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No.4090の一覧
[0] Struggle for Supremacy 【MMORPG系、デスゲーム】【更新予定についてのみ】[Dice Dragon](2009/02/01 05:22)
[1] Prologue of First Stage[Dice Dragon](2008/11/01 22:13)
[2] Mission 001 ― The ranch is built ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:17)
[3]  Intermission ― Uneasiness ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:18)
[4] Mission 002 ― Ranch defense ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:19)
[5]  Intermission ― Interrogation ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:20)
[6] Mission 003 ― Searches for whereabouts I ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:20)
[7] Mission 004 ― Searches for whereabouts II ―[Dice Dragon](2008/11/01 22:21)
[8] Epilouge of First Stage[Dice Dragon](2008/11/01 22:22)
[9] Prologue of Second Stage[Dice Dragon](2008/12/04 01:43)
[10] Mission 001 ― It is me that revenge ―[Dice Dragon](2008/12/24 21:40)
[11]  Intermission ― Mine exploration ―[Dice Dragon](2008/12/24 21:41)
[12] Mission 002 ― VS Gate Guardian : Protection Bull ―[Dice Dragon](2009/01/09 05:27)
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[4090]  Intermission ― Interrogation ―
Name: Dice Dragon◆122ca858 ID:a7467134 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/01 22:20



 耕太を前に苦虫を噛み潰したかの如く顔を顰めた自治会上層部の面々が、ホテルのエントランスに集っている。
 牧場の存続を危ぶませたモンスターの襲撃事件から二日。
 とりあえずの謹慎処分を言い渡された耕太と信一郎らに対して行われた事情聴取は終わり、戦闘班長としての責任を明らかなものとするため、今ここに査問の場が開かれている。
 あくまでも耕太に対する査問の場が、だ。
 勿論、交代前に街へと引き上げることとなった信一郎達の行動を訝しみ、詰問した克己によって謹慎処分が言い渡され、彼ら自身の問題行動も認識されている。
 しかし、唯々諾々と克己の指示に従った信一郎が、セルフボウで狩りをしていた際の元チームメンバーに愚痴を零した辺りから、事態は別方向に加速し始めた。
 牧場の襲撃という衝撃的な問題への対応として急遽シフトの組み直しが発表され、状況に振り回されている不満が募り始めていた戦闘班へと、一石を投じてしまう。
 そう、信一郎の様子見に訪れた戦闘班員達は、信一郎の一方的な罵りを真に受け、耕太の行動にこそ問題があるとの主張を声高に戦闘班員へと広めていったのだ。
 これが問題と見なされた。
 耕太と陽子を除いてさえ、七十名という人数を誇る戦闘班は、物理的に最大派閥を形成している。
 その彼らの多くが感情の赴くままに暴発すればどうなるか。
 自治会の上層部は、その危険性を鑑み、自治会を瓦解させないためにも、耕太の喚問を行うしかなかったのである。

「宮間君、もう一度確認しておこう。
 君は自らの言動に間違いがあったことを認めるのだね?」
「はい。ですが、あくまでも叱責のタイミングを間違っていただけだと思っています。
 己の感情を律することができず、ただ流されるままに正論をぶつけてしまったこと。それは戦闘班長の態度として相応しいものだとは、今は思えません。
 ですので、このことについて処分を下されるのに、異議はありません」
「なるほど」

 耕太の言葉が妥当なものであることを確認し、克己は頷いた。
 現状を把握している耕太に、皆も克己同様に納得をみせている。

「では、君の独断的判断が、榊君の行動を阻害し、引いては小杉君の命の危険に繋がったという陳情は事実ではない。
 そう主張していると取って良いのだね?」
「はい、事実ではありません。
 ですが、もし、榊の言動に対して俺が注意したせいで榊が憤って、それが元で小杉を援護できなかったということに問題があるのなら、甚だ不本意ですが、一部は該当するといえるのかもしれません……」

 大学でのレポート発表を思い出しながら、頭の中で自分なりの筋道を立てて話すことに耕太は終始する。

「もう一点、付け加えさせてもらいます。
 レッドインプの危険性は、あの状況で最大のものだったと思いますし、ショートソードで戦いを挑んだことに間違いはなかったと思います。
 この時、小杉と遠藤に援護を頼みましたが、援護が行われることはありませんでした。
 はじめは注意されたことに反抗して、援護しなかったんだと思いました。ですが、その後の反応を見ていて、単純にレッドインプとの戦いに付いていけなかっただけなんだと思い直しました。
 ですので、ただ遠距離からのレベル上げに徹していて、モンスターとの戦いに対する甘さを育ててしまったという意味でも、俺に問題があったのではないかと思っています」
「では、宮間君。
 一種のサボタージュではなかったかという意見は、取り下げるということでいいのだね?
 また、対応できるだけの能力を育てきれなかった点については、自らの責について認めるということでいいのだね?」
「はい」

 耕太と克己の視線が交錯する。

「よろしい。
 ならば、双方において反省すべき点は、多々あるといえるだろう。
 そのため、今後の双方の関係に、ある程度の冷却期間を置くべきだと考える。
 また、戦闘班長としての責務を果たしきれていなかったという別問題について、対処する必要はあると思う。
 以上を鑑み、宮間君には特別任務を単独で果たしてもらうことで、罰に代えたい。
 何か意見のある者はいるだろうか?」

 既に上層部内での意見統一は図られていたのだろう。異議を唱える声は、一つとして上がらない。

「意見はないようだな。
 では、戦闘班長の職については、一時的に副班長の篠田君に移管するものとし、宮間君自身については、動向不明なスタートダッシュ組と接触を持ち、現在の状況を伝えて、可能ならば協力を要請するように取り計らってもらうことを任務としよう。
 始まりの街で見受けられないとの報告が寄せられている以上、フィールドでの探索が主となりかねず、その危険度たるや言うまでもない。
 これは彼にとって、十分以上の罰だといえる」

 視線で再びの同意を尋ねる克己に、会した一堂は頷きで返した。

「そして、榊君達については、数を頼んでの偽証を通すわけにはいかない。とはいえ根底には、彼らの若さに因る部分があるのだろうと考える。
 そこで一週間の謹慎期間を持ち、その間に反省を促すことで様子を見ることとしたい。ただし、改善が見られないようであれば、新たな対策を講じることとする。
 また、これを機に、現在の状況を自治会員に報せておきたいと考えている。告知内容についてはNPC消失の件もあることを踏まえ、午後からの会議で決定することとするので、心に止めておいてもらいたい。
 今回の査問は以上だ。皆、ご苦労だった」

 信一郎達に対する処分に、何人かは不満の色を表情に浮かべている。一歩間違えば耕太を見殺しにしていた彼らへの処分としては、やはり軽いと思えてしまうのだろう。ただ、自治会の存続を考えれば、適当な妥協点というべきなのかもしれないと意見を一致させているに過ぎなかった。
 そして、そんな微妙な雰囲気の中、耕太自身は、信一郎達から解放されることに自分でも気付かぬ内に心を緩ませていた……。




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