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No.27922の一覧
[0] フェリアの大冒険(現実→異世界TS物)[貧乏狸](2012/01/12 01:21)
[1] 1話 幼女は迷子[貧乏狸](2011/05/22 04:49)
[2] 2話 幼女の旅立ち[貧乏狸](2011/05/24 05:38)
[3] 2.5話 モガ君の独白[貧乏狸](2011/05/24 05:30)
[4] 3話 幼女と神話[貧乏狸](2011/06/04 11:03)
[5] 4話 幼女とトリップ[貧乏狸](2011/06/21 20:53)
[6] 5話 幼女と平行世界[貧乏狸](2011/07/21 21:51)
[7] 6話 幼女とDQNトラック[貧乏狸](2011/08/18 21:42)
[8] 7話 幼女とサファリパーク[貧乏狸](2012/01/12 01:24)
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[27922] 4話 幼女とトリップ
Name: 貧乏狸◆b6468db1 ID:b558551f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/06/21 20:53



新潟のホテルにいたはずが、目を覚ませばそこはテレビでしか見たことのない様な樹海の中で。
しかも体は小さくなり性別も男から女へと変質していた。

どこにでもいるようなおっさんが突然このような事態にみまわれて、不安やストレスといったものをまったく感じなかったのか?
答えは否である。

どことも知れない樹海に一人放りだされて、夜は獣の襲撃に怯えながら屋根の無い野ざらしの大地を寝床とし、日のあるうちは先の見えない周辺探索。
本当に人里に生きて辿り着けるのか?

いくら物事をポジティブに捉え、無理矢理テンションを上げていても限界というものがある。
これが、これがあと一人、幼女以外の誰かが一緒にこの樹海にいたのならまた違ったのだろうが・・・。

現実は何時だって残酷で、そこに存在するのは幼女ただ一人。
本人も気がつかないうちに、どんどんと溜まりゆく不安とストレス。

風船は許容量を越えると破裂してしまうが、人の心はどうなのだろうか?
幼女の心の奥底に溜まっていく色々なものが、今まさに許容量を越えて爆発しようという時に幼女とモガ君は出会った。

運命?それとも必然?
始まりは幼女のおせっかいから。

それが一緒に暮らすようになりお互いを支え、支えられ、一方的に甘えるといった関係ではなく対等で。
温もりに餓えていた幼女の心に潤いをもたらし、見慣れつつあった樹海の景色は心の変化を表すように、まるで世界が変わったようにクリアになっていた。

幼女が白黒の動物に依存してしまうのにたいして時間はかからなかった。
なぜかは記すまでもないだろう。
もちろん、表面上はいつもと変わりはなかったのかもしれないが。

いつの間にか家族のように大切な存在になっていたモガ君。
あの樹海のどこかに棲家があっただろうに、それを捨ててまで幼女の旅に付き合ってくれた優しいパンダ。

そんな彼を誤って殺してしまい、病みそうな心を心機一転させてこれからの人生をがんばろうとした所に、毛皮だけを剥ぎ取られた無残な姿のモガ君だった``物``を発見してしまい、幼女の中で何かが弾けた。
死者を冒涜するような行い、それも自分の家族のような存在に行われた蛮行。

許せない!
確かにモガ君を殺してしまい、村人にも犠牲者を出させてしまったのは自分のせいだと頭では理解しているのだが、湧き上がってくるドス黒い感情を抑えることは幼女にはできなかった。
怒り任せに大地を蹴り飛ばし、澄み渡る青空をキッと睨みつけながら幼女は吼える。

「誰だあぁぁぁぁぁぁぁ、モガ君を辱めた者は!!!」




- - -





幼女にブン殴られた商人は、まるで内部に仕掛けられていた爆弾が炸裂したかの様に肉片と血を広場に撒き散らした。
それと同時に殴った張本人である幼女は、まるで始めからそこにいなかったかのように姿を消していた。

突然の出来事。

村の広場に集まっていた住民や商人たちは、始めこそおぞましい光景に情けない悲鳴を漏らしてしまったのだが・・・。
広場に飛び散っていた肉片が人間のものであるピンク交じりの赤色から、薄紫色のゲル状の物に変化していくのに気がついた一人の商人。

「こ・・・これは!」

村人たちも紫色の物体に気がつき驚愕している。

「これはまさか!」


``ヘンゲー``--------擬態の技に長けた下級の魔物。
それは他の魔物と比べると最低クラスの力しか有しておらず、真正面から戦えば農民5人ほどで倒せてしまうのだが・・・。

なんだ、農民5人で倒せるんだったらただの雑魚じゃんと思うことなかれ。
この魔物の厄介なところは、高い知能と完璧な擬態能力。

元の姿は紫色のスライムで、見た目はかわいいがこいつがどんな生き物か知っていればそんな気持ちも吹き飛ぶだろう。
高い知能で他の生物の生態を学び、自分が捕食した相手そっくりに化けて、その食べられた相手に成りすまして群れに溶け込み、次の獲物を物色し始めるのだ。

その手口は狡猾で、たとえば人間と成り変わる場合。
ある程度権力がある人間に成りすまし、その人物の財力や権力を使って奴隷や平民を召しだして捕食するのだ。

それもただ捕食するだけではない。
もし召しだされた人間が歳若い娘であったならば、腕や足を溶かして食べ、身動きができない状態にしておき性的な意味でも食べてしまうのだ。

子供ができれば生かされるが、どちらにしろ生まれ出てきたヘンゲーの子供に母体は骨も残らず捕食されてしまうので未来はないが・・・。
それは相手が獣や魔物であってもやることは変わらない。

他の生物の中に溶け込み、油断させて後ろからガブリ。
本当に胸糞悪い魔物である。
ただの人がヘンゲーの存在に気がつくことは稀で、魔法使いが所有している高価な魔法具をもってしてやっと正体に気がつくことができるのだ。

仲間に魔物がいたことに戦慄を覚える商人に、
魔物の肉片に気を取られている人々であったが、その魔物を倒したはずの幼女の事が、なぜか記憶の中から綺麗さっぱり消えている事に気がついたものは一人もいなかった。




- - -



PM21:00
新潟のとあるホテルの女子トイレで一人の幼女が目を覚ます。




とぅーびーこんてぃにゅー


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