だ。孫家の武将の実力が劣っているとは思わん。兵を叩き付けあう野戦でも、攻・守城に於いてもな。だが、武将の個人武勇では・・・」これには孫家の武将って指揮官型の方が多いからなー、と高順は納得した。関・張には夏侯姉妹当ててれば割と何とかなるんじゃね? とは思うが、曹操と劉備には存在する武の2枚看板といえる存在が孫家にはいない。「お前の部隊にいる趙雲や、西涼の馬超でなら勝てる可能性もある。そこに楽進や周倉も加えれば更にな」「そりゃそうですが。張飛は?」「馬騰殿に担当してもらう」「最初からそうすれば、普通に勝てると思うのですがソレ」かもしれんな、と周瑜も首肯した。一頻り話をした後、孫策らは「じゃ、そういうことでー」と言って帰っていった。彼女達が帰った後、当然のように黄蓋に搾り取られる高順であったが、それが終わった後に、寝てしまった黄蓋を抱きながら天井を見つめてじっと考える。これで俺も、名実供に孫家の武将か。まったく余計なことをしてくれたよ、と高順は孫策に文句をつけたい気持ちであった。そんなもんいらないのに。返上したい、と本気で悩む高順はどうしたもんかなー、と小さく呟く。「何じゃ。そんなに不服かえ?」「へ? お、起きてたのですか? 寝ているとばかり」思いもかけない黄蓋の言葉に、高順は素で驚く。「そりゃあの、あんなに浮かない顔をしておったのじゃ。気にもなるわな」「むぅう」「で、そんなに嫌なのか? おねーさんに話してみぃ」黄蓋はじぃっと高順の顔を見つめる。高順は「おねーさん?」と思いつつ。「嫌というか・・・ん、嫌なんでしょうねえ。今までは勢力に属していても部将扱いでしたしね。まあ、交州を預かった時に戻れなかったと思いますけど」これからは「俺疲れたんで引退しまーす!」で通じなくなるんだよなー、と高順は溜息を吐く。「ははは、兵を率いる責任に勢力の将軍という重責。お主にとっては苦痛かもしれぬな。じゃがな、それは甘えじゃぞ」「甘えですか」「そうよ。お前の地位は、お前の努力と才覚、部下の働きあってこそ・・・受け取らぬというのは、お前を上に上げようとしてくれている部下の気持ちを蔑ろにしているも同然。孫家と言う組織にあるのなら、その中で上昇しようという考えは悪いことではないぞ」「うーん」「お前のように、力があるくせに野心が無いというほうがよほど困るわ。何を与えてやれば喜ぶかを、上が理解できんからなぁ」ま、悩むのは解るが流れに身を任せてみるも一興よ、と言い置いて、黄蓋は「さて」と別の話題を切り出した。「高順よ。さっき「おねーさん?」と疑問符をつけおったな?」「えっ? って、俺口で言った覚えは・・・」「ほほぅ? 口ではなく、頭の中で思ったのじゃな?」「何故それを・・・あぁっ!!」し ま っ た。凄まじいまでの引っかかりようである。「認めたな? ・・・宜しい、ならば性争じゃ」「何その言葉初めて聞きましたよ!? 嫌な予感がする! むしろ嫌な予感しかしない!!!」「何、腕立てとか腹筋五千回よりはマシじゃ。動かすのは腰だけじゃし?」がばっ、と高順の上にまたがる黄蓋。「結局そっち方向に持っていきたいだけじゃないですか!? もう、もうヤメテ! 許しtむぐ」喧しい高順の口を、黄蓋の口が塞ぐ。同時に舌を差し込んで高順の舌を絡め(以下略以下略。~~~帰り道~~~「めーりーん」「何だ」「あんた、劉備に価値は無いって言ってたけど・・・あれってさぁ、現状で、って意味でしょ?」「そうだが?」「価値が無いならそのまま放っておけば良いじゃないのよ。わざわざ2つ都市をくれてやる、っていうのはどういう事よ?」「ふむ、曹操への壁、という事なのだが・・・蒋欽」周瑜が蒋欽へと目を向ける。何を言いたいのか察している彼女は「大丈夫、それらしき奴はいないし、皆が片した」と返事をした。間諜が民衆の中に紛れ込んでいたのを片付けた、という意味である。片付けたのは孫家の手の者だが、影のような間諜部隊を排除した、という事だ。「聞かれては厄介なのでね・・・うむ。簡単に言えば、劉備の勢力を分断させる。私はあれらをハナから信頼などしていない」「ど、どーゆー意味?」「まだ大っぴらにはいえないがね。益州を全て攻略する必要も無い。成都は陥とすが、そこから北東にある梓潼(しどう)以北もくれてやるさ。劉備が益州を狙うのは解りきっているのだしな」「え、えー・・・?」「だが、成都は当然、江州(こうしゅう)や永安(えいあん)に、梓潼に程近い綿竹関も孫家の領有とする。そこから北は劉備が勝手に切り取れば良い」こともなげに言うが、それは孫権がそれだけの苦労をするという意味でもある。「ん・・・? でもさ、それって西涼もって事じゃない? それじゃ馬騰殿との約束はどうなるのよ」「問題ない。南荊州と益州北部に戦力を分断されている劉備がそこまで勢力伸張など出来よう筈がないからな。出来たとしても、周辺に羌族がいるのだぞ?」「え、えっげつない事するわね、あんたって・・・でも、なんで?」「そうなれば、荊州の経済力と言うのは劉備にとって不可欠。さあ、ここで問題だ。お前が劉備の立場として、ここで誰を荊州に配置する?」「誰って。そりゃあんたくらい・・・あ、そういう事か。・・・もう一個待ちなさい。じゃあ、さっきの劉備討伐云々って!」「気付いたな。劉備であれば、荊州に配置するのは関羽かそれとも張飛か、という場面だ。劉備が逆らう? 好きにすれば良い。曹・孫に囲まれ、益州とも分断されている荊州の武将は不幸だな」「・・・だから、益州と隣り合わせくらいに近い武陵と桂陽を欲しいわけね? 今言った、分断地域にする為に」孫策の問いに、周瑜は頷く。「奴らを荊州から駆逐できても、領地が隣り合わせであれば逃げられてしまう。劉備らにその二都市を与えない理由、と思えば納得はいくだろう?」 「馬騰殿の領地にしつつ、益州北部の劉備領と分断できるようにか・・・その上、曹操が攻めてきても劉備を盾に出来る。いやらしー・・・」「はは。向こうだってそれくらい気付いているだろう。向こうはこちらの目を欺いて速攻を仕掛けたい。だが、それ以上の機動力を持つ馬騰殿と高順を抜けると思うか? 解っていても、結局はこちらの思惑通りに動くことになる。それ以外に奴らが纏まった領土を得る手段が無いのだからな。」「そこで蓮華が成都を獲れば良いのだけど・・・あの子、案外攻撃戦が不得手なのよねぇ。」「そうだな。あのお方は攻撃は不得手だが守備戦は得意だ。だからこそ高順、他にも祭殿も配置する。西方攻略軍として、相応しい陣容にしてみせるよ。」周瑜は、孫権の攻撃能力はそれほど評価していないが、防衛力には高い評価を下している。劉備に攻められても、成都と数万の軍勢を以ってすれば、孫権でもきっちり守りきるだろう。そこに黄蓋や高順らもいれば、劉備如きでは絶対に陥とせはしない。元来、孫策とは正反対の資質・・・国内を良く治める、という性質が強い孫権であれば、何ら問題は無いと思われる。「それらも、全て上手く行けば、だけどね」「その通り。高順の立て続けの負傷は、そういう意味でも痛い。最悪、本調子で無くとも出撃してもらわねばならん状況だよ。何とか調子を立て直してくれれば・・・む」「?? どーしたのよ。」「いや、それならば祭殿を残して来るべきではなかった、と思ってね。」「・・・・・・。あー・・・うん。」尤もすぎるほど尤もな理由に、孫策も納得してしまうのであった。~~~楽屋裏~~~「攻撃は不得手だが守備戦は得意だ」を「攻めは苦手だが受けは得意だ」と書くとあら不思議。途端に腐った臭いがしてきますねあいつです(挨拶でも孫権はMですから・・・あれ?しかし、このところ一気に気温が上がりましたね。クーラー入れたいけど、なんとか扇風機で頑張っています。読者の皆様、体調管理にお気をつけください。私は壊しましたけど(ぁぁぁぁここで少しだけアンケート。まずありえませんが、エロが再開されるとしたらどんな話が良い?1:書かなくて良いんじゃよ? つうかとっとと本編終われよks(マヂオヌヌメ2:悔しい、でも感じちゃうっ(ビクンビクン3:最後に書いた袁紹みたく、みさく○系統のアレ。ぶっちゃけ1オヌヌメ。ちなみに、最後に書いたみ○くら袁紹~ですが、アレって私が素で書いたと思った方がいるらしくて・・・こーいう、頭の悪い流れだと読者様どんな反応するかなぁ? という感じで書いたんですが、隠語連発はやっぱアレですかね、馬鹿っぽくて駄目なんですかねwアレを素で書いた、と思われたことはかなりショックでした(吐血~~~書かない理由~~~馬超さん「あいつさん、あいつさん」あいつ「何か御用ですか?」バチョンさん「私と高順のエロはまだですか?」あいつ「ありません」バチョンさn「そうですか即答ありがとう」あいつ「それほどでもありません」バチョン(ry「でも、蒲公英(馬岱)と高順のエロは書きましたよね? つうか、何とか要望に応えようと書いたのに、その上にこの109話上書きしちゃってガチ泣きしましたよね?」あいつ「・・・」b(ry「・・・」・・・。暫く触れないでやってください・・・|||orz前に言ってた学園もの。どう頑張ってもこんなのしか出来ませんでした。微妙にぇろ要素あるので、見たくないお方は無視してください。~~~番外、学園(?)変~~~既に日は沈みかけているものの、部活やら何やらで人数の多いとある学園、とある一室。そこには、数人の女性が難しい顔を突きつけあって、何かの議論、或いは対策・・・らしきものの為に集まっていた。部屋にいる女性。蹋頓、趙雲、張遼、楽進、李典、周倉、馬超。更に弓道部顧問の一人である黄蓋。手を組み、目を閉じていた蹋頓が重々しく口をあける。「皆さん、本日はお忙しい中お集まりくださり、ありがとうございます。」「いや、別にえーけど。順やんの事で話があるって言うてたやんか」せやなかったらこないに集まらんで? と、張遼は周りに同意を求め、女性陣も「うんうん」と頷いた。「ええ、霞さん。あの人にどれだけ恋人或いは愛人が増えようと、干渉せず、されど抜け駆けをせず。既に愛人たる我々はそのような取り決めをしていました」「異性不純交友などバッチ来い、じゃしなあ、この学園。いやワシがそこに関わっているのもどうかと思うがの」蹋頓の言に、黄蓋が頭を掻き毟る。「あの人には、そのようなものは良いか悪いかは別として些細なことです。ですが、今回ばかりは・・・さすがに座視しているわけには行かない状況です」「ほう? 高順殿が児童ポルノ禁止法に抵触するような幼子に手を出そうとしているとでも?」「星はん、あのおっぱい星人な高順にーさんがロリに手ぇ出すわけないやろー」「そうですね。悪く言いたいわけではありませんが、真桜の言うとおりかと」趙雲の意見に李典と楽進も同意し、周倉も「あの人、苦学生だしなー。そんなに愛人増やして大丈夫なのかよ?」と言いつつ欠伸をする。「問題ありません。私の実家から資金を捻出します!」「いや確かに蹋頓はんの家は大金持ちやけど公私混同は良くないで!?」「そうだ、あたしだって金を出すぞ!」「そういう問題じゃないぞ翠!!」「はっ・・・た、確かに。高順さんも「そういうのには頼りたくないな」と仰っていましたし・・・今の発言は無かったことにしていただきましょう」「で? 話が逸れたが座視できない事態とは何なのじゃ?」「ええ、その事です。先ほど、高順さんがおっぱい星人だという言葉が出ましたが、それは事実です。ただ、今回は・・・」蹋頓は「ふぅ」と溜息を吐いてから「皆さん、私の姪の丘力居と、ここにはいませんが沙摩柯さんの親戚の臧覇ちゃんをご存知ですか?」これには、黄蓋と馬超以外が「知ってる」と頷いた。厳密に言うと、周倉は丘力居を知らない。「いや、ワシ知らんのじゃが」「あたしも知らないなぁ。どんな娘なんだ?」「丘力居は私の姪です。臧覇ちゃんは丘力居と友人で、私自身とも仲は良いのですが・・・何と言いますか。この二人、高順さんに妙に懐いていまして」「ほぉ・・・」「私達、沙摩柯さんも含めて高順さんとは昔からの馴染みです。沙摩柯さんは高順さんと良い友人ですが・・・前述の2人が、どうもこの頃高順さんに対して積極攻勢を」「積極攻勢? の前に、その二人、年齢は?」「・・・。14です」「14!? ちょい待ち、順やんが中坊に手ぇ出すっちゅーんかい!?」「ありえねぇ! ・・・いや待て、臧覇ってけっこう良い身体してたよな? 丘力居はどうなんだよ?」周倉が周りを見渡し、その疑問に李典が答えた。「蹋頓はんの姪やで? ・・・むっさだいなまいとばでーや。中坊であれはもう性犯罪やで・・・」『・・・うわぁ・・・』周倉どころか、その場に居る女性全てがげんなりした表情を見せる。「そう、高順さんはおっぱい大好き。そして、中学生とはいえこの時代です。昔に比べて発育が格段に良くなっているという事実。あの2人に一度に誘惑されたら、高順さんとは言え手を出さざるを得ません! 私が同じ立場なら出します!!」「え!? 今最後私情が混じって・・・!」「ですがっ!! 今はそんな事はどうでも良いのです、大事な事ではない! 高順さんが児ポ禁法に触れそうになっているという現状です!」一気に捲くし立て、蹋頓は一度言葉を切る。「考えても見てください。14ですよ、14。まだ結婚できる年齢でもなければ、性交渉をしていいと言う年齢でもありません。幼い頃に調教して自分好みにするとか、どこの光源氏なのですか!? あと2年したら許しますし、むしろ私も混ざって夢の3P」「え、また私情g「たとえば・・・水着で隠し切れないあふれ出そうな乳房。そこに練乳を垂らして、胸の谷間にフルーツを挟んで「召し上がれ♪」とか胸熱ですが、それが3人同時とか・・・ハァハァ」「戻って来ぃっ!(バシィン」「ふほっ!? ・・・ああ、申し訳ありません。ともかく、そういう状態です。流石に性犯罪は看過できません。なので、皆さんもそのような状況を見たなら確実に阻止をお願いします」「なあ、蹋頓殿。もしもその・・・高順殿が2人に手を出したらどうされるつもりだ?」「もしも高順さんがあの娘達に手を出したら、そしてそれが発覚したのなら・・・」「したのなら・・・?」蹋頓はじぃっと間を溜めてから、答える。「Nice boatです」『!?』~~~その頃、別の場所~~~ 「ねぇ、高順お兄さん? 3人でどこかに遊びに行こうよー」「いや、でも俺お金ないんだけど・・・」「大丈夫大丈夫♪ お金のかからないところに行けばいいんだよ。たとえばラブホテルとか」「待て! 道義的にも資金的にも行けるわけ無いよ!?」「ちぇー。じゃあ、私の家でも良いよ? それっぽいグッズ沢山あるし、人払いしちゃえば、ね?」「そーいう問題じゃない・・・って、二人ともお願いだから離れてくれるかな!?」「えー何でー?(むにゅっ」「やだ、離れたくないもーん♪(むにぅっ」「いやほら暑いから・・・ちょ、なんで両側から」高順を挟み、積極的に言い寄る臧覇と丘力居。二人は腕を絡ませ、胸を押し付けてアピールしている。流石に困りきっている高順だが、二人はそんな初心な反応を見て楽しんでいるようにも見える。「そっかぁ、暑いんだ。あれ? 高順お兄さん、汗かいてる。よーし、それじゃあ今から私の家でお風呂入ろうよ、汗流して、それからもう一汗かいてもらおうかな?」「あ、ずるいよ丘ちゃん! あたしもあたしもー!」「はぁ!? 行かないよちょっと二人で引っ張らないでぇ!!!」「えへへー。ローションとかもたぁっぷりあるから、とっても楽しいよ? ほら行こうよ、お金かからないからぁ♪」「だから行かないってば! お願いだから手離して・・・ちょ、あああぁぁっ!!?」意外に力があるのか、高順を引っ張っていく臧覇と丘力居。その後に何があったのか、それを知る者は当人以外に知る由も無い。だが、一つだけ言うとするのなら。高順、近々Nice boat決定!!~~~再度楽屋裏~~えっと、その・・・正直すまんかった。