俺と鬼と賽の河原と。
じゃら男の朝は早い。
というのは全くの迷信である。
そもそもじゃら男の起きる時間帯になどミリとて興味ないのだが、それはともかく。
むしろ、最近に至っては鈴に頼り切り、少し遅くなった起床時間で、じゃら男は身を起こした。
ちなみに、じゃら男が私生活においてどれ程鈴に頼り切っているかというと、朝食の用意に始まり、服は既に用意されている、なんて程の有り様だ。
じゃら男は既に鈴なしでは生きられない駄目人間だし、鈴はその包容力で何でもしちゃう、駄目人間製造機。
果たして、合っているのかいないのか。そんな二人の片割れ、飯塚猛、本名じゃら男はベッドから身を起して、歩き出した。
眠い目を擦り、洗面所へ。まずは顔を洗おう。
そう考えて、じゃら男はおぼつかない足取りで歩き。
「おはよう……、鈴」
じゃら男が見たのは――、
「おい、鈴……? 一体どうしたんだよ」
洗濯機の前にいる少女の、
「……まさか。まさか――」
この世の終わりの様な顔。
「――メモ帳ごと……、洗濯したのか」
その手には、ぐっしょりとしたメモ帳とペンが握られていた。
其の百三十九 じゃらじゃらじゃらりとうっかり洗濯。
「んー、で? あれか、洗濯して使えなくなったメモとペンのおかげで、鈴と意思疎通が取れないってか?」
「そうなんだよセンセイ」
昼、せせらぎ、河原にて。
中々に暑い夏の昼間に、薬師とじゃら男は男二人でむさ苦しく、並んで石を積んでいた。
「そいつは災難と言うしかねーな。ま、帰りにメモ帳とペン買うしかねーだろ」
じゃら男が朝の出来事をかいつまんで説明すると、薬師はそのように言ってのけた。
悲しいことに、洗濯の結果、メモもペンも駄目だったのである。ペンは遠心力でインクが上の方へ行き、使用不能。
そして、不運にも、チラシの裏すら昨日捨てたばかりで使用できない。無論、勤勉でないじゃら男がノートなど持っているはずもない。
メモは乾かせば再利用可かもしれないが、しかし、よれて使いにくいことこの上ないだろう。
「まあ、そうなんだけどよぉ……」
「それともまだ他になんかあんのか?」
「意思疎通自体はまだいいんだけどなぁ……」
「なんだね。お兄さんに言ってみろ」
やる気なさ気な薬師の声に、じゃら男は言いにくそうに返す。
「鈴は強がってるみてぇだけどよ、なんつうか……、アレがねえと、鈴、他と会話出来ねえ訳じゃねえか」
「そーだな」
「だから、他となんつうの? 話したりとか会ったりとか、怖がってるんだと思うんだよな」
鈴は、声が出せない。その理由に関してもまた、長文を書かせるのも憚られてわかっていない。
ただ、わかっているのは声が出ない以上、他者とのコミュニケーションは、件のメモ帳で取るしかないことだ。
それが失われた今、鈴は上手く挨拶も返せない身なのだ。じゃら男は少々イメージが悪くなるくらい知ったこっちゃねえ、と言える身であるが、居候たる鈴はご近所付き合い等、そのあたりを大切にする傾向がある。
しかし、現在彼女のコミュニケーション手段はない。
そうなれば必然、外へ一歩出ることすら、びくびくとしたものになるのではないか。
そう、じゃら男は懸念するが――、
薬師はど派手に溜息を吐いた。
「ちょ、いきなりなんだよセンセイっ」
不躾だ、と抗議の声を上げるじゃら男に、薬師は再び溜息を吐く。
「思いっきり、通じ合ってんじゃねーかよ」
「は、なんのことだよセンセイ?」
わかっていない、と薬師は今一度溜息。
そして、
「李知さんよー、じゃら男、今日は昼で帰るってよー」
と、視線の向こうから歩いて来ていた李知に語りかけるのだった。
「話は聞いていた。その事情では仕方ないな。帰るといい、じゃら男」
「は、ちょ、いきなりなにを……」
「そーだそーだ、帰れ帰れー。お前がいるとじゃらじゃらと鉄くさいんだよ」
「ちょ、鉄くさいってどういうこと――」
「なるほど、お前はもの言えぬ少女を一人家においてきた、と言う訳だな。……最低だ」
「……おまっ、ちが――」
結局丸めこまれ、あの後昼から帰ることになったじゃら男。単純である。
駆け足でコンビニに寄って、可愛らしい柄のメモを購入、そして、ペンも。
そんな感じで、じゃら男は狭い我が家、ちょっとしたアパートに帰って来た訳だが――。
「わりい……、ごめん」
突発的集中豪雨、所謂にわか雨は、購入したばかりの紙製品に、深刻なダメージを与えていた。
あっさりと雨は紙袋に浸透し、メモ帳を濡らしている。なんでこんな時にビニールじゃなくて紙の袋なんだ、と嘆いても遅い。にわか雨だったから傘ももっていなかったのも、悪い。
ただ、鈴は、たった今メモ帳から、廃棄処分予定のゴミとなったそれよりも、じゃら男の顔を見つめて、不思議そうな表情をしながら、首を傾げていた。
じゃら男は、そんな表情を一瞥し、何かがわかったように呟く。
「ああ、朝んこと説明したらよ、皆帰れっつうから、仕事は昼から無くなった」
すると、今度は鈴は悲しげな、申し訳なさそうな顔。
「あ? 気にすんなよ、シフトにゃ余裕があるらしいしよ。俺が最終的に帰ることを決めたワケだしな」
そうしたら、身振り手振りで鈴は何かを説明しようとする。
その様は、今一つ要領を得ないものであったはずなのだが――、
「昼飯? 食ってねえからあまりもんでたのむわ」
じゃら男、読心術でも使えるのか。
「にしても、この雨じゃ、またメモ帳買いに行くっつうのもなぁ……」
じゃら男は玄関でも聞こえる雨音に、呟いた。
未だに雨は降りしきっている。もしかするとにわか雨では終わらないかもしれない。
じゃら男は雫を滴らせたまま、玄関を越えて居間へと向かう。
すると、それに合わせてぱたぱたと駆けだした白髪の少女、鈴が、どこかへ行ったと思ったらすぐに戻ってきて、タオルを投げ渡した。
「サンキュ」
そうして、じゃら男が濡れた頭やらを拭いていると、次々に代えの服が置かれている。
いたれりつくせり、これが駄目人間の根本か。
濡れた気味の悪い服から着替えて、じゃら男は身を投げ出すようにソファに座った。
バイトで貯めた金を使って買った、赤いソファ。
一人で使うには、広くて寂しいものであったが――。
「お? どうしたよ」
鈴が座ればそうでもない。
ぴったりと、じゃら男と寄り添うように座る鈴。
そんな鈴にかけた言葉に、当然返事はない。代わりに、じっとじゃら男の顔を見つめる瞳があるだけだ。
「ま、別にいいんだけどよ」
それっきり、会話は無い。
じゃら男は座ってぼんやりと。鈴は何かの本を読みながら。
「……」
しかし、やることがない。鈴は本を読んでいる。じゃら男はぼんやりとしているだけ。
そろそろ、立ち上がって何かしようか。そう考えた、そんな時。
不意に鈴がじゃら男の肩を叩いた。
「どうしたよ」
聞きながら、鈴の方を向けば、じゃら男が見たのはにこにこと笑う鈴の笑み。
だが、少女とは思えない、妖しげな笑みだった。
そして、突き出される本。
「なっ……、おま、どこでんな本」
背表紙は、きっと鈴の言葉だろう。
その本の題こそ、鈴の声なのだ。
その声は――、
――愛してよろしいですか?
「いや、そのだなぁ……」
どこでそんな本を、とじゃら男は言ったが、そんなの決まっている。薬師だ。
漢字の勉強用に薬師が鈴に本を渡しているのは周知の事実。
どうせ、あの男がにやにやと笑いながら選んだ本に違いない。
そう思い当ると同時、じゃら男は、薬師と鈴にからかわれているのだ、と悟る。
「か、からかったって、何も出ねぇぞ」
すると、鈴はパタパタと走って、別の本を見せる。
そう、答えは本気! と返って来た。
「な、おま、ちょ……」
狼狽するじゃら男。
くすくすと笑う鈴。
そして、今度こそからかわれているのだ、とじゃら男は脱力。
鈴は楽しげに、持っていた本を本棚に戻す。
「はあ……。って、今度はなんだよ」
脱力したじゃら男。終わったか、と思えば次があった。
背に、感触。柔らかい、鈴の指だ。
ソファから降りて、背に回った鈴が、じゃら男の背に指を這わせている。
くすぐったい。が、なにがしたいのかわからないから、じゃら男はそのままでいる。
そして、次第にその動作は意味を帯びて来た。
指の軌跡が、文字を象っている。
「き? よ、う、の、ゆ、う、はん、な、に……、今日の夕飯、なにが食べたい?」
多分そう書きたいのだろうと予測して、呟いたじゃら男の言葉に、我が意を得たりとばかりに、鈴は笑顔を見せる。
「あー……、ハンバーグでも食いてぇなぁ……。昼飯食ったら、出かけるか」
雨は、いつの間にか上がっていた。
ぴったりと、じゃら男と鈴はくっついて歩く。
その距離は、いつもより近い。
やはり怖いのだろう、とじゃら男は考えて、あえて離れたりはしなかった。
「じゃら男と、鈴ちゃんじゃないかい。仲いいね」
「ちわっす、じゃら男じゃなくて、猛なんすけどねっ」
途中近所のおばさんに会って、近所にもじゃら男の方が浸透している現実に絶望を覚えたり、河原で見覚えがある様な、オールバックの金髪の男が花屋でバイトをしていた気がするが、それはともかく。
スーパーに辿りついたじゃら男は、籠を持って、鈴と歩く。
鈴は、今一つ勝手もわからないじゃら男を後目に、次々と、材料を籠に投入していく。
手際は既に、主婦のそれだ。
「って――」
しばらくそれに付き合って、じゃら男はあることに気付く。
「随分と多いじゃねぇか」
別に多いことに怒りを覚えている訳でもなく、量に驚きを持って、鈴に伝える。
「いつもこんくらい買ってんのか?」
鈴は肯いた。当然とでも言うかの如く。
「重くねえの?」
それにも、鈴は首を横に振る。そして、笑って力瘤を作ろうとし、やっぱりそんなものは無い。
「なあ、あのよ……。買い物んときは次も呼べよ」
どう考えたって、やはり重いだろう。どんなに首を横に振って否定しようと、じゃら男には判ってしまう。
そりゃあ、一年近くいるのだ。わからない部分も多々あれど、見えてくる所は見えてくる。
申し訳なさそうな顔をする鈴に、じゃら男はそっぽを向いて言った。
「疲れてる時に悪い、とか気にすんじゃねえって。むしろ、なんだ、あの――、子供扱いすんなよって奴でだな」
上手い言葉が見つからない。じゃら男は、師と慕う人ほど口八丁に手慣れていない。
しかし、鈴はじゃら男の言葉に微笑んだ。
じゃら男が鈴の言いたいことがなんとなくわかるように、鈴もまた、じゃら男の言いたいことはわかる。
「ま、そういうことだからよ」
照れたように鈴の方を見ようとしないじゃら男に、鈴は優しげに微笑みを向けていた。
包み込む様な笑み。
果たして、なにが言いたかったのかは、その笑顔を見ていないじゃら男には、わからなかった。
終始楽しげに、鈴はじゃら男の隣にくっついている。
未だ雫の残る道に、ふたりの足音が響いていた。
メモも買った、ペンも買った。もうこれで明日からコミュニケーションに困ることもないだろう、と、困った訳でもない癖に、じゃら男は安心しながら笑う。
民家が立ち並ぶ住宅街を二人。
そんな中、不意に鈴が走り出す。
「おい、どうしたんだよ」
じゃら男も追いかけて走る。
大きく滑って転びかけたのは、じゃら男の胸の中、だ。
転びかけてやけに激しく動く心臓を鎮めようと息を荒げながら、じゃら男は鈴の横に立ち止まる。
「ん、そいつぁ……」
立ち止まった鈴が指さしていたのは、民家の庭。
そこに咲く、
濡れた紫陽花であった。
「綺麗ぇだな」
鈴は、言葉にせずに肯いた。
ただ、笑顔で紫陽花を見守っている。
「紫陽花かぁ、俺は結構好きだぜ。昔はよく、雨が上がったからってすぐに遊びに行って、よく見たよなぁ」
すると、それを聞いて、鈴はじゃら男を見上げ――、
まるで花のように笑う。
「お前も好きかよ、紫陽花」
――その問いに応えず、鈴はまるで隣の紫陽花のように、笑うだけだった。
きっと、イエスなのだろう、と、じゃら男は勝手に納得した。
紫陽花の花言葉が『ひたむきな愛情』だなどと。
知る由もなし。
―――
ってことで、出すよ出すよ詐欺も程々に、じゃら男です。
あーもう駄目だ、暁御とか言ってないで結婚しなさい。
返信
光龍様
色惚けすぎて、もう、薬師からそんな言葉が放たれたら期待せざるを得ない状況にまで追い込まれたようです。
確実に薬師がそんな意味の親子丼を言うはずはないですが、藁にもすがりたいんじゃないですかね。
玲衣子さんは既に、なるほどそうか、その手があったか、と真面目に検討中なんじゃないかと。
藍音さんは、どこかから母親を拾ってくるor娘を拾うくらいやらかしそうで困る。
あも様
グリーンピースは好きじゃないです。嫌いじゃなくて、好きじゃないというのが微妙なとこ。食えなくもないけれど、好き好んで食べたくはないです。
にぶんちんずは、棚から牡丹餅と言うか。他ががっつきすぎとも言えなくもないんですけどね。尚、別に才能零ってこともないので、愛沙は目下勉強中、メキメキと家事スキルアップ中です。
何もできなかった研究者から、楽しく生きるお母さんに。劇的過ぎてビフォーがアフターで匠の技すぎます。
あと、何故か、閻魔一族は一度に出しやすいという不思議現象。
SEVEN様
薬師がXXX行きになった日には――、死を覚悟します。絶対死ぬ。トラックにはねられて死ぬ。
むしろ、槍が降って貫かれて死ぬか、雹違いで豹が降ってきて死ぬか、確実に地球滅亡です。
ただ、前回中々親子丼が食べられなかったのは、確実に薬師の日頃の行いの悪さだと思います。餌貰ってないからがっついちゃうんです。
そして、十八禁タグはつかないけれど、幼女の下腹部を高鳴らせてる時点で明らかに不健全です。アウトです。
奇々怪々様
池波正太郎読んでたら腹が空く現象。そんなのを目指してみました。自分あんまり好きじゃないのに親子丼食べたいです。
そして、閻魔に飯を作らせたら、鶏の卵でも魔鳥参上ですよ。そして近所迷惑発動、石化祭。
まあ、玲衣子さんについては、親子で好いてる人間に向かって親子丼なんて吐いたら駄目ですよ、という教訓です。薬師は責任を取りなさい。
たかが親子丼、されど親子丼。いつの間にか結婚問題にまで発展する、そんな前回でした。
悪鬼羅刹様
薬師が、つった魚に餌を上げないからこの様なんです。何もかも薬師が悪いんです。
飢えた獣に、肉っぽい何かをぶら下げたら食いつかざるを得ないでしょう。例えそれが肉じゃなくても。
そう、全て薬師の仕業です。薬師が悪いんです。薬師がいなければきっと世界はもっと平和です。
焼畑農業の弊害も、フロンガスが地球に悪いのも、私の財布が氷河期なのも、薬師とゴルゴムの仕業です。
通りすがり六世様
確かに……、薬師がそんなニュアンスのハイカラな親子丼を希望する訳はない。ないけれど――。
期待したい乙女心。……乙女? まあ、そんなこんなできっと乙女心であれなんです。
まあ、薬師が通常のエロゲ主人公ならなら、察して、なし崩しで受け入れて、挟まれて朝チュンと行くものを。流石薬師、信頼を裏切らない。
そして、逆に薬師とレベルが近いからこそ、近距離で触れあえる、愛沙一家。何かの間違いで、ていうかひょんなことで上手く転びそうな気がする。
ヤーサー様
お久しぶり、なのでしょうか。最近日付の感覚がないです。まあそれはともかく、猫李知さんの良さについては同意です。
ブライアンは、なんかしばらく見ない内に花屋のバイトをしてるようですしね、今回的に考えて。エコだよそれは、はなんとなく渾身のネタ。通じる年代と通じない年代がいますが。
あと、なんかキャラ数安定してきたんで、色々やりたくなってきたんですよね。ええ、学校もね、文化祭とかそんな感じの。
暁御は……、なんかもう、沢山だしたら負けかなって……。ウォーリーを探せのウォーリーみたいな何かになってくれれば。
taku様
色惚けたのか、わかっていてガチなのか。どちらにせよ色惚けてますね。薬師菌ですか、y‐ウイルスですか。
ただ、本来中々できないはずの親子丼を二家にわたって可能と言う、薬師には脱帽です。羨ましくなんかないです。
むしろ、このまま一族丸ごとおいしく頂きました、みたいなことになりかねないあたり、薬師怖い。
さて、ショタですか。なんとなくネタが沸いてきたので――、次か、次の次辺りには……。まあそんなこと言って残念なことになった前科持ちなので期待なさらずどうぞ。
志之司 琳様
自宅から書きこめないとは災難ですね。なにが起こったのか予測もつきませんが、復活を祈ります。
ブライアンの話は、劇場版 機動天狗薬師 逆襲のブライアン にすべきだったかと今でも悩んでます。
まあ、結局川に落ちただけですけど。ただ、モラトリアムで不安定な人を川に突き落とすというのは酷いんでないかな薬師さんよ。
前さんは、薬師式ハイパー肩すかしボンバーでした。
怪談の方は、正直女性と肝試しなんて不可、な人々に薬師は謝るべき。そして、もう、柱も怪談も今更ですよね。
アホの子の方は、なんか、niceboatを翻訳にぶっこんだら出て来たのでそのまま使用。初めて見たら吹きました。
ただ、薬師が空気読んだら、全員と結婚しそうな気がします。それはそれで喜ばしいような憎しみたっぷりな様な。
親子丼に関しては、もう、信頼と安全の薬師。百数十話に及ぶ重みが、信頼に繋がってます。あと、多分藍音さんはわかっててからかってる気が。
そして、鶏肉をどうプレイに使うのか。永遠の命題です。
愛沙の所は、精神的に同年齢な所があるから、通じ合うものがあるみたいですね。
あと、憐子さんに関しては、もう、世話されるよりする方と言う刷り込みが。
最後に。
結婚してくれ、頼むから。