俺と鬼と賽の河原と。
「お出かけですか?」
玄関にて、藍音は俺に聞いた。
「ん、ああ」
俺は、振り向くことなく頷く。
手には、鉄塊。
既に、刃すら取り繕うことのない分厚い、人一人分程の長方形の塊。
今回は今までとは違う、攻城戦に近い戦いになるだろう。
だから、多人数を力任せに吹き飛ばせる物が欲しかった。
「ちょっと、野次馬にな」
それに申し訳程度に付けられた柄を持って、肩に担ぐ。
「……夕飯までには帰ってきてくださいね」
俺は振り向いて藍音を見ると、苦笑した。
「そんなに掛からねーよ。ああ、掛からんとも」
そうして、俺は扉を開く。
「行ってらっしゃいませ」
おお良い天気だ。
冬の寒空に、痛々しく光る太陽が昇っていた。
其の九十一 俺と最高潮。
―PM1:00―
数珠家の本拠は、屋敷というよりもまるで城。
だが、まるでそこだけ戦国にでも戻ったかのように見えるのは、張り詰めた空気のせいだろう。
そんな城の内部、本丸に建てられた天守、その最上階の畳の上、そこに玲衣子と李知は座らされている。
「何やら天狗がいたようですが、連れてこられたようでなにより」
人形に連れて行かれてすぐに、数珠家の実質の最高権力者たる愛沙は二人を見てそう言って見せた。
喜ぶでもなく、悲しむでもなく、感情のこもらぬ瞳で。
「人質、ですか」
絞り出すように、玲衣子は呟いた。
愛沙は、その言葉に、満足げに肯き、答える。
「その通り。力では閻魔に敵わない故に。最初に大きく出て、ギリギリの妥協案を出す」
「そういうこと……」
思わず李知はぎりと奥歯を噛んだ。
表には出さなかったが、玲衣子も同じ心境である。
こうも簡単に捕われてしまうとは。
そう、人形が来て、玲衣子も李知も抵抗すらままならず、連れ去られた。
「悔しげなのが見て取れるけれども。私の創った人形なのだから」
当然だ、とでも言うように愛沙は二人を見下ろしてから、後ろを向く。
そして、畳を軋ませながら、簾の掛けられた、段差の向こうに去って行った。
きっと、あの簾の向こうに当主が存在するのだろう。
簾の向こうにはぼやけた人影しか見ることはかなわないが、しかし、それでも愛沙を含み、二人の人影が見て取れた。
もうそちらから何か言ってくることはなく、李知も悔しげに顔を伏せるだけで何も言おうとはしない。
それを見て、玲衣子は覚悟を決めた。
ここを生きて出られないかもしれない。
そして、心に刻む。
李知だけでも、逃がさなければならないと。
多分、閻魔は要求を呑まない、否、呑めないだろう。
今になって日和ったなどと言われているが、本質は変わっていない。
公平にして平等な閻魔王は未だ不変。
だからこそ、苦しみ、悩んで、奥歯を噛み締め、そして切り捨てるだろう。
家族だからと言って政治に特別を認めるほど、閻魔王は甘くない。
彼女は政治に対して、真摯で、本気であり、苛烈だ。
そうでもなければ、この地獄はそう長く続いていない。
それが愛沙に分らぬ以上、この取引は失敗する。
閻魔にとって人質は意味をなさず、そして玲衣子と李知は用済みとなり、殺されるだろう。
だが、一人が捨て身で、そして、もう一人が身体能力の高い李知ならば、一人だけでも逃げ切れる。
――私は十分生きた。せめて、あの子だけでも。
人知れず玲衣子は、その手を握りしめた。
―PM1:30―
閻魔は自らの執務室で、ただひたすら待っていた。
自分は執政者である。
故にこそ、公平にして平等でなければならない。
そして、私情で人に罪を被せてはならない。
最後に、不確かなことで人を貶めてはならない。
だから、待つ必要があった。
「閻魔様」
椅子に座る閻魔に、声が掛かる。
若い女性の職員だ。
「確認されました。人形です」
その言葉に、閻魔は立ち上がった。
やはりか、と一つ溜息を吐く。
数珠家の彼らは彼女にとって娘息子の様なものだ。
例え代が変わってしばらくすればほとんどの関係はなくなるとはいえども一般から比べれば、閻魔に近しい者だった。
だから、思いとどまってくれる可能性も考えていた。
だが、現実はこれだ。
「分かりました。では、現地に対策本部を立てます。準備は万端でしょうね?」
遂に裏が取れてしまった。
確信はあったとも言って問題ないが、今度こそ物理的に確認できてしまった。
閻魔は、今一度溜息を吐いて、表情を引き締めた。
「滞りなく」
簡潔に示された言葉に、閻魔は歩き出すことで答える。
「では、行きます。現時点を以って数珠家は一家郎党全て捕縛対象となります」
確認が取れた以上は。
平等で、公平に罪を暴き――、
「一人も逃がさず捕らえなさい。地獄の鬼の名にかけて」
――裁かねばならない。
―PM1:45―
対策本部が設営される様をよそに、一人の男が、数珠家の城壁の内へと入りこんでいた。
「おーおー、淀んでんなぁ」
緊張感もなく男は庭園を無作法に歩く。
「息がし難くていやになるね」
男は隠そうともせず嫌悪感を明らかにした。
空気が淀んでいる。
まるで、怨念が澱となって沈澱しているかのようだった。
「まあ、人形なんて創ってりゃ当然か。魂抜いて魄だけ残す。やってることはキョウシとまったく変わらねえ」
キョウシ、現代風に言うならキョンシーか。
数珠家の戦闘用の人形は、あれとしていることは変わらない。
精神とエネルギーの塊が、魂魄。それにおいて精神的な部分を象徴する魂を外して精製するのだ。
当然、その有り様は不自然。周りに不快感を撒き散らす。
「ああ、いるねわらわらと。統一で黒尽くめとか、ゴキブリかっつの。まあ、俺も人んこと言えねーんだけどもさ」
男の前には、その不快感の元凶が、まるで二桁で利かない程に溢れかえっている。
男はその手の鉄塊を振り上げた。
「人形遊びって年でもねーんだ。要らねえ玩具は砕いて捨てるぜ!?」
―PM2:00―
「設営完了しました。それと、人員も全て配備完了」
部下の一人が、その場で立てられたテントにも似た対策本部で、一人椅子に座る閻魔に声を掛けた。
全ての準備が終わった。
それは、
「後は、閻魔様の命令だけです」
そういうことだ。
命令一つで鬼達が動き出す。
戦争が始まる。
そんな重たい事実に、心中でこうなってしまった事実を嘆きつつ、閻魔は口を開いた。
「分かりました。では、この私が命じます――」
しかし、その言葉は途中で遮られる。
「閻魔様っ!!」
一人の男が堰切って本部へと駆け込んだのだ。
「どうしました?」
怪訝そうに聞いた閻魔に、若い男の鬼は、息を切らしながらそれを伝えた。
「天守から数珠愛沙が姿を現しましたっ! 要求を主張しておりますっ!!」
「愛沙が? 何故……」
余計にそれを閻魔は不審に思う。
武力行使に出た以上、戦って決着を付けるほか無い。
閻魔に交渉はできないのだから。
それでもそうするのは、最後通告のつもりか。
しかし、閻魔は次の言葉でそうではないことを知る。
「人質ですっ、奴ら、玲衣子様と李知様を人質にとっているのです!」
「なんですって……?」
閻魔は驚愕に目を見開きながら席を立った。
やられた。
そんな思いが胸中に渦巻く。
鬼の警備を付けてもいたが、こうもあっさり突破されるとは。
それとも、二人は愛沙にとって娘とも言える存在故、そう酷いことはしないだろうと甘く見ていたのか。
閻魔は臍を噛む。
自分のミスだ。
「歩きながら、状況を報告しなさい」
彼女は、動揺した心を押し隠し、本部の外へ出た。
果たしてどんな要求が飛び出すのか。
部下から報告を受けながら歩いていると、次第に拡大された愛沙の言葉が聞こえてきた。
上を見上げると、数珠愛沙が天守から姿を現し、李知に黒光りする拳銃を突きつけているのが見えた。
すぐ隣には、同じく愛沙の部下に銃を突きつけられている玲衣子もだ。
「もう一度言葉に。我々の要求は、一つ、我々の人体創造の一切を罪に問わぬこと。二つ、最高運営会議に我々数珠家から数人参加させること。三つ、地獄運営は我々の活動を支援すること」
そういうことか。と閻魔は得心した。
確かに絶妙な案だ。
玲衣子などは結婚する前は、要職についてその腕を奮っていた。
そんな彼女を慕うものは少なくない。
李知もまたその娘として、実直な性格と共に知られている。
彼女等を失うなら、要求を呑んだ方がいいかもしれない。
そんな要求なのだ。
一つ目の要求は、要は何もしないだけで済む。
二つ目の要求は、今まで一切政治に関わってこなかった、否、関わらせなかった数珠家の人間が出てきたとしても、会議の人数の半分以下だ。
閻魔にとって代わって好き放題やることはできないし、それに数珠家とて暴君になりたい訳ではない。
心から地獄の繁栄を願っているからして、人体創造以外に関しては本気で取り組んでくれることだろう。
三つ目は、大したことではない、一つの組織を支援する程度の余裕はある。
「譲歩したように、見せる。そういうことですか……」
それらと、玲衣子と李知の重さ。どちらが重いか。
家族のように接してきた分も愛沙は加味しているのだろう。
普通の人間だったら、呑む。呑んでしまう。
しかし、
「……それを呑む訳にはいきません」
ぎり、と奥歯を噛み締めるように閻魔は言った。
そう、己は閻魔だ。あらゆる魂に平等でなければならない。
ただでさえ、多めに見てきたのだ。これ以上罪を許すわけにはいかない。許せるわけがない。
これ以上自分の我侭で灰色の状態を保つ訳にはいかない。
悔しい、悔しいが、それでもやらねばならないのが自分の立場だ。
「灰色でもいい立場なら良かったのですが」
心から、閻魔はそう呟いた。
「これが私の仕事です。白か黒か、ここではっきりさせましょう」
できることなら奇跡が起こればいい、と祈りながら。
―PM1:50―
「雁首揃えてぞろぞろとぉ!」
男の蹴りが炸裂し、人形の首から上が空に舞い。
「邪魔臭え!」
振られた鉄塊を腹に受け、くの字に折れ曲がり、団体で吹き飛んでいく。
地形を帰る勢いで、暴風雨の如く、男は突き進んでいた。
石垣は無惨に砕かれ、城壁は意味をなさず。
城内に入れば柱を砕き、壁を壊し、床を抉る。
そして、人形を多数吹き飛ばし、天守の最上階を目指し始めた頃、状況が変わり始めた。
遂に、人形以外の者が男に立ちふさがったのだ。
まるで歴戦の騎士の様な男。
「人形では話にならない、か」
優男然としていながら、身にまとった空気はまるで荒々しく。
ウェーブの掛かった短い黒髪が、一度、揺れた。
「いいだろう、この自分が相手に――」
「邪魔くせえっつってんだろうがあっ!!」
「なばッ!!」
優男の顔に、拳がめり込み、その端整な顔が一瞬歪んで、回転錐揉みしながら吹き飛んだ。
そんなことを気にも留めず、男は集まって来た人間たちに向かって、咆える。
「はっはぁ!! 死にたい奴から前に出て来い! 地獄で死ぬのも乙なもんだろっ!?」
男の脳裏で、何かが嵌る。
がちりがちりと音を立て、歯車が回るように。
男は獰猛に、犬歯をむき出しにして微笑んだ。
「くっ、かか! 最近めっきり俺らしくなかったね。何か起こるたびにうじうじしてるのはなんか駄目だ。娘にも迷うななんて言われちまったし――」
人をやめて創り変えられた脳の奥。
こめかみのすぐ後ろが火花を散らす。
「今日の俺は、終始全力っ、最高潮だッ!!」
まるで玩具のように吹き飛ばされる人間たちに、それを目撃した数珠家の一人は、諦めたように笑ってこう呟いた。
「……まるで喜劇だ」
―PM2:05―
先程からずっと、階下が騒がしい。
「下が騒がしい、何事で?」
李知に銃を突き付けたまま、たった今後ろに控えた部下に向かって、愛沙は背中越しに語りかけた。
部下は苦虫を噛み潰したような表情でそれを返す。
「侵入者です」
李知は、隣で繰り広げられる会話に、思わず疑問符を浮かべた。
――侵入者……? 一体誰が。
この城の警備は万全だ。
人形は強い。並みの鬼では太刀打ちできぬほどに。
「侵入者? 何者で? それと、人形はどうしているので」
愛沙に聞かれ、非常に言いにくそうに部下は返した。
「それが……、わかりません。どの報告も的を射ず……。ただ、外見的特徴からして、天狗だと」
――もしかして。薬師、あいつか?
李知にとって、地獄にいる天狗の知り合いなど一人しかいない。
李知の心に、希望が見える。
「天狗。地獄運営の人間ではないので?」
「そのようです。組織的行動なら単騎で突入などという自殺行為はしますまい」
「なら、捨て起きなさい。天狗ごとき、人形が殺すので」
「は……」
「不服が?」
「いえ」
普段であれば、愛沙の判断は妥当だ。
下の敵より、目の前の閻魔の方が、強敵。
最大戦力の人形に任せ、閻魔に集中する方が、妥当。
何せ、人形は並みの妖怪を駆逐する。
対抗できるのは酒呑や鬼兵衛、閻魔など、隔絶した大妖怪だけだ。
それこそが、彼女の間違い。
「閻魔、返答を」
彼女は返答を急いだ。
そう言った彼女の下では、並みではない隔絶した大妖怪が、赴くままに大暴れしていたことに気付かずに。
『お断りします。そのようなことができるほど、閻魔の立場は甘くありません』
拡声器を使った閻魔の言葉が響き、李知ははっとした。
やはりか、と李知は納得する。
閻魔という職業に、特別は有り得ない。
どこまでも哀しく平等でなくてはならない。
それ故に、例え家族を救うためでも、特例を作ることは、できない。
例を作るということは、道を作るということ。
その道には、多くの人間が殺到するだろう。
自分にも特例を寄越せ、と。
ここでもしも要求を呑めば最後、李知や玲衣子が閻魔にとっての弱点だと露呈してしまう。
そうなれば最後、再び二人はどこかの組織に攫われ、今日の焼き増しが行われる。
権力者は、弱点があってはならないのだ。
「そうですか」
一瞬だけ、愛沙は驚いた顔をした。
絶対呑むと思っていたのだろう。
他の人間に任せて研究に没頭していたから。
政治の事を知らない証拠だ。国は、テロリストの要求を呑むことはできやしないのだ。
「では仕方がないので、娘の方を殺します」
遂に来た。
薬師は間に合わない。
李知は心を決めた。
愛沙の銃の引き金にかかった指に、力が籠る。
――死ぬ。死んでしまうな……、これは。
李知は、目を瞑り覚悟を決めた。
――せめて、せめてもう少し。もう少し薬師の傍に居たかったけど。
「言い残すことはありますか?」
何もない、と言おうとして、やめる。
今一度、目を開く。
李知は羽交い絞めにされていながら、銃口を睨みつけた。
「薬師という男に伝えてくれ。好きだった、って」
――言い逃げみたいでずるい気がするが、仕方ないな。
最後に一度、溜息。
――ああ、薬師。今回ばかりは、間に合わないみたいだ――
「何事でっ!?」
どん、と鈍い音。
そして、横からの衝撃。
愛沙が倒れ、李知はその腕から解放された。
思わず愛沙に合わせ、李知も視点を彷徨わせる。
――薬師? じゃない、もしかして……。
それを見た瞬間、思わず口に出していた。
「お母様っ!?」
そう、玲衣子だ。
玲衣子が、彼女を羽交い絞めにしていた男を、投げ飛ばし、愛沙にぶつけたのだ。
「李知、逃げなさい」
―PM2:08―
実を言えば、この瞬間が最も無防備だったのだ。
天守最上階から愛沙が姿を現す時、そこには李知と玲衣子、そして愛沙と一人の男しか居ない。
この隙を突けば、李知は屋根から逃げられる。
「李知、逃げなさい」
昔、齧った程度の護身術だ。人形には全く通用しない。
しかし、緊張し視野狭窄に陥った人間ならば。
心理の隙を突けば、投げ飛ばすことは不可能ではなかった。
「なるほど、貴方から死にたいので」
愛沙の銃が玲衣子の額に突きつけられる。
玲衣子はその銃を駄目もとで奪い取ろうかと考えて、やめた。
愛沙はてんで素人に見えるが、その身体能力は悠に人間のそれを越えている。
何かするよりも、愛沙が引き金を引き切る方が速い。
「よろしい、死に逝く者の願いを聞きとめるのも、勤めであるので」
遂に、黒光りする銃口が牙を剥く。
もし現世だったら、死んであの人に会いに行けただろうか。
そんなことを玲衣子は心の隅で考えた。
そんな考えを今更だ、と切って捨てる。
これから自分は消えるのみ。
消滅し、何一つ残らない。
「お母様っ!!」
李知は未だ戸惑っている。
そこから、李知は無事に逃げだせるだろうか。
閻魔は泣かないだろうか。
そして。
たった一人の友人は、どうするだろうか。
「では、さようなら」
次第に押し込まれていく引き金。
永遠に引き延ばされる時間。
――しかし、響いたのは銃声ではなく。
明らかに場違いな、落ち着いた声だった。
「九天応元雷声普化天尊」
雷帝を呼ぶ男の声で、愛沙がはっと当たりを見渡した。
「風天風伯八首龍。風雨風雷晴嵐神風」
前にも、後ろにも、横にだってそれは居ない。
「古今東西森羅万象」
それは上に居た。
黒い羽根を揺らめかし、笑っていた。
轟、と風が巻きあがる。
そして、咆えた。
「万事一切風任せッ!!」
雲一つないのに、雷鳴が響く。
屋根があるのに、雨が降る。
――どこにだって、風が吹く。
「真冬の昼に、天狗推参」
勝手気ままに風が吹き渡っていた。
―――
なんかアレなところですが、いったん切れます。
一話で終わるとか言ってすみません。
すまん、ありゃ嘘だった。
次回、色々飛び出します。新キャラとか。
今回は色々と実験してみた感があります。
一キャラ一キャラの場面を短くして、全体で場面展開してみたり。
たまに見かける手法ですが、自分でやるのは初めてだったりします。
問題は一人一人の心理描写がし難いことですが、いかがだったでしょうか。
実力不足というものをひしひしと感じていますが、
まあ、勢いだけ楽しんでくれると助かります。
ああ、あとちょっとキャラ紹介というか鉄塊ってなによみたいなのを置いときます。
鉄塊。
厚さ二十センチ、幅四十センチ、長さ二メートルの長方形の武器。
実際名前はついてなくて、通称鉄塊。
まんま金属の塊で、特に術がかかってたりはしない。鉄の塊に柄が付いたもの。
ただ、使ってる金属自体は特殊な金属の合金のため、ひたすら硬くて重い。
リーチが長く、威力も高く、大天狗が振るえば軽くでも大砲並みの威力になる代物で、攻城戦に力を発揮する。
ただ、重量分遅くなってしまうので、薬師はあまり好んで使っていない。
というか、対天狗や、タイマンだと不利になる。
なんだかよくわからない薬師登場時の呪文。
その場のノリと勢いで、恰好よくあらわれるための言葉。ではなく。
雷を呼んで、雨を降らし、風を吹かして自分の陣を形成する技。
これで薬師の能力は当社比三倍。
前回の戦闘とかでも使えよと思うが、天狗用の陣なので、相手が風に適正あると、相手も強化されたり、詠唱が長いから一対一だとその間に攻撃されたりして、やっぱり使いにくい。
では返信。
リーク様
コメント感謝です。
早くも数珠家は終了ですね。
城が崩れたりしないか心配です。
次回はやたらフラグが立ったり補強されたり、何か色々倒壊したりします。
SEVEN様
ずっと薬師のターンっ!
薬師のターンはまだまだ続くようです。
最終的に薬師がおじいちゃんの領域に立たないか、心配な所になって来ましたが。
まあ、ええ、鋭いというか、自分がわかりやすいというか、ええ。当主はね。ええ。
春都様
部屋の隅でガタガタ震えて命乞いをする準備もできてないのに薬師無双入りました。
まあ、薬師が首を突っ込まないなんてことありえませんよねー。
そんなフラグチャンスを見逃すはずが……。
とりあえず、薬師無双はまだまだ続くよ!
奇々怪々様
薬師なら、気付かぬうちに父親になっていてもおかしくない。そういうことですね。
誰と結婚してもおかしくないですから、というか疾く速く結婚しろ。
○○タイムは次回から再開です。
誰もがこんなことになるとは思わなかった、いろんな意味で意外なキャラだと思います。自分も予想してなかったし。
トケー様
大丈夫、多分忘れないと思います。
ロリ当主が居る限り数珠家は不滅です。
まだ出てませんが。薬師はロリ当主とやらの父親になってしまうのかっ!?
戦いの行方? まったく心配してませんが。
Eddie様
人質が失われた時点でアウトですからね。数珠家もうギリギリですよ。
明らかに薬師に掛かれば人質消失マジックですけど。
そうなったが最後、閻魔とか、鬼兵衛とか酒呑とか、チート勢が……。
「お父さん。と呼んでくれてもいいんだよ?」ぶっちゃけ千歳なんだから貫禄あってもいいんですけどねえ?
通りすがり六世様
そこはあえて――。
「両方ください!!」で行くべきだと思います。
ちなみに薬師の事はただの天狗だと思ってるようです。
まあ、大天狗は地獄に来れないことになってるので仕方ないと言えば仕方ないのですが。
最後に。
薬師は十五分くらいであふれかえる人形を始末したのですね。