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No.15918の一覧
[0] フレイムウィンド&ケイオス  (TRPG風 異世界ファンタジー転生物)[ランダム作成者](2010/04/18 12:17)
[1] 1  チュートリアルなど無い[ランダム作成者](2010/04/11 14:23)
[2] 2  『スカベンジャーズ・マンション』 編[ランダム作成者](2010/04/04 11:49)
[3] [ランダム作成者](2010/03/05 19:59)
[4] [ランダム作成者](2010/04/04 10:57)
[5] [ランダム作成者](2011/02/18 06:32)
[6] [ランダム作成者](2010/04/04 10:59)
[7] [ランダム作成者](2010/03/05 20:47)
[8] [ランダム作成者](2010/03/27 12:51)
[9] [ランダム作成者](2011/02/18 06:30)
[10] 10[ランダム作成者](2010/04/11 14:29)
[11] 11  レベルアップ[ランダム作成者](2011/02/13 01:43)
[12] 12[ランダム作成者](2010/04/11 14:35)
[13] 13[ランダム作成者](2010/04/12 10:50)
[14] 14  『エトラーゼの旅立ち』 編[ランダム作成者](2010/04/26 15:42)
[15] 15[ランダム作成者](2011/02/18 06:34)
[16] 16[ランダム作成者](2010/05/09 13:10)
[17] 17  意思ぶつけ作戦[ランダム作成者](2010/05/25 02:19)
[18] 18[ランダム作成者](2011/02/13 02:36)
[19] 19  精神世界の戦い[ランダム作成者](2011/02/13 05:10)
[20] 20  いざ、人生の再スタート      (LV 3にアップ)[ランダム作成者](2011/02/18 22:55)
[21] 20.5  かくして混沌の申し子は放たれた     (主人公以外のステ表記)[ランダム作成者](2011/02/27 14:19)
[22] 21  『帝国からの逃避行』 編     [ランダム作成者](2011/12/07 21:52)
[23] 22[ランダム作成者](2012/03/18 15:13)
[24] 23  リンデン王国を目指して[ランダム作成者](2012/03/19 02:30)
[25] 24  グレーターデーモン     (ティーナのステータス表記)[ランダム作成者](2012/04/05 05:41)
[26] 暫定 キャラクターデータ まとめ[ランダム作成者](2011/02/13 02:00)
[27] 暫定 アイテムデータ まとめ[ランダム作成者](2010/05/20 16:57)
[28] LVや能力値などについての暫定的で適当な概要説明 & サンプルキャラクターズ[ランダム作成者](2011/02/27 14:10)
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[15918] LVや能力値などについての暫定的で適当な概要説明 & サンプルキャラクターズ
Name: ランダム作成者◆f9a7ea31 ID:e58359f3 前を表示する
Date: 2011/02/27 14:10


 主人公ゼイロは一体全体どの程度の強さなのか?

 能力値は一般人と比べてどうなのか?

 技能熟練度はどういった目安で分類されるのか?

 そういう疑問にお答えするために、こちらではサンプルキャラなどを比較に出して、ステータスに関する補足説明をしていこうと思います。
 TRPGをご存じない方にもお分かりいただけるよう、基本的な判定の基準などから解説を始めていきますね。
 現時点で開示できる限りのデータで、という事になりますが、よろしくお願い致します。

 あと、当作品はあくまでもTRPG風の異世界ファンタジー物です。
 ステータスは重要ですが絶対ではありません。
 数値などは参考までのイメージ程度に思っていただけると幸いです。



※ 行為判定について


 一応、TRPG風と銘打っている作品ですから、失敗の可能性がある行動の結果はサイコロ──つまり、ダイスを振って導き出された数値による判定に委ねられています。

 TRPG界隈では普通の六面体のサイコロを1D6と表記します。
 サイコロ2個なら2D6です。
 この世界での判定は、大体この2D6で行われます。

 例えば、『前方から近付いてくる人物の顔を判別できたか?』といった判定の目標達成値が8だったとします。
 2D6で8以上の数値を出せば成功、『顔が見えて誰だか分かった』という結果になります。
 8未満の数値が出た場合は失敗となり『ちょっと遠くてよく分からなかった』というような結果になるわけです。

 そして、その度合いは成功値と失敗値の大きさによって変化したりもします。

 目標達成値8の判定で11が出たら、成功値は3。
 多めに出した数値の分だけ、上手く行ったという事になるわけです。
 成功値3なら、『顔が見えて誰だか分かった。けど、何だか様子がおかしい』といった感じに、更なる情報が得られたりするわけですね。

 反対に目標よりずっと低い数値で失敗してしまうと、それだけ酷く下手を打ったという事になります。
 『誰だかよく分からない。……○○かな?』なんていう勘違いをしてしまうかもしれないわけです。
 あるいは、『近付いてくる人物の存在自体に気付かなかった』などという間抜けな結果になってしまうかもしれません。


 そういった判定の基準となったり、ダイス目の数を補ってくれたりするのが、ステータスです。


 例えば、STR 10の一般人が『1トンの岩を持ち上げようと試みる』としましょう。
 その場合の必要達成値は50です。
 最大値が12の2D6の判定では絶対に不可能な行為ですね。

 しかし、STR 11ならどうでしょう? 必要達成値は49になります。
 まあ、結局無理なわけですが……STR 20なら? 30ならばどうでしょう?
 STRを一時的に高める特技を持っていたら? 筋力増強の魔法が掛かっていたら?
 《運搬》や《重量挙げ》といった技能に精通していたら?
 ハードルは少しずつ下がっていきます。

 もちろん、それだけがステータスの恩恵ではありません。
 (2D6+5)といった風に、2D6の判定にプラスの修正を加える効果もあるのです。
 目標のハードルを下げつつ、自身の達成値を上昇させる。
 それがステータスの大まかな役割なのです。

 ちなみに算出方法は判定によって色々です。
 きちんと考えているのもあれば、イメージ準拠で適当なのもあります。

 あと、ほとんどの行為は2D6で判定を行いますが、事情によって増減する場合が多々あります。
 ダメージ判定で10D6とか、命中判定で(+1D6)の修正が得られる補助魔法のおかげで(3D6±?)とかになったりするわけですね。




※ 基本能力値について


 STR、END、DEX、AGI、WIL、INTは様々な判定の基準となったり、達成値に影響を及ぼしたりする要の数値です。

 上昇させるにはDPが必要になります。
 素の合計値が80までならDP 1の消費で1ずつ上昇。85までならDP 2の消費で1ずつ上昇。
 90までならDP 4の消費で上昇といった具合に、5上昇させるごとに消費DPが倍増していく仕組みになっています。

 一般人の平均的な能力値は10です。
 これは地球の一般成人にも当て嵌まる数値です。

 イメージ的に表現すると


     肉体・身体的能力等において / 知能・精神面等において

 0     死人  植物人間 / 無機物 タヌキの置物以下
 1     半死人 未熟児 / ゾウリムシ 動く腐乱死体
 2     乳幼児 寝たきり老人 / 昆虫 赤ん坊以下
 3     3~5歳児 重症患者 / 小鳥さん 爬虫類
 4     6~8歳児 リハビリ中 / 犬、猫、キリン 家畜動物
 5     10歳以下 持病持ち / 天才チンパンジー 健忘症 痴呆症
 6     貧弱な坊や 老人 / 愚鈍 情緒不安定 可哀相な奴
 7     貧弱 運動音痴 不器用 / 鈍感 未熟 流されやすい
 8     やや非力 やや鈍い / やや忘れっぽい やや気弱
 9~11  大人 普通人 健康体 / 可もなく不可も無し 平均的
 12~13 やや力持ち やや丈夫 やや機敏 やや器用 / やや賢明 やや気丈
 14~15 腕力旺盛 身体が資本 俊敏 繊細な指使い / 利発 優秀 努力家
 16~18 鍛えられたヘビー級 病気知らず プロスポーツ選手 / 秀才 聡明 エリート
 19~21 努力の結晶 鋼の肉体 トップアスリート / 天才 鉄の意志 鉄の心臓 スーパーエリート
 22~24 ギネス級 抵抗力の塊 世界記録保持者 / 大天才 鋼の精神 偉人 聖人
 25~29 月の輪熊 ヒーローマッチョ 生ける伝説 / 生きた百科事典 不屈の魂 預言者
 30以上  もはや漫画 超人的肉体 前人未踏 / 人間コンピューター 超人的精神 徳の化身


 こんな感じですかね。適当ですみません。

 AGI 10で《行進》技能が50.0の人間よりも、AGI 20の動物の方が足が速い。
 といった風に、技能熟練度が未熟でも、この数値が人外魔境だと洒落になりません。
 まあ、技能も能力も高いのが一番なのは言うまでもない事ですが。





【STR(ストレングス)】

 STRは筋力、総合的な力の強さを表しています。
 どれくらいの重さの物を持てるか、どの程度のダメージを与えられるかといった行為の目安になる数値ですね。

 例えば、STR 10ならその5倍の50kgまでの物を判定無しで持ち上げる事ができます。
 STR 15なら75kgまで判定無し。それ以上の物を持ち上げる場合は(2D6±?)での判定が必要になるというわけです。

 30以上の超人級になると5倍を超えて10倍までの重量物を判定無しで持ち上げる事ができます。
 以降、40なら15倍まで、50なら20倍までといった具合に数値は変化していきます。
 
 もちろん両手で、しっかりと腰を入れて持ち上げるならという条件下での話ですよ。
 力の入らない体勢であったり、対象が持ちにくい形をしている場合などでは、それ相応の判定が必要になる事でしょう。
 持ち上げるだけですから、上手く運ぼうとした場合にも判定が必要になりますね。

 ちなみに押したり引いたりしてただ動かすだけなら、判定無しで持ち上げられる重量の2倍まで判定無しで大丈夫です。
 これも同じように、物や地面の状態なんかによっては判定が発生するかもしれませんね。
 ある程度の距離を動かそうとする場合にも、やはり判定が必要になります。


 直接攻撃で与えられるダメージの基準は、ガープス風に〝突き〟〝振り〟の二種類の動作に分けられます。

 〝突き〟は格闘攻撃全般、及び剣や槍などで対象を突き刺した場合に発生するダメージです。

 〝振り〟は遠心力を活かした攻撃全般、及び剣や斧などで対象を切り裂いた場合に発生するダメージです。


          突き      振り              突き      振り
STR 1~2  1D6-5  2D6-11   STR 11~12  1D6    2D6
STR 3~4  1D6-4  2D6-8    STR 13~14  1D6+1  2D6+1
STR 5~6  1D6-3  2D6-6    STR 15~16  1D6+2  2D6+2
STR 7~8  1D6-2  2D6-4    STR 17~18  2D6    3D6
STR 9~10 1D6-1  2D6-2    STR 19~20  2D6+1  3D6+1

STR 21~22  2D6+2  3D6+2   STR 31~34  5D6    6D6
STR 23~24  3D6    4D6     STR 35~38  5D6+2  7D6
STR 25~26  3D6+1  4D6+1   STR 39~42  6D6    8D6
STR 27~28  3D6+2  4D6+2   STR 43~46  6D6+2  9D6
STR 29~30  4D6    5D6     STR 47~50  7D6    10D6

 以降、STRが5増えるごとに〝突き〟〝振り〟の両方ともへ1D6ずつが計上される。


 上記の表を参考にすると

 初期のSTR 15だったゼイロが、神ボトルを〝振り〟かぶってブッ叩いた時のダメージは(2D6+2)という事になります。
 最小で4、最大で14のダメージですね。
 アベレージは9ダメージで、サイコロの期待値通りの数値です。
 一般人のHPの平均が15前後だったりしますから、頭に喰らうとマジやばいですね。

 当然ながら、この数値はSTRの〝振り〟ダメージのみを基準にしたものですから、実際の通りではありません。
 実際は武器の性能やゼイロ自身の技能、対象の防護点などが絡んできますので多少の変化が起こります。

 素手の拳を〝突き〟出してブン殴った場合(要はただのパンチ、ストレートもフックもアッパーも軌道が違うだけで同じ威力のパンチと見なします)のダメージは(1D6+2)。

 しかし、パンチの基本ダメージは(突き-2)なので(1D6)──ではなく、ゼイロには特性【理想的骨格】のプラス修正がありますから、やはり(1D6+2)といった計算になります。
 更に石を握り込んで殴ったりしたら(1D6+3)になるでしょう。
 最小ダメージは5、最大ダメージは9。
 期待値は7ダメージ。相手が普通の人間なら一発で前歯が折れる威力です。
 駄目押しに倒れて頭を打ったなんて事態が重なったら、追加ダメージで死んでしまうかもしれません。

 まあ一例に過ぎませんが、こんな風に状況によって判定の数値はコロコロと変わるわけですね。
 こういうデータにはない、即興のリアルっぽい要素を入れられる事がTRPGの醍醐味でもあります。

 ──ですが本作はTRPG風ですので、あくまでもイメージ程度に受け止めていただけると幸いです。




【END(エンデュランス】

 ENDは耐久力、総合的な体力を表しています。
 どれだけの距離を移動できるのか、毒や病気や負傷に対してどこまで耐えられるかといった行為の目安になる数値です。

 END 10の身軽な状態のキャラなら、判定無しで3倍の30秒までの時間を全力疾走できます。
 持久走なら……やはりENDの3倍の、30分までの時間を走れます。

 それ以上を走ろうとするなら、判定によってCPの消費量を決めなければなりません。
 CPが0になったら有無を言わさず気絶です。

 あとは睡眠時の回復量にも関わってきますね。
 通常の6時間睡眠を取るとHPとCPが END+LV×2D6 点の計算式で回復します。
 当然、睡眠時間が足りなかったり寝心地が悪かったりすると相応のペナルティが発生します。




【DEX(デクスタリティ)】

 DEXは器用度、総合的な正確性を表しています。
 どれだけ精密な作業ができるかといった行動の目安になります。

 TRPG的には攻撃の際の命中判定や、盗賊の鍵開けや罠解除に関わる能力ですね。
 地味に見えますが重要です。

 手に職付けて平和で安定した生活を送りたいという人には特に大事でしょう。




【AGI(アジリティ)】

 AGIは敏捷度、総合的な素早さを表しています。
 どれだけ速く走れるか、反応できるかといった行動の目安になります。
 回避判定に関わる事は言うまでもなく、戦闘での行動順にも影響を及ぼす能力ですね。

 参考までに基本的な移動力の説明をします。

 《行進》技能などの付加価値を持たないAGI 10のキャラが身軽な状態で全力移動を行うと、
 10秒間で60メートルの距離を走れます。
 AGI 9なら54メートル。8なら48メートルです。
 AGI 10まではAGI 1ごとに6メートルずつ距離が伸びていくわけですね。

 AGI 11から20まではAGI 1ごとに2メートルずつ、10秒間で走破できる距離が伸びます。
 それ以上はAGI1ごとに1メートルずつ伸びるといった具合になっています。


   AGI 1  6メートル/10秒    AGI 11  62メートル/10秒
    ↓ (AGI 1ごとに6メートル)    ↓ (AGI 1ごとに2メートル)
   AGI 10 60メートル/10秒   AGI 20  80メートル/10秒

   AGI 21 81メートル/10秒 
 → 以後、AGI 1ごとに1メートルずつ延長


 荷重とか地面の状態とか靴の性能とか体調とかを勘定に入れるともっとややこしくなりますが、基本はこんな感じです。




【WIL(ウィル)】

 WILは意志力、総合的な心の強さを表しています。
 簡単に言うと我慢する力ですね。
 どれだけの苦痛に耐えられるか、どこまで欲求や衝動を抑えられるかといった行動の目安になります。
 ぶっちゃけ数値化できるようなものではありませんが、TRPG風の世界ですので仕方ないと思う事にしましょう。

 分かりやすいところでは睡眠時のMP回復量に関わっています。
 計算式はENDと同じで WIL+LV×2D6 ですね。

 《水霊術》や《風霊術》、《神霊術》などの直感的な魔法の達成値や威力にも関わっています。




【INT(インテリジェンス)】

 INTは知覚的な頭脳の働きを表しています。
 主に記憶力と演算力、認識力に関わる判定の目安になる数値ですね。
 これが高いと物覚えが良くなって勉強が捗ったり、視覚、聴覚を始めとした五感が鋭くなったりするわけです。

 初期の技能枠はINTに2D6(ゾロ目計上)の数値を足して算出されますので、それなりに重要と言えますね。

 しかしながら、本当の意味で頭が良いという事にはなりません。
 冒険者にとって最も大事な判断力や想像力に対して、INTは何の助けにもなっていないのですから。
 そういった〝人格〟の根幹を成すような能力は、どうしても数値化できないものなのです。

 《総計魔術》や《従魔術》、《契約魔術》などの理論的な魔法の達成値や威力にも関わっています。





 ※ 技能について

 ほとんどイメージ的な数値ですね。
 《行進》技能のように具体的な効果が決められているものもありますが、他は結構適当です。

 《観察》技能が高いと、自分と対象のステータスがよく分かるようになるとか。

 《拳闘》技能が高いと、手首から先の部分を用いた格闘攻撃の命中とダメージの判定にボーナスが付くとか。

 《軽業》技能が高いと、アクロバティックな動きが上手くできるようになったり、高所落下のダメージが軽減されたりするとか。

 《大道芸》技能が高いと、火炎ファイヤー以外にも人の注目を集めるパフォーマンス全般がスムーズにこなせるようになったりするとか。

 まあ、そんな感じです。
 熟練度が高ければ高いほどダイスロールの際に数値が計上されるのだと思ってください。


 熟練度の数値に関するイメージはこんな感じです。


0.1~4.9    まったくの素人  見た事あるだけ  聞きかじっただけ

5.0~9.9.    見習い未満  三日坊主  かじっただけ  教本に目を通したくらい

10.0~14.9   児戯のレベル  趣味と言うのもおこがましい  ようやく実技に取り掛かったくらい

15.0~19.9   研修を順調に終えたところ  殻付きのひよっ子  数ヶ月の講義を真面目に受けたくらい

20.0~29.9   習い事で言うと六級以下  長い長い下積みの始まり  一年目の課題を順調に終えたくらい

30.0~39.9   五級以上一級未満  辛うじて実戦レベル  新米と認められる  二年目なら優等生

40.0~49.9   一級~初段  素人にはまず負けない  職場では若手扱い  研究室への出入りを認められる

50.0~59.9   二段~三段  基本から応用へ  ようやく一人前  院生レベル  研究助手

60.0~69.9   四段~五段  プロ級の腕前  熟練工  すっかりベテラン  専門家  博士号取得

70.0~79.9   一流  高段者  実績あるプロ  一線級の専門家  いつの間にか研究室の責任者に

80.0~89.9   超一流  名人  生き字引  メダリスト級  世界的権威  研究所の顔

90.0~99.9   達人  巨匠  人間国宝  全盛期の世界記録保持者  歴史的権威  学会のカリスマ

100.0~119.9  伝説の達人  神話キャラ  信仰の対象  現代の地球には存在しないと思われる

120.0以上    人外魔境  ようこそファンタジーの世界へ


 まあ、キャラクターの個性付けみたいなものですね。




※ LV(キャラクターレベル)について

 技能の数値がキャラクターの腕前や個性を表す目安なら、レベルの数値はキャラクターの格を表す目安です。

 レベルアップの具体的な効果としては、HP、MP、CPの増加。
 DPの取得、それによる各種ステータスの成長。
 戦闘などの一部技能熟練度の上限の上昇。
 上位クラスへの道が開ける。

 ──等々が挙げられますが、低レベル者との一番の違いは〝振れるダイスの数〟になるでしょうか。

 最初の方で
〝この世界での判定は、大体この2D6で行われます〟
 みたいな事を言いましたが、LV 10になるとこれが一個増えて3D6で行えるようになるのです。
 LV 20になると更にもう一個増えて4D6。
 以降5レベルごとに全判定で用いるダイスが一個ずつ増えていく事になるわけです。

 つまり、LV5の戦士が目標達成値20に対して(2D6±?)で挑まなければならない状況ならば、LV20の戦士は(4D6±?)という計算式で望めるわけです。

 高レベルと低レベルでは振れるダイスの数が違う。
 イメージ的には純粋な生物としての強さとか、存在の重みとか、住む世界とかの〝格〟が違うといったところでしょうか。

 一流の料理人や野球選手になるために技能熟練度は絶対必要ですが、レベルは低くても構いません。
 1レベルでも世界に誇れる職人は居るでしょうし、重要な仕事を立派に務める人間も居る事でしょう。

 しかし、1レベルでドラゴンを倒せるような人間は居ません。
 限界を超えて戦う力を高めるためには、レベルを上げるしか手はないのです。
 ドラゴンを倒すためには、自らをそれと等しき存在に昇華させるしかないのです。



LV 1      一般人  素人  非戦闘員  塾通いの魔術師  ゴロツキ

LV 2~3    冒険者志望  見習い兵士~新兵  新卒の魔術師  村の喧嘩自慢  山賊

LV 4~5    駆け出し冒険者  正規兵  従騎士  村一番の使い手  山賊の頭  5~10人力

LV 6~9    一人前の冒険者  熟練兵  小隊長  正騎士  村勇者  10~50人力

LV 10~14  中堅冒険者  精鋭  中隊長  騎士隊長  宮廷魔術師  街の救世主  50~500人力

LV15~19  一流の冒険者  最精鋭  大隊長  騎士団長  ギルド支部長  宮廷魔術師長  小国の英雄  500~1000人力

LV 20~24  超一流の冒険者  達人  将軍  ギルド本部長  大国の英雄  千人力以上

LV 25~29  伝説級の冒険者  人類代表  大陸の英雄  五千人力以上

LV 30~39  神話級の冒険者  人外認定  世界の英雄  一万人力以上

LV 40~49  冒険するガンダム  人型台風

LV 50以上   神  いわゆるゴッド


 レベルの目安はこんな感じです。
 イメージ的にはD&Dが近いかもしれませんね。
 いや、能力値の上がりやすさからしてSW2.0かな?
 分かりにくくてすみません。

 〝○○の冒険者〟とか〝○○の英雄〟とかいった例えは、あくまでも実力的に見合うレベル帯という意味で、名声やらの世間の評価が伴わなければ相応の扱いを受ける事はありません。




※ サンプルキャラクター


 以下に記載しているステータスは主人公ゼイロとの比較用に考えられたものです。

 種族は人間と、イメージしやすいであろう異種族にしました。
 いつか種族ごとのデータとかを載せられたらいいですね。
 あくまでもサンプルで、参考にはならないかもしれない情報ですので、ご覧になる方は適当に流す程度に留めておいてください。

 エトラーゼとそれ以外のキャラの違いはDPとアイテム枠の有無、それとステータスという情報を認知して弄くり回せるかどうかといった事だけですので、表示に大きな違いはありません。



 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


 名前: 勘頼みのジェイク

 種族: 人間  性別: 男性  年齢: 23

 LV 1  クラス: ローグ   称号: 直感の徒

 DP なし

 HP 19/19(17+10%)  MP 14/14  CP 20/20(18+10%)

 STR 13(+2) END 10  DEX 12(+3) AGI 14(+3) WIL 9  INT 12(10+2)

 アイテム枠: なし

 装備:  薄汚れたナイフ  〈Fグレード〉〈超軽量級〉 (斬り2D6)(刺し1D6)
       粗末なスタテッドレザー  〈Fグレード〉〈軽量級〉
       指貫レザーグローブ  〈Fグレード〉〈超軽量級
       麻製の擦り切れたシャツ  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       綿製のセクシーパンツ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       綿製の臭う靴下  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       粗末なスタテッドレザーブーツ  〈Fグレード〉〈超軽量級〉

 防護点: 4 (基本+1 装備+3)

 習得技能枠: 16/16

 戦闘技能: 回避 39.8(+20) 短剣 26.3(+10) 格闘 21.7(+10) 投擲 7.1

 一般技能: 交渉 16.6(+10) 威圧 25.3(+10) 誘惑 12.9  捜索 38.5(+20) 忍び 22.8(+10)
         隠れ身 36.3(+20) 尾行 30.4(+10) すり 24.8(+10) 社会知識/無法者 38.6  地域知識/スラム街 39.0
         行進 27.3(+10) 賭博 35.4(+10)

 習得特技・魔法枠: 8/9(+3)

 特技: [徒党の強み]  [宝への執着]  『脅迫Lv 2』  『威嚇Lv 2』  『強奪Lv1』
      振りかぶりLv 1  速攻Lv 1  連撃Lv 1  ★緊急回避Lv 2

 魔法: なし

特性; 第六感


 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


「俺の生き方がつまらない? ハハハッ。そう言ってくれた奴らは、みんな先にくたばっちまったなあ」

 ラシュワン地方の玄関口として名高い、港湾都市ティサント。
 ジェイクはそこのスラム街で生まれた、極々普通の青年です。
 朝は木賃宿のベッドでダラダラと過ごし、昼は人気のない場所を歩く馬鹿な観光客に狙いを絞った恐喝や窃盗で日銭を稼ぎ、夜は懐具合に従って酒場かカジノか娼館へ。 ──というような、自堕落な日々を送っています。
 盗賊ギルドに属していない一介のチンピラの生活スタイルとしては、非常に穏やかと言えるでしょう。
 血生臭い殺しにも、ティサントで最も盛況な闇商売である奴隷ビジネスにも、一切関わっていないのですから
 もちろん善人とは程遠い性格ですので、酒場で女の尻を撫で回して引っぱたかれたり、悪酔いの挙げ句に喧嘩騒ぎを起こして半殺しにしたりされたりといった程度の悪ふざけは日常茶飯事です。

 そんな彼の唯一の自慢は、スラムの子供達の上前を刎ねた事がないといったもの。
 親や街の大人達に少ない稼ぎを持って行かれる幼少時代を半ば下積みとばかりに強制されるのがスラムの習わしで、そういった子供達も成長すると同じ事をしでかすようになっていくのが普通なのですが、ジェイクはこの悪循環に乗りませんでした。
 理由は簡単、彼の第六感がやめろと告げたからです。

 ジェイクの人生は、自らの冴え渡った勘に助けられる事の連続でした。
 奴隷商人に狙われた時も逃げ切る事ができましたし、手配中の殺人鬼が潜んでいる通りを避けて家に帰る事もできました。
 すべては咄嗟の閃き、勘のおかげです。
 そういった報いによって回避できた危険を知る度に、彼は自身の第六感に対する信頼を強めていったのです。
 もはや従う事に躊躇いはありません。
 盗賊ギルドに所属しなかったのも大きな悪事に関わらなかったのも、詰まるところは第六感がそう告げたからなのです。
 それらの選択への報いはまだ明らかになっていませんが、ジェイクは訪れの時が迫るのを感じています。

「想像してみろよ。一番頼みにしているモノが素晴らしく冴えてる人生ってのをさ。俺は結構楽しいと思うんだがね」


 このキャラは典型的なゴロツキ、チンピラ、三下の、まあ要するに小悪党です。
 その中ではやや優秀なステータスと言えますが、決して平均レベルを越えるものではありません。

 セッション中に敵として出てきたら〝山賊B〟とか〝ゴロツキその3〟とかいった捨て名を与えられる事でしょう。
 もちろん、その場合は上記のステータスは一律簡略化されて意味を成しません。
 ザコ敵、モブキャラの扱いとはそんなもの。
 残酷な話ですが、所詮彼はその程度。物語の主役にも主要人物にもなれない存在なのです。

 まあ、彼ならそんな扱いを受ける前にスタコラサッサと逃げ出すでしょうけれども。



 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


 名前: 農夫のスティーブ

 種族: 人間  性別: 男性  年齢: 20

 LV 1  クラス: ファーマー   称号: 未来の農夫無双

 DP なし

 HP 22/22  MP 15/15  CP 24/24(20+20%)

 STR 16  END 15  DEX 12  AGI 11  WIL 13  INT 10

 アイテム枠: なし

 装備:  使い込まれたピッチフォーク  〈Eグレード〉〈中量級〉 (叩き2D+3)(刺し1D+4)
       穴の空いた麦わら帽子  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       丈夫な作業用オーバーオール  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       麻製の粗末なシャツ  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       麻製の粗末な下着  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       羊毛製の粗末な靴下  〈Fグレード〉〈超軽量級〉
       ケタ革の作業用ブーツ  〈Eグレード〉〈軽量級〉 

 防護点: 3 (基本+1 装備+2)

 習得技能枠: 39/39

 戦闘技能: 格闘 38.8  弓 35.3  長柄武器 35.0  短剣 32.6  投擲 14.5

 一般技能: 農業 75.1(+10) 牧畜 73.9(+10) 単純作業 70.6(+10) 運搬 72.7(+10) 動植物知識 52.3(+10)
         動物使役 62.2  調教 58.4  解体 63.5(+10) 調理 26.6  木工 44.8
         石工 39.7  革細工 48.2  鍛冶 41.7  伐採 53.1  採取 50.2
         狩猟 61.4  野営 40.6  罠設置 43.8  罠解除 34.9  罠作成 47.5
         生存術/森林 57.0  視認 53.2  聞き耳 48.6  気配感知 32.1  追跡 31.0
         忍び 27.3  隠れ身 58.1  医療知識 47.4  筆記 24.6  行進 36.2
         水泳 30.1  騎乗 34.9  釣り 22.5  踊り 13.9

 習得特技・魔法枠: 8/9

 特技: 振りかぶりLv 1  薙ぎ払いLv 1  突撃Lv 2  速攻Lv 1  精密射撃Lv 2
      連射Lv 2  応急処置Lv 2  ★食い縛りLv 2

 魔法: なし

 特性; 忍耐力  多芸多才


 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


「……物心着いた時から村中の手伝いに駆り出されてたら、そりゃ器用にもなるだろう」

 スティーブは広大な穀倉地帯を有する農業国ピナールの農夫です。
 彼が暮らすカロリ村はピナールの典型的な農村で、陽を受けて流れる小川と輝く小麦畑が穏やかな時を刻むド田舎です。土産物や特産品の類はなく、当然ながら観光客が目当てにするようなロケーションもありません。
 敢えて他の農村との違いを挙げるとしたら、郊外にある深い森くらいなものでしょうか。
 かつて竜が住んでいたと言われるその森は豊かな植生に彩られ、ちょっとした秘境の様相を呈しています。
 奥は凶暴な肉食獣のテリトリーになっていますが、村と街道に面した外縁部は比較的安全です。
 カロリ村は森の脅威と上手く距離を取りながら、その恵みを慎ましく享受してきました。
 特に腕に覚えがある少数の村人などは畑と家畜の面倒を見ながら狩猟で副収入を得る、半猟師生活を送っています。

 スティーブもそんな生活を営んでいる逞しき農夫の一人です。
 彼は恐ろしく多彩な人間で、狩りや本業である酪農の腕もさることながら農具の修理生産に木材の切り出し、果ては収穫祭の飾り付けから医者の真似事までと、村で一、二を争う技術を複数持っています。
 寡黙な性分からやや人付き合いを苦手としている面もありますが、その勤勉実直な人柄のおかげもあってか村での評判は良好です。
 鍬が壊れた直してくれ。牛が病気だ何とかしてくれ。赤ん坊が生まれそうだ助けてくれ。──等々の求めに応じて村中を駆けずり回り、結果として村一番の働き者になってしまった彼を悪く言う者は居ません。

 更に、森からはぐれた家畜荒らしのオウルベアを自慢の罠と弓矢の腕、『YAAAAAA!!!』と勇ましく吠えてのピッチフォーク突撃で退治してしまったからもう大変。村人総出で胴上げ状態です。
 おかげで青年団のリーダー兼医師兼鍛冶師兼村長代理にまで祭り上げられてしまいました。
 嫁さんをもらってのんびりと暮らしたい本人の意に反して、村中の厄介事が二十歳になったばかりの若き農夫の元に舞い込んできます。

「今週も見合いの話は一件もなしか……」


 このキャラは典型的な農夫……とは言い難い強めの一般人です。
 技能だけを見るとかなり凄い人なんですが、それでもほんの1レベル。
 HPの数値はまだまだ常人の域で、ちょっとレベルの高い敵や特殊能力を持った相手と正面から渡り合えるほどの強さはありません。
 彼がオウルベアを倒せたのは、頭を使って工夫を凝らしたからこそなのです。
 逆に言えば、ある程度の相手までなら工夫次第でどうにかなるということですね。
 そういった賢い低レベルの一例とでも思っていただければ幸いです。



■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


 名前: 大内 健太 (おおうち けんた)

 種族: 人間  性別: 男性  年齢: 16

 LV 1  クラス: スチューデント  称号: 地球からのへたれ

 DP 2 (現在までに0p使用)

 HP 19/19  MP 13/13  CP 17/17

 STR 11  END 10  DEX 9  AGI 12  WIL 8  INT 10

 アイテム枠: 10/10

 装備:  所沢北高校の学生服  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       所沢北高校のワイシャツ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       所沢北高校の学生ズボン  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       無地のTシャツ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉       
       ボクサーブリーフ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       ポリエステルの靴下  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       スニーカー 『エア・マックス95』 〈Dグレード〉〈超軽量級〉

 防護点: 3 (基本+1 装備+2)

 習得技能枠: 34/18(+16)

 戦闘技能: 投擲 39.8  回避 3.6  組み打ち 3.3  格闘 2.1

 一般技能: 行進 31.7  跳躍 43.6  学習 38.2(+20) 教養 21.3   数学 13.6
         科学 11.3  雑学 20.2  社会知識/日本 29.5  地域知識/所沢市 40.6  スポーツ/陸上競技 35.4
         スポーツ/バスケ 24.7  ゲーム/花札 22.2  ゲーム/音ゲー 47.1  歌唱 16.8  楽器演奏/ギター 26.5
         コンピューター 6.2  忍び 3.5  隠れ身 5.8  水泳 14.8  交渉 4,3
         視認 7.3  聞き耳 5.1  観察 8.8  冒険知識 9.4  魔物知識 12.8
         採取 3.6  野営 2.5  釣り 11.0  解体 4.7  調理 7.8
         踊り 10.3  単純作業 9.2

 習得特技・魔法枠: 5/3(+2)

 特技: [学徒の心得]  [広く浅く]  運動神経Lv 2  振りかぶりLv 2  言語の習得×1

 魔法: なし

 特性; 異世界への招待  俊敏  成長力


 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


「誰かァァ~!! お願いですからここは埼玉だって言ってくださァァァァァッッい!!!」

 健太は生まれも育ちも所沢市の埼玉県民。紛う事なき日本男児です。
 陸上部に所属していて運動神経に多少の自信があるのと、父親からもらった良い靴を大切に使っている以外はこれといって特徴のない、どこにでも居そうな感じのだらけた高校生です。
 しかし、ある日を境に少しだけ特別な存在になりました。
 生きながらにして異世界アリュークスの土を踏む事になってしまったのです。

 それも、前触れもなく突然に。
 部活の合宿に出掛けた途端に目眩を感じ、気が付くと蒸し暑いジャングルのド真ん中に立たされていたというのだから堪りません。
 玄関開けたら二秒で異世界。余りの事態に哀れな地球の少年は小一時間立ち尽くしました。
 走る切っ掛けをくれたのは、茂みを揺らして現れたオーガの一団です。
 彼は自分が陸上部であった事を神に感謝しました。
 同時に熱心に練習してこなかった自らの怠慢を死ぬほど悔いたりもしましたが……。まあ、命拾いできたので良しとしましょう。

 がむしゃらに走り尽くした彼は、原始的な生活を営むニャンクスの部族に拾われました。
 健太には知る由もありませんでしたが、ジャングルで暮らす部族の八割が肉食主体で、そのほとんどが人間を滋養に富んだ食材としか思っていない事を考えれば、川魚が主食の彼らに出会えた事は望外の幸運と言えるでしょう。
 追いすがってきた人食い巨人共を投げ槍と魔弾の囲みで出迎える猫人間達の勇姿は迫力満点。恐ろしくもユーモラスなものでした。

 現在、健太は川辺にあるニャンクスの集落で厄介になっています。
 他に頼れる者もない異邦人の身としては当たり前の帰結ですが、衣食住べったりとお世話になりっぱなしではさすがに不味いと思ったのでしょう。
 朝は早起きして魚釣り、昼は岩場で寝転ぶお年寄り達の蚤取り、夜は夜で自分の知っている歌や持ち込んだ花札の遊び方なんかを教えたりして集落のみんなに喜んでもらおうと励んでいます。
 ピラニアっぽい魚に手を噛まれた時は声を上げて泣き、食中りで寝込んだ時は鬱々とネガティブな事ばかり言って看病役のニャンクス達を呆れさせたりといった醜態を晒す事もありましたが、その試み自体はそれなりに上手く行っているようです。
 もしかしたら、彼は十六年の短い人生の中で最も充実した時を過ごしているのかもしれません。

 時折、猛烈なホームシックに襲われますが、地球に帰る方法を探すために旅立つのはまだまだ先の話でしょう。
 当面の目標は人里に降りられるだけのサバイバル技術を身に付ける事です。

「人間の顔が見たい……。ファンタジーな世界なんだから、可愛い女の子との出会いくらいあったっていいじゃないかよー」


 このキャラのコンセプトはズバリ〝普通の人〟です。
 健太くんはやや体育会系で勉強不足といった色は付いていますが、大した技能も能力もありません。一般的な日本の高校生の枠に収まるステータスの持ち主です。

 エトラーゼにはゼイロ達のような〝転生型〟と彼のような〝転移型〟の二種類のキャラがいます。
 転生型が朧気な前世の記憶を持ったまま別人になってしまうのに対し、転移型は……神隠しの被害者ですね。身も蓋もなく言うと。
 どちらが有利不利という事もありません。転移型のほとんどは非力な一般人ですが、転生型だって人間やめて酷い能力になっちゃうキャラが沢山居ますからね。
 ちなみにスタート地点がランダムなのは、どちらも同じです。

 現在の健太のクラスである《スチューデント》は能力値ボーナスこそありませんが枠数の制限なく技能を習得できる、20.0までの技能熟練度の上昇にボーナス補正が掛かるという特色のあるクラスです。
 クラスチェンジの際には枠数に応じたDPを支払う必要があり、取りすぎるとDPがマイナスになってしまう恐れがありますが、覚えた技能が失われる事はありません。
 彼のような多くを学ぶ必要のある人間にはうってつけのクラスと言えるでしょう。



■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■

 名前: ヴィアドラ・ザギ・バジスース・ルオドーン

 種族: ダーク エルフ  性別: 女性  年齢: 30

 LV 1  クラス: プリースト  称号: 猫大好き小娘

 DP 1 (現在までに0p使用)

 HP 13/13  MP 30/30(25+20%)  CP 17/17

 STR 7  END 11(+3) DEX 14  AGI 12  WIL 23(+5) INT 15(+2)

 アイテム枠: 13/13

 装備:  闇に染まりし霊布のドレス 『夜光蝶』 〈Bグレード〉〈超軽量級〉
       穢れを弾く婦人用ドレスグローブ 『レディーズ・シルク』 〈Cグレード〉〈超軽量級〉
       竜革の最高級下着セット 『暗き岩屋の姫』 〈Cグレード〉〈超軽量級〉
       神々しきアダマンタイトの貞操帯 『アイルラーナの睨み』 〈Aグレード〉〈軽量級〉
       竜革の最高級ストッキング  〈Cグレード〉〈超軽量級〉
       デーモンレザーの婦人靴 『ハッピー・スタンパー』 〈Bグレード〉〈超軽量級〉

 防護点: 29 (基本+1 装備+28) 炎熱+30 冷気+30 雷+30 酸+30 魔法+30 精神+50

 習得技能枠: 27/27

 戦闘技能: 神霊術 57.4(+20) 超常抵抗 51.9(+15) 回避 25.6

 一般技能: 祈祷 61.6(+10) アイテム鑑定 26.0  教養 52.7  忍び 18.9(+5)  観察 40.0
         視認 20.8(+5) 聞き耳 27.1(+5) 神学 38.4(+10) 神秘学 40.5(+10) 語学 29.8
         交渉 77.2(+30) 演説 55.6(+30) 社交 63.0(+30) 礼法 68.1(+20) 茶道 48.2
         華道 50.6  歌唱 72.8(+20) 詩吟 65.1(+20) 踊り 56.3(+15) 調理 36.4
         動物使役 52.9(+5) 騎乗 34.0(+5) 行進 10.3  魔力感知 27.5(+5)

 習得特技・魔法枠: 15/12(+3)

 特技: [信仰の眼差し]  [死者送還]  [癒やしの手]  ◇猫との会話  ◇猫の受け身Lv 1
      ◇抜き足差し足Lv 1  ◇猫被りLv 1  言語の習得×3

 魔法: ◇招き寄せLv 2 ◇お日様ころりんLv 2 ◇チャコイの瞳Lv 2 ◇チャコイのヒゲLv 1 ◇神僕の召喚Lv 1
       清浄なる光Lv 1  剣に加護をLv 1
      

 特性; 愛嬌  美形  美声  欠け落ちた器  ◇チャコイの神託

■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


「ここは涼しいところですね」

 スカイダークは大陸中の人々から恐れられている土地です。
 曰く、邪教の総本山である。
 曰く、そこでは人は家畜である。
 曰く、神に見捨てられた土地である。
 ゴブリン、オーガ、バグベアなどの俗に〝邪妖族(ジャランダラ)〟と一括りに呼ばれる排他的で凶暴な種族が数多く生息し、部族間抗争と周辺地域への略奪を繰り返しているという、広く流布されている噂一つ取ってみても〝常闇の地〟の異名に相応しいものでしょう。
 しかし、彼の地において最大の恐怖と畏怖を刺激する点は誰の目にも明らかです。

 夜が明けないのです。
 朝が来ないのです。
 日が昇らないのです。

 スカイダークは永遠に続く夜の闇に覆われた地なのです。
 危険な夜行性の獣や、更にもっと危険な闇の怪物達の楽園。それが〝常闇の地〟スカイダーク。
 地上にヴァンパイアやデーモンの国家が存在するのは世界広しと言えども此処くらいなものでしょう。

 エトラーゼのヴィアドラは、そのような土地で生を受けました。
 隆盛を誇るダークエルフの貴族、ルオド-ン公爵家の末姫として。
 並みのエトラーゼならば気が狂うか、誰かの意のままに動く操り人形となっていた事でしょう。
 上流階級に生まれたからといって安心などできません。ダークエルフ貴族の権力闘争はさながら獅子の共食いです。性別も血の繋がりも意味を成さない弱肉強食の世界なのです。
 ヴィアドラの父も母も兄姉達も、抜け目のない使用人達も、産声を上げる彼女をどのようにして自分に都合の良い道具にするかとしか考えていませんでした。
 ──初めの頃は。

 最初に母が事故死しました。幼いヴィアドラをとっとと他家に嫁がせようとしたからです。
 次に父が病死しました。幼いヴィアドラを自分の新しい妻にしようとしたからです。
 その次に長男が狩りの最中に落雷に撃たれて炭化しました。理由は父と同じです。
 そしてまた次々と家の者に不幸が起こり、残ったのはヴィアドラと三人の姉だけになりました。
 当主の座に着いた次女、騎士団長を務める三女、魔術師として有名な六女のいずれもがヴィアドラを溺愛しており、可愛い妹がダークエルフの悪徳に染まらぬようにと心を砕いています。
 不逞な使用人達を粛正したのも団結して御家を守っているのも屋敷で猫を飼っているのも、みんなみんなヴィアドラのためです。
 何故なら、ヴィアドラが可愛くて仕方ないからです。

 ヴィアドラの前世はさる名家の令嬢でした。
 生まれつき身体が弱く複数の疾患を抱えていた彼女は、思い通りに出歩く事も友達を作る事もできずに十代前半の若い命を散らしましたが、その人生は決して無為でも不幸でもありませんでした。
 可憐な容姿に愛くるしい声、無垢なる心に儚い定め。
 彼女は愛される才能に溢れていました。そしてそれを無意識の内に芸術の域にまで昇華していたのです。
 生まれ変わって二度目の箱入り人生となっても磨き上げた芸術は損なわれず、輝きを増すばかりでした。
 何せ本人、アレルギーのせいで見てるだけだった猫が撫でられるというだけで大満足。早起きしても息切れしないわ、流動食ばかりだった御飯も美味しく食べられるわで、この上ない幸せに包まれていたのですから。より一層健やかに育つというものです。
 悪意のない、故に悪意を感じる事もない天真爛漫な気性もその成長に大いに拍車を掛けました。
 重度のディスレクシアで読み書きができないという欠点も、彼女にとっては保護欲を刺激する美点にしかなりません。

 物凄い早さで奇妙奇天烈な魅力を備えていく末姫の存在はルオドーン家の者達に初めて空を見たかのような衝撃を与え、様々な形で虜にしました。
 父や兄が彼女を娶とろうとしたのもそのせいです。邪妖族故の歪な愛の暴走劇でした。
 もちろんヴィアドラに嫉妬する者、恐れを抱く者も少なからず居ましたが、そういった者達はより強大な愛の犠牲者達によって排除されてしまいました。
 彼女を守るのは三人の姉だけではありません。アリュークスの神々すらも加護を与えているのです。

 多くの人々を惹き付けるカリスマとなれる器の持ち主は、自身への信仰を求める神々にとって無視できるものではありません。
 ましてやヴィアドラは数千万人に一人の逸材。多少の贔屓をしてしまうのも仕方のない事でしょう。
 特に彼女を気に入った清純神アイルラーナは神器級の貞操帯を授けました。
 それを見ていた魅惑神メルローゼは面白半分に、踏まれると気持ち良くなる靴を。
 破壊神ジェバは『お前の生まれた社会をこれで壊そう! な? な?』と、でかいハンマーを。
 他の神はそこまで即物的な事はしませんでしたが、とりあえず見守ってくれてはいました。

 結局、ヴィアドラが信仰の対象としたのは猫神チャコイでしたが……。
 けれども、神は妙なところで太っ腹です。与えたアーティファクトを取り上げる事もなく、相変わらず自分のところの凡俗な信徒に対してよりも注意を払って見守っています。

 今の家族と境遇を心から愛しているヴィアドラですが、一つだけどうしても馴染めないものがあります。
 それはダークエルフのファッションです。
 男も女もほとんどがレザー系の素材を身にまとい、ボディラインを顕わにしているのですから。清楚な大和撫子であった彼女には堪りません。しかも女性はレオタードや水着みたいなのがデフォ。堪りません。
 さすがに貴族の令嬢ともなるとハイレグは中々ありませんが、ヘソ出し肩出しなんかは普通だったりします。
 一度、背中剥き出しのドレスを着ていた姉に『エッチなんですねえ……』と呟いた時などは色々と大変でした。
 ダークエルフで30歳はローティーン。そろそろ本格的な社交界デビューを飾らなければならない年頃の乙女は、初めてのカルチャーショックに戸惑っています。

「みなさん、寒くないんでしょうか?」


 このキャラは転生型のエトラーゼですが家族が存在するタイプです。
 適当に放り出される他の転生型と違って身元が明確、赤ん坊の頃から成長するにつれて徐々に記憶が甦ってくるという仕様ですので、異世界への転生に対する戸惑いが少ないといった利点があります。
 要するに一般的な生まれ変わりですね。
 デメリットは生い立ちに縛られる恐れがある事くらいなものでしょうか。ヴィアドラの生まれはそういう意味ではかなり劣悪です。
 優れた器量も優しい心も、周りが計算高い極悪人ばかりでは甘い蜜を垂れ流す無力な花に過ぎないのですから。
 ダークエルフがサディズムを伴わない自己愛以外の愛情に目覚める例はいくつかありますが、どれも個人レベルの話です。一族レベルで風向きを変えてしまった彼女の功績は計り知れないものと言えるでしょう。

 特技・魔法欄にある ◇ 付きのものは、付与されているといった一時預かりの状態を表しています。
 特性【◇チャコイの神託】のおかげで猫神チャコイ様ゆかりの特別な特技と魔法を授かっている状態なわけですね。
 信仰をやめたりチャコイ様にすげー嫌われたりすると、これら ◇ 付きはすべて失われてしまいます。
 Lvアップに費やしたDPは喪失の仕方によって戻ったり戻らなかったりします。



 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■

 名前: カーリャ・ガルン・ヨルム

 種族: 人間  性別: 女性  年齢: 6

 LV 3  クラス: マトリクサー  称号: リトルガルム

 DP なし

 HP 72/72(60+20%)  MP 26/26  CP 95/95(72+30%)

 STR 12(+4) END 12  DEX 9  AGI 19(+6) WIL 10  INT 11

 アイテム枠: なし

 装備:  スパイダーシルクの子供用ジャンプスーツ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       ホワイトウルフの毛皮コート 『氷雪の子』 〈Cグレード〉〈軽量級〉
       スパイダーシルクの子供用ブーツ  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       スパイダージルクの子供用肌着  〈Eグレード〉〈超軽量級〉       
       スパイダーシルクの子供用下着  〈Eグレード〉〈超軽量級〉
       スパイダーシルクの子供用靴下  〈Eグレード〉〈超軽量級〉

 防護点: 9 (基本+1 特性+1 装備+8) 斬り+5 刺し+5 魔法+10 冷気+50

 習得技能枠: 26/26

 戦闘技能: 回避 51.4(+20) 格闘 48.1(+20) 放出 35.8(+20) 投擲 12.5  古代魔術 8.8

 一般技能: 探知 36.3(+10) 味見 48.7(+20) 聞き耳 37.2(+10) 視認 25.6(+10) 気配感知 33.6(+10)
         魔力感知 15.1(+10) 行進 54.5(+10) 跳躍 39.0(+10) 軽業 24,7(+10) 忍び 36.7(+10)
         隠れ身 13.4  狩猟 6.4  追跡 4,3  踊り 12.9(+5) 儀式/魔獣封印 12.7 
         動物使役 26.9(+10) 調教 19.4(+10) 運転/犬ぞり 11.8  生存術/雪原 18.3  演技 7.6(+5)
         アストラル制御 4.1

 習得特技・魔法枠: 15/14(+2)

 特技: [我が身に宿れ]  存在の吸収Lv 1  封印の秘儀Lv 1  ◇牙Lv 2  ◇鉤爪Lv 2
      ◇四足獣の極意  ◇冷気耐性Lv 2  肉体操作Lv 1  テレパシーLv 2  食い溜め Lv 2
      栄養英気Lv 1  肉から肉へLv 1  ◇アイスブレスLv 1

 魔法: 『不動縛呪Lv 1』  ◇身外身の術Lv 1

 特性; 反射神経  再生力  心の声  喰らいし者の愉悦  ◇活力の泉  ◇烈なる気炎
      ◇マーナガルムの封印

 ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■


「おうおうおう! ただいま!」

 カーリャはルゼリア大陸の北、フリスガルズ地方で暮らす狩猟民〝ガルンの民〟の娘です。
 ガルンの民はフリスガルズの諸部族の中でそれほど目立った存在ではありませんが、一つだけ特異な点があります。
 その血を引く者は皆、生まれながらのマトリクサーであるという点です。
 マトリクサーは自らの肉体に封印した怪物の力を振るって戦う希少なクラスで、通常は秘儀とされる封印の業を修める事によって認められます。
 ですから、全員が生まれながらにというのは非常に珍しいケースなのです。

 もちろん、これには理由があります。
 ガルンの民はまたの名を封印の氏族と言い、〝創世の魔物〟という最も強力な怪物の一体の封印を受け継いでいる民なのです。
 その名は魔獣マーナガルム。
 巨大で獰猛な白狼の姿をした魔物で、魔犬魔狼の祖とされる生きた災厄です。
 創世記に起こった最後の戦いにおいて荒れ狂うマーナガルムの分割封印に成功したガルンの民の祖先達は、自らの身体に宿した魔獣を子々孫々へと伝えていく事を一族の使命としました。
 自分達の生活サイクルに取り込むことによって魔獣の更なる細分化と弱体化、そして遠い未来での完全なる消滅を狙ったのです。

 長い時が経ち魔獣の力も大分弱まりましたが、その力と意思は未だに世界の脅威と成り得る危険性を秘めています。
 半身の復活だけでも大陸中の英雄が乗り出す大事件となるでしょう。

 そんな物騒な代物を抱えていると世間に知られるわけにはいきませんから、マーナガルムの封印はガルンの民だけの秘密となっています。
 ただのマトリクサーでさえ怪物を身に宿すという事で忌避される事があるのです。モノが核弾頭並みの魔獣では果たしてどんな扱いを受けるのか……。試してみたいと思う者は居ないでしょう。
 なので、表向きはスノーウルフやホワイトウルフなどのマトリクサーで通っています。

 近年に起こったシャイターンの襲撃は不幸な出来事でしたが、捕らえられていた族長レイシャの帰還によりガルンの民は再び以前の平穏を取り戻しつつあります。
 カーリャもそろそろ街の学校に通い始める年頃です。マトリクサーとしての才能だけならガルン屈指の彼女ですが、果たして学業においてはどうでしょうか?
 魔獣の性の色濃い娘が同年代の子に噛み付くのではないかと、母親であるレイシャは気が気ではありません。

「なんだ? あいつらガッコーにいないのか?」


 最後に本編に登場したキャラを。と思ったのででカーリャを載せる事にしました。
 ステータスはスカベンジャーズ・マンションから脱出した後のものです。
 彼女の特性【喰らいし者の愉悦】は食った相手の特性を二つまで自分の物としてキープしておけるという怪物的なやつです。
 吹っ飛んだゼイロの足を食べた時にちゃっかりいただいていたわけですね。

 ◇ 付きの特技は体内に封印してあるマーナガルムが習得している業を借りているという状態を表しています。
 神託における特殊な魔法などと同じ扱いですね。
 マトリクサーのステータスボーナスは封印している魔物に依存しますから、マーナガルムが居なくなるとそれに準ずる能力値や技能のプラス修正も失われてしまいます。

 今回新しく登場した特性のデータはキャラデータまとめの方に追加されています。





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