道草タベルは割とどこにでもいる男子高校生だった。
天涯孤独。唯一無二。四面楚歌。そんなものにはことごとく縁遠い人生を謳歌せし少年だった。
思春期特有の少しイキがりたい気持ちも、己の病的なまでのストイックさからずっと控えめである。……こいつ本当に男子高校生16歳か?
そんな平々凡々をもはや自己流に、あるいは哲学的に極めつつあるようなタベルだったが、何気ない日常のさなか、なんと突然死してしまう!
次に目覚めた時、タベルは学校の保健室のベッドで横になっていた。死んではいなかったのか?
安堵するタベルだったが、ある日、とある罪でエルフの国・アルフヘイムへ強制連行されてしまう事になる。
そこで、自分と似た境遇であるアイルーンという少女の存在。自身がとても稀少な光術の使い手・光のエルフである事実を知り、どうにかして元の世界へ戻る術は無いかともがいていくのだった。
こうして、こよなく愛していた平穏な日常を取り戻すべく、タベルのファンタスティックで気まぐれな非日常が幕を開けたのだった。
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