【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第104話。「ふむ。困った事になっているわね・・・」軽騎兵5千に夏侯姉妹・郭嘉・程昱・満寵・劉封などを率いて出陣した曹操は、長坂橋で進撃を停止していた。理由は2つ。まず1つ目に民衆がいたからだ。敵兵士を殺すことに躊躇いが無くても、民を虐殺することは流石に気が引ける。劉封にも「民を大切にする」と約束しておいて、その目の前で民を殺すのは更に気が引ける。もっとも、適当に馬を駆けさせて後ろから追い立てれば民は四散するだろう。ただ、ここで2つ目の進撃できない理由が出てくる。橋の前で、劉備軍一の猛将・・・張飛が蛇矛を担いで待ち構えていたからである。「ここから先は絶対に通さないのだ! 燕人張飛の武、見たい奴はいつでもかかってこぉーい!!」そう言って蛇矛を振り回す張飛に、実際に先鋒である曹純や夏侯傑が向かっていき、あっさり蹴散らされるか斬り死に。同じく攻撃をした兵も返り討ちである。矢を放てば叩き落され、夏侯惇が「よーし私が」と言って妹の夏侯淵に止められていたり。今交戦を開始すると、橋を渡りきっていない民の方にも被害が出る。割と手出しできない状況になってしまっていた。それに加えて、橋の向こうでは砂煙が舞っている。しかし、曹操はこれを「小細工ね」と一顧だにしていない。アレを見れば普通に敵援軍・・・と思うところなのかもしれないが、曹操にこの手は通じなかった。「おー、砂煙だっぺ。」劉封を額に手を当て、目をこらす。彼女は元々劉備軍に属しており、今回はその劉備軍が相手だ。今まで仕えていた相手を追うのに、従軍させても大丈夫だろうか? という声もあったが、これは彼女の忠誠心を試す為でもある。そして、彼女は気負うこともなく曹操と共に劉備の兵を追撃し、自身でも幾人かを討っていた。ちなみに、今の彼女の軍装は劉備軍であった時代とはかなり違う。まず、曹操軍の兵に支給されている鎧。ただし、色は違って白だ。曹軍兵の鎧は基本的に濃い黒紫色。部隊長や将軍になれば別の鎧でも良いし、外見を変えても良いことになっている。劉封は部隊長扱いであるが、兵の着用する鎧の色変えでしかない。最初は「兵と同じで良いべー」と言っていたのだが、さすがにそれでは・・・という意見、それに見分けが付きにくいと言うことで色を変えて落ち着いたという話だ。「そうね、あれは何だと思う?」「砂煙は砂煙だべ?」それはそうだけど、と曹操は笑う。素直と言うか何と言うか。「そうじゃなくてね。あの砂煙の規模から見て、兵はどれくらい? という事」「そういう意味だべか・・・んー、少ねぇべや、あれくらいなら200か300くらいじゃねーべ?」この言葉に、曹操のみならず郭嘉も「ほぅ」と唸った。「数が多けりゃもっと・・・砂の上がり方がちげーべ。あんな薄さじゃぁ、そう大した数いねぇんじゃねえかなぁ?」「ふふ、劉封殿。良い読みです」「ほぇ?」郭嘉の言葉に、劉封はハテナ顔である。「貴女の仰るとおり、数は少ないでしょう。こちらに対して「兵がいるぞ」と見せかけたいのでしょうが・・・本当に見せかけです。」「そうですねー。最初から劉備さんに従ってる兵は少ないでしょうから。逃げている兵士さん全部合わせても3千か4千く、ら・・・い・・・。・・・ぐぅ」「寝るなっ」「おぉっ?」郭嘉の前に座っている程昱だが、途中で眠ってしまった為に後ろからチョップを喰らって起こされた。程昱は身長が低いので一人で馬を御せない。その為、郭嘉に同乗する格好となっている。彼女らにとっては普通のやり取り(?)だが、これを見た劉封が郭嘉を非難する。「おおぅ、郭嘉さん、そう簡単に人様の頭叩いちゃ駄目だっぺ? 寝る子は育つ、っつーし、もっと優しくしてやらにゃぁ」「え? いや、しかし・・・」「おー、おおー。さすが劉封さんは話のわかるいい女なのです。というわけで風はもうひとねむり・・・ぐぅ」「だから寝るなっ(ぺち」「おぉっ!?」「叩くでねぇっ!」こんな芝居をしているとは知らず、民衆の守備に就いていた華雄は「不味いかな・・・」と思い始めていた。自軍の軍師2人の入れ知恵で、騎兵200を使って砂煙を上げての威嚇をしているのだが、どうも見破られているようだ。「華雄様、どうなさいます・・・?」「どうするって言ってもな・・・うーん」部下であり、おなじく見破られていると感じている徐栄の言葉にも、反応の悪い華雄。もし曹操軍が全力で攻め込んできたら守りきれない。かと言ってこちらから突撃するわけにも行かない。しかも、援軍無し。完全に打つ手が無い状況での話なのだ。そんな時に、華雄らよりも先に進んでいた民衆が悲鳴を上げ、列を乱し始めた。見ると、かなりの数の騎馬隊がこちらに向かってくるのが解る。「む・・・くそ、回り込まれていたか? 民衆に手を出さずに一直線にこちらに向かってくると言うことは、将兵のみを狙っている?」徐栄、あれはどこの軍だ? と傍らにいる徐栄に聞く華雄だが、徐栄に解る訳もない。「まだ遠くて全容は不明、旗が見えます。旗に書かれた文字は「高」や「趙」など・・・高?」「高・・・? おい、それって」互いの顔を見合わせて、まさか、と言いかけた二人はもう一度、その軍勢に目を目を向ける。軍の先頭を駆ける騎兵。まだちっぽけにしか見えないが、その姿には見覚えがあった。「・・・んぉ?」「どうかしたか?」「何だ、何か見えたのか?」じぃっと民衆のほうを見ていた劉封に、夏侯惇と夏侯淵が反応する。曹操は民衆が遠くに行くまでは張飛に手出しは無用、としていて動ける態勢は取っていても動けない。「いやぁ、なんだか砂煙が増した感じがしたんだどもぉ。・・・うや、こっち向かってるべ!」「何? だが、劉備の兵は少ないと言っていただろう?」それなのに向かってくるのか? と夏侯惇は怪訝な表情。「うーん、さっき郭嘉さんは2千とか言ってただども、こっち来るの・・・5千くらいいるべよ?」「・・・えっ?」思わぬ言葉に郭嘉が驚き、じっと砂煙の上がるほうを見つめる。「・・・。むぅ、見えないのでよく解りませんね。誰が率いているのか・・・?」「風にも見えないのですよー」「見えないだか? んー、先頭に・・・おぉぅ、変な人がいるだよ」「変な人?」「おぅ、黒紫の鎧に・・・なんだべな、ありゃあ。あんなでっけーお馬さん見たことねーべ。」でっけーお馬さん、に夏侯惇が激しく反応する。「黒紫の鎧に、でかい馬? ・・・おい、その馬の色は!?」「真っ黒だべ。日の光が当たるとキラキラ光って綺麗だよー」「真っ黒で大きな馬。黒紫の鎧・・・」言葉を繰り返す夏侯惇。彼女にしろ、夏侯淵にしろ、曹操にしろ・・・思い当たるのは1人しかいない。「高順・・・アイツか!!」夏侯惇の声に、多くの兵がどよめき、浮き足立つような感覚に陥った。これには、曹操が「落ち着きなさい!」と鋭く発した為に直ぐに落ち着くのだが、やはり動揺は隠せていない。「高順? 誰だべ?」 「え、こ、高順殿!?」「おー、高順おにーさんですか。星ちゃんもいるんですかねー」上から劉封、郭嘉、程昱の反応である。劉封が知っている訳は無いが、郭嘉と程昱は高順を知っている。ただし、黒紫の鎧などは知らない。彼女達が知っているのは上党時代の高順であって、それ以降の話は、聞いていても自分の眼で見ていない。徐々に姿を現した高順隊を見て、曹操も笑う。「ふぅん、ここで出てきたか・・・劉封、貴女は高順を知らない・・・と言う事は彼は劉備の配下ではないのね?」「知らねーだよ。初めて見ただー・・・んー、旗が見えるだな、高、楽、趙、沙・・・。」「おお、皆みるみたいですよー?」「・・・ああ。やり辛いな」他の武将も居ると解ったせいか、郭嘉の表情が曇る。どこから援軍として派遣された、かだが・・・。敗残の劉備に手を差し伸べる余裕のある勢力など1つくらいしか思い浮かばない。「華琳様、彼らは・・・」「孫家でしょうね。ならば彼は孫家の部将、いや武将という事か。ふふ、やはり周瑜は嘘をついていたわけね。どちらでも構わないけど、これはこれで困った事になったわね・・・って」見てみると、張飛も背後を見て「あれ? 誰なのだー?」とか言っている。その言葉は曹操に聞こえていなかったが、張飛も予想していなかったということだろう。曹操は高順を、そして彼の率いる将兵を(共に戦い、そして敵として戦ったから、という事もあるが)高く評価している。一騎当千の名に相応しい勇者ばかりだし、兵の錬度も高い。困った、という理由の1つは曹操個人の評価の高さから来る畏れのようなものだ。その評価の高さは、曹操をして「高順隊を打ち負かすつもりならば、倍以上の兵力を以って当てるべし」と思わせている。曹操が率いてきた兵は5千、将は名のある勇将ばかりだが、この陣容で高順隊に挑むとなると・・・負けはしないだろうが、戦力の殆どを失うだろう。元々、高順が来る事など予想しておらず(出来たら怖いのだが)彼の出現はイレギュラー的な物である。これほど早期に援軍を繰り出すという可能性は低く見ていたから、でもある。そして、その援軍に高順。発案をしたのが孫策か周喩かは知らないが、どれほど劉備を重く見ているのか・・・それとも、こちらに対して積極攻勢を考えているのか。曹操としては、ここで高順と事を構えるつもりはサラサラ無い。事を構えたら負ける確率も高いし、打ち破れたとして、こんな戦いで雌雄を決して良いような相手ではない。2つ目の「困った」は・・・今回連れて来た兵士の多くが、高順の事を知っているのである。夏侯姉妹や軍師陣などもそうだが、特に挙げれば満寵。彼女は楽進救出戦(大梁の黄巾討伐)に於いて兵の一人として参加、高順と虹黒の戦いをその目で見ていた。その時から憧れを抱いていたらしく、黄巾との最終決戦後に声をかけて貰った事に大喜びしていた。高順に憧れを抱いているのは満寵だけではない。あの戦いに参加していた兵士で、高順と虹黒に惚れ込んでいる者は多かった。だから、半董卓連合の戦いの折に高順が敵に回ったことを惜しむ声は多数挙がっている。敵としての高順・・・孫権を一蹴し、攻め寄せる連合軍に怖気づくことも無く、運の要素が大いに絡んだとは言え夏侯淵を撃破した。孫家の中で武では上位に位置する甘寧を軽くあしらった沙摩柯。関羽を破り、黄蓋を打ち破った趙雲。4人がかりとはいえ夏侯惇相手に引き下がることの無かったうちの一人である楽進。曹操軍を警戒させるほどの活躍を見せた高順隊。今回の戦で従軍してきた兵の全てが彼らに敬意を抱き、或いは畏怖を感じて・・・とは言わない。劉封のような、知らないから何の気負いも無いという手合いだっているが、その数は少ない。そうなれば、恐れを抱く者のほうが多い曹操側の士気は自然と下がる。事実、見渡せる範囲で見てみると、兵の表情に余裕が無いのが見て取れる。(さぁ、どうしたものかしらねぇ・・・)近づいてくる高順隊、そして眼前の張飛を見比べつつ(割と呑気に)曹操は思案していた。見えてきたか、と高順は橋の向こうにいる張飛、そして曹操軍を見ていた。数がどの程度かは知らないが、思ったほど多くない。張飛に一部散らされているのか、その気迫に押されているのかはどうでも良いが、時間稼ぎはきっちりしていたようだ。彼の傍には収容してきた華雄隊も混じっており・・・彼女たちは張飛の回収に来ただけだが・・・その前に。華雄と合流した高順隊だが、高順は本気で嬉しそうに「無事でよかった」と胸を撫で下ろし、趙雲と楽進は「ご無事でしたかな、華雄姐さん」「ご無事で何よりです、華雄姐さん」という反応。沙摩柯も「私もだが、ここに居ない奴らも聞いたら喜ぶぞ、華雄姐さん」と喜びを露にし、当の華雄本人も「いや皆嬉しいけど何で全員で姐さん扱いかな!?」と・・・まあ、いつも通りである。彼女を知らない周倉には道中で説明、周倉も「へー、大将に姐さんがねぇ」と、自分と同じような呼び方をされている華雄に一種の親近感を覚えたようだった。そして。長坂橋にて、曹操と高順が対峙する。高順を先頭に進んできた隊は、橋の前で整列。虹黒が嘶き、前足で大地を蹴りつけてから、ごふぅぅ・・・と息を吐く。橋の向こうには曹操軍、それを前にして足止めをしていた張飛。曹操軍の前衛は夏侯淵と、弓騎兵。高順隊は沙摩柯率いる弓騎兵。両者が手を振り上げると同時に、前衛が一斉に弓を構えて矢を引き絞る。張飛などより高順を何とかするほうが先決と判断したのだろう。いつでも応戦できるように、敵軍に狙いをつけたままの姿勢を維持している。一種の膠着状態と言える中、華雄が張飛に「この隙に渡って来い!」と手招きする。「お・・・おぅ」華雄の声を聞いて、わたわたと急ぎ足で橋を渡ってくる張飛。長坂橋、と言ってもそれほど橋は長くない。幅も然程・・・という程度だが、その代わりに深い。崖と言うか何と言うか・・・下には河があるのだが、そりゃ橋を架けないと無理だわな、というほどに深い。その橋を渡り終えた張飛は、そのまま橋を切り落とそうとして・・・高順の槍の柄でぶっ叩かれた。「ウボァー! 何をするのだ!?」頭を抑えて高順を睨む張飛。高順は張飛を冷たく見下ろして(アホ。落としてどうすんだ)と小声で呟いてから、華雄に「姐さん、こいつ連れて先に退いて下さい」と撤退を促す。「いや、しかし・・・」「大丈夫ですよ。さ、早く。」「・・・。解った。だが、無理はするなよ?」華雄はそれだけ言って、張飛を自分の前に座らせて馬を駆けさせる。「え、橋・・・」「黙ってろ」尚も橋を落としたがる張飛を押さえつけ華雄は撤退。徐栄に200ほどの騎兵も続き、残るのは高順隊だけ。華雄らが去った後、兵列の中を曹操が単騎、前に進んできた。変な漫才を見せられていた感じ、というか張飛も逃げてしまったが、追うつもりは無い。そんな事よりも高順と話をするほうが大事だ。夏侯惇や劉封、満寵までもが「攻め込むのなら私が!」「オラがいって小手調べしてくるべ」「いえ、どうか私に交戦許可を!」と言い募ってくるが、曹操はそれに「抑えなさい」と応える。高順のほうでも、曹操が一人で軍勢の前に出てきたのを知って、やはり彼一人が前に進む。郭嘉・程昱の姿も見えて驚いていたが、内心では嬉しいものもあった。程昱はともかく郭嘉は袁家との戦いが終了したと同時に病没する筈だ。それが、元気そうにやっている。彼女らの才覚が敵として発揮されるのは厄介であるが、嬉しいものは嬉しい。曹操の方はざっと高順隊を観察して、見慣れない者が1人増えていたな、とその部将に目をとどめた。周倉なのだが、彼女だけ徒歩で・・・しかも、虹黒に追従してきたのだ。馬に追いついてしかも平然としている、という人間など見たことは無く、「高順は変な手合いに好かれやすいな」と、思いつつ。まあ良いか、と思い直し、曹操は「久しぶりね、高順。」と呼びかける。「ええ、お久しぶりです。曹操殿。」「少しはつy「では、戦りましょうか?」えっ!?」曹操との会話をあっさり遮断して、高順は腕を振り上げる。「ちょちょ、ちょっと待ちなさい! こっちは話を・・・」「俺には貴女と戦う理由が増えましてね。逆恨みも良い所ですが付き合っていただきますよ」「戦う理由、ね。そんなものが無ければ戦うことも出来ないのかしら?」皮肉を言うが、高順はそれを「はん」と笑って受け流す。「俺個人の意思です。馬休、馬鉄、成公英、韓遂。・・・あんたを殺る理由ができたんですよ」高順は、普通に曹操軍へ向かって腕を下ろしかけるが「ちょい待って!」と、魯粛に止められた。「何で邪魔をする? 曹操を討つには千載一遇の好機だぞ?」「いやいやいや、そりゃそうだけど! ちょっと待って慌てないで!」「だから、何でだ?」「だからー、じゃなくて。いいか旦那。あんた、名声を高めるのに興味ある?」「無い」あっさりと言いきる高順に、趙雲が(興味を持っていただきたい事なのだが・・・)と苦笑した。「じゃ、今ここであんたが曹操を討つと?」「黙っていれば良いじゃん。ほら、曹操は足の小指を家具に打ち付けて死んだとかそんな」「嫌だなそんな死に方」乱世の姦雄がそんな死に様とか本気で嫌過ぎるのだが、何となく言いたい事が解ってきた高順は鼻を鳴らす。「ふん、名声が高まれば、色々と面倒か。」「そゆこと。戦うのは反対しねーけど、それと曹操を討つのは別の話。ここで戦っても討つ前に逃げられるだろうしねぇ・・・」本来の野戦なら突撃・矢の打ち合いどちらでも良いのだが、橋を挟んでとなると・・・確かに、逃げられる可能性は高い。「ほら、どうせなら孫策様と曹操がド派手に戦って、その戦の中で討ち取ったとかの方が見栄え聞き栄え良いっしょ? こんな局地戦で殺るよりかは格段に。それに、ここで曹操倒したら劉備の名声に刷りかえられるかも。旦那にゃ面白くないよねぇ?」「それは・・・むぅ、しかしだな」「そっちのが孫策様の声望が高まるんだってばー。こんな橋挟んでないなら陥陣営の戦いを直で見たいんだけどさ。俺の顔に免じて譲ってくれよ、な?」「・・・ちっ」魯粛の言いたい事も判る分、性質が悪い。そもそも華雄の為、仇を討つ為ならばいくらでも戦うのだが、劉備の名声云々で一気に戦意が落ち込む。高順は露骨に舌打ちをして腕をすっと下げた。「曹操殿、今回はやめておきますよ・・・」それでも殺気の篭った声で言い、高順は馬首を返す。そんなやり取りを見ていた郭嘉は「高順殿は変わったか・・・?」と思い、程昱は・・・「ぐぅ」寝ていた。去ろうとする高順隊の背後、曹操は曹操で冷や汗を掻いていた。最初こそ余裕はあったものの、それは高順の性格を考えてのことだ。脅しても良かったし、ヘタレな性格を利用して追い返してやろうとか思っていた。へタレだしね、と高を括って舐めていた訳だが、案に相違して高順自身が戦いを吹っかけてきた。しかも、韓遂らの名前を出して・・・。その名前を出したということは、高順は既に馬騰らと接触したと見て良い。つまり、孫家が更に手強くなったという話だ。何よりもこんなに小さな戦で高順隊と矛を交えるというのが、曹操にとってありえない話であったりする。賊程度ならともかくも、名高い陥陣営を「劉備追撃」程度の、形としては「ついで」な流れで戦うには余りに惜しい。戦力云々の話ではなく、大戦でこそ戦い、打ち破るに相応しいと考えている。夏侯淵も、そんな曹操の真意を悟っていたか、すでに弓を下ろし兵も従わせている。どちらにせよ、ここで戦いにしないのは正解だ。さて、一度帰還して荊州水軍出撃の手配もしなければ・・・と思った矢先。「待てぇぇぇーーーーーー!!!」「は・・・? 」「え? あ、姉者!!?」「ちょ、春蘭、待ちなさっ・・・」空気を読まないアホの娘が単身、橋を駆けて行くのであった。~~~後編~~~高順は、まず魯粛と趙雲を先頭に立て、残りで後背を守りつつ撤退をすると通達し動き出していた。魯粛は高順から離れる際に「旦那ぁ。今回はさ、やけに素直に今回の仕事請けたと思ったんだよ。最初っから曹操を殺すつもりだったっしょ?」と話している。「ん? 華雄姐さん絡みだからさ」「おいおい、嘘はよくねぇなー。・・・ま、黙っておくけどさ。しっかし、旦那ってけっこう怖いよな。そう見えないのに利用する所を利用してるってとこが。」「利用って?」「なはは、解らないならそれでいいさぁ。んじゃ、さきに江夏に向けて進んでるぜ!」じゃあなー、と手を振って、魯粛は先頭へ。趙雲も「成程。あわよくばここで曹操を討つつもり、であったとは・・・ふむ、先ほどの殺気も悪くなかった。我慢をしてここまで来た甲斐がありましたかな?」と言って、魯粛と共に駆けていった。やれやれ、過大評価だな。と高順は苦笑した。本心では半々だ。華雄の力になれたのならそれで良いし、曹操を討つのは(今の状況で言えば)ついでに近いのかもしれない。今曹操の手持ちの戦力が少ないのなら、ここで殺すのも・・・と考えもしたし、周瑜の命令を受けたときも、それは期待していた。馬鉄ら西涼の面々の事を不意に思い出し、殺る気になったのも事実だ。が、魯粛の言うとおり、場所が悪い。せめて奴らが橋を渡った状態なら、と思わずにいられなかった。まあ良いか、機会ならまだ赤壁あたりが・・・そんな事を考えていたら。「待てぇぇぇーーーーーー!!!」と、夏侯惇が単身で突撃してきたのである。「は?」「ふ・・・ふっふっふ」ごふー、ごふー、と変な呼吸をする夏侯惇がいつのまにやら後ろに。「つーいーにー! 積年の恨みを晴らす時がきたぞっ!」太刀を掲げ、高順に突きつける夏侯惇。高順としては恨まれるようなことをした覚えは無く、むしろそれは虹黒だと思う。「さあ、私と戦え高順! 正々堂々一騎打ちを申しk「撃て」(ヒュンヒュンッ)だぁぁぁあぁあっっっ!!!?」口上を完全に無視して、高順は彼女に背を向けたまま、兵に矢を撃たせた。それでも夏侯惇は何十と言う矢を全て叩き落しているのだから、大したものである。矢を叩き落した後、夏侯惇は高順を睨んで叫んだ。「貴っ様ぁ! 一騎打ちだと言っただろうが!?」「それに応じないといけない理由はない。なぁ虹黒?」「ぶるる」高順の言葉に「当たり前だろ」といった感じに鳴く虹黒。「ええい、卑怯なっ」「自分から突っ込んできておいて卑怯もクソも無いと思うのだけど・・・」この言葉に、楽進と沙摩柯(どころか曹操まで)が「うんうん」と頷く。「ちぃ、男のくせに細かい奴だ。黙って私と戦え!!」「惇さん、貴女って本当に・・・。いや、成公英さんが貴女に殺されたんだってな・・・なら、俺が戦う理由はあるか。」すっげぇ俺様発言を聞いたような気持ちになりつつ、高順は溜息を吐いて周りに「手を出さないでね」と言い置いた。高順は夏侯惇に背を向けたまま槍を地面に突き刺して、棒高跳びの要領で虹黒の背から飛び降りる。それを見て、夏侯惇のみならず楽進達までが「?」と首を傾げた。「正々堂々だろ? そっちは馬に乗ってないんだ。こっちも地面に降りて戦うさ。あと、兜も要らんな」よっこいせ、と兜を脱ぎ、鞍の取っ手に引っ掛けてから突き刺した槍を引き抜き、構える。面頬は付けたままだが、それを見ていた夏侯惇は何とも言えない微妙な表情である。「変な所で律儀な奴め。お前のそういう所は嫌いではないがな」「そうでもない。成公英さんを討ったのは貴女だって聞いているんでね。だから戦うだけさ」「ふん。韓遂も討ったがな? 2人とも中々の手練だった。私の片目も道連れにされているからな」「・・・そうか。なら尚更だ。」高順は殺気を高めて槍を握りなおす。二人は間合いを測りつつ、じりじりと動き出した。兵も動きを止め、この戦いを見守っている。~~~高順が兜を脱いだ時点での曹操軍の反応~~~「おお、けっこう良い男だべや」「そうか? まぁ、悪くは無いと思うがな」劉封は高順を良い男、と評し、夏侯淵は微妙な反応である。「おー、劉封さんは解る女なのですよー。」「そ、そうだべか? へへへ」「でも風の許婚なんですけどねー」『!?』程昱のある意味で問題発言に、劉封と夏侯淵は硬直した。「程昱さん、中々隅に置けないだなぁ・・・」「高順お兄さんのお母様公認の仲なのですよー。えっへん」「おい、風・・・あれはあくまであの時だけの・・・」「そんな稟ちゃんは2番目の愛人さんです」『はぁっ!?』劉封・夏侯淵が同時に郭嘉を注視する。「いや違う、違います! あ・・・思い出してきたっ・・・!「しかも公認された次の日に、はなd「ぷうはぁっ!」」『ぎゃああああああっっっ!?』ナニを思い出したのか、体積を超えた量の鼻血を虹の軌跡のように噴出する郭嘉。彼女の曹操への忠誠心は基本的に鼻から出てくるのだが・・・今回は別の事を思い出して鼻血を出したようだ。 ・・・緩い。~~~場面は戻って~~~高順と夏侯惇。二人はじりじりと円を描くように距離を測り、斬り込む機を窺っている。虹黒、楽進、沙摩柯、周倉。兵も見守る中ついに夏侯惇が地を蹴り、高順へと突撃する。一足飛びに距離を詰め、太刀を右肩に担ぎ右手一本で思い切り振り下ろす。「ぬあぁあぁあっ!」「・・・っ!」高順は太刀が当たる前に後ろに飛び退き、太刀は命中せず地面に振り下ろされる。退きつつもカウンターのような形で三刃槍を繰り出す高順。隙が出来るだろうと見越してのカウンターだ。だが、夏侯惇は自由になっている左手を握り、三刃槍の刃の側面に叩き付けて無理やり攻撃を防いだ。その威力で、高順は後方ではなく左後方へと吹き飛ばされた。「ちっ・・・ん?」無事に着地した高順だが、その時に面頬の右側・・・瞼部分から下にかけてだが「ぴしっ」と音を立ててその部分から二つに割れ、面頬が地面に落ちた。割れたのは面頬だけではなく、薄らとだが高順の右瞼から頬にかけて傷が出来ており、出血している。「避けたと思ったが・・・避けきれなかったか」相も変わらず強い、と実感する。「ふん、間一髪だったな。だがまだ終わらんぞ!」夏侯惇は気合の声と共に斬りかかろうとするが、それよりも先に、今度は高順のほうから攻撃を繰り出した。横方向からの斬り払い、そこから突きに繋げる。初撃はあっさり避けた夏侯惇だが、突きには自ら突進。太刀の峰で受け止め、その反動を利して峰を押し込む。狙いは、高順の左手。この一撃は狙い違わず高順の左手に命中。一瞬だけ身を引いたため直撃とは行かなかったが、拳の辺りに峰が叩き付けられ、左拳が砕けた。だが、高順も負けてはいない。痛みに耐えつつ、間合いの近くなった夏侯惇の脇腹を右膝で思い切り蹴り上げる。これは少々入りが悪い。左拳が砕けた高順のほうがダメージは大きいが、それでもこの一撃は夏侯惇のスタミナを削った。「ぐぅっ!」「ちぃぃっ」同時に飛び退いた両者。距離を取り、そしてまた斬り合い始める。戦い始めて数十分。この時点で、前進しようとしない事を不穏に思って引き返してきた趙雲、魯粛も一騎打ちを見ていた。苦戦する高順を見て「おい、旦那大丈夫かよ・・・」と、さしもの魯粛も不安を隠せない。不安なのは趙雲も同様で、自分がいれば一騎打ちを請け負っただろうに、と馬上で歯噛みしていた。もっとも、高順の性格を考えれば一騎打ちを受けただろう。ただし、馬を降りていることは予想外だったが。曹操は曹操で「また腕を上げたわね」と、高順を見ていた。一部、この隙に・・・と橋を渡ろうとした部隊もいたが、曹操はそれを「無粋よ」と制して戦いを見ている。(けれど、このままでは春蘭には勝てない。貴方の大槍は馬上でこそ活きる武器、雑魚相手なら問題無くても春蘭相手では分が悪いわ。さぁ、どんな手を見せてくれるのかしらね・・・)ここで曹操、ん? と思い出した。「そう言えば、高順が秋蘭を破った時・・・」思考した瞬間、それは唐突にやってきた。夏侯惇が、高順から見て左側から横薙ぎで斬りつける。高順は負傷した左手は使わずに右手だけで槍を構えている。夏侯惇の攻撃はこれは高順にとっても予想範囲の事だ。槍を高順から見て右斜めに構え、太刀の軌道を逸らすような行動。これに夏侯惇は「そのまま押し切ってやる!」と槍の柄を叩き切るつもりで力を込める。そして、そこが高順の一番の狙い目であった。太刀が柄に当たった瞬間、高順は右手の指で柄を「ぐりん」と回転。柄が太刀の峰に立った。その柄に向かって高順は左腕の肘を入れる。「でぇいっ!」「・・・なっ!?」高順からしても無理な体勢であったが、夏侯惇はそれ以上に体勢を大きく崩した。それどころか、衝撃に耐え切れなかったのか両手が痺れて太刀を手から離してしまう。高順自身も槍を落としているが、すぐに追撃に入ろうと夏侯惇へと掴みかかる。だが、ここでは夏侯惇の方が動きが速かった。まず右手で高順の胸に掌打を放ち、左手は心臓辺りへ正拳突き。掌打を喰らった瞬間、高順の胸から「ミヂィッ・・・」と嫌な音が響いた。高順にしか聞こえない程度の音だったが、胸に激痛が走る。更に正拳突きが入り、そこで高順の鎧の内側が大きく裂け内側の金属が高順の胸や腹に突き刺さる。痛みも激しくなるが、高順は歯を食いしばりその痛みを無理やり無視した。右手で夏侯惇の右腕を掴み、自分のほうへ引き寄せてから思い切り頭突きを喰らわせる。何度も頭を打ち付ける内、高順の額のほうが割れて出血している。「ぬっ・・・ぐぁぅ!」さすがに堪えてきたのか、怯んだ隙を見た高順は夏侯惇に脚払いを仕掛けて転倒させた。チィッ! と舌打ちをして起き上がろうとする夏侯惇だが、その前に彼女の額に肘鉄が「落ちて」きた。高順が全体重をかけて倒れこみ、右肘を夏侯惇の額に叩き落したのである。鎧を着けたまま、しかも全体重をかけた肘鉄。こればかりは無傷と言うわけには行かず、夏侯惇の額も割れて出血する。しかし、流石と言うべきか、マウントを取ろうとした高順の胸を蹴り飛ばし、突き飛ばしてから距離を取ろうと後方へと跳ねる。突き飛ばされた高順は転び、何とか立ち上がろうとしたが、片膝を付いた時点で動けなくなってしまった。「ぐ、ぅ・・・っ」幾度も同じ場所を攻撃されたという事もあるが、高順は鎧の上から胸を押さえて蹲る。何とか耐えて来たものの、ダメージが大きい。ぜぇぜぇと荒い息で苦しんでいる。対する夏侯惇は、腹部への蹴り・額への肘鉄にはダメージがあったが、それ以外は大したことがない。高順に比べればまだ元気だ。だが・・・後方へと飛んだのは良いが・・・。たぁんたぁん、とリズム良く飛び、着地しようとする夏侯惇。「ふはは、やるな高順! だがそれも・・・。・・・え?」嫌な予感を感じ、ふと振り向く夏侯惇。そこには。「ぶるるっ・・・!!」虹黒がいた。その場に居た皆が『あ・・・』と思ったのも束の間、虹黒は夏侯惇の服の襟に噛み付く。「ちょ、おまえっ・・・待て、今回ばかりはっ」焦って何かを言いかけた夏侯惇だが、虹黒はそれすら無視して、ぽいっ、と夏侯惇を投げ飛ばした。えらい勢いで「ぴひゅうううぅぅぅぅううぅぅぅ・・・」と飛び、そして落ちて行く夏侯惇。「待てって言ってるのにああぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・(落下」「姉者ぁぁああぁあぁああっ!?(飛び込み」「え、秋蘭!?」投げ飛ばした場所、というのは、長坂橋の橋の無い部分。つまり、断崖絶壁。下に河が流れてるかも知れないが、そんなものは虹黒にとって知ったことではない。夏侯惇に限って言えば「あたしの前に立ったのが悪い」というのが虹黒の行動理念である。落ちた結果、死のうが泣こうが全く以って問題なし。一仕事やり終えた虹黒は高順へと近づいて行き、顔を摺り寄せてくる。「ひひんっ(意訳:あたしえらいだろすごいだろがんばったろ。褒めて褒めて褒めろっ)」「あ、あー・・・。うん、お前は、良くやったよ・・・ごほっ」「ぶるるっ♪」高順の危機を見て「これ以上は私が相手になる!」と言おうとした趙雲、楽進らが一声をあげる間もなく、夏侯惇・高順の一騎打ち(?)は妙な闖入者によってあっさりと幕を閉じた。両軍、余りと言えば余りな幕切れに呆然としているが、虹黒はそれに気付いているのかいないのか。ゴーイングまいうぇいというか我が道一直線と言うか・・・。夏侯惇以上に、何1つ空気を読まない虹黒であった。高順はふらつきながらも三刃槍を拾い上げた後に、しゃがんだ虹黒の背に乗る。体力が残っていないのか、もたれかかるような感じであるが、虹黒も弁えたもので高順が落ちないように立ち上がる。夏侯惇の事もあってそれどころではないが、曹操が追撃してこないことを確認してから、高順は撤退合図を出して今度こそ本当に退いた。曹操は曹操で、頭を押さえて「ぬぐぐっ・・・」と呻く。持病の頭痛がいつも以上に酷くなったことを自覚しつつ、こちらも撤退指示を出した。この際高順隊を追撃するべきでは? という意見も出たが、夏侯姉妹の事もある。孫家が劉備に肩入れしたとなれば、長居は無用だ。追撃も可能だが、孫家が派遣した武将が他にいるかもしれない。早く戻って、孫家との決戦の為に戦力を編成しなくては。ちなみに、劉封は「おら、2人を探してくるだぁよ・・・」と数百の兵を連れて夏侯姉妹の捜索に。満寵は一度橋を渡り夏侯惇の太刀を回収。そこで、高順の面頬・・・割れているのだが、それをふと見つけた。別に憚るものでもなく見咎められるようなことは何も無いのだが、満寵は周りを見渡してから、こっそりとそれも拾っていた。高順が身につけていた面頬、満寵はこれを大層気に入ったらしい。真っ二つになっていたこれを持ち帰り、顔が半分隠れる程度の大きさに加工。高順のように面頬として愛用したのだとか。~~~撤退中の高順隊~~~高順は楽進・周倉を伴う形で軍勢の最後方にいた。もしかしたら追撃があるかもしれない、ということで殿となっていたのだが・・・。高順は虹黒の背に乗っているが、首にもたれかかって、動けないでいる。「隊長、大丈夫ですか?」楽進が馬を寄せて心配そうに高順に訊くが、高順は「大丈夫じゃない、かも・・・かはっ!」と大きく咳き込み、血を吐いた。「え・・・ええっ!?」「大将!?」内臓にまでダメージが及んでいるのか、その血の量はどう見ても多い。「は、は・・・さすが、惇さんだ・・・さっきの、胸への、攻撃で・・・傷が開いて、拡がったみたい、で・・・。ゲホッ、ゴホッ!!」胸の傷、と聞いて楽進は自身の血の気がサーッと引いていくのを感じた。徐州での暗殺未遂。あの時の傷で高順は生死の境を彷徨った。傷も塞がって完治したとばかり思っていたのに。楽進は「周倉、私の馬を頼む!」と叫んで、自分は虹黒の背に飛び移り後ろから高順を抱きとめるのだが、高順は槍を握ったまま意識を失っていた。せめて出血を留めなくては・・・と、掌から高順の体に気を送り始めた。左手の傷も酷く、早めに処置をしなければならないと考え、趙雲に事情を説明する伝令を向かわせた。直ぐに返事が来て「曹操の追撃が無いことを確認してから陣を張る」ということだった。これを受けて、楽進は幾度も後方に細作を放ち、曹操の追撃が無いことを確認した後、軍勢を停止させた。楽進の癒術のおかげか、高順は一命を取り留めた。だが、悪化した胸の傷は高順を生涯苦しめ続ける事となる。~~~楽屋裏~~~お待たせして申し訳ありません、どSです(挨拶前に「高順そろそろ痛い目にあえばいいのに」というご感想を頂いたので、痛い目にあっていただきました。最初からこうする予定でしたが、彼にはもっともっと苦しんでもらうよ・・・一回で話を終わらせようと詰め込んだら、書いた本人が良く解らなくなってきた不具合。この回で起きた事。曹操と高順が対峙→空気を読まない夏侯惇が単騎突出→よせばいいのに高順さん一騎打ち→虹黒が全てをかっさらう→高順さん重傷。生涯苦しむ系。・・・あれ? これでいいのか?(汗話の中で曹純とか夏侯傑が出てきましたが、知ってるお人居るんでしょうかね・・・死んだのは夏侯傑で、曹純は死んで無いですよ?今回の曹操軍は、ほとんどが虎豹騎で編成されてるかもしれません。さて、ネタですが前回か前々回の楽屋裏でぶっちゃけた「呂布の武力700」発言。これは、呂布が腹ペコ状態では本来の1割か2割程度の能力、と出しちゃったことが原因です。自業自得。原作では関・趙・張の3人がかりでようやく召捕ってましたね。しかもこの時、呂布は空腹です。この3人でようやく、なのだから・・・関羽の武力を100、しかも基準値としたら・・・やっぱり、呂布は空腹でも武力150くらいあるんじゃね? と。正式設定資料では関羽らの武力は「5」で呂布は「6」。でも、この1の差ってどんだけでかいのか。あくまであいつの脳内妄想なので、深く考えちゃ駄目ですヨ?あと、あいつはオリキャラをえらく優遇しすぎですね。あいつ脳内では丁原ですら武力100(マテや武力100の方々。関羽・夏侯惇・張遼等。原作キャラでの基準値としたらこれ位がわかり易い。でも、呉ってこのクラスの猛将がいないんですよね・・・勇将・猛将というより、将軍クラスの人が多いのだと思っています。太史慈辺りは強いと思うのですが。武力100オーバーの方々。趙雲(せいこーの刀含め)。多分103とか微妙な感じ。張飛は110くらいなんじゃないでしょうか?高順は? と言われれば・・・最大で90半ばですかねえ?原作では不遇だった北郷警備隊の楽・李・干も、陥陣営補正で強くなってると思います。楽進は90以上で、李典・干禁も80以上でしょう。華雄姐さんだって90以上は確実です。シャマカさんも100前後・・・? これは甘寧一蹴してるからですが、とーとんね~さんも90くらいですかねぇ?え? 何?オリキャラの武力?閻行:600(おい馬騰・韓遂:150~200(おい!丁原:100(おいィ!朱厳:96(若ければ100越えくらいかくぼー:70~80張燕:80阿部さん:ウホッゴルゴ:99・89(???・・・刺されないかな、こんな能力設定して・・・。西涼の方々に限らず、一時代前の名のある人々はかなり強い、という設定です。孫堅も平気で武力100オーバーしてたでしょうね。さて、もう少しだけ作者の妄想にお付き合いを。実はこの長坂橋、2話で書くつもりでしたが長すぎるのはちょっと・・・と思って、かなり分量を削減して無理やり1話にしました。なので楽屋裏も2話分です(何このお話の中での番外編・・・高順くんの事なのですが、公孫賛を頼る途中で戦死したり、徐州で史実どおりに処刑されたり、と早めに死ぬ描写がされています。今進めているこのお話が高順伝の正史なのですが、この正史でも長生きが出来ない設定です。反董卓連合の時にも、早死にする、という事が書かれていたはずですからネタばれにはなりませんけどねw高順くんが長生きできない理由は「色々な人の死亡フラグをへし折った」からだったりします。華雄、公孫賛。そして呂布や陳宮といった人々のフラグを折った代わりに、自分の寿命を縮めている・・・と。それなら徐州で死んでても良かったのですが・・・そこから先の構想もあったのでw病死か戦死かは、まぁ微妙なところですね。あと、構想だけで没った西涼編では、高順一党の働きもあって長安どころか洛陽辺りまで進撃。孫家と盟を結び、曹操と拮抗する勢力となりますが、途中で劉備が蜀漢を建国し皇帝僭称。それを認めない馬騰は劉備との決戦に臨み、五丈原にて決戦。この戦で蜀漢の主要武将はほとんど討ち死に、代わりに高順君も死亡・・・・・・というような流れでした。ま、蜀漢は当たり前のように滅んでました(ぁこの主人公早死にフラグを唯一へし折ったのが、途中でエターなった「もし高順が北に(ry」です。これはどなたかの感想に返すような形だったと思いましたが、この外史では長生きです。どうしてかなぁ・・・と思うのですが、袁紹の並外れた運の良さが伝播したんじゃね? と言うことにしました(ぁ次回で帰還して・・・そこから孫策暗殺?では、また次回。