【習作&ネタ?】真・恋姫†無双 ~~陥陣営・高順伝~~ 第98話。「はあぁ・・・ったく、いきなり予定と食い違ったなぁ・・・。」文句の止まらない高順。彼は南中から北に向かっている。周喩が曹操領へと派遣した密偵は数多い。勿論、こちらに放たれた密偵も数多いのだが。消されてしまう者もいれば、まだ任務続行中の者もいる。その中の一人が曹操・馬騰の衝突、その結果を周喩の元へともたらしていた。それが2ヶ月ほど前の話だ。周喩は孫策らとともに協議をした結果「数ヶ月は攻めてこない」という結論を出した。と言っても、あの曹操のことだから不意打ちのように襲撃を仕掛けてくる可能性もある・・・が、大規模攻勢は暫く無いだろう。そのような結果「まだ孫権を送ることは出来ないが、少しずつ足場を増やして欲しい」という要請が来てしまい、高順は「話が違うぞおいっ!?」と叫びつつ北へ向けて進み始めた。この話、実を言うと高順に伝えられたのはそれだけの事しかない。曹操・馬騰の戦いには何も触れられていないのだ。周喩らは馬騰が行方不明というのは知っていたが、それは高順に伝えられていない。彼の性格を考えると単騎突破とか普通にやりそうだからだ。馬騰とくれば、その娘の馬超の事も考えるのは当然で、そこから高順の士気が低下せぬように、と心配しての措置だったが・・・。都市を攻略するわけではなく、その周辺に作られた劉璋軍の砦などを潰したり、そこに自軍の兵を入れたり、という程度のことしか出来ない。小競り合いのような衝突は数回あったし、防備を固めている間に、一度だけ南中にそこそこの規模の軍勢が攻め寄せてきたりとかもあった。それは、南中側の抵抗の激しさや投石器での反撃、蹋頓・沙摩柯・高順を軸とした騎馬隊の逆撃、孟獲・孟節姉妹率いる南中歩兵隊の突撃など。劉璋の派遣した南中攻撃軍は思わぬ猛反撃を喰らい、損害を出して撤退していった。さて、高順は北へ向かっている。いや、どちらかと言えば北西へ、と言ったほうが正しい。南中から建寧(けんねい)を抜け、江州(こうしゅう)へ向かっているのだ。江州よりも前に朱堤郡があるので、まずはそこからと言う事になるが、目的は威力偵察である。規模はどれくらいなのか、その周辺の砦の数はどれほどか、地理など・・・調べたいことは沢山ある。そこで、兵を2千ほどと周倉・李典・沙摩柯を連れ、黄蓋と共に出撃したのである。~~~その頃の西涼残党軍~~~「ちくしょおおっ!? しつこいぞあいつらぁぁあぁあっっっ!!!」「姉様が関守をうっかりしっかり挑発しちゃったからでしょおおお!!?」「いえ、翠の性格を考えれば、よく殴り合いにならなかったと感心するところです。」「感心する場所違ってないか母様っ!?」「蒲公英、貴女は軍の先頭に向かい先導をしなさい。私と翠で殿(しんがり)を務めましょう。行きなさい」「は、はいっ」なんか良く判らんが劉璋軍の追撃を喰らっていた。関というか国境付近を守る部隊と何らかの衝突があったらしい。~~~西涼残党編、終了~~~朱堤より少し遠いが、高順たちはそこで陣を張っている。足の速い者数名(「影」も含まれる)を細作として放ち、周囲に夜盗や劉璋の兵がいないかどうかを確かめさせている。放ったのはかなり早い時期で、広範囲の情報を拾ってきてくれるだろう。集合場所は知らせてあるから問題は無い。野営を行っていないのはその結果を待っているだけで、異常が無いとわかったらそこで準備に取り掛かる手はずだ。別段、劉璋軍に知られていても構わないし、向こうが出てきたら尻まくって逃亡すれば良いだけの話である。もっとも、そうなる可能性は低い。北の張魯、南の孫・孟同盟の2箇所に兵を配置しなければならないわけだが、劉璋・・・現在の蜀の国力で二正面作戦はいかにも辛い。先の反撃で戦力を多少とはいえ失ったことには変わりが無く、戦力の再編成をしているだろう。してなければただの馬鹿でしかないという話だ。こちらが楽になる。速く帰ってこないかなぁ・・・と、虹黒の首を撫でていた高順だが、そこに「影」が数人、高順の後ろに現れた。「ん・・・どうかした?」少し気付くのが遅れた高順がすっと振り向く。「ここより北で小競り合いが発生した模様。距離、およそ五里」「小競り合いって、戦闘? 何処の誰が?」「片方は劉旗。劉璋軍と思われます。もう片方は旗を立てておらず・・・」「旗を立ててない? じゃ、どこかの軍勢と劉璋軍が争っているって事か」ふむー、と高順は考える。(何処の軍勢かは知らないが、もしかして南蛮の人かな? そうなら助けないと・・・)違っても別に構わないけどね、と高順はその場で各陣に伝令を出す。もし劉備なら大変だな、と思うがその時はその時だ。真っ先に出撃した高順を追って将兵は、旗を掲げ、騎馬を駆り、慌ただしく動き始めた。「おい、高順!」直ぐに追いついてきた中には黄蓋の姿があり、直ぐに馬を寄せて叫んだ。「何ですか、黄蓋殿!」「相手の正体がわからんのにいきなり出撃する奴がおるかっ!」「ご尤も。ですが、敵の敵は味方かもしれませんよ?」なぁ、虹黒? と自分を背に乗せて疾走している虹黒に語りかける高順。虹黒はそれに「ぶるるっ!」と答える。どちらも止まるつもり欠片も無し。「相棒もこう言っているんで、ええ。」「がぁぁ・・・全く!」そうこう言っている内に李典・沙摩柯が兵と共に追いついてきた。その後ろにも兵が従っている。「高順兄さん先行しすぎやー! つか、せっかく休憩や思うとったんに!」「事情は聞いたが、何処の軍かわからないのか?」「さぁ。ですが、劉璋軍が数で圧して来てるのならそれはそれで。叩き潰して戦力を減らしましょう」「もし、劉璋軍が1万とかならどうする?」「適当に戦って退きます」「大丈夫なのか?」「いきなり仕掛けることはしませんよ。様子を見て問題無さそうなら、ってことで。」「・・・ふむ、まあ良いか」沙摩柯はそう言ったが、これに関しては高順は「まず大丈夫だ」と思っている。南中防衛を成功させた時点で、向こうの戦力は前述した通りになっている。2正面作戦に陥っているこの状況だ。曹操ならともかく劉璋、しかも蜀の国力ではそれほど多くの兵を用意できないと思われる。南中ではなく、この場所に大量の兵を送り込んでくる事は無いだろう。さて、何処の軍勢やら、と思いながらも高順は北へ向かって進んでいく。小競り合いをしている現場に到着するのには時間はかからなかった。いきなり全軍で突貫するのは不味いだろうか、と思った矢先、向こうからやって来たからだ。茶色の髪をサイドポニーで縛り、オレンジと言うか・・・そんな感じの色の服を着た少女・・・馬に乗っている。それが、軍勢の先頭を駆けてこちらに向かっている。高順と部隊は警戒しつつそれに近寄っていったが、その少女の顔を見て「なんか、馬超殿に似てるな」と思い始めた。そして、その後方では戦闘が行われている。騎馬主体の軍勢に対して、歩・弓兵をメインに追い捲っているのが劉璋軍だ。高順は、李典と沙摩柯に目の前に向かってくる部隊は無視して、劉璋軍のみ叩くように指示を送り、自分は馬超に似ている少女へと向かう。指示を受けた李典らは左右両翼に分かれて個々に劉璋軍へと向かっていった。黄蓋も独自に判断をして李典の援護をする為に動いた。さて、と見やると、先頭の少女が槍を構えて向かってくる。(あ、やばい。多分敵と思われてる・・・)どうしよう、と思う高順だが、向こうはこちらを敵でないと思ってくれたのか・・・槍を収めた。馬岱のほうでも、こちらに接近してくる部隊は見えていた。敵かな? と思って見ると、先頭を駆けてくる騎兵の装備が・・・「髑髏龍の飾りをつけた兜」「重装鎧」「巨大槍」、乗っている馬も馬鹿みたいにでかい。怪しい、怪しすぎる・・・! と半ば敵認定し槍を構えて向かっていくが、そこでふと思い出すことがあった。(そういえば・・・お姉様がよく「高順はすごく大きな馬に乗っててな。模擬戦だったけど、騎兵同士の戦いは迫力があったな。あの髑髏龍の鎧兜なんて、気の弱いやつが見たら動けなくなるぞ、うん」とか・・・)思い出しつつ、目の前に迫ってきた騎兵を再度見る。髑髏龍の鎧兜、今まで見たことの無い巨躯を誇る馬。そして、後方に翻る幾つもの旗。大きく描かれた「孫」。他に「黄」「李」「沙」「高」と描かれており、孫家の武将であることが見て取れる。それに、こんなアホみたいな・・・じゃなくて、とんでもない格好をした人はそうはいないだろう。こちらを敵と思うなら問答無用で矢を放ってきただろうに、それをせず、部隊を分けてこちらを避ける形で後方へ向かっていった。多分、最初から劉璋の軍勢のみに的を絞っていたのだろう。馬岱は槍を収めて、ぶつからない様に(多分)高順へと近づいていった。高順にぶつからないように、馬の手綱を引く馬岱。高順も虹黒の首を撫でて速度を落とす。徒歩の周倉も馬岱を警戒しつつ、虹黒にあわせて速度を落とした。そして、会話が出来る距離まで近づき・・・『あの』「・・・」「・・・」同時に同じ言葉を発して微妙な気まずさを味わうことになった。「あー、ぇー・・・」「あ、あの、そっちから話せば良いよ!」彼女の気まずい心遣いが痛い。そんな事を思って高順は「んんっ」と咳払いを1つ。「率直に聞きますがその前に。俺は高順、孫家の武将です。あなた達は・・・少なくとも劉璋の手の者ではないですね? てか後方のアレが劉璋軍ですし。」「違うよ! 私達は西涼の残党、劉璋軍じゃないよ!」あ、やっぱし。と高順は頷いた。「や、失礼。旗を掲げていなかったものでね。では、援護します。」「ちょ・・・え!? そ、そんなあっさり信用しちゃって良いの!?」馬岱は叫ぶが、既に高順は虹黒を駆けさせ、そこに彼の部隊も続いていく。馬岱がどう思えど彼女達が西涼の人々なら、助ける理由も義理も高順にはあった。その頃、殿(しんがり)では。「あー、くっそぉ・・・群がりすぎだ・・・」てぇの! と吐き捨てるように言って、馬超は向かってきた歩兵を一突きで倒す。馬騰はというと、流麗な刀技で向かい来る劉璋の兵を片っ端から斬り捨てている。ただ、まともに戦えているのは母娘だけで西涼兵はこうはいかなかった。何せ、食料も飲料水も残り少なく切り詰めている状況だ。つまり、兵は空きっ腹を抱えている。強行軍だった為に疲労も大きく、自分達より弱く数も少ない劉璋軍に押されてしまっているのだ。善戦しているものの、このままでは不味い。なんとかしないと、という焦りが馬超の槍撃を曇らせる。普段なら絶対に後れを取らないような、しかも雑兵に反撃を喰らって馬から落とされそうになったのだ。「うわっ・・・」「翠っ!!?」まさかの事態に、馬騰も焦って声を荒げる。どうにかして態勢を整える馬超だったが、更に兵が斬りこんでくる。それを馬超は柄の先で突き倒す。「このぉっっ!」「ぐぁっ!」突き倒された兵は倒れ、呻いて動かなくなった。だがその後ろに控えていた兵が次々に襲ってくる。劉璋軍は馬超を名のある将軍と見て殺到、万全の状態なら不覚を取らない馬超も数に押されかかっている。馬騰も、苦戦する娘を援護しようと戦っているがやはり敵兵が殺到して中々に近づけない。(不味いな・・・)と思った馬超だが、そこに不意打ち同然で一本の矢が飛んできた。「っ!」これも避けたが、この時に先ほど以上に態勢を崩しついに落馬。劉璋軍の雑兵が馬超の首を狙って襲ってくる。これは死んだ。あーあ、まだ高順にも会ってないってーのに。これじゃ、叔母上や妹達に叱られるかなぁ。折角、命を張って逃がしてくれたのにな・・・ごめん。誰に向けられた謝罪の言葉か。諦めたのか、こんな首でよければ幾らでも持って行け、と捨て鉢な気分で馬超は目を瞑る。その通りに、雑兵が矛を、剣を、馬超の体に突きたてようとして・・・。「・・・? あれ?」おかしい。どうして攻撃がこない・・・? と馬超はそっと周りを見た。そんな馬超の目の前には、矢で射抜かれて絶命、地面の転がる多数の敵兵。生き残っている兵も、驚愕の面持ちで馬超ではなく、その後方―――を見て、悲鳴を上げて逃げようとする。逃げようとした一人の兵の後頭部を、後方から駆けて来た誰が棘だらけの鉄棒を叩き付け粉砕した。「お・・・?」「ん? ・・・馬超? 馬超か。無事で何よりだ」馬上からこちらを見下す女性。この女性に、そして彼女の後方に続く騎兵部隊に馬超は見覚えがあった。「へ、あれ? お前・・・沙摩柯? 沙摩柯なのか!?」「正解だ。」よく覚えていたな、と沙摩柯は弓に矢を番えて劉璋軍へと放つ。それに引き続き、後続の兵士達も同様に矢を放ち始めた。突出していた劉璋軍の兵士達が射抜かれて、悲鳴を上げてばたばたと倒れていく。「下がってろ。追い散らしてくる」と、こんなことを言って沙摩柯は突撃を仕掛けていく。そこで、彼女とは別に左方向からも劉璋軍へと突撃していく一団が見えた。先頭を駆けるのは女性で、手には穂先が回転する巨大槍。螺旋槍である。その女は螺旋槍を馬上で振り回しながら「はっはーぁ! 援軍のおでましやーー!」と駆け言って大暴れ。彼女の名は李典、まさにノリノリである。その後方からは「わし、必要なかったかのぅ・・・」と溜息を尽きつつも射撃援護を行う黄蓋の姿。今のうちに、と見てとった馬騰は直ぐに倒れている馬超の元へと馬首を返す。「翠!」馬騰に助け起こされた馬超は、先ほどとは打って変わって追い詰められていく劉璋軍と、それを追い詰める集団を交互に見やった。「なんで沙摩柯が・・・って、もしかして、あれは李典か!?」李典の戦い振りを見て「あいつ、強くなったなぁ・・・」と馬超は感嘆する。「翠、彼女達は・・・知り合いですか?」「ん、母様。あいつらが高順の部下・・・じゃない、仲間かな? まさか、こんなとこであいつらに会えるなんてなぁ」馬超の言葉に、馬騰も李典らの戦いを注視する。しばらくして「まだ荒削りだが良い戦い方をする」と李典の武力を評価した。あの棘付きの武器を持った女性。こちらは李典以上の腕だ。敵を全く寄せ付けず一方的な戦いになっている。それを見て、馬騰は(いやはや、世界は広い。あんな手練がゴロゴロと)と感心してしまう。高順があれらを率いているといったが、本当にどんな青年なのやら・・・と思う馬騰だったが、その本人がすぐ後ろに来ていることには全く気がついていない。響く馬蹄の音。その音に反応してまだ誰かが、と馬騰は後方を見る。そこには、巨大な馬に乗った仰々しい鎧兜に身を包んだ・・・鎧の外見だけでは男か女かわからないが、そんな武将がこちらに近づいてくる。思わず身構える馬騰だが、同じくその姿を見た馬超は、信じられなさそうに震える声で「・・・こう、じゅん!?」と叫んだのだった。「ご名答、無事でよかった・・・ん?」「・・・?」高順は馬騰を見て「馬超殿に、こんな綺麗な姉君がいらっしゃいましたか?」と不思議そうだった。「あら」「え、お姉さん? いや、そうじゃなくて」高順の発言に、馬騰は少し嬉しそうで、馬超はそれ否定しようとするが、「ま、事情は後にして、あいつら散らさないと。周倉、いくよ」「あいよぅ!」高順の傍らにいた周倉は答え「いったらああぁぁっ!」と徒歩で劉璋軍めがけて爆走。その元気さに「やれやれ」と笑い高順と配下の兵も続いていく。彼らが突き進んでいくのを見て、馬超も馬騰もなんとなく自分達は助かった、と実感していた。それは、すぐに事実となる。劉璋軍を追い散らした高順達は、馬騰らと共に建寧目指して後退している。その場で宿営するのは危険だし、何せ西涼軍が疲労し飢えている。安全と思える場所まで退き、野営陣を張り、食事の用意を始めた。当然、西涼軍の分も用意されている。そして、今。高順は馬騰の陣幕で正座させられていた(ぇ?「あのぅ・・・食事を持ってきたのに正座させられるってどういう・・・」陣幕には馬岱・馬超・馬騰。高順は彼女らの食事を持ってきていた。そのときには兜も脱いでいなかったが、直ぐに脱いで自己紹介など・・・と思っていたら、その前に「高順君、正座」と馬騰に申し渡されてしまった。この時点では高順は馬超以外の人が誰かまでは知らない。馬岱についてはある程度予想していたが、馬騰のことは全く知らなかった。自己紹介した後で、そのあたりも含めて事情を聞きたかったのに、何で正座? と高順は戸惑っていたのである。「高順君、貴方は・・・貴方はっ・・・」何で正座させられてるかわからない高順の前で、馬騰は拳をワナワナと震えさせる。それを見た馬超たちは、(うわぁ・・・)(ぁー・・・伯母様、怒ってるぅ・・・)と、変な予想を抱いていた。そう、馬超と馬岱の予想通り馬騰は怒っていた。自分はこの子のせいで大変な思いをさせられたのだ。「貴方は・・・韓遂に、義妹に何を教え込んだのっっ!?」「・・・HAI?(呆然」「貴方が変な事を教えたせいで「ほぉら義姉上の蜂蜜酒(性的な意味で)」だの、「義姉上のぇろ(中略)に蜂蜜を混ぜて飲み干すとか・・・もう、もうっ! 辛抱たまらんですたいっ!」とかっっ!!!」「え・・・ぇーと・・・? え? 韓遂殿が義妹ってー・・・」「事情を聞けば「高順に教わりました!」と言うではありませんか!?」馬騰は「貴方のせいでええええっ!!」と本気で涙目になりつつ、兜の上から高順を叩いていた。まさか、あれですか。風呂で酔っ払って教えてしまったAREを成公英さん以外にも決めてましたか韓遂殿。いやこの人が馬騰だって言うのも驚いたけど。俺の母親もですが若すぎませんか馬騰殿。西涼の人々は外見を若く保つ術でも心得ているのだろうか。「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい! つうかあれ、成公英さんだけに、かましてるもんだと! まさか他人様にまでとは思いもよりませんでした深くお詫びの意をお伝えしますのでやめてええええ!!!(兜の下でも衝撃で痛かった」「はーっ、はーーーーーー・・・・・・。ふぅ・・・まぁ、過ぎたことです・・・ですが、娘に変な事を教えたら絶対許しませんからね! 嫁入りした後ならまだしも!」何だか微妙に論点ずれてる気がしないでもないが、そういう事だった。本当ならもっと色々言いたいこともあったが・・・綺麗なお姉さん呼ばわりされてちょっと嬉しかったりする馬騰である。「こほんっ。で、高順君。顔を見せていただけますか? 」「え、はぁ・・・」ごそごそと兜を脱いで地面に置く高順。まだ正座したままで、しかもあのゴツイ鎧着たままなので凄まじい違和感である。で、高順の素顔を見て・・・馬超は顔が真っ赤。馬岱は「へぇー・・・悪くないかも?」と感想を漏らす。馬騰は「ほぅ・・・」と高順の顔をまじまじと見た。閻行の不肖かつ自慢の息子とやらは、親によく似ていた。特に目元などはそっくりで、閻行を精悍に、髪を短くすればこんな顔になるだろうと思えるほどだった。「あの、宜しいでしょうか」「はい?」「何故、西涼の馬騰様がこちらに?」「それは・・・」かくかくしかじか、これこれかゆうま。(理由説明中)「そうですか・・・韓遂殿をはじめ、皆・・・」話を聞かされた高順は、寂しそうだった。生きている可能性は殆ど無いという。(そりゃ、韓遂殿の馬騰殿への入れ込みっぷりは半端じゃなかったからな・・・しかし、成公英さんも、あの姉妹も皆、か・・・)なんで生き急ぐかな、と高順は嘆息した。暫し、沈黙がその場を支配する。誰も何も言えず、じっと重い空気に誰もが黙り込んでしまう。少し経ち、ようやくに高順が立ち上がった。「・・・さて、ちょっと周りを見てきます。」「あ、高順」「はい?」「いや、その・・・ん、何でもない。」「そうですか? ・・・食事、冷めないうちに食べてくださいね」引きとめようとする馬超だが、高順の疲れた表情に何も言えず普通に見送ってしまう。高順の姿が見えなくなって、馬超は「はー・・・」と肩を落とした。そんな馬超に馬岱がちょっとした冷やかし。「どうしたの? 甘えれば良かったのにぃ」「出来るかっ。」「ふふ、出来るかどうかはともかく、甘えたい気持ちはあるのでしょう」「ぐぎっ、母様まで・・・。ま、そりゃ甘えたいけど・・・辛いのは私たちだけじゃなくて、あいつもだし。鉄も休も高順に懐いてたし、あいつも本当の妹みたいに可愛がってくれたしさー・・・」また会おうって約束してたのにさ。こんな事になって落ち込まないほうがどうかしてるよ、と馬超は呟いた。高順は野営陣を見回ってから自分の天幕へ戻り、どっかりと寝台に座り込んだ。じぃっ・・・と何があるわけでもない天井を見つめてあれこれと考える。途中で引き返してきたのは、馬騰に出会ってしまった為だ。今は流浪とはいえ、西涼の主とも言える彼女と出会い、そのまま・・・というのはどうにも不味い。黄蓋も同じ考えで「まず孫策に使いを出し、向こうの指示を待つべき」と意見し、高順もそれに同意している。作戦開始と同時にいきなり頓挫という状態だが、特に戦力を減らしたわけではなく、むしろツキはこちらにあるといっていいかも知れない。孫策の指示が来ないと動きようは無いし、もしかしたら馬騰を連れて一度帰還してくれ、という流れもあるだろう。そうなると、一時的に対曹操に回されることも在り得るか、と嫌な気持ちになってくる。馬鉄・馬休・韓遂・成公英。皆、曹操軍と交戦し戦死したと言う。「慣れないよなぁ、いつまで経っても。」人の死など腐るほど見てきたつもりだが、身近な人が死ぬのはどうあっても堪えるものだ。特に、馬鉄と馬休。2人は自分よりも年下で、余りに早すぎると思ってしまう。良い人に限って死に易いとは言うが・・・何で自分みたいな馬鹿が生き残って、あんなに良い子達が死ぬのやら。(悪い遊びの1つや2つ、教えてあげれば良かった・・・)逆恨みだが曹操に挑む理由がまた増えたな、と思いつつ高順はそのまま寝台に身を投げ出す。もう二度と会うことの出来ない人々の事を想い、鬱々としながら無理やり眠ろうと瞼を閉じた。~~~楽屋裏~~~あっさり再開できたねあいつです。いやぁ、トゥーワールド2は強敵ですね(挨拶&何か進行形本当はもっと長くやる予定でしたが、引っ張ってもしょうがないしなぁ・・・ということで、描写削りまくりの1回で収めました。おまけの日常もやる予定でしたが韓遂ツンデレ反乱事変とか心の(規制)がどうとかいう話になってしまったので封印します(ぁ次回からは・・・南中か交阯で日常を1回、そこから曹操南下・・・かな?そっから先は転がり落ちること山の如く(違さて、前回の感想で「番外編は不要では?」みたいなものがありました。そこであいつ、トゥーワールド2をプレイしながら考えました。死にました。執筆も止まりました(おいそうだよなぁ、2つ同時に書くって面倒だし・・・うーん。ディスガイア4が発売→執筆とまる・・・うん、確かに冗長になる理由の1つだしこの意見も尤もだ。やめる方向でいこう。しかし、いきなり「はい終了」では皆さん怒るよなぁ・・・3DSが発売→執筆とまr(削除そうだ、アレでいこう、アレでなら納得するに違いない。侍道4(ry・・・そんな訳で(?)今回を以って・・・番外袁紹伝・・・エターナりまsじゃなくて完結です!~~~番外編完結編~~~「官渡の戦いで勝ちましたわ! あ、三謀臣が裏切って軍事作戦流してた上、曹操軍に投降したので捕獲して処刑しました」「北方同盟も降伏してくださいましたわ」「西は長安、南は荊州北部まで切り取り完了、曹操さんは・・・行方不明?」「孫策さんとも同盟、これで・・・ぇ、益州で曹操さんが旗揚げ!?」いずれ劣らぬ数多の英雄達が肩を並べ天下一統を夢見て戦った。勝ち上がり、時代に選ばれた3人。その名は袁紹、孫策、曹操。並び立った彼女達が1つの大陸に3つの勢力を造る。そんな時代、そんな話を、後世の人々は三国志と呼ぶ。3人の英雄が立ったこの瞬間は、三国志と言う時代の終わりへの始まり・・・。番外・もし高順が北へ以下略、袁紹伝。これにて、終了。~~~楽屋裏~~~大・団・円!(おいこら待てまだ三国出来たばっかだろはい、冗談です。全然完結してませんね?ですが、こっから先は・・・まぁどうでもいいや(は実は、もし高順が以下略 は他の番外編とは違ってちゃんとエンディングが用意されているお話です。袁紹の子、つまり譚・煕・尚の時代にまで行き・・・正史とまでいかなくとも、かなり時間がかかった話になっていました。戦闘そのものは少ないですし、官渡以降は一気に時代がすっ飛びましたけどね。新しい愛人(笑)やら、高順くんが袁家での立ち位置を確固たるモノにしつつ早く隠居したいと駄々こねて叱られたりとか、そういう話・・・・・・日常的日常になっていたのでしょう。てな訳で、袁紹の戦いは始まったばかりです(男坂的意味合いで袁「高順さん、高順さん」高「何か御用ですか?」袁「これって要するに作者が面倒くさいという打ち切りですわよね?」高「はい」袁「そうですかありがとう素直すごいですね」高「それほどでもありません」袁「・・・」高「・・・。」・・・本当にこんな終わり方でいいのだろうか(汁