ハティは土下座をした。
悪いことをしてしまったと何度も頭を地面にこすりつける。
「そこに隠れてないで出てくるのだロア」
金髪の男、彼がロア・ルオーラ。彼もまたセレナに頭を下げた。
「俺の部下が迷惑をかけてすまなかった。部下の罪は俺の罪だ。
王として償わせてくれ」
「あ、良いんです。ほら、こっちも対応があれだったんで…謝礼と
言っては難ですがこちらに武力行使を行わないという約束を
躱しませんか?」
その約束をロアは受け入れた。話がちゃんと通じる。おおらかで
王としての器は十分だ。
「人間の王、否セレナ・サングリア。頑張れよ」
「…はい!」
「じゃあ私はもう帰るのだ」
メリアが帰る前に彼女を引き留めた。
「従者が欲しいって言ってたでしょう?私からの贈り物」
修道女風のドレスを着た少女人形の名はローズマリー。
「彼女はローズマリーっていうの。大事にしてあげてね」
「うおぉ~!!いいのか!?こ、こいつが私の友達なのか!!これから
よろしくなのだ!!」
「はい、よろしくお願いしますメリア様」
ぎこちない微笑を浮かべたローズマリーを連れてメリアは自身の
住処へ帰って行った。