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No.10424の一覧
[0] 【ネタ】第97管理外世界は恐ろしい所一度はおいで(リリなのクロス)[いそはち](2009/07/19 22:37)
[1] 第一回終焉の銀河編 前編(×第三次SRWα)[いそはち](2010/04/29 01:40)
[2] 第一回終焉の銀河編 中編 間幕[いそはち](2010/04/29 01:53)
[3] 第一回終焉の銀河編 後編1[いそはち](2010/05/05 23:04)
[4] 第一回終焉の銀河編 後編2[いそはち](2010/05/05 23:15)
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[10424] 第一回終焉の銀河編 前編(×第三次SRWα)
Name: いそはち◆69bb7263 ID:06c286f6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/29 01:40
   第97管理外世界は怖い所、一度はおいで

第一回 終焉の銀河、動乱の中心の星


 

「ごめん、なのは遅くなった」

「ユーノ君……」

「ちっ、仲間か!?」

「友達だ」

 海鳴市で突然結界に捕らわれ、赤いゴシックロリータファッションに身を包んだ魔道師
に襲われた高町なのはだったが、危ない所で仲間であり友達でもあるユーノ・スクライア、
フェイト・テスタロッサ、アルフの救援が間に合った。

 その一部始終をモニタリングしていたアースラブリッヂのクルーが突然心の底からの驚
愕の声を上げる。

「な!?なんだよコイツ等!?」

「どうした?……コイツ等は97管理外世界の軍事行動か?」

「う、嘘でしょ。この人型の質量兵器達の攻撃力、魔力換算値AAが最低!?Sクラス!
SSクラス!SSSクラス!計測不能!解析不能!?何なの!?この兵器郡は!!」

「何て機動力だよ……これは無線誘導兵器なのか?凄い精度だ。しかもまるで先を予測し
ているような動き……何もんだよコイツ等」

 次々に上がる驚愕の声。アースラクルーには衛星軌道上にて戦闘行為を行っている人型
の質量兵器部隊の正体が97管理外世界と呼ばれる地球がある銀河で最強の部隊と名高い、
αナンバーズだとは理解出来なくても仕方がないだろう。何故なら20年前の調査が最新
の調査であり、その時は問題は無かったのであるが。高々10年足らずで爆発的に軍事技
術を飛躍させたなど時空管理局としても想像の斜め上だろう。

アースラクルー達は殆どの機体に搭載されている粒子兵器、スーパーロボットや特機と
呼ばれる機体の出鱈目な攻撃力、エースパイロットが自在に乗りこなすMSやPTのワン
オフ機やカスタム機の機動力や無線誘導兵器ファンネルやT-LINK兵装の精度、ニュ
ータイプや念動力者の未来予測としか思えない機動に信じられないと驚愕の声を上げる。


「ば、馬鹿な、なんだあいつ等は!?あんな質量兵器がこの世界に有ったなんて、情報部
は何をやっていたんだ!?」

「落ち着きなさい!クロノ・ハラオウン執務官、エイミィどんな小さな情報でもいいわ、
取りこぼさないで。なのはさんの方もしっかり頼むわね、苦労を掛ける事になるでしょう
が、頼むわね」

「は、はい!あれ?新しく紫の鬼みたいな機体がって、光の翼!?ウナギみたいな質量兵
器再生!?な、何あれ魔法陣みたいな……きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 
 アースラの面々は知らぬ事だが後から出てきたのはエヴァンゲリオン初号機、αナンバ
ーズと戦闘中だったウナギみたいな質量兵器は量産型エヴァンゲリオンと呼ばれている機
体である。

 エヴァ初号機が戦場に降り立った後背中から一対の光の翼、アブソリュート・テラー・
フィールド、ATフィールドで構築された翼を展開するが直に再生した量産型エヴァンゲ
リオン9機に取り付かれ、まるで聖者の様に空中に貼り付けに。その喉下には二股の赤い
槍ロンギヌスの槍が突きつけられていた。周りには量産型エヴァが規則的に配置され、魔
法陣の様なものセフィロトの木が空中に描かれる。後に地球上から大気の層を突き破る程
の大爆発によりかなり離れている筈のアースラも船体を揺さぶられる。






 その頃地上海鳴市では剣の騎士シグナム、盾の守護獣ザフィーラがゴスロリの少女鉄槌
の騎士ヴィータと合流、ボロボロになったなのはの代わりにフェイト、アルフ、ユーノと
交戦していたが。隠れて隙を伺っていた湖の騎士シャマルに胸を貫かれ魔道師の各リンカ
ーコアを蒐集された瞬間、周囲に張られた結界がまるでガラスの様に吹き飛んだ。第二新
東京市跡地より立ち上った爆発によって。

「な!?何だ?」

「何が起こったの!?」

「お、おい、アレ何だよ……何なんだよ!アレは!?」

 結界が外部により破壊された事により結界内に居た全ての人物が停止した。シグナムと
シグナムと切り結んでいたフェイトが驚愕の声を上げるが、ヴィータの絶叫に直にヴィー
タの見上げる方向に視線を向ける。そこに居たのは人だった、だが途轍もなく大きな地上
から宇宙までを突き破る位の大きな大きな女性型のヒトガタ。

 途方も無く大きなヒトガタ第二使徒リリスが覚醒、地球を包み込む程の翼を展開した頃、
アースラ内部では混乱に拍車が掛かっていた。

「何だアレは!?人なのか?一体何が起こっているんだ!」

「解析不能!?一切の情報を取得出来ません、基本の技術体系がかすりもしてない為だと
思われます!」

「な、何だよあいつ等まだ戦い続けてる……イカレテやがる!」

 立て続けに起こる異常事態にアースラクルーは脳内の処理が追いつかなくなっていた。
リリスが包み込む様にしているエヴァ初号機のパイロット、碇シンジを救う為にαナンバ
ーズは攻撃を仕掛けているのだが、傍目から見れば巨大なリリスに攻撃を仕掛けていると
しか見えず、それでも尚戦い続けているαナンバーズと戦い続けられている質量兵器郡に
対して嫌悪感にも似た恐怖を抱いていた。それも仕方ないのかもしれない、なぜなら時空
管理局は嘗て世界を滅ぼし掛けた質量兵器の撤廃を実施しており。正に世界を破滅させて
しまえそうなヒトガタに拮抗している質量兵器郡が恐怖の代名詞の様に見えていた。




「何なのだ、何なのだ!此れは!この世界は!」

「怖い、この体の底から湧き上がってくる怖さは何なんだい!?」

 狼がベースであるザフィーラとアルフは野生の獣の本能が他の面々よりも強いため、種
としての根本から来る恐怖感に正に心の底から震えていた。この後に来る絶望的な現象を
まるで予言するように。


  途端、世界は赤く染まる。


 人類補完計画、覚醒したリリスにより地球全土を包むアンチATフィールドを発生、生
物を形作るATフィールドを消滅させ、溶け合い混ざり合い一つの生物になり、銀河全土
を包む破滅、アポカリュプシスから逃れる為の計画である。


 パシャリ


 ダメージを受け意識が朦朧としていた高町なのはは自分の形を維持出来ず赤い水L・
C・L生命の水へと帰り緑色の十字架と化す。意識が混濁した状態では抗える物では無か
った。

「な、なのはぁぁぁぁぁ!」

「なのは!?え?嘘、母さん?アリシア?」

「フェイトォォォォォ!」

 パシャリ、パシャリとユーノ、フェイト、アルフも赤い水に帰って行く、幾ら精神的に
大人びて居ようが九歳の幼子に抗えるものでは無かった。

 補完は始まっていく。

「いやだぁぁぁぁぁ!何だよコレ!アタシがアタシじゃ無くなって、いやだ、いやだよぉ!」

「私はヴォルケンリッターが将シグナム!……シグナムとは誰だ?はっ、これは何だ気持
ち悪い、くぅ!主?主とは?いかん!このままでは私は!」

「アオォォォォォォン!?!?」

「私の中に入ってこないで!?いやです、いやです!いやぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 体を魔道プログラムで構築されているヴォルケンリッターは形を失う事は免れたが、彼
女達にも魂は有る。補完された多くの人類の思念が直接心に入り込もうとし嫌悪感と拒絶
間から、ヴィータは泣き叫び、シグナムは自分を維持するので精一杯、ザフィーラは種が
抱く根本的な恐怖に苛まれ悲鳴を上げ、シャマルは混乱し拒絶の声を上げる。ヴォルケン
リッターがまだ個人を保っていられるのはひとえに主である八神はやてへの思い、その思
いが今現在の主の無事を確認する為か、もしくは自分達を包み込んでくれたはやてに逃げ
込む為か、それも混乱していた彼女達にも分からなかったが。ヴォルケンリッターは順次
撤退、いや逃げ帰って行った。止める者など誰も居なかったが。


 地球全土を包み込む補完は地球上よりは影響が少ないとはいえアースラにも多大な影響
を及ぼしていた。

「いやだぁ!気持ち悪い!……嗚呼」  パシャリ

「あのヒトガタから放たれた波動が、地球を包み込み人が、人が消えて、いや赤い水に
なっていきます!?何なの、一体何が起こっているの!?あ?」  パシャリ

 クルーが次々に赤い水になり、地球全土が赤くなり、そして緑色の多数の十字架が湧き
上がって行く様をモニターから見ていたクロノ達は天を仰いで絶望の声を上げる。

「これは何だ?まるで世界の終末の様じゃないか……」

「クロノ君……」

「こんな事が起こるなんて……一体この世界は……」

 しかしその異常事態は数分のものだった、リリスは真っ二つに崩れ落ち、血液の様なも
のを撒き散らしながら消滅していった。地球一帯は何も無かった様に静けさを取り戻す。
消えた人々も自分に何が起こったのかも分からずに元の形を取り戻していた。

 αナンバーズの活躍で補完の中枢、世界の中心に位置していた碇シンジが自分を取り戻
し、補完を中断させた為であるがクロノ達が知る由もない事だった。

「海鳴市で戦闘中だった、高町なのは、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライア、
アルフ、全員健在です。高町なのははリンカーコアを抜かれ重傷、至急処置が必要です」

「襲撃者達の全員撤退を確認、サーチャー機能していませんでした。行方は不明です」

「質量兵器部隊は地球に降下、降下地点は日本、恐らくは現地で第二新東京市跡地と呼ば
れている所かと思われます」

 今までの異常事態を考えない様にする為かアースラクルーは職務に戻っていく、
仕事に没頭している間は余計な事を考えないで済むからだ。それに彼らは時空管理局のエリート、
海の精鋭部隊でもある。職務を疎かにする訳にもいかないのだ。

「クロノ、一度徹底的にこの世界を調べ直す必要が有るわね……」

「母さん、いや艦長、そうですねあの質量兵器といいこの世界は何かがおかしい。エイミ
ィ集められるだけの情報を片っ端から集めてくれ」

「りょ~かい、クロノ君」

 アースラ艦長リンディ・ハラオウンはこの異常事態を引き起こしたこの世界に多大な危
機感を持った、この世界は何か途轍もないモノを内包しているのかもしれないと。

最もリンディの推測は正解であったが、彼女の想定していたモノの斜め上に天元突破し
て行く様な事実が分かっていく訳になるのだが。

 これが第97管理外世界、後に第一級干渉禁止世界と呼ばれる地球圏を含む銀河の異常
な様を時空管理局が始めて観測した事態であった。



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