今日もギルドの仕事を終え家路に着く。
もちろん街の外壁を抜ける際の門番さんへの会釈は忘れない。
この門番さん、夜に帰宅する俺を心配して何度も考え直すように言ってくれる人の良い方だ。
ギルドに勤めてる俺としてはその辺はしょうがないと思っているけどその好意はとてもありがたい。
どこぞの魔法使いに見習わせたいものである。
門をくぐった瞬間、外独特の草の匂いがする風を感じながら周囲に気を配り魔物がいないか確認をする。
特に怪しい影がないのを確認すると街灯ではなく月と星のみが明かりとなる道を歩く。
夜の間は魔物も行動が活発になるためあまり人は外に出ない。
出ているとすれば夜に仕事のある冒険者くらいだ。
俺? 家が外の小高い丘にあるんだから例外だろう。
まあそこまで長い距離じゃないし平原が続いているから魔物がいるかいないかは門を出ればすぐに分かる。
万が一遠目で見つけたら速効でダッシュ。気づかれる前に行動。これがベストだ。
それにシオから渡された腕輪に簡単な魔よけ効果をつけてもらったのでよほど強い魔物以外は近付いてこない。
正確には気配がより希薄になるので気付かないが正しいらしいがどちらでもいい。重要なのは俺の安全が増すということだ。
さらに言えばシオの家はクローブの街の西側。
街の東に位置する魔の森や北にある怪鳥の山ならともかく平原である西側には強力な魔物はあまり居ないらしい。
そのため俺は毎日こうして家と街を往復出来るのだ。
因みにシオはいま長期クエストに出かけている。
この前来た依頼に勇者の触媒に関係する物があったらしい。
1人旅支度を終え出かけようとするシオに俺はついてかなくていいのかと尋ねたところ、
「今回はちょっと危険度が高すぎるからね。手伝ってもらいたいとは思うけど流石にサトーを連れてったら死んじゃう可能性が高いから僕1人でいいよ。
留守番宜しくね」
とのこと。
……ほっとしていい場面なのだから少し物足りないと感じてなどいないはず。
閑話休題
空気が綺麗なためか元の世界よりも良く見える、けれど見覚えのない星空を眺めながら歩く。
シオがいないためかここ数日はトラブルもなく平和な暮らしが続いている。
今日なんかスーちゃんが手作りのクッキーをくれた。
例えそれがシオにあげるための練習作だろうと砂糖と塩を間違えていてかつてないしょっぱさを味わおうと嬉しいことには変わりない。
なおスーちゃんには問題ないから同じように作ってあげなさいと教えておいた。ケケケ、甘党のシオの反応が今から楽しみである。
気分が良いので少し鼻歌も混ぜよう。
ふ~んふ~んふふふ~んふっふっふふふふ~んふん
ふ~んふ~んふふ~ふふんふふふ~~「きゃあああああ」ん?
夜空に向いていた視線を声のする方へ向けると暗くて良く見えないが自慢の視力が人影とその傍に巨大な影があることを告げている。
それはまるでその巨大な影が人影に襲いかかっているようで
「たーすーけーてー」
甲高い、少女のような助けを呼ぶ声が響く。
まるで物語のワンシーンのようなシチュエーション。
普通なら躊躇して立ち止まってしまうような場。
だが俺はどうすべきかなど考える前に即行で駆けだした。
影に背を向けて家に向かって逃げ出すように。
「え、嘘? ちょ、ちょっと待って、たすけてー」
後ろから焦るような声が聞こえるが無視!
魔物の影を見たら即行ダッシュ。 それは今回も例外ではない!
「え? まさかホントに!? ちょっと待ちなさいよ!」
ダッシュ! ダッシュ!! 振り返るな!! 俺が襲われる前に速く!
ほら、後ちょっとで結界はってある我が家に
「だから待ちなさいって言ってんでしょー!!」
「ぐべぇ!」
弱弱しさなど欠片も感じない力強い怒声と共に俺は後ろから飛んできた何かに押し潰された。
せめて勇者として召喚してほしかった16
「全く信じられないわ。普通女の子が襲われてたら助けに来るのが男ってもんじゃないの!」
何かに押し潰されたまま倒れている俺の前にはフン、と仁王立ちして偉そうに腰に手を当てている少女がいる。
スーちゃんよりちょっと上くらいの――大体10から12歳くらいか?――金髪ツインテールの少女は何か知らないがプンプン怒っている。
「何か知らないかですって!? あなた自分が何したか分かってるの?」
「魔物の影を見かけたので迷うことなく逃げた」
「きぃー!人間のくせになんて冷たい奴なの! こうすれば大抵の人間は助けに来るって聞いてたのに!」
俺の答えが不満だったのかダンダン足踏みしていら立ちを顕わにしている。
…いや、だってなぁ
「嬢ちゃん人外だろ?」
ほとんど自分で言ってるけど。
確信を持って問いただすと騒いでいた少女がピタリと止まり俺を凝視する。
「んな!!?……そう、最初から気づいてたってわけね。中々やるじゃない」
一瞬驚いた顔をして少し大人びた態度になる少女。
今さら大人ぶられてもさっきまでの子供特有の癇癪見た後じゃ意味無い気がする。
「いつ気づいたの? 魔力は抑えてたからそう簡単には気づけないと思ったんだけど?」
「いや、すげー悲鳴が棒読みだったから」
そもそもこんな暗い夜に少女が1人で外にいる事自体が不自然だってのにあれじゃなあ。
怯えてるというよりむしろわくわくしてる気がしたくらいだし。
「フフン、とぼけても無駄よ。あたしだって貴方が普通の人間じゃない事くらい分かってるんだから」
と何か偉そうに無い胸を張っている少女だがまあ間違ってはいない。
俺が黒髪黒目(魔力0)と言う意味なら確かに普通ではない。
後どうでもいいが這いつくばってる俺の前に立ってるせいでスカートの中が見えそうなんだが。
別に俺はロリコンじゃないからどうでもいいし言うと多分酷い目に合うから黙ってるけど。
「いいわ。第一段階は合格にしてあげる」
合格? 何が?
俺の疑問をよそに少女は俺の上にある何かをひょいっと片手で持ち上げるとそのままポイッ、と事も無げに放り捨てた。
やっと重さから解放された俺は立ち上がって少女が投げた物を見やる。
少女の拙い演技と違いそれは正真正銘の魔物だった。確かガルーとか言うCランクの犬みたいな魔物だったと思う。
以前シオが遠くから魔法で倒した事があったけど実際に俺が相対したら一分も持たずに食われる気がする。
けど今回はその心配はない。何故か?
答えは簡単、その魔物は既に死んでいるからだ。それも今少女が投げたからではない。
胸に穴があいている。一撃で死んだであろうその傷跡は常人には不可能な技だ。
恐らくそれをやった下手人は腕組みしたままじっとこっちを値踏みするように見ている。
……うわー、また何か妙なのに関わっちゃった。と言うか何故こう死亡フラグばかり立つ? たまにはこう、女の子とポ、としたフラグがたたないものか?
「…フッ」
あん?
現実逃避してたら死亡フラグの少女がいきなり力んだけどなんだ?
「………」
「………」
「何ともないの?」
「何が?」
何かしたのか? 特に何も起きた気はしないが。
一応回りを見渡すも特にこれと言って変化が起きたような様子はない。
キョロキョロしてる俺を見てどこか嬉しそうに少女は頷く。
「……第二段階も合格。これは中々イイ感じじゃない? 後はアレじゃ無ければ問題なし」
良く分からなかったけど何か納得したようでブツブツと独り言を言う少女。
「…よし、これが最後よ。質問に答えなさい人間!」
「…何?」
何が嬉しいのかテンション高まる少女。対比にどんどんテンションの低くなる俺。
出来ることなら関わらずにすましたいけど
なるべく怒らせないように当たり障りなく丁寧に答えよう。
「あなたロリコン?」
「ふざけんな! 断じて違う!」
しまった。セウユの変態の所為で言われ慣れてるからつい。
思わず怒鳴ってしまった事に戦々恐々とするが何故か少女は良かった、と胸を撫でおろしてホッとしている。
「いいわ、第三段階も合格。見た目もそこまで悪くないし決まりね」
何か自己完結したらしい少女はビシっと指をこっちに突き付けてきた。
「あなた、あたしの下僕になりなさい」
「………」
夜空の下、気の強そうなツインテール少女に下僕になれと言われる。
ロリコン同盟の奴らなら泣いて喜ぶだろうシチュエーション。
断るなど愚の骨頂。さあ、その手を取って跪き手の甲にキスをするがいい! と脳内セウユ(以前の夢以来時々現れる)がほざくが生憎俺はロリコンじゃない。
「お断りします」
「フフン、そうでしょう、光栄に思いなさい。あたしの下僕になれるなんてとっても名誉なことなんだから」
「いやだから断るって」
「え? 断るの?」
「断るよ」
なぜそんな不思議そうに首を傾ける?
気の強そうな目を丸めて見られても困る。
「どうして?」
「いや普通断るから! 初対面の子に下僕になれって言われてハイって答えたらそいつ人生諦めてるから!」
「なんでよ!? 頼んでるんだからいいじゃない!」
アレは頼んでるとは言わない。せいぜい命令か脅迫だ。
む~、と口を膨らましていた少女だがふいにすっ、と目つきが細くなる。
「…いいわ。なら力づくで下僕にしてやるんだから」
言うや否や少女の身体がブレて見えた。
景色が少女から空に移り ドスン、とやけに近くから物が落ちるような音。
同時に呼吸が止まる。
数瞬、ぶは、と止まった息が吐き出されたが身体は動かない。
何をされたか気付いたのは腹に強い痛みを感じてからだ。
「あ、ぁあああああああ!」
痛え痛え痛え! 滅茶苦茶痛い! 腹がめっちゃ痛い!
手で腹を抱えるようにしながら身体を丸めこむ。
全く引く気配のない痛みに歯をくいしばって耐える。
「あら? 思ったよりも飛んじゃったわね。大分手加減したつもりだったけど?」
離れた位置に移動した、ちょっと意外そうな声が聞こえて、ざっざっとこっちに歩いてくるのが分かる。
何だ今の? 殴られたのか? 全然見えなかった。受け身なんざまるで取れなかったせいで衝撃が全部身体に伝わって上手く動かない。
ここにきてようやく本当にこの状況のヤバさを自覚する。
シオがいないんじゃ助けも呼べない。
直ぐに逃げるべきだった。
見た目なんか当てにならないって分かってたしさっきの魔物を殺したのもこの子だって分かってたのに。
話し方とか態度とかがいつものガキンチョ共とダブったせいでどこか油断してしまった!
クソ! と悔やんでも仕方なく少しでも少女から離れようと痛みで上手く動かない身体をずりずりと後ろに移動させる。
目線は少女から離さないようにしているが這って動くのと少女とは言え歩くのじゃどうしたって差を詰められる。
それでも少しでも身体を動かさなければ。
助けを呼べない以上無駄だとわかっているが本能的に逃げようとする。
残り10メートル。
5メートル。
2メートル。
1メートル。
……ここまでか。
諦めて動きを止めた俺に少女は最後の距離を詰めようとした。
だが、その差は縮まらなかった。
少女が何かに遮られるように動きを止めたからだ。
「っな? これは、結界!?」
「…え?」
よく見ると少女が立っている位置はシオの家のすぐ傍だった。
改めて自分の位置を確認する。
俺のいる場所はシオの家を囲う結界のラインをギリギリで跨いだ位置にあった。
這いつくばった先が丁度シオの結界の方向だったのか。
いや、正確には俺が少女に殴り飛ばされた方向が偶々シオの家の方向だったのだろう。
なんという偶然。
おかげで俺は期せずして結界内に入ることが出来たわけか。
諦めずに下がり続けたおかげで死なずに済んだ。
「は! あなたまさかさっき簡単に飛ばされたのはこの結界の中に入るため?
貧弱な人間の身体じゃあたしに勝てないと踏んであえて一撃を受けてそちらに飛んだってこと?」
そんな器用な真似を一般人の俺に出来るか。
この少女が死なないレベルの手加減をしてくれたのと殴った方向とシオの家の方向が重なったと言うただの幸運にすぎない。
けどいちいち否定する必要もない。何せこの結界はSランクの魔法使いが張った結界。
アイツ自身はともかくアイツの魔法は手放しで凄いと認められるので何の心配もいらない。
まだ痛む腹をさすりながらゆっくりと立ち上がる。
少女の方はなんとか結界を破れないかと何度も結界を殴りつけているがまるで効果は無い。
とは言えこのまま粘られても困る。明日だって仕事があるのだ。一日中ここにいられたら俺は疑似ニートになってしまう。
「この結界って術師以外の害意を持つ魔力に反応するから嬢ちゃんじゃ侵入は無理だと思うぞ。と言うわけで何の用か知んないけど諦めてくれ」
でなければ魔物がいる街の外に家など構えられるはずがない、とはシオの言である。
「っく、流石は人間の中で高位の魔法使い。やるじゃない」
手を止め悔しそうに結界ごしに俺を睨む少女。
……あん? 今何て言った? 誰が魔法使いだって?
「決まってるでしょ、あなたの事よ。凄腕の魔法使いなんでしょ、分かってるんだから」
「…えっと、嬢ちゃん、もしかしてその魔法使いを下僕にしたくてここに来たの?」
「そうよ。ちょっと手駒が欲しくって。どうせなら強い下僕が欲しいじゃない」
「…なんで俺を魔法使いだと思ったわけ?」
「え? だってあなたこの家に住んでるんでしょ? そう聞いたもの」
「…………」
ポクポクポクポクポクポクポク
チーン
えーっと、つまり
またアイツの所為かああああああ!
チクショウあの野郎! 居ても居なくても俺に迷惑かけやがる。
というかいないせいで俺の死亡率が高かった分余計に性質が悪い。
この恨みはスーちゃんの特製クッキーを全て口に突っ込んで晴らすしかあるまい。
帰宅後のシオへの復讐を決めつつ誤解を解くために少女に説明をする。
「あのな嬢ちゃん。俺とソイツは別人。その魔法使いは今出かけててここにはいないんだよ」
「嘘ついても駄目よ。魔法使いの人間はこの丘の上の屋敷に住んでるって聞いてここ二三日見張ってたけどあなたしかいなかったもの。ちゃんと知ってるんだから」
「そいついま長期クエスト中で遠くにいってるんだよ」
「だったら何であなたはこの結界に入れるのよ? 魔力ないんじゃ入れないならあなただって入れないじゃない?
あ、今あたしあなたの言葉のおかしいとこ見破れたわよね! 凄いでしょ! 凄いでしょ!」
「あー、はいはい凄いねー」
何やら自慢げな少女だが生憎俺は魔力ゼロなんで通過は余裕です。
「えへへー、ん、ほら! 分かったら早くこの結界解きなさい」
「何処の世界に自分を襲う奴のために結界を解除する奴がいる」
そもそも俺に解除なんか出来ないけど。
「むうー、だったらこっちに来なさいよ」
誰が行くか。わざわざ下僕になりに行くってどんなマゾだ。
誤解を解くのは不可能と判断し少女を無視して玄関へと向かう。
結局のところ俺にはどうしようもないわけだから無視するしかない。
「あ、ちょ、ちょっと。コラ! 入れなさいってば!」
えーっと鍵鍵、っとあったあった。
「む~~~、…これって魔力が邪魔してるのよね。だったらこうよ!」
鍵穴に差し込みドアを開けようとしたところで後ろから少女が声を上げる。
何か思いついたような言動が気になり振り返ると
そこには結界の内側に入っている少女の姿があった。
「嘘、なんで…」
起こった事実に顔を青ざめている俺とは対象に得意げな顔の少女はこっちにゆっくりと歩いてくる。
「少してこずったけれどこれで終わりね」
そう言うと先ほどとは違ってゆっくりとこぶしを振りかぶった。
駄目だ。もうどうしようもない。
殺されるのか。
いや、この子は下僕になれと言っていた。さっきも手加減したと言っていたし今回だってきっとするだろう。
なら死なずに済む?
馬鹿か俺は。それは魔法使い(シオ)だった場合だろ。何の役にも立たない黒髪黒目(俺)じゃあ発覚した瞬間殺されるに決まってる。
でももう逃げることすら出来ない。
クソ! こんなとこで俺は死ぬのか!
一度は助かったものの再び訪れた絶望に打ちひしがれる。
そんな俺の心情など気にもとめない少女のこぶしが俺に迫る。
「えい!」
ポカ
…………
なに今の?
どうもそう思ったのは俺だけじゃないらしくアレ? と少女も小首をかしげている。
「えい! えい! あれ? えいえいえい!」
ポカ ポカ ポカポカポカ、こきゅ
うん、全然痛くない。因みに最後の擬音は殴り方が悪かったのか少女が手首を痛めた音だ。
プルプルと手首を抑えて数秒しゃがみ込む。
あ、立ち上がった。涙目だけど必死で我慢してるっぽい。
「なんで? あたしこんなに弱くないのに」
困惑してアセアセしている姿を眼下にとらえつつも俺も悩む。
最初に喰らった時は本人いわく大分手加減していたらしいがそれであれだけの力を持っていたのだ。
それが急に無くなるとはどうなってるんだ? 一撃目からさらに手加減したという風ではなさそうだし。
……そう言えば
「嬢ちゃん。どうやってこの結界の中に入ってこれたの?」
「え? そんなの簡単よ。魔力が邪魔ならちっちゃくしちゃえば…いいっ…て……」
「………」
そういやシオが言ってたな。
この結界は入ろうと思えば誰でも入れるけどそのためには自身の魔力を封じなきゃいけない。
けど魔力を普段から無意識で使ってる僕達からすれば拘束具を全身につけて行動するようなもの。
だから入ってこれるのは術者である僕や魔力を一切持たない君、後は生まれたばかりで悪意を持たないこの雛くらいだ、と。
なるほどね。この子のあのバカみたいな力は魔力によるものでそれを封じちゃったから力も弱まっちゃったと。
最初まるで見えなかった動きが見えたのはただ単にこの子の動きも遅くなっただけと。
シオはこうも言ってたな。
例え目的があって入ろうとしても魔力を封じるなんてまず誰もやらない、他の方法を考える、と。
つまりこの子はまずやらない方法をわざわざ使っちゃったのか。
少女もそれに気づいたようで動きを停止させていたがバッと振り返って外にでようとした。
当然、ここまでやられた俺がそれをじっと待ってるわけがない。
「待てやコラ」
取りあえず両手で身体を掴んで宙ぶらりんにする。
「はわわ!? ちょっと離しなさいよ!」
腕と足をじたばたさせるが長さ的に届かないし、たまに当たってもてんで痛くない。
「悪いけど外に逃がしたら次に何して来るか分かんねえから捕まえさせてもらうぞ」
万が一対策を取られても面倒だしな。
シオならお姫様だっこでもするんだろうが俺はそんなことはしない。
俵を持つようにして家の中へ運んだ。
拒否するように振る頭につられて動くツインテールが顔にピシピシ当たる。
こちらは地味に痛い。
「いやー! 何する気よ!? 捕まえるって言っておいてまさかハアハア言いながら服とか脱ぐんじゃないでしょうね!?」
「するか! どこの変態だ!」
後書き
続きます。
定番の名前はまた後で。
因みに雛の名前は決定しました。恐らく次かその次で発表します。
2011/8/16 修正