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No.15492の一覧
[0] ファンタジー 迷宮物[K.Y](2010/03/27 21:14)
[1] プロローグ[K.Y](2010/01/17 20:39)
[2] 第一話[K.Y](2010/01/17 20:40)
[3] 第二話[K.Y](2010/01/21 21:44)
[4] 第三話[K.Y](2010/01/31 20:17)
[5] 第四話[K.Y](2010/03/27 15:45)
[6] 第五話[K.Y](2010/03/27 15:46)
[7] 第六話[K.Y](2010/03/27 21:14)
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[15492] 第二話
Name: K.Y◆4f5df61f ID:7900bcbf 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/21 21:44
 
 
 
『レベルアップが完了しました
 
レベルが44になりました、体力が2上昇しました』
 
体力が2上昇、これがノービスがレベルアップした時に得られる全てである。
 
特殊な装備品の能力を引き上げる『攻力・防力』、攻撃力が上がる『力』、防御力が上がる『耐久力』、行動・命中・回避に関わってくる『敏捷』等と言った他のステータスは、ノービスでは上がることは無い。
 
確かに、尽きれば死に至る為、もっとも重要だと言われている『体力』が上がるのはありがたい。
 
が、しかし、それだけしか上がらないのであれば、敵の攻撃に耐えられる時間が延びるだけで、敵を打倒するチカラを得ることは出来ない。
 
つまり、ノービスの間は最弱と言われるファーストダンジョンのモンスターすら弱く感じることが出来ず、常に死と隣り合わせでレベルアップに励まなくてはいけないのだ。
 
しかし、一次職に転生してしまえばガラリと変わる。
 
一番簡単だと言われている一次職、戦士でさえレベルアップはノービスの約10倍の加護が得られると言われているのだ。
 
故に、短時間で条件がクリア出来る戦士が一次職中では一番多く、一番時間が掛かる騎士が一番少なくなっている。
 
 
「どうも、ありがとうございました」
 
 
レベルアップの光りに目をやられないよう閉じていたアズライトは、何時もと変わらない声に軽い落胆の溜息を落とすと、目を開きフィーメリアへ視線を移し改めてお礼を述べる。
 
 
「ううん、これがお仕事だしね」
 
 
フィーメリアはそう返した後、表情を曇らせたまま聞き辛そうにしながらもある事を尋ねた。
 
 
「・・・・・・その、何度も聞いて悪いとおもうけど、何でクラスチェンジしないの?いつも『また今度』って言って・・・そのままだよね?」
 
 
「そ・・・れは・・・」
 
 
今まで色々な人よりされた質問、それこそ冒険者となってすぐにお世話になった人や、顔も知らない冒険者、ノルンの職員からも聞かれたことがあった。
 
しかしアズライトは、その問いに一度もしっかりとした返事を返したことはなかった。
 
 
「もしかして、特別なスキルが手に入るとか言われたの?でもノービスでは例外である1つのスキルを除いてスキルを得たって話は聞かないんだけど・・・」
 
 
フィーメリアも、アズライトの言い辛そうな表情を察するが、彼女にも色々と思う所があるのだろう、さらに尋ねてくる。
 
 
 
『スキル』
 
 
 
レベルアップを神よりの加護だとするならば、スキルは神の恩恵だと言われているモノである。
 
経験を積めば条件が満たされるレベルアップと違い、スキルはその冒険者の行動によって舞い降りてくる。
 
つまり、自身の冒険の成果の一部だと言えるものなのだ。
 
多種多様なものがあり、メリットがあるモノやデメリットがあるモノもある。
 
しかし、スキルは選ぶモノではなく与えられるモノ。レベルアップ、もしくはクラスチェンジの時に自動的に付与されそれを消すことは出来ない。・・・全ては己の行動の結果、得るモノだからだ。
 
 
「あ、それはないです。俺も素質に関係無くノービスで得られるスキルがあるなんて、聞いた事無いですから」
 
 
フィーメリアのその言葉に、俯いていた顔を上げると苦笑と共に首を横に振り否定する。
 
スキルもまた、一つの例外を除きノービスで得たと言う話は聞いたことがない。これもスキルを得られる程の下地が、ノービスでは出来てないからだろうと言われている。
 
だから、もしそんな眉唾どころか十中八九嘘であろう情報に踊らされているのならばと考えての問いであり、あり得ない事を言われた為の否定だった。
 
 
「そっか・・・そうだよね、流石にそれぐらい知ってるよね。それに・・・冒険の仕方は人それぞれだものね」
 
 
(やっぱり・・・どうしても話してくれないんだ・・・)
 
 
「はい・・・すみません」
 
 
フィーメリアはアズライトの言葉を受け、今回も引き下がることにした。
 
今まで何度か似たようなやりとりをしている為に、それにこの重い雰囲気を変える為にも。
 
そして、それを察した為にアズライトからも謝罪の言葉が出て来たのだ。
 
 
「今日も、どうもありがとうございました」
 
 
「ううん、それじゃあアズ君またこうして会えるの、楽しみにしてるから」
 
 
その微妙な空気に急かされるように立ち上がると、アズライトは今日の用件はこれで終わりとの意味も込めて頭を下げる。
 
それを座ったままながらも、彼女なりの『死なないで』という思いを込めた笑顔で部屋を出て行くアズライトを見送る。
 
そして扉が閉じた後、少し悲しそうに扉を数秒見つめると彼女も席を立ったのだった。
 
フィーメリアが強くクラスチェンジを勧める理由、それは冒険者の死亡率に関係がある。
 
二つ、という言い方もおかしいが、冒険者の死亡率が高い時期がある。
 
それが、ノービスの期間中と、一次職へとクラスチェンジしてすぐなのだ。
 
ノービスの期間中は、幾ら敵が弱いファーストダンジョンとはいえ自分自身も体力しか上がらない上に、戦闘・・・つまり殺しに慣れておらず、怯えや緊張に縛られ殺されてしまう事が多い。
 
もっとも、剣士や騎士を目指そうとし、ステータスはほとんど上がっていないのに戦闘行為に慣れてしまい、深追いしすぎて死ぬというケースも少なくないのだが。
 
一次職へのクラスチェンジしてすぐ、というのは、自分の強さを過信してしまうからである。
 
幾らノービスでなくなったとはいえ、レベルは1か2に落ちているのである。
 
故に、金銭的に余裕があれば装備を新調しニブルヘルムへ挑むか、もしくは、今一度ファーストダンジョンに戻り、レベルを上げ直し、資金を多少なりとも増やしてから挑むのが正しいとされている。
 
だが、ノービスからクラスチェンジできたことに舞い上がり、まだ育ててもいない強さを盲信し、自分の力を試したいと、新しい力を感じたいと・・・ニブルヘルムへクラスチェンジしたその足で向かってしまう者も、少なくないのである。
 
もっとも、死亡の比率で言えば7:3程で圧倒的にノービスの期間中が多いのであるが・・・
 
だからこそ、未だに死亡率の高いノービスであるアズライトの事を心配し、クラスチェンジを勧めるのである、が・・・今回のように結局、お互いがお茶を濁す感じで終わってしまうのだ。
 
 
「・・・・・・はぁぁぁ」
 
 
六番ボックスより出て来たアズライトは、中では抑えていた溜息を外に出るなり吐き出していた。
 
それは何もフィーメリアの質問に対しての鬱憤や、余計なお節介だと感じて出たものではない。
 
自分がクラスチェンジをしない理由、それを答えられないからだ。
 
というのも、アズライトがクラスチェンジをしないのは具体的な目標があるからではないのだ。
 
ノルン独特のシステムの一つに「ベットシステム」というモノがある。
 
ベットシステム、それは冒険者として登録する時にノルンより提案される特典であり、賭け(ベット)の事である。
 
冒険者として登録したら、担当官というノルンに関わる様々な事を受け持ってくれるスタッフが就くのであるが・・・ベットシステムはこの担当官をリストの中より選ぶことができる。
 
すると、その担当官に見合った条件が提示され、それをクリアすれば担当官を自分の物とできるのである。
 
これは、ノルンが冒険者に少しでもやる気と、ギルドに対して良い印象を持って貰おうと定めたもので、その効力はかなり大きい。
 
当然、担当官として就職しているスタッフは、背景がどうあれ、全員これを承知して就職している。
 
もっとも、奴隷として買われた者は強制であるし、スタッフのほぼ全員が何らかの事情があったり、このシステムを目当てとして就職している者すら居るのだが・・・
 
突然ではあるが、スカンディアは都市である為に王はいない。
 
その代わりに、この都市を治めているのがノルンの運営陣と、貴族連合と言われる、貴族の中より選出されたメンバーである。
 
主にノルンが迷宮や、冒険者などを含めた都市民や流通関係を取り仕切り、貴族連合が、外交や取り決め等を仕切っている。
 
つまり、スカンディアの頂点にあるノルンの取り決めは、想像以上に強いのだ。
 
担当官を自分の物とできる、とあるが、これは準奴隷という立場で譲られる。
 
同居人や、相棒、使用人ですらなく準『奴隷』としてである。
 
これは、生殺与奪権までとはいかないが人権まで譲られる。
 
殺せば殺人罪が適応されるが、極端な話、ペットのように扱っても、腕や足が無くなっても、生きていれば罰されないというものだ。
 
もっとも、条件を達成するまで、レベルアップやクラスチェンジ等と色々お世話になった相手でもある。
 
譲られたとはいえノルンの職員であったことは変わりないし、職員でなくなったからと言って完全にノルンとの関わりが消えると言う事でもない。
 
それに冒険者とノルンの関係は途切れないの上に、理不尽なことばかりしていればノルンもその冒険者には非協力的になる。
 
それは実質的にスカンディアでは生きていけないのと同義でもある。
 
なにも、スタッフを不幸にするために作ったシステムではないからだ。
 
それなのに譲ったスタッフに不幸が訪れたのならば、ノルンとていい顔をするわけがない。
 
だが、そういう点を差し引いても理不尽が通る決まり事なのだ。
 
ノルンもスタッフの恋愛事情に対してまでは口は出さないし、結婚も自由である・・・が、結婚していたとしても冒険者が条件を満たしたならば、強制的に離婚が適用され冒険者へと譲られる。
 
夫が異議申し立てをしようと聞き入れられず、取り返しに行き殺されようが相手は無罪とされ、取り返せたとしても誘拐・拉致監禁などの罪で逆に裁かれる事となる。
 
故に、スタッフの多くは結婚どころか恋人すら作らない、が、スタッフは容姿などでも選ばれるため告白や求婚などは少なくない。
 
そういう点も割り切って一夜限りの付き合いや、交際などをするスタッフもいる。
 
もっとも、割り切っていたつもりでもその場面となると割り切れず、問題となる事もあるのだが。
 
しかし、その立場さえ受け入れてしまえば、将来有望で一般職よりは危険も多いが収入も多い男と一緒になれ、その上大事にされる可能性も極めて高いのである。
 
だから、このベットシステムに目を付け楽に、もしくは楽しく優雅に暮らしたいと就職を希望したスタッフも少なくはない。
 
肝心の条件であるが、クラス・スキル・寄付金の三つが基本的に条件として提示される。
 
そして、クラス・スキル・寄付金の順に重要視され、優先度の高い順番となる。
 
寄付金は、もちろんノルンに対する、純粋な寄付として払う金の事であり、クラス・スキルはそれぞれ、取得人数や取得難易度の関係がある。
 
それを達成できれば、担当官を貰えるのである。
 
尚、寄付金については一度の金額上限と、再度支払い可能となる期間が設けられている。
 
これは、貴族や金持ちが容易かつ、短期間で担当官を得るのを避け、一般的な冒険者の割り込む余地を造ると共に、本当にその担当官を欲しているのかを見る期間としても設けられているのだ。
 
あと、このシステムは冒険者として登録するときに一名だけ指名するものではあるが、一人が一人の担当官を、と言うものではない。
 
冒険者が指名できるのは一人であるが、他人が決めたからと言ってそのスタッフを指名できないというわけではないのだ。
 
つまりは、100人が同じスタッフを担当官として指定している場合もある。
 
そして、指名する冒険者が多ければ多いほど、その担当官の条件は厳しくなっていくという仕組みになっている。
 
なお、条件が厳しくなった場合は、窓口にて受付嬢より条件の変更が伝えられる。
 
以上がベットシステムの簡単な説明となる。
 
それで、アズライトがノービスのままでいる理由であるが・・・アズライトの担当官は先ほど別れた、フィーメリア=シセイ=ドリアドネである。
 
彼女はエルフという種族の中でも特殊な、ハイエルフと言われる種族である。
 
ハイエルフという種族はエルフと違い、殆ど人間と関わった事が無い。
 
エルフと人間は前に戦争を起こしたこともあるが、ハイエルフとなると歴史を紐解いても、人と関わったのは50人にも満たない数なのだ。
 
エルフという種族は人間よりも長寿であることで有名で、フィーメリアもその外見からは予想ができない期間、30年ほどノルンの職員として働いている。
 
その30年という期間、全てではないが大半を担当官として勤めてきた。
 
彼女は、エルフ種族のみが有するスキルと、その美貌で多くの冒険者より担当官として指名されてきた。
 
中にはもう死んだ者もいるが、ベットシステムは死んだ者がいたとしても、一度上がった条件を下げることはない。
 
故に、彼女の条件は最高難易度のものとなっている。
 
『・クラスによる条件は、新たなるクラスに足を踏み入れた場合譲渡する
 ・スキルによる条件は、新たなるスキルをその身に刻んだ場合譲渡する
 ・この者については、寄付金による譲渡は一考すらしない事とする』
 
これは実質的にノルンが金銭では彼女を譲らず、偉業とも呼べるほどの事を達成する者にしか譲渡しないという事である。
 
尚、この条件というのもは事前に尋ねれば教えて貰える。
 
故に、担当官が欲しいのならば、自分の好みとその担当官の条件を照らし合わせていき、手に入れられそうな担当官を指名する。というのが一般的である。
 
だが、中には一か八かに賭ける者、どうせ手に入らないのなら他人の手に渡らないように条件を吊り上げてやろうと考える者、そしてただただその人を欲しいと思ったから指名する者等がいる。
 
そしてアズライトは最後の、ただただその人を欲しいと思ったから指名した人間であった。
 
それはまさに初恋であった。リストの中の顔写真を見た瞬間から脳に焼き付いた。だから衝動的に指名してしまった。
 
初めて対面したときに、実際に生きて目の前にいる彼女に、更に恋に落ちた。
 
もしかしたら、年齢的なモノもあり恋に恋しているだけかもしれないが、その感情は抑えられるようにはなったものの、純度は全く落ちていない。
 
少なくとも抱いた気持ちは変わっていない、とアズライトは信じているのである。
 
しかし、それと同時に気付いてしまった、この恋を実らせるには到底不可能と思われる条件を達成するしかないと。
 
告白をしても応えてくれるか解らない、恋人となっても結婚してもらえるかわからない、結婚しても条件を達成した冒険者が彼女を奪っていってしまうかもしれない。
 
多感な時期であったのも影響したのだろう、悪い事を考えては良い事を妄想し、最良を考えては最悪が頭に浮かび落ち込む。
 
一人芝居も良いところであるが、事実ではあった。
 
だが、最後のスキルが発見されたのが約50年前、最後の一次職である騎士が発見されたのが約300年前で、もっとも新しく発見された三次職のクラスですら、発見されたのは約100年前なのだ。
 
その上、アズライトはようやくスタートラインに立ったというのに、彼女を欲している冒険者達は・・・その最前線はどれ程の高みにまで上がっているのか。
 
実際には確認できる事ではないのだが、勝手に想像を高めては、勝手に落ち込んだ。
 
そしてその結果たどり考え付いたのは『普通の冒険者として進んではダメだ』という思いであった。
 
そして、その頃にはもう窓口にて受付嬢をしていたディアンナに聞いた所、ノービスで最も高いレベルまで上げた者は28まで上げたという記録が残っているとの事だった。
 
10・15・20というレベルでそれぞれクラスが見つかったのだ、25で新たなるクラスがあると思ったのだろう、しかし未だに新しい一次職は発見されていない。
 
だが、諦めきれずに28まで粘ったのだろう。
 
『しかし、28でだめだったのなら、自分は30まで、それでもダメならば35まで上げてみよう。』
 
それがアズライトの当初の目的だったのだ。
 
そしてアズライトは35まであげれば何かしらの変化か、発見があるだろうと思っていた。
 
しかし、いざ35まで上げても、何の変化も無かったのである。
 
つまりアズライトは冒険者の一歩目から思い切り躓いてしまう事となった。
 
そういうのはよくある事であるが、彼は若いという事もありそうは思わなかった。
 
『自分の周り全てが・・・世界が自分を嫌っている』と、若い時によく陥る考えにはまってしまったのだ。
 
そして浮かんでしまったのは最悪のヴィジョン、自分がこうして無意味に足踏みしている間に、誰かが新たなるスキルかクラスを発見し、彼女を自分から奪い去っていくというヴィジョンである。
 
何十年と出来ていない事を簡単にできるわけはない。
 
それに確かに指名者数では一番はフィーメリアであるが、なにも新たなるスキルやクラスを発見した者が彼女を指名している冒険者だとは限らない。
 
しかし、だからといって彼女の事を諦めることは出来なかった。まだ誰の物にもなっていないし、条件を満たす者が出たわけでもない。
 
だが、彼女を欲している冒険者と今更普通に競い合っても、勝ち抜けると思えなかった為にこうしてノービスのままレベルを上げているのだ。
 
故に、彼は考えるのを止め、惰性で今まで通りノービスでファーストダンジョンに潜りだしたのである。
 
もちろん彼も成人している為、生活していかなければいけないという思いもあったが・・・
 
そんな生活を初め、しばらく経った時にある考えたが浮かんだ。
 
それは他人から見れば優柔不断で消極的極まりないものであった。
 
『このまま何か変化があるまでレベルを上げ、その間に彼女が奪われるような事になったら、冒険者を諦め別の職業を目指そう』
 
ノービスという、「何者にもなれるが何も極められないクラス」であったが故に浮かんだことであろう。
 
冒険者として登録はしたが、ノービスならば別の仕事に就くことも可能なのだから。
 
しかも彼はこの考えを、前向きに考えた結果に出た結論だと思い悲壮感など無く、悩みから解き放たれた晴れ晴れとした顔でダンジョンへと向かっていったのである。
 
もっとも、今となってはなんと後ろ向きな考えだったのだろうかと反省している、が、ならばどうすべきかという結論はやはり出せずに、考えぬようにしたまま惰性でファーストダンジョンへ潜り続ける。
 
つまり、どうしてクラスチェンジしないのかと、なにか理由があるのかと聞かれても、答えられないし、こんな心情を伝えたくもない。
 
結局のところ、なぜクラスチェンジせずにノービスのままなのかというと、希望と惰性と諦めが混じり合った為であり、明確な目的などは無い。
 
そして、何らかの要因か変化がなければこのままノービスのままであろうと言う事もうっすらとではあるが頭には浮かんでいた。
 
 
「どうにか・・・したいんだけどなぁ・・・」
 
 
換金所のことを忘れ、そのまま出口に向かいながらアズライトはそう呟いた。
 
 
 
 
 
後書き
 
どうも、K・Yです。
 
迷宮物と銘打っておきながら・・・迷宮潜ってないねw
 
・・・作者としてもさっさと潜らせたいんですが、一時こういう説明多めで進んでいきます。
 
いあ、作者としては設定も楽しく書いてますのでいいんですが・・・読者の皆様には「我慢してね☆」としか言えないなぁ・・・楽しんで頂けたら勿論嬉しいですがw
 
 
 


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