見えない所でバタ足してたら足が攣った。
『10話・懐かしき友人』
城の一室。
その大広間で僕とジジとメアはまったりしていた。
それぞれがまったりとした時間を過ごす。
ジジは日向ぼっこをしている。
メアは魔道書? だとかを読んでいる。
僕は逆立ちしながらその光景を見ている。
時間の流れに囚われず、各々がしたいことをする。時間の流れがひどく穏やかな物に変わった様な錯覚を起こさせる。
それほどに、今この場所は優しい空気に包まれていた。
「……んっ、ふぅ……んっ!」
体勢が崩れたので、腕に力を込めて立て直す。
ふぅ、危ない危ない。
だいぶ頭に血が上って来たので、視界がクラクラと揺れる。ん? 逆立ちしているのだから、血が下がると云う方が正確なのだろうか?
……まぁ、どうでもいいか。
ぐらついて倒れそうになる自分を心の裡で叱咤しながら、必死で体勢を維持する。
「……ふぁ、あっ……うぅん……」
口から息が洩れる。
やはり、長時間この体勢を保つなの至難だ。今現在で、やっと50分維持出来ているが、既に腕力が限界に達そうとしている。
「あ、ぁあっ……ふぅ、んっ! ……んん」
くっ、やはり、きつい……!
「……ずっと気になっていたんですけど、何をしているんですか?」
メアが魔道書から顔を上げ、僕に尋ねる。
「逆立ち」
「……いえ、それは分かるんですけど……」
簡潔に答えた僕の言葉に、メアが何やら困ったような表情で口篭もる。
なんだろうか?
「んむぅ……にゃにが目的で、ちょのような格好をちておるのかと、尋ねちゃいんじゃよ……メアは……」
ジジが目を擦りながら、それでもトローンとした眼つきで僕の疑問に答える。
くあっ、と欠伸をするジジ。
やだ……なに、この子猫。……凄く……愛らしい。
普段は毅然とした態度のジジが寝惚け口調で話す姿は、びっくりするくらいの破壊力を持っていた。
んーっ、と云いながら再び丸くなるジジ。
すっっっごい、抱きしめたい。
「ちょう云いたいんじゃろう? にょう、メア?」
「……え? あ、ああ、うん。そうです」
ちょこんと眠たげな顔を上げてジジが云う。
メアの反応が僅かに鈍かったのは、メアも今のジジの姿に見惚れていた為だろう。
気持ちは凄く分かる。今のジジの姿は犯罪級に可愛い。
「それで、どうにゃんじゃ?」
ジジが再度、僕に尋ねる。
今すぐにでも飛び掛かりたいのだが、この状態では無理だ。
なので、通常の姿勢に体勢を戻す。
くっくっくっ、これで準備完了だ。
すると、ジジが急に俊敏に立ち上がった。その目には、既に眠気の色は無かった。
「あれ? もう一度お昼寝するんじゃないの?」
「嫌な予感がしての。目が急激に冴えた」
メアの問いにジジが答える。
……ちっ!
「それで、いい加減に答えい。何故に逆立ち何ぞしておったんじゃ」
「あ、そうでした」
再三のジジの問いかけ。メアも思い出したかのように僕に目を向ける。
二人の視線を受け止め、ちょっとした興奮を覚えながらも疑問に答える。
「いや~。逆立ちすれば、なにか良い閃きでも浮かぶかなと思ってね。昔はよくテスト前日にやっていたんだよ」
「……てすとって、何ですか?」
「んっとね、学力試験……って云えばいいのかなぁ?」
「魔術学院の学術試験の様な物か?」
「うん、そんなの」
魔術学院ってどんなのか知らないけど。
「……ふむ。そういえば、お主の過去話は聞いたこと無いのぅ」
「……私、興味あります」
「僕の昔の話?」
興味津津な瞳を僕に向けて、うんうんと頷くメアとジジ。
「そうだなぁ……」
その期待に応えるべく、昔を思い出す僕。
さて、中学生時代のテストの話でもしてみよう。
*****
先週はテスト期間で、今日はそのテストが返却された。
現在は週の最終日である。
僕達の学校では、テスト期間中は午前までテストが実施される。その日の科目が全て終了したらすぐに下校して良いという校風だった。要は正午には帰宅出来るという事だ。
さらに、翌週の最終日にテストが返却される。
僕達の学校ではテスト期間の翌週の最終日に全部返却されるのだ。
基本、最終日はテスト返却しかないので、テストが返却されればすぐにでも帰宅出来る。
しかし、そこは年若き中学生。皆はお互いのテストを見せ合いっこして、喚声を上げたり、一喜一憂したり、嫉妬していたり、悔しそうにしていたり、お互いに優劣を付け合ったりしている。
「よぉ、テスト結果どうだった?」
そんな中、一人の若者が僕に近づいて来た。
肩口まで伸びた髪。メガネを掛けた少年だ。
空・雪人。僕の友人である。
「おいっすぅ! なぁなぁ、お前ら結果どうだったよ?」
もう一人、僕達に声をかける同級生。
耳にかからない程度に髪の短い茶髪の少年。活発な印象を受ける。
四十八願・太助。僕の友人その2である。
「僕は、まだ結果見てないよ」
「オレもなんだよ。奇遇だなぁ!」
「まぁ、俺も結果はまだ見ていないな」
どうやら、誰も結果を見ていないようだ。
「よし、見せっこしようぜ!」
「まぁ、俺もする気だったしなぁ」
「ん~、僕も構わないけどねぇ」
「んじゃあ、早速見せ合おうぜ」
「だが断る!」
断ってみた。
「いやいや、いいからそういうの」
「そうそう。結果は変わらないんだから」
「そもそも構わないって云ったじゃんか」
「別に恥ずかしくないだろ。友達なんだし」
普通の反応をされた。
何気にショックだったりする僕である。
「せーの、で見せるぞ」
「全部の合計点か? 単品ずつか?」
「合計点でいいんじゃない?」
「んじゃあ合計点な」
せーのっ! と太助が云って、一斉に机の上に置く。
空・雪人──5教科中、485/500点。
四十八願・太助──5教科中、250/500点。
僕──5教科中、450/500点。
「ええええええええ!? なんでお前らそんなに点数良いんだ!?」
太助が絶叫する。
僕と雪人はお互いに顔を見合って、再び太助の方向を見て云う。
「なんでって」
「実力?」
それしかないだろうに。
「う、嘘だっ!! 絶対に採点ミスだ!!」
太助が僕達に難癖を付けてくる。
どうしたものか。雪人も太助の扱いをどうしようか考えている。
ぎゃーぎゃーと喚く太助。黙らせる為の方法は何かないものか。
んー、と悩むが中々良い考えが浮かばない。
こうなったら。
「もう、ねじ切るしか……」
「なにを!? オレの何をねじ切るの!?」
太助が股間を押えながら声を荒げる。
なんだ、分かっているじゃないか。
「……俺達の解答をお互いに照らし合わせればいいだろう」
黙っていた雪人が口を開く。
「いいね」
「よし、それで行こう!」
股間を押さえて意気揚々と同意する太助。
格好悪いなぁ、もう。
*****
「順番は?」
僕の質問に雪人が答える。
「数学・国語・英語・社会・理科・総合評価でいいだろう」
「そうだなぁ」
太助が雪人の提案に同意する。
僕も特に異論はない。
「んじゃあ、オレの間違ってる所を見ようぜ!」
「……お前の解答用紙、ペケだらけなんだけど……」
「一部でいいんじゃない? 1~2問程度で」
「だなぁ。全部確認するのもメンドイしな!」
僕の提案に太助が同意の声を上げる。
「じゃあ、確認しようか」
~~~~~
【数学問題】
問題1・次の問いに答えよ。
1+1=?
【空・雪人の解答】── 正解。
1+1=2
【先生のコメント】
正解です。ここはサービス問題なので、皆さん正解している事でしょうね。
「ここは当然合ってるだろう!? 算数以下だぞこれ!?」
「お前の中での常識をオレに押し付けるな!!」
「ここで使う言葉じゃないね」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
1+1=田
【先生のコメント】
まさか間違える生徒が居るなんて、夢にも思いませんでした。一度小学校に戻った方が良いのかも知れません。
「お前バカだろう!? バカだな!?」
「うるせぇー!! バカバカ云うなー!!」
「まるきゅー! まるきゅー!」
「お前もウゼェよ!?」
【僕の解答】── 正解。
1+1=2+2-3×4-2+1-2+13=2
【先生のコメント】
正解……ですけど……もっと簡潔に書きましょうね?
「お前もバカだろう……」
「なにおう! 失敬な!」
「あれ? オレの計算だと、答え3になるんだけど?」
「真性か! 太助は真性のバカか!」
「てめぇ! オレのどこがバカだ!」
「自覚が無い所じゃない?」
問題12・次の問題を証明せよ。
a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)
【空・雪人の解答】── 正解。
右辺=(a^3+3a^2b+3ab^2+b^3)-3a^2b-3ab^2=a^3+b^3
よって a^3+b^3=(a+b)^3-3ab(a+b)
【先生のコメント】
正解です。きちんと予習復習をしているのがみて取れます。この調子でこれからも頑張りましょう。
「これって中学一年生の問題じゃない気がするんだが……」
「だ、だよなぁ。間違えても仕方ないよな!」
「必死で言い訳を探しているね」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
佐辺=1^3+ab-3a+2c+b^3
よって 合ってる。
【先生のコメント】
先生には何が"よって"なのか分かりません。ですが、必死で考えたと云う点は褒められます。それと、漢字は正しく覚えましょう。
「お前にしては、頑張ったんじゃないか?」
「だ、だろぉ? オレはやれば出来るんだよ!」
「漢字間違ってるけどね!」
「うるせぇ!」
【僕の解答】── 不正解。
これ暗記してます。たしか、証明できます。
【先生のコメント】
暗記しているのは結構ですが、計算の過程を書きましょう。
「お前もオレと同じように間違えてんじゃねーか!」
「僕は書かなかったんだ! 分からなかった貴様と一緒にするな!」
「どちらにしろ、不正解だろ……」
~~~~~
【国語問題】
問題3・次のひらがなを漢字にせよ。
せんよう。
【空・雪人の解答】── 正解。
専用。
【先生のコメント】
正解です。専の文字に点を付け足す人が多い中、よくできました。
「ま、当然だな」
「そのどや顔がムカツク」
「あ、本当だ」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
シャア。
【先生のコメント】
先生はあまりアニメとか漫画は知らないので、どう言葉を返していいのか迷っています。取り敢えず、漢字を書いてくださいね。
「別に3倍じゃねーだろ!? 赤くもねーし!?」
「専用と云ったらシャアしか浮かばないんだよ!!」
「あ。僕、ここ合ってる~」
最終問題・先生に対しての告白の言葉を書きなさい。
【空・雪人の解答】── 不正解。
質問の意図が分かりません。
【先生のコメント】
先生だって女です。
「俺は未だに、この問題は意味が分からない」
「みよちゃんってば、結婚出来ないの気にしてんだなぁ……」
「もう三十路だっけ?」
「俺が気になるのは、女子はどう答えたんだろうな……これ」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
ヤらせて。
【先生のコメント】
あまりの直接的な言葉に絶句しました。先生だって乙女なので、オブラートに包んだ表現にして欲しかったです。
「お前はホントにバカだな!!」
「容姿は良いんだから仕方ないじゃん!?」
「身長150センチで童顔の合法ロリだもんね」
【僕の解答】── 正解。
僕の物になれ。お前は僕の女だ。
【先生のコメント】
年上の女性をどう思いますか? 先生は年下の男性は魅力的だと思っています。期待しても……いい?
「ちょっとみよちゃん先生とホテルに行ってくる」
「こらぁ!! 速攻で宮川先生のところに行こうとするな!!」
「落ち着け! 過程を飛び抜かし過ぎだ!! 先ずはデートだ!!」
「そーゆー問題じゃない!! ……って、だから行こうとするなぁ!!!」
~~~~~
【英語問題】
問題6・次の文章を英文にしなさい。
私は午後3時に友人と駅で待ち合わせをした。
【空・雪人の解答】── 正解。
I met the friend at the station at 3:00PM.
【先生のコメント】
正解です。ここは特別に3o'clockでも正解にしています。
「よく分かるな、外国語なんて……」
「結構簡単だろ? この程度なら」
「まるで翻訳したみたいだね」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
I am 3o'clocks friend is station.
【先生のコメント】
無理矢理に訳すると、『私は3時で友達は駅です』となるんでしょうか? ……どんな状況ですか。
「人間辞めたな」
「仕方ないだろ!? 分かんねーんだから!!」
「だよねー仕方ないよねー」
【僕の解答】── 不正解。
watashiha gogo 3jini yujinto ekide matiawasewo the under.
【先生のコメント】
単純にローマ字にしただけ……違う!? 最後だけ英語だ!? 何故に"した"だけ英語!? ……どっちにしろ間違っていますが。
「本当に何故最後だけ英語なんだ……」
「だって、壁の張り紙に書いてあったから……」
「あー、あるある。オレもよくする」
~~~~~
【社会問題】
問題5・「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう 『 』」
これは、とある戦国武将を表しているとされる歌です。『 』の中に適する言葉を入れ、その戦国武将は誰かを書きなさい。
【空・雪人の解答】── 正解。
歌:「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」
誰:豊臣秀吉
【先生のコメント】
正解です。恐らくこれを間違う事は滅多に無い様な、簡単な問題ですね。織田信長や徳川家康のも覚えておきましょう。
「これって後世で作られた創作歌らしいな」
「え!? マジで!?」
「無駄な知識だね」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
歌:「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう 我が嫁よ」
誰:オレ
【先生のコメント】
君には彼女すら居なかったと思うのですが? あと、言葉は自重しましょう。それと、君は一体何歳だ。長寿にも程があります。
「なんで先生がオレの恋愛事情を知っているんだ!?」
「俺は、お前がためらいもなくこれを書いたことに恐怖を感じる」
「エロゲ脳だね」
【僕の解答】── 正解。
歌:「声を殺すな 聴かせろよお前の声 ここがいいんだろ?」
誰:小早川先生
【先生のコメント】
原型がないと云う以前に、貴様か!? あの時の盗聴テープを私の靴箱に入れていたのは!? この問題は正解にしてやるから誰にも云うなよ!!
「脅迫じゃねーか!?」
「くっくっくっ、頭脳プレイと呼びたまえ」
「コバさん、不倫してんのかぁ……」
問題32・黒船が浦賀に来航した時の記述である。次の( )に適する言葉を記入せよ。
( )に浦賀に来航した( )は( )を迫った。※最初の( )は年代です。
【空・雪人の解答】── 正解。
(1853年)に浦賀に来航した(ペリー)は(開国)を迫った。
【先生のコメント】
正解です。来航した際の黒船は、帆船では無く蒸気機関船だということも覚えておきましょう。
「ここは中々思い出せなかった」
「難しいよな、歴史って」
「だにゃー」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
(嘉永6年6月3日)に浦賀に来航した(マシュー・ペリー)は(元カノに交際)を迫った。
【先生のコメント】
逆に凄いとしか云えません。ただ、ペリーの元彼女が日本人だという事実にびっくりです。
「なんで難しい方の年代書けんだよ……ペリー、本名だし……」
「何をしに来たのかは覚えてなかったんだよ」
「あーわかるわかる」
【僕の解答】── 正解。
(3-CのH.Aさん)に浦賀に来航したとホテルに到着した(小早川光行)は(ベッドの上で関係)を迫った。
【先生のコメント】
勘弁して下さい。
「……ブラックストマック………」
「くっくっくっ」
「……中学生と……コバさん、サイテーじゃんか……」
~~~~~
【理科問題】
問題2・実験で使う器具をなんでもいいので一つ書きなさい。
【空・雪人の解答】── 正解。
試験管フラスコ。
【先生のコメント】
正解です。他にも沢山実験で使用する器具はありますので、間違わない様にしてください。
「定番だよな?」
「そうだな」
「そうだね」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
ニトログリセリン。
【先生のコメント】
それは器具ではなく材料です。因みに中学の実験で使う事はありません。
「定番だよな?」
「脳に病気でも患ってんのか?」
「ニトロはない」
【僕の解答】── 不正解。
人間。
【先生のコメント】
恐ろしいです。
「定番だよね?」
「俺はお前と云う人物が分からなくなってきた……」
「普通にこえーよ」
問題17・音の速さを書きなさい。
【空・雪人の解答】── 正解。
340m/s
【先生のコメント】
正解です。具体的には344m/sですが、授業では約340m/sと教えたので正解です。
「あー、そうなんだ」
「オレは知ってたぜ!」
「知っているのに間違えた太助の答えに期待」
【四十八願・太助の解答】── 不正解。
344s/m
【先生のコメント】
単位の間違えには気をつけましょう。
「期待させてこれか!? なんて平凡なんだ! 僕はがっかりだよ!」
「…………」
「太助、おーい、生きてるかー?」
【僕の解答】── 正解。
音の速さ。
【先生のコメント】
ある意味正解です。"音の速さ"は書いてますね。
「納得いかねー!!!」
「うわぁ!? 太助が突如として巨大化して街を襲う怪物にっ!!」
「ならねーよ!?」
「お前ら、楽しそうだな……」
~~~~~
【総合評価】
【空・雪人の総合評価】
数学-98点、国語-98点、英語-98点、社会-97点、理科-94点。
総合得点-485点。
【担任のコメント】
非常に成績が優秀です。遅刻もなく、校則も遵守しているようでなによりです。これからも優等生として相応しい態度で学校生活を過ごして下さい。
「俺、担任嫌いなんだよなぁ」
「あー、オレも」
「僕はそうでもない」
【四十八願・太助の総合評価】
数学-50点、国語-50点、英語-50点、社会-50点、理科-50点。
総合得点-250点。
【担任のコメント】
もう少し頑張ったらどうでしょうか。成績もあまりよろしくないですし、性格にも難ありです。素行も良いとは言えませんね。このままでは、将来きっと苦労するでしょうね。
「すんげームカツク」
「ああ、これはムカツクな」
「ほほぅ」
【僕の総合評価】
数学-95点、国語-95点、英語-79点、社会-92点、理科-89点。
総合得点-450点。
【担任のコメント】
お願いします許して下さい何でもします何でもやりますだからどうかお許しくださいもう私は限界です私が悪いのだと認めます認めますからお願いだからもう私に関わるのをやめて下さいもう貴方には何も云いません手も足も口もだしませんからどうか私を解放してくださいお願いしますお願いしますお願いしますお金なら差し上げます労働だってします無休で働きますですので何卒私を解放して下さい生意気な私が全て悪かったです浅慮な私が全て悪かったです調子に乗っていました図に乗っていました全部全部反省しますだからどうか許して下さい助けてくださいお願いします………。
「だからこえーよ!?」
「今気付いたんだが、これ大抵教師の弱みを握ってないか? 不自然な正解が多い気がする……」
「気にしちゃ負けだよ」
これが僕達の日常である。まる。
*****
「とまぁ、こんなもんだよ」
語り終えて一息吐く。
ああ、そう云えばアイツ等は元気にしているだろうかと、ふと思った。
懐かしさに目を細める僕。
その後も色々あったものだ。当時は中学一年生で、まだまだ尻の青い小僧だった僕達。そんな僕達も進級するに従って先輩というものの責任というか役目を意識し始めたのだ。
我ながら立派な先輩だったと思う。
何故か後輩諸君には敬遠されていたが。
「なんというか、その……」
「ううむぅ……」
過去の思い出に意識を飛ばしていた僕は、メアとジジの唸り声の様な戸惑いの声の様なものに意識を現在に戻した。
「ん? な~に?」
そんな二人に尋ねてみる。
「なんというかお主……」
「……さり気なく、怖いですね……」
「ええ~? まさか~」
不本意ながら元の世界でも云われたなぁ、それ。
僕はこんなにも優しい品行方正な好青年だというのに。
「なんというか、前々から思うておったが」
「うい?」
「……お主、底が知れんのぅ」
射抜くような視線を僕に突き刺してジジが云う。
そんなに睨まれたら、なんだか僕、興奮しちゃう。あふん。
快感に身をぷるぷるさせている僕を見て、ジジが嘆息する。
「まぁ、いまは良いか。ワシは昼寝に戻るわぃ」
そう云って、日の当たる場所に移動したジジ。
「……じゃあ、私も」
メアも、手にしている魔道書を再び読み始めた。
「ふむ」
再び穏やかな空間が展開される。
さて、僕はどうしようか。
これから何をしようか考えていたら、不意に睡魔が襲ってきた。
僕の意識は瞬く間にその睡魔に呑み込まれた。
ぐう。
*****
僕が目を覚ました時、毛布が掛けてあった。
おそらく、メアが掛けてくれたのだろう。
メアの優しさに、自然と口元が緩む。
本当に、良い娘だなぁ。
僕はそんな思いを心に浮かべて、再び夢の中に旅立った。
願わくば、メアとえっちぃことしている夢が見れますように。ぐぅ。
「やめてください」
残念だが、眠っている僕には聴こえない。夢は自由に見るものさ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
痕餓鬼
やっちゃった!てへっ★
なんだか巷で流行っているので便乗してみました。バカテスは作者も大好きです。あのクオリティーは凄い。
しかし、もう二度としません。作者は勉強嫌いなのです。もしかしたら作品内の答え間違っているかもしれません。その際は「おい!間違ってんぞ、この低脳!」とでも言ってやってください。
なんというか、無駄に長くなりました。反省。次回は短くしようと思っていますが、如何せん文章が書けない状態に陥りました。これがアラレちゃんか……。
ネタはあるけど書けない状態ってきついね!
▼毎度おなじみ、感謝感激でござい~。
>訂正します。
>コイツ、へ(略)とかそれ以前にアホやーーっ!!
へ?へ、へ、ヘルニア?主人公はヘルニアからアホに進化した!
>ふんどしーーは、グルグルの作者、衛藤ヒロユキさんが昔、ドラクエ4コマでやっていたネタです。
>ええ、私はおじさんです。
>そのせいか「にぱー」がわからない。
>調べてまで知ろうと思わないので、そのまま放置してますが。
ドラクエ4コマですかー。ドラクエ4コマは柴田亜美先生のしか読んだことなかったので知りませんでした。
因みに「にぱー」は『ひぐらしのなく頃に』に出てくるキャラの誰かが使っているのです。詳しくは作者も知りません。なんか気に入ったので使ってみただけなのですー。あうー。
貴方がおじさんなら、作者もおじさんですかねぇ。どうせなら、仮面ライダーに出てくるおやっさんを目指したいものです。
追記:『ひぐらしがなく頃に』には気をつけましょう。地獄が待っています。
>スキマ送りじゃなくて良かったねwww
寧ろ作者が会いたいです。ゆかりん可愛い!少女臭最高!
そんなこんなで一度隙間に飛び込んでみたいですねー。スキマ送りってどんなものか体験してみたいです。
スキマ送りから始まるラブストーリー。やってみてぇ……。
>これは良作ですね。
>ネタが面白くて吹きましたw
>次回の更新も楽しみにしています。
お褒め頂き光栄です。ありがとうございます。
続きにはあまり期待しない方がいいですよー。
作者ってば、簡単に期待を裏切りますので。