夜空には、星を隠すように雲が広がっていた。
あれだけ雪山を歩いたが、その疲れはさほど気にならない。
気分も悪くない。ただ、何とかしないといけないという焦燥感に駆られていた。
宿泊棟を出てから目的地となる山道に向かう途中で一人の男がいた。
彼は昼食を食べたあの広場の真ん中で空を見上げている。
以前は、味方とも敵とも言えない微妙な立場だった。しかし、今日この時ばかりは彼が敵であるとすぐに分かった。
ゲームをしてから、こいつは良い奴だと改めて思った。主人公を影で支えるキャラクターだから、そう思ったわけではない。
この世界でクラスメイトとして彼と過ごして思った結果だ。
徳川康弘は、俺が近づいてきたことに気づいた。
▽
正しい主人公の倒し方 第三十三話
~New Game+~
▽
「よう、佐藤。こんな夜にどこに行こうとしているんだ?」
徳川は片手を挙げて、気さくに笑いながら俺に話しかけてきた。
「少し野暮用ができてな。山道を歩かないといけないんだ」
「悪いけど、ここから先は関係者以外立入禁止なんだ。帰ってくれると助かる。それとも、ここで俺と話していくか? 一人でいるって結構暇だからさ」
両手両足を広げて、冗談交じりに彼は言った。それでも視線だけは真剣に俺の動きを捉えていた。
ここから先は絶対に通さないという意志が伝わってきた。
「徳川は俺が今から何をするのか知っているのか?」
「いや、知らねえよ。伸樹から誰も向こうに行かせないように言われているだけだ。その理由も聞いてない」
「お前はそれでいいのか?」
「いいさ、親友だからな。全てのことに理由なんて求めるもんじゃない」
「そうか……」
「悪いな」
徳川が『School Heart』を知っているかは分からない。
しかし、これまでの学校での生活を見る限り徳川がゲームを知った上で行動している可能性は少ないように思えた。
それなら彼は自分の意志で織田に協力していることになる。
本当に俺の周りにいる男たちは馬鹿ばかりだ。自分よりも友人を優先するような馬鹿な奴らだ。
そんな馬鹿たちを俺は嫌いになれない。徳川康弘、違う形で会うことができたら良い友人になったかもしれない。
「俺は今から織田を止めに行くつもりだ。徳川も知っていると思うが、織田は複数の女子と付き合っている。お前は織田のそんな付き合い方を認めてしまうんだな?」
「いいんじゃないか。どう付き合おうとあいつがそうしたいなら」
「その中には……お前が好きだった柴田さんもいるんだぞ」
「はぁ……佐藤は気づいていたのかよ。誰にも気づかれねえ自信はあったのによ」
俺だってゲームをしなければ知らなかった。人の好意を気づけるほど俺は器用じゃない。
「確かに俺は加奈のことが好きだ。でもよ、加奈が好きなのは伸樹だ。好きな女の幸せを願うなら、俺が手を出しちゃいけねえだろ」
「織田と彼女たちの関係は歪だ。そんな関係で柴田さんを幸せにできると思うのか?」
「……できるんじゃねえかな、伸樹だったら」
「その通りかもしれない。けれども、それを認めたくないから俺は足掻くんだ」
「佐藤と俺は根本的に考え方が違うみたいだな。……知ってるか。人を好きになるのは一瞬だけど、嫌いになるのはしんどいだぜ。
伸樹と加奈が付き合ってるのを知った時は悔しかったり恨んだりしたけど、どうしても二人を嫌いにはなれなかったんだ。
俺は伸樹が人一倍努力していることを知っている。陳腐な言い回しかもしれないけど、世界中が敵になっても俺は伸樹の味方を選ぶと思う。だからさ――」
徳川はゆっくりとこちらに近づき、右手で俺の肩を叩いてきた。そして、空いていた左手で俺の腹を殴った。
徳川の拳が腹に埋まり、俺は体を曲げてその場に膝を着いた。
「すまねえな。俺は伸樹の親友だから」
顔を上げると、徳川の右足が目前に迫っていた。彼は躊躇いもなく俺を蹴り上げようとしていた。
咄嗟に真横へと転がり、蹴りを避ける。体についた砂利と埃を払いながら立ち上がり、徳川を睨みつける。
「急に殴ってくるとはな……どう頼んでも通してくれなさそうだ」
「当たり前だろ。喧嘩は先手必勝。佐藤が止めにいくのは、結果として伸樹に不利なことをなんだろ?」
「そうだな。俺は織田を倒しに行くんだ」
「なら、やっぱり通せねえ。どうしても通して欲しいなら、これで説得してみろよ」
拳を突き出す徳川。この場で逃げたとしても、徳川は追ってくるだろう。
どうやら織田を倒す前に、彼を倒さないといけないようだ。
「男同士なら最高のコミュニケーションだろ?」
「ああ、分かりやすくていい。だけど、痛いのはごめんだ」
「ふん、どうだかね。お前が言っても冗談にしか聞こえないぞ。なにせ元学内一の不良だからな」
構える徳川を見て、俺も漫画やアニメを思い出しながら見よう見まねで構える。
我ながら不恰好な構えだと自覚している。しかし、ここは何としても通らないといけない。
無駄にできる時間は残されないので、こちらから先に動く。
一歩踏み出して、固めた拳を徳川の顔へと振りかぶる。
だが徳川は簡単に俺の拳を避け、体に捻りを加えながら拳を突き出してきた。
早すぎる。俺は左腕で守ろうとするが脇腹を抉られた。
腹に感じる痛みに顔をしかめていると、次の瞬間には蹴りが向かってきた。
なすすべもなく俺は徳川の攻撃を受ける。いや、受け続けることになった。
殴ろうとすれば避けられ、蹴ろうとしても防がれる。そして徳川からの反撃を受ける。
俺と徳川の間には圧倒的な実力差が存在していた。
「噂には聞いていたよりも、大したことねえな。動きが素人だ」
攻撃の手を休めた徳川は、俺と間合いを取った。
どんな噂を聞いていたか知らないが、その通りだ。
この体は佐藤尚輔のものでも、俺は喧嘩なんてしたことがない。
不良に囲まれている女の子がいても戦わずに、逃げ出すような選択をする人間だ。
実に情けない。情けないが、こんな俺でも譲れないものぐらいある。
乱れた呼吸を整えて、骨が折れていないか確認する。大丈夫だ、まだ戦える。
俺は不恰好な構えは止めた。
普通に戦えば負けることは目に見えている。素人なら素人なりに、ある程度の賭けをしなきゃ勝てない。
「佐藤、ヤル気あんのか?」
「あるに決まってるだろ。倒す前に倒されたら意味がないからな」
「喧嘩慣れしてるかと思って、ああいうやり方してたけどよ。まだやるってなら、やり方変えてくぞ」
「手を抜いてくれるのか?」
「違えよ、意識を落とすってことだ」
近づいてくる徳川の肩が、少しだけ動いた。俺は殴られた時を思い出し、その軌道を読む。
徳川は顔よりも体を狙ったパンチが多かった。だから、狙いは読めた。
腹を狙う軌道を読み、徳川の右腕を押さこむ。
バランスを崩した徳川の顔に向かって、全力で拳をぶつけにいく。拳は頬の下から入り込み、そのまま殴り抜けた。
手に割れるような痛みを感じるが、それ以上の痛みを徳川に与えられただろう。
拳を食らって仰け反った徳川は、ニヤリと笑いやがった。
「やるじゃねえか、おい」
掴んでいた腕を、徳川は掴み返してきた。急な動作に驚いた俺は、徳川の動きに反応できなかった。
徳川は左手で俺の顔を掴み、頭を反らしていた。
来ると分かっていたが、動けない。
頭同士がぶつかり合い、脳天まで衝撃が響く。視界が定まらず、体から力が抜ける。
その一瞬を突かれ、徳川は俺の背後に回りこみ腕を首にかけてきた。
少しずつ、ゆっくりと首元が締められていく。
「これで終わりだな、佐藤」
「…………」
「最後に言いたいことはあるか?」
言いたいことなんて山ほどある。だけど、俺はその中の一つを呟いた。
「……逃げるなよ」
「あん? なんのこと言ってんだ」
「お前は織田と向き合うことが怖いだけじゃないのか」
「うるせえな……」
「親友とぶつかってみろよ。案外悪くはないぞ。俺はそうだったからな」
その言葉で戸惑いが生まれたのか、腕が少しだけ緩められたことを見逃さなかった。
首を思いっきり後ろへ動かして、徳川の顔面にぶつかる。
後ろから聞こえるうめき声。緩まった腕から抜け出すと、徳川は鼻を押さえていた。
決めるなら、今しかない。
右手を開いたまま掴みかかる。徳川と目が合う。そして、俺の手は徳川の顔面を捉えた。
勢いをつけたまま押し込み、徳川の体ごと地面に叩きつける。大きな音を立てながら徳川は倒れた。
すぐさま拳を振り下ろそうとしたが、腹に当たる手前で止めた。
勝負は着いていた。その証拠に、彼は立ち上がろうとしない。
俺は息を乱しながら彼を見る。
「勝負ありだな……」
「……ああ、佐藤の勝ちだ。慣れねえことするんじゃなかったぜ」
「立てるか? 手を貸すぞ」
「いいや、このままでいい。しばらく星を見て頭を冷やしたい。それより、行って来いよ」
「いいのか?」
「俺の気が変わらねえうちに、さっさと行けよ」
倒れている徳川を置いて、俺は山道へ向かった。
本当に違う形で会うことができたら良い友人になったかもしれない。
痛む体を我慢しながら、そんなことを思った。
▽
男子と女子の宿泊棟を繋ぐ細い山道。俺はその中間に位置する場所で、織田を待ち構えた。
道幅は3メートルにも満たない。体をすぐに動かせば、端から端まで届く幅だ。
片側は崖になっており、そこから見える中央広場の大時計は9時30分を指している。
身につけている腕時計を見ながら、これから起きるイベントを思い出す。
このイベントは選択制になっており、選択肢は6つ。
五人にいるヒロインのところへ行くか、それともどこにも行かず宿泊棟で待機するか。
織田が前者を選択すると睨んでここで待っているが、後者では織田が10時に寝てしまう描写があった。
そしてヒロインと会う場合でも10時という時刻が出てきた。つまり、残り30分が勝負の分かれ目だ。
有り得ないかもしれないが、あと30分以内に織田が来なければ何もせずに俺が勝つ。
「……流れ星か?」
見上げると、曇り空の隙間に僅かながら輝く小さな星があった。
その星の中に、すうっと消えていく光の線が見えた気がした。
秀実ちゃんと初めて会った日も、星空が広がっていたことを思い出した。
あの日から俺は、あの星たちの明るさに近づくことができたのだろうか。
暗い先から、足音が近づいてきた。大時計が指す時刻は35分。やはり主人公は来てしまったようだ。
「こんばんは、佐藤君。月は見えないけど、過ごしやすい夜だね」
「そうだな。こんな夜はぐっすり眠れると思う。だから、宿泊棟で布団を被っていたらどうだ?」
「ごめん、それはできない。会わないといけない人がいるんだ。そこをどいてくれないかな?」
「悪いな、それはできない。お前に会わせてはいけない人たちがいるんだ」
「だろうね」
「当然だ」
織田との距離はまだ遠い。
「そういえば、康弘に会わなかったかい?」
「会ったさ。悪いが無理矢理通させてもらった。良い友人を持ったな」
「僕には勿体無いぐらいの親友だよ。君も良い友人がいるみたいだね」
「最高だよ、あいつらは」
頷きながら、絶対に通さないという意志を示すように道の真ん中で立ち構える。
織田はゆっくりと近づいてきて、五歩ほどの距離を詰めてから立ち止まった。
「ねえ、佐藤君。君は宝くじが当たったらどうする?」
「……何か企んでいるのか」
「いいから考えてみてよ。一度、君としっかり話しあってみたかったんだ。それに時間を稼ぎたいなら、丁度いいじゃないか。君と話している間、僕はどこにも逃げないよ」
「どうしてお前はそれを……」
「当たり前だよ。僕が君の立場だったらそうする。イベントが発生する時刻まで時間を稼ぐ。狙うならそれしかないよ」
織田は大時計の見てから、俺に向き直した。
「残り23分といったところか。さて、答えてくれるかな」
「……宝くじが当たったなら、自分の好きなものを買う。残りは貯金をしておく」
「ああ、いいね。僕は新しいマウンテンバイクが欲しかったから、たぶんそれを買うだろうね。残りは貯金か。将来を考えた悪くない選択だね」
「それがどうかしたのか」
「そんな怒らないでもいいじゃないか。お金っていうのは、目に見えやすい力の一つなんだ。
そんな力が自分のところに突然舞い込んでくる、当選という形で。これって僕たちと同じだよね。
宝くじが当たることも、自分たちが出てくるゲームの知識を手に入れることも、同じようなものだよね。
佐藤君。君はいつからこの世界が『School Heart』をもとに成り立っていることを知っていたんだい?」
「……」
「だんまりか。まあ、いいや。僕がするべきことは変わらないから」
わざとらしく肩をすくめる織田。
「もしも君が主人公であったのなら、間違いなくその知識や情報を利用している。それは宝くじと同じこと。僕も君も力があれば使わずにはいられない人間なんだから」
「……そうかもしれないな」
この世界が『School Heart』と同じだと気づいた時、確かに俺は原作の知識を自分のために使おうとしていた。だから、俺は織田の言葉を肯定をした。
「でも、君と僕との間に決定的に違うものがあると思う。それは使い方だ。僕は『皆を幸せにする』ために使う。君は何のために使うつもりだったのか教えてほしいな」
「……『自分のために使う』つもりだった。だが今は違う。『主人公を倒す』ために使う」
「はぁ……やっぱり僕たちの目的は相反するものだ。でも君に僕は倒せない。僕は目的を達成しなければいけないから」
「そんなことお前にできるはずがない……」
「できるできないの問題じゃない。しないといけないんだ」
「ふざけるなよ。主人公だからって全てが上手くいくなんてことはないんだぞ」
「……嫉妬かい。佐藤君は主人公じゃなくて、僕が主人公だからか」
止まっている織田に向かって、一歩踏み出しそうになるが思い留まる。
これは挑発だ。織田は隙を見計らって、すり抜けるつもりだろう。
惑わされるな、自分を保て。踏み出せない足の代わりに、言葉を放つ。
「織田、お前はハーレムルートを選んだな。これからもゲーム通りに進めていくつもりなのか」
「そのつもりだよ」
「ゲーム通りに進めるということは、感情さえ操作できるんだぞ」
「分かっているよ」
「お前の行動や言葉で、彼女たちの感情が書き換えられるんだぞ」
「知っているさ」
「それで好意を持たせるなんて……まるで洗脳じゃないか」
「その通り」
「お前はどういうつもりで――」
「全てを分かってもらうつもりないし、理解してもらおうとも思っていない。
僕は『皆を幸せにする』。ただそれだけのために動かないといけないんだ。さあ、これで話し合いは終わりだ」
織田はその場で屈伸を三回した後、こちらの様子を伺ってきた。
互いに息遣いを読み、タイミングを見計らう。鳥の鳴き声が聞こえ、それが合図となった。
駆け出した織田は、俺の右側から抜けようとしてきた。
「行かせるか!」
俺も重心を右に掛けて、織田の体を捕まえようとする。
すると、織田は左へ一歩踏み出した。釣られそうになるが、視線は今だに右を向いている。
だから、俺は自分の直感を信じて右に賭けた。舌打ちが聞こえた。
先ほどの一歩は、やはりフェイントだったようで、織田は右から突き進んでいこうとする。
体格差なら織田には負けていない。読み合いに勝った俺は、強引に掴みかかる。
手が織田の体に触れようとした時、織田は右手に隠してたものを俺にぶつけてきた。
それは砂だった。一瞬視界奪われ、俺の手は空を掴む。
右斜め一歩前に織田はいる。伸びきってしまった腕。それを戻して、再び掴みかかるにはもう遅い。
横を通りすぎようとする織田の顔は勝ち誇っている。
だが、忘れちゃいないか。手が使えないなら、他を使えばいい。
左足を軸にして、右足を回すように動かす。
見てくれの悪い回し蹴りは、足首で織田の体を捉えた。腰に力を入れて織田の体を前へ飛ばす。
倒れた織田に重ねて殴りかかろうとしたが、織田は立ち上がって距離を取った。
「けほけほ……やっぱり砂程度の小細工が通用する相手じゃないね」
「俺を舐めるな。例え日の当たらないモブキャラクターでも意地があるんだ」
「違うよ。君はモブキャラクターなんかじゃない」
「ふざけるんじゃない。あのゲームで佐藤尚輔はモブだぞ」
織田の言葉に思わず眉をしかめる。物語の根幹に関われないモブキャラクター。それが佐藤尚輔であり、俺である。
「ゲームならね。でも、今回の君はイレギュラーだよ」
「イレギュラー……?」
「こんな展開になることは、これまで一度もなかったのにな」
「何を言っているんだ?」
「覚えていなくて当然だよ。繰り返しを覚えている人は、僕以外にいないんだから」
織田は服についた埃を振り払い、夜空を見上げた。
「佐藤尚輔は明智先輩と付き合いのあった人。それは初めて明智先輩と付き合った時に分かったよ。
二回目に彼女と付き合った時は、意外と優しいところもあるという話を聞いた。でも、僕にとって君はクラスメイトという存在でしかなかった」
「二回目……?」
「君は毎周……というかほぼ毎回のように問題を起こして、教室にもあまり顔を出さなかった。
今回初めてこの世界がゲームをもとになっていると知った時でも、君に対する印象は変わらなかった。モブキャラクターという存在は、主人公の僕と離れていたからね」
織田が何を言っているのか理解できなかった。
一学期の頃の俺は毎日しっかり出席をしていたし、授業も受けていた。
それに、毎回という言葉もおかしい。俺は問題を起こしたが、それは夏休みの一回だけだ。
「それなのに、今回の君はいつもと違いすぎる。まるで人が変わったように真面目に授業を受けて、問題は夏休みまで起こさなかった。
斉藤さんや秀実ちゃんとも関わりがあって、それまでの君とは大違いだ。警戒するに値する人物になり得たからこそ、僕は松永さんに協力を頼んだ」
「…………」
「松永さんの話を聞いた時は驚いたよ。まさか君もゲームの知識を持っているなんてね。
今までそんな素振りはなかったのに、やっぱりゲームソフトが現れた今回だけは特別なのかな? 前回やり直した時はこんなことなかったし、繰り返しの中に変化もあるのかな?」
「繰り返しとかやり直しとか何を言っているんだよ」
「言葉の通りだよ」
続く言葉を、俺は理解できなかった。
「僕はこの一年間を繰り返しているんだ。何度も、何度もね」