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No.14030の一覧
[0] 死んで覚える迷宮探索(よしお→異世界)[汚い忍者](2010/01/07 01:11)
[1] 第一話[汚い忍者](2009/11/28 08:01)
[2] 第二話[汚い忍者](2009/12/02 10:41)
[3] 第三話[汚い忍者](2009/12/02 10:48)
[4] 第四話[汚い忍者](2009/12/02 11:11)
[5] 第五話[汚い忍者](2009/12/02 11:19)
[6] 第六話[汚い忍者](2009/12/02 11:32)
[7] 第七話[汚い忍者](2009/12/02 11:41)
[8] 第八話[汚い忍者](2009/12/02 11:47)
[9] 第九話[汚い忍者](2010/01/12 01:40)
[10] 第十話[汚い忍者](2009/12/07 00:32)
[11] 第十一話[汚い忍者](2009/12/10 02:08)
[12] 第十二話[汚い忍者](2009/12/26 10:00)
[13] 第十三話[汚い忍者](2010/01/11 00:27)
[14] 第十四話[汚い忍者](2010/01/13 01:32)
[15] 第十五話[汚い忍者](2010/04/03 19:09)
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[14030] 第九話
Name: 汚い忍者◆64ee84f7 ID:62ef03fa 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/01/12 01:40
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王国暦653年 6月27日
情報調査部 事業部長殿

資材発掘部 Pierluigi Keibich
情報調査部 Patlicia Harfouch

                           調査報告書


6月22日発生の社員殺しによる社員複数人の殺人事件(以下S530622事件)において、調査を実施致しま
したので、以下の通り報告いたします。


                                記
目的
今回、S530622事件における現場調査を実施し、当該事件の犠牲者ついて把握したく、本件調査に及ん
だものである。
鋭意、調査の結果、次の通りご報告致します。

概要
S530622事件の現場調査を王国暦653年6月23日~6月25日の計3日間実施した。
当該実施日の調査により、本事件の経過詳細及び犠牲者の氏名が明らかになった。

発生日時
王国暦653年6月22日16時15分~

発生場所
ブーヘンヴァルト迷宮地下二階

事件発生日の状況
王国暦653年6月22日16時15分頃、迷宮探索部所属のFeodor Arbogastをリーダーとするパーティ6名
(以下Aパーティ)がブーヘンヴァルト迷宮(以下迷宮と略称)地下二階を移動中に社員殺しに遭遇。リー
ダー含む4名が死亡、2名が地下二階より離脱。

同日17時頃、資源発掘部所属のArtur Augenthalerをリーダーとしたパーティ8名(以下Bパーティ)が同
階層において社員殺しに遭遇、全滅したと思われる。5名の遺体が確認されており、残り3名については
現在も行方不明であるが、生存の可能性は極めて低い。

同日17時30分頃、Aパーティ所属Robertine Zechmeister、岸間明剛2名が情報調査部に社員殺しの
発生を報告。これを受けて情報調査部は迷宮内に社員殺し発生の通達を行う。

同日同時刻、地下四階拠点より帰還中であった試用期間中の第530620新人パーティ(以下Cパーティ)
11名が放送を受け、地下三階への避難を行うものの同日17時50分頃、社員殺しに遭遇。3名が死亡、7
名は地下三階へ離脱、そのまま拠点へ引き返し保護された。残る1名については理由不明であるが迷宮
内入り口に倒れており、保護された。

王国暦653年6月23日4時頃、社員殺しの消息を確認。
同日5時30分頃、社員殺しの消息の旨を通達した。

犠牲者
1)Aパーティ
   Feodor Arbogast
   Aarre Vaskelainen
   Basileios Cederstrom
   村川 哲司

2)Bパーティ
   Artur Augenthaler
   Bill Gamero
   田村 宗太郎
   北郷 一刀
   Gehry Hastanvide
Wassily Lezaun(行方不明)
   吉川 明義(行方不明)
   Oleg Agafonnikov(行方不明)

3)Cパーティ
   Akinfeev Muravyov-Amursky
   Nova De Portago
朝倉 匡

所見
事件発生後から通報までの時間的ロスにおいて犠牲者が出ている。
迷宮内緊急電話など何かしらの対応策を要するのは確定的に明らかである。



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「久しぶりに社員殺しが出たね」


立派な角を持つ牛頭が調査報告書に目を通しながら、コーヒーを啜りながら呟く。

彼の名はスタニスラフ・グシンスキー。
ブーヘンヴァルト強制収容所に勤めて36年、情報調査部の中では最も上の立場である牛男である。


「半年ぶりですね」


その呟きに答えるのはオズボーン課長。
馬の首から上が人間の上半身に置き換わった所謂ケンタウロスという種族に属する男である。
上半身にスーツ、下半身はその逞しい裸体を晒しているというなんとも公然猥褻罪に問われそうな出で立ちである。


情報調査部の人間は攻略本部同様、犯罪者、密入国者、政治犯といった者たちから雇用されているのだが、攻略本部の人間と違って彼らに命の危険は殆ど無い。
その為、この部署からの退職者は極めて少なく、新人が入ってくるのは非常に稀である。逆に言えばこの部署に配属されたのならラッキーである。
彼らの給与は攻略本部の人間とは違い、出来高制ではない為安定しているが、それでも攻略本部の人間が持ち帰った情報の量、質によって左右される部分も当然ある。
故に、全く実態の掴めない総務とは違い、情報調査部は攻略本部と密接な繋がりがある。
攻略本部が業務を円滑に行えるようサポートしていくのも情報調査部としての方針の一つなのだ。


「攻略本部の奴ら、やっぱり迷宮内に緊急電話が欲しいってさ」


「総務の連中が簡単に予算を寄越すとは思えないですけどね。スピーカー設置の時だってあんだけ苦労したのに…」


この二人、職階は近くはないが、25年以上の付き合いである。
迷宮内のスピーカー設置に関してもこの二人と当時の情報調査部事業部長、攻略本部の事業部長達が十数年前に総務に何度もかけあってどうにかある程度の予算を出させたのだ。


「犠牲者何人出たんです?」


「ちょっと待って。最近年のせいか細かい字が…」


そう言ってスタニスラフは自分の机の引き出しから単眼鏡を取り出す。


「えーっと…、15人」


「やっぱスピーカー設置してから大分減りましたよねぇ」


「だねぇ。効果大きいよねぇ。総務もケチらないでさ、地下四階までじゃなくて一気に地下九階まで設置できるだけの予算くらい出せよって僕は思うよ」


十年程前にスピーカーが設置される以前は、社員殺しが現れたときは今と比べ物にならないほど犠牲が出ていた。
当時は通達手段が人づてしか無く、迷宮内に居た社員達の中で社員殺しが現れているという情報を知ることが出来た者は実際に遭遇した者以外に殆どいなかったのである。
その為、被害は拡大するばかりであった。


「全くですね。それに攻略本部の言ってるように緊急電話もあれば便利にもなるでしょうね」


「けれども今更社員殺し対策に緊急電話の設置お願いしますなんて言った所で総務が動くとは思えないよ」


当時は社員殺し死亡者数が余りにも酷く、出没後は必ず人員不足となり、補充要員が揃うまでは業績悪化に陥っていた。
そう言った経緯もあり、総務もイヤイヤながらもスピーカー設置の予算を出したのだ。
お陰で社員殺し出没後に人員不足に陥る事は無くなった。
だと言うのに、たかが社員の命の為に多くの予算を出して緊急電話の設置する必要性が何処にあるのか。
それが総務の意見である。


「総務の連中はお金の事しか考えていないからね。その件についても僕の方でも何度か嘆願書出してるけど良い返事が返ってきた事は無いよ」


そう言って溜息をついたスタニスラフは再度調査報告書に目を戻し、しばし読み耽る。


「ん~?」


しかし、気になる点でもあるのか手に持った報告書を目に近づけて何やら唸り始めた。
暫くして目から書類を遠ざけキョロキョロと周囲を見渡し、やがて一人の人間が彼のその眼に映った。


「あ、いたいた。ハルフォーフさーん、ちょっといいー?」


「はいー?」


スタニスラフの声に返事をしたのは遠くからの女性の声だ。
そうして近づいてきたのは20代前半のゴールデンレトリバーのような垂れ耳とふさふさの尻尾を持つ女性であった。


「ちょっとこの報告書でさ、聞きたいことあるんだけど今大丈夫?」


「うあっ、なんかマズい箇所ありました?」


「いや、大したことじゃないよ。このさ、“理由不明だがパーティの内の一人が迷宮内入り口で倒れていて保護された”っていう部分あるでしょ。ほらこの部分。これって?」


スタスニラフはもう片方の手にもったコーヒーカップを机に置き、報告書のある部分を指差した。


「あー、私も資材のクライビッヒさんから聞いた事を纏めただけなんで詳しい事も知らないんですけどね」


ハルフォーフと呼ばれた女性はそう言ってスタニスラフが質問したことについて説明を行う。


新人パーティ一同は社員殺しに遭遇時、地下三階の階段方向に向けて逃走を開始し、先の二又の分かれ道にて二手に分かれたらしい。
生還した面々が地下三階へ離脱した時、該当人物はその中にいなかった。この事から該当人物は彼らとは別方向の道へ逃走した、あるいは途中で逸れたと考えられる。
生還した面々とは別方向の道は行き止まりであり、そちらの道を選んだ3名は全員遺体となって見つかっている。
しかし、何故か該当人物が迷宮内入り口で倒れているのを発見されたということである。
その時刻、社員殺しは未だ出没中であり、一人の力で地上へ到達は不可能であった。


「…なんだか不思議な話ですね」


近くで聞いていたオズボーンが感想を述べる。


「彼に詳細を聞こうとしたらしいんですけど公用語話せないようなんです」


ハルフォーフのその言葉にスタスニラフは「ふーん」と返事をしながら机の上のコーヒーカップを手に取り、コーヒーに口をつける。


「まぁ、変な話だけれどあんまり重要なことでもないか。ありがとね、ハルフォーフさん」


「いえー、では戻りますね」


自分の席へ戻っていく彼女の後姿を見ながら、スタニスラフは報告書を机の上に置き、椅子の背にもたれかかり、そのまま大きく伸びをした。


「……社員殺し、なんとか討伐できないもんかねぇ。僕がここに入社してからもずっと現役だよ、アレ」


「難しいでしょうね。ミイラになったミイラ取りの人数だって相当な数ですよ」


社員殺しが初めて出没してから約80年余り。
幾度となく有志がそれの討伐を試みたものの何れも失敗に終わっている。
その時生き残った者より、刃物類のみならず銃器類も効果が薄いという報告書も受けている。


「まぁ、実際命掛けてるのは攻略本部だから彼らも必死になるのも仕方ないか。個人的にはなんとかしてあげたいとは思ってるんだけど…」


ままならないもんだね
そう言って、残りのコーヒーを飲み干した。




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■現在位置は ブーヘンヴァルト強制収容所 医療室 C-5 です。■
■Yoshio will not die. It will revive.■


時間は数日遡る。

6月22日21時44分、よしおは視界が真っ赤になって飛び起きた。
怖い夢を見たのだ。今までの人生で見た夢の中でも断トツに最悪な夢だった。

夢だと言うのにハッキリとその内容を思い出せる。

気がついたら異世界にいた。そして、何故か危険なダンジョンに潜らされる会社に入って、色々なモンスターと戦うことになった。
だけど、結局モンスターに殺されて死んでしまうのだ。
しかも、夢の中だというのに死の痛みすら写実的だった。

呼吸を落ち着けると同時に心に安堵が広がる。
現実にあんなモンスターなんて存在するはずがないのだ。

寝起きが最悪だ。寝汗も酷い。シャワーを浴びたい。
確か今日は日曜日だっけ。

そこまで考えたところで周囲の環境の変化に気づいた。
よしおは自室ではなくどこかの医療室の部屋のベッドにて寝かされていた。

辺りを見渡して暫く呆然とした。
ここは何処なのか、何故自分はこんな場所にいるのか、分からないことだらけだ。

しかし、ここが何処かを考える前に水が欲しかった。喉が渇いていた。

そうして水の飲める所へ移動しようと立ち上がり、歩き出そうとした。
そのよしおの目にある物が映る。

なんて事のない、ただの壁に掛けられたポスターである。
なにやら夢の中で出てきたような豚の顔をもつ男性がその太った腹を撫でている絵。
横にパンと肉と野菜の絵も添えられているので、メタボ対策か何かの健康ポスターなのではないかと思われる。


「あ」


ただし、それは日本語ではない、あの夢の中の異世界で見たような文字で書かれていた。


よしおが最初に覚えたのはこのポスターが何故この文字で書いてあるのかという戸惑いである。
それに続いたのは信じていたものがあっという間に崩れ去ってしまったような失望感。
最後にそんな訳あるはずはないと往生際の悪い期待が続く。

だけども期待を押しつぶして絶望がひたひたと心を占領していくのも感じている。

そんな訳あるはずがないという今にも消えてしまいそうな期待を確信へと変えるため、急いで窓に近づきカーテンを開いて外を見た。


「…いやだ」


外の光景には現実の風景とは見慣れない、夢の中のブラック企業内にあった広場の石碑、それとその周りを掃除する狼男の用務員。


膝が震える。
その場にしゃがみこみ、腕を押し付けて目を隠す。
袖はすぐに濡れ始めた。


「もう、いやだ」


医療室から小さな啜り声がしばらく止む事はなかった。






暫くして涙も枯れた頃、蹲っていたよしおは立ち上がった。
こんなところでグズグズと泣いて臥せっている場合ではない。
切り替えの早さはよしおの長所の一つだ。

自分が何故ここにいるのか、あの場で死んだのではないのか、気になる疑問ではあるが、今はそんなことは些細なことだ。

辞めてやる、こんな会社絶対に辞めてやる。
よしおの頭には最早その事しかなかった。
速やかに退職願を作成する必要がある。形振りなど構っていられないのだ。

お金もなければ、次の就職先の宛だってないが、こんな会社で働き続けて命を落とすよりはマシだ。
ただし、今後のプランについてはある程度考えておいた方がいいだろう。

よしおはこの会社を辞めた後の計画について考えてみるのだが…



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プランA:異世界法則を利用した生活基盤取得計画

概要

よしお: ぐっ…!俺はこんなところで行き倒れて死ぬのかっ…
           ↓
美少女: まぁ!こんなところに行き倒れが!どうしましょう!とりあえず私の家に運びましょう!
           ↓
よしお: ううっ…
           ↓
美少女: あ!起きたんですね!
           ↓  
よしお: こ、ここは…君が介抱してくれたのか、ありがとう。
           ↓
美少女: いいえ、お気になさらないでください。ここは私のお店です。それで、どうして倒れていたんです?まぁ、いきなり異世界に? 
           ↓
よしお: 世話になった。俺は出ていかなくてはならない。致死斬鬼シームレスコラプションの追っ手がかかっているかもしれない!
           ↓
美少女: 待ってください!そんな怪我では無理だわ!困っている人を放ってはおけません!仕事がないなら私のお店で働けば良いわ!
           ↓
よしお: しかし、それでは君に迷惑が…
           ↓
美少女: 気にしないでください!雨だって降ってるのよ!
           ↓
よしお: そうか。すまない、お言葉に甘える事にするよ。
           ↓
美少女: それに…私、一目見て貴方のことが…
           ↓
よしお: えっ、今なんて言ったんだ?
           ↓
美少女: (もうっ!鈍感!)  


異世界への迷い込み、その後は上記のような展開になることが多いことを利用する。
異世界にて主人公が行き倒れた時、ふっくらとした桜色の唇、アイドル顔負けの長い鼻立ち、見るもの全てを慈しむ様な穏和そうな目をした
優しそうな美少女が拾ってくれる確率が高いという集計結果がネット上で出ている。
所謂、異世界の法則である。
ただし、この異世界の法則はさらに何らかの幼女が登場人物として絡んでくる確率が高いのもネックである。
加えて、その幼女も自分に対して好意を持っている事が多い。
異世界に迷い込む者はその事を深く留意しておく必要がある。

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よしおの頭の中ではこんな根拠のない法則頼みのプランAしか思い浮かばない。
異世界に迷い込んでから法則に縛られないシビアな状況が続いていることもあって、このプランには信頼を置けないとよしお自身も思ってしまっていた。


その時、ガチャリと扉の開ける音がした。


「あ!起きたんですね!」


ふっくらとした桜色の唇、アイドル顔負けの長い鼻立ち、見るもの全てを慈しむ様な穏和そうな目。
長い耳を持った金髪のふわふわと波打つ髪を持つ優しそうな美少女が入ってきた。
展開的には行き倒れていたよしおをここまで運んできてくれたのだろうか。

まさか、ここにきてやっと異世界の法則が発動したのだろうか。
この後の展開は分かっている。
己の暗い過去に絶望する男をこの美少女は必死に慰めるのだ。そんな少女の献身的な介護により男は再起する。男は少女を連れてこの会社を脱出することを決意する。そして、いつしか芽生えるのは愛。
異世界法則が発動しているとすればここは重要な局面だ。選択肢を間違えてはならない。
異世界の法則が発動したということはプランAも通用するはずである。
状況が多少異なるものの上記プランAを成立させるべく、よしおは通じないであろう日本語でも答える。


『こ、ここは…君が介抱してくれたのか、ありがとう』


「怪我もしてないくせによくぞ医療室に来ましたね。治療費払わない人は私はお客さんだと認めていないんでさっさと出てってください」


よしおは追い出された。
プランAが通用するなら彼女の次の台詞は「いいえ、お気になさらないでください」のはずだ。
だというのに、優しそうな顔をしている癖に、優しさの欠片も見られない応対だったのは何故だ。
やはり、この異世界に関しては法則が適用されないらしい。
プランAは30秒を持たず破綻した。
今後の計画を大幅に修正する必要がある。


(プランBで行こう。プランBは何だ?)


あ?ねぇよそんなもん
と誰かに突っ込まれた気がした。




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翌日の朝、社員寮のよしおの部屋にはよしおともう一人の男がいた。
ピエルルイジと名乗ったその男は、昨日の社員殺しの件について聞きたいことがあるということでよしおを訪ねたそうだ。
聞かれたことは、社員殺しに襲われていたのにどうやって一人で地上の迷宮入り口まで戻ってこれたのかという事だった。
どうやら自分は迷宮入り口前に倒れていたところを医療室へと運ばれたらしい。

しかし、これについてはよしお自身も全く検討がつかない。
少なくとも昨日、自分が社員殺しと対峙していたのは覚えている。
社員殺しに背を向けて蹲っていたので詳しく何が起きていたのか分からないが、急に何かに掴まれて重力がなくなったと思ったら、続いて凄まじい衝撃と痛みが襲ってきた。
そこまでは覚えている。しかし、次に気がついたら医療室だった。

よしお自身にも理由は全く分からない旨を、身振り手振りジェスチャーでなんとか示そうとしているのだが、どうも相手は分かっていないようだ。
それはお前の故郷に伝わる踊りか?なんて言われてしまった。
しかし、よしお自身が言葉を話せないことは相手方にも伝わったらしく、まぁ対して重要じゃないことだからいいか、と言われてそれ以上の追求はなかった。

その後、他の新人パーティはなんとか拠点に辿り着き、無事であることが彼から伝えられた。
どうやらその事をよしおに伝えるのが、彼の主な目的でもあったようだ。
パーティの無事に安堵するよしお。心配だった事が一つ解消されて少しの余裕が出来たのであった。



さて、社員殺しも既に姿を消してしまったAM9時37分、既に迷宮に潜って業務を行っていなくてはならない時間帯であるが、よしおは未だ自室にいた。
迷宮内であんな思いをするのはもう御免だったので無断欠勤する気満々だったのだ。

どうせ退職するんだ、仕事しなくたって何が悪い!とよしおは思っていた。
確かに、よしおの心情を抜きにしても迷宮探索に向かうのは危険である。
他のパーティメンバーが拠点から地上に戻っている途中だからよしおは一人で探索に向かわねばならないのだ。
だが、そんなもんはいい訳にすらならない。
よしお個人の都合など会社は知ったこっちゃないのだ。

[利益に貢献しない社員には罰則か解雇を]

それをわかっていなかったよしおは想像以上の罰則に苦しむ事になる。


■ペナルティが発生しました!■






無断欠勤を行ったよしおは購買センターへと向かう。
展示テレビから流れる音声を録音し、言葉の勉強を行う為だ。

よしおが狙っているのは“退職”、“書類”、“仕事”、“辞める”といった単語、あるいはその類語を録音することである。
これらの言葉さえ分かれば、藤吉郎かユーマあたりに適当な紙を指差しながら、「退職!書類!」などと公用語で話せば自分が退職届を書きたい事を理解してくれるかもしれないと思ったのだ。
そして、字の書けないよしおの代わりに退職届を書いてもらえばいいのだ。

最初はそれらの単語が出てきそうなニュース番組に絞って録音していたのだが、結果は芳しくなかった。
そのうち、ニュース番組に飽きたよしおは昼ドラやアニメの音声を録音し始める。
よしおはダメな男だった。




『い、いけません。秀雄さんっ!』


『はぁはぁ、奥さん、見てください!奥さんの魔法ですっかりぬるぬるですよ!』


『ああっ!ごめんなさいっ!秀雄さん!私の魔法であなたの忍者服がぬるぬるに…!』


昼間から展示テレビの前でぼんやりと昼ドラを眺めるよしお。
この男、本当に退職届を作成するつもりがあるのだろうか。
先程から目的のものとは程遠い言葉ばかりを録音している。

その時、ピーッという音と共にボイスレコーダーの電源が切れた。どうやら電池切れのようである。

ボイスレコーダーだって電化製品である。
よしおの持つボイスレコーダーは10時間以上の録音は可能となっているものの使い続けていると当然電力の消耗によって機能しなくなる。
購入してから一度も充電もせず使っていたので電池切れするのも仕方ないのであろう。
幸いな事にこのボイスレコーダーは充電式であった。
電池を使い捨てる物であったのなら、更なる支出となって唯でさえ中身の少ないよしおの財布にダメージを与えていただろう。

充電のため、よしおは自室へ戻った。もしかしたら部屋にコンセントがあるかもしれない。
しかし、残念な事によしおの自室にコンセントらしきものは見つけられなかった。
別の場所にて充電を行う必要があった。
結局、よしおは社内通路の目立たないスタンド照明のプラグを引き抜いてボイスレコーダーの充電器のプラグを差込み、充電を行った。
超法規的措置により社内に設置してあるコンセントの無断使用がよしお脳内で許可されている。
ここは異世界、治外法権なのだ。何も問題はない。
よしおは現実社会の法に縛られない自由な男なのだ。

1時間くらい充電した後は、再び購買に戻り、展示テレビの音声の録音を行う。


『イ、イエロー!生きていたのか!』


『き、貴様!あの時、アジトの崩壊と引き換えに殺してやったはずでは…!』


『フン、貴様のアジトの食堂のカレーによって作られたこの筋肉と脂肪の鎧が崩壊の落石から俺を守ってくれたんだ、さぁ、覚悟しろ、アルゼンチンアカエビ博士!』


『ありがとう、イエロー!助かったぜ!』


戻ってきてからも展示テレビの前でぼんやりと特撮番組を眺めるよしお。

そして、ありのままに起こった事を話すと昼ドラと映画と特撮番組の音声を録音して日が暮れていた。
結局その日は目的の単語を録音することは出来なかった。
それでもよしおは満足だった。
目的の単語は録音できなかったが、“自分の知りたかった言葉”の録音は出来たのだ。




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その日の夕方である。
拠点から帰ってきたばかりで非常に疲れているはずの生き残ったパーティメンバー一同がよしおが無事だったという知らせを聞いてよしおの元にすっ飛んできたのである。

やっぱお前は凄ぇな!
どうやって社員殺しから逃げ延びたんだい?
やはり君は僕のライバルに相応しい。
マジパネェッス!マジ凄ぇッスよ!マジカッケーッス!桃色回路さん!

よしおの元気な姿を見て喜びと安堵を見せてわいわいと騒ぐパーティメンバー達。

対してよしおも表情では彼らの無事を喜んではいるのだが、その内心は暗い。

仲間達はこうして自分の無事を喜んでくれている。
だというのに、自分ときたらあの社員殺しと遭遇した時何を思っていただろうか。
その時の自分は自身が生き残れないことを憎んで、生き残れた仲間達を逆恨みしていた。
自分はなんて醜い奴だろうか、とよしおは自分に嫌気が刺していた。

その後は皆拠点から戻ってきたばかりで疲れているという事もあり、すぐに解散となった。

生き残った仲間達と再会したというのによしおの心は晴れない。

自分一人が共に生き残ってきた仲間を残して、退職を決心していることに、
自分が仲間達から無事で良かったと喜ばれる価値のないどうしようもなく醜い男であることに、
よしおは仲間に対して申し訳なく感じてしまっていた。






「…よしお、表情には隠してたけど、辛そうだったね」


「あぁ…」


食堂の椅子によしおとユーマは座っていた。二人の表情も暗い。
出会ってまだ4日目であるが、最もよしおと接する時間が多かったこの二人はよしおの隠された感情を見抜いていた。


「あの時、生き残った俺達はよしお達を見捨てたんだ。あいつに恨まれていたとしても仕方ない事だ」


「…そうだよね」


そう呟いて、藤吉郎は紙コップの中のコーヒーに口をつけた。
あの時、地下三階まで辿り着き生き残った社員達は地下二階で逸れた仲間を助けに行こうという選択肢はとらなかった。
逸れた仲間を助けにいこうと地下二階に戻れば社員殺しに返り討ちにあうのは明白だったからだ。
皆泣きながら、ごめんなさいと謝りながら逸れた仲間を見捨てたのだ。
二人はよしおが辛そうだった理由が、逸れた自分達を見捨てた自分達に対する恨みの感情を必死に隠そうとしているからだと勘違いしてしまっていた。
しかし、実際は社員殺しに対峙していた時であったなら話は別だが、今現在においてはよしおが彼らを恨む理由はない。
よしおは自分の醜さに嫌気が刺しそれがわずかながら表情に出ていただけであったのだ。


「でもさ、よしおってどうやって社員殺しから生き延びたのかな?」


二人の間の暗い雰囲気を払拭しようと藤吉郎が気になっている話題を明るい声で振る。


「分かんねぇ…あいつが言葉を喋れてたなら分かったかもしれないんだけどな」


「後から聞いた話なんだけどね。僕達の逃げた道とは違うもう一方の道の先は行き止まりだったらしいよ」


「…ってことはだ。よしおは逃げた先の行き止まりで社員殺しと対峙して、尚且つそれから逃げ延びて一人で地上まで到達した訳だ」


そこまで言って、ユーマは苦笑した顔を浮かべる。


「あいつを見捨てて逃げた俺がこんなこと言うのも何なんだけどな」


裏切ってしまった自分達が彼と未だ友人であるなんて言えた事じゃないのかもしれない。
それでも彼の事を友人として誇りに思ってしまう自分を止められないのだ。
ユーマの表情からも暗さがとれ、徐々に嬉しそうなものに変わる。


「どういった方法にしろ、例えたった一人でも、例えどうしようもない絶望的な状況であっても、あいつはそれを覆して生き残りやがった」


それを聞いた藤吉郎も彼が続ける次の言葉を理解して、その顔に笑みを浮かべる。
長年の付き合いである藤吉郎には彼の放つ次の言葉が手に取るように分かる。自分もよしおに対して彼と同じ心情を抱いているのだから。


「「やっぱりよしおは凄い奴だ!」」


二人の同時に放った言葉は一言一句違えることなく辺りに響いた。




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翌日6月24日AM9時13分。
すでに出社時間は過ぎている。
しかし、よしおの姿は迷宮内ではなく、未だ自室にある。
絶対に働きたくないでござる状態のよしおは本日も無断欠勤であった。

そんなよしおの手には一枚の黄色い手紙があった。
昨日の夜、自室に戻ると郵便受けに入っていたものだ。
社員寮のよしおの自室の同居人は入社初日に死亡している。
その為、本来は相部屋なのであるが、今の住居人はよしおだけだ。
つまり、この手紙はよしお宛に送られたものだと思われる。
しかし、公用語の読めないよしおにはそれが何と書いてあるのかは分からない。
どうせ深く考えても分からないのだ。
その紙をポイとごみ箱に投げ捨てた。







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                                        王国暦653年6月23日    
                                      ㈱ブーヘンヴァルト強制収容所
                                           人事総務部      
 よしお殿                                                 
                                                        
                       懲戒辞令                             
                                                        
   貴殿は、王国暦653年6月23日、当社と労働契約を交わしているにもかかわらず無断で
   欠勤を行った為、就業規則第8条6項の規定により、王国暦653年6月24日から1ヶ月間、
   基本給80%を減額する。

   以 上                                                 























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そして昨日と同様、言葉の勉強のためによしおは購買センターへと向かう。
昨日は特撮番組、映画、昼ドラばかり見ていた。だから、目的の単語が録音できなかったのだ。きっとそうに違いない。
今日は一日中ニュース番組を見るぞ!と意気込んで展示テレビの前に立つ。
その甲斐あってかよしおは"書類"という単語を録音する事に成功する。

しかし、その為に払った代償は大きい。
二日連続の無断欠勤により、罰則が凄まじい事になっているのによしおは気がついていなかった。


■ペナルティが発生しました!■




事態が一転したのは夕方である。
よしおの自室に仕事の終わった藤吉郎とユーマがすっ飛んできて、いきなり頭を深く下げられて、謝罪されたのだ。

いきなり謝罪をかまされ、意味も分からず困惑するよしお。

聞けば、よしおが今日無断欠席した理由を、よしお達を見捨てて逃げた自分達を許せなくて顔も見たくなかったから、などと勘違いをしていたそうなのだ。

そこまでよしおの事を考えてくれて、自分が気にしていない事をわざわざ謝りに来たこの友人達によしおが感激してしまった。
思わず目に涙が浮かんできてしまう。

けれどもお互い様なのだ。
よしおだって、社員殺しに対峙していた時は自分が生き残れないことを憎んで、さらに生き残れた仲間達にまで逆恨みしていたのだ。


よしおは二人の肩を優しく叩いて、頭を上げさせた。
そして逆に深く頭を下げた。
仲間達に対して逆恨みしてしまったことを謝りたかった。
涙が零れそうになるのを我慢していたのだが、彼らに深く頭を下げて顔を下に向けてしまったので涙は零れてしまった。

それを見た二人が慌ててよしおの頭を上げさせようとする。

しかし、その前に



ありがとう。ごめんなさい。



よしおの口から“公用語”でその二つの言葉は放たれた。

最初に無断欠勤した日によしおはその二つの言葉をボイスレコーダーに録音することが出来ていた。
その日の夜、この言葉を喋れるように何度も練習したのだ、
いつも世話ばかりかけてしまっている友人達にお礼と謝罪が言葉で伝えられるように。

それを聞いて驚く藤吉郎とユーマ。
急いでよしおの頭を上げさせる。
そしてボロボロと泣くよしおの顔を見て、感激した藤吉郎も思わず貰い泣きをし、ユーマも二人に背を向けて泣きそうになっているのを誤魔化していた。

美しい友情がそこにはあったのだ。







暫くして落ち着いた面々はよしおの今日の無断欠勤についての話をすることとなった。


「でも、桃色回路ストロベリースクリプト。やっぱり勝手に無断欠勤するのは拙いよ。」


確かに罰則が厳しいのは分かるが、どうせ辞めてしまうのだ。無断欠勤して何が悪いのか。


「無断欠勤3日続けちゃうと解雇されちゃうんだよ?」


なんと、たった無断欠勤3日するだけで解雇されるという。わざわざ苦労して退職届を作成しなくても良かったらしい。
そんなよしおの無断欠勤上等という顔を見て、ユーマが言う。


「あー、藤吉郎。多分だけどこいつ分かってねーよ。桃色回路はこの国の人間じゃないしな」


「え?あ、あぁ、そうか。桃色回路はこの国の外から来たんだったね。それじゃ仕方ないか。いいかい、ここでの“解雇”って言うのは文字通りの意味じゃなくって――」


そんな時、よしおの自室の郵便受けにガチャンと何かを入れられたような音がした。


「あぁ、早速来たね。多分懲戒辞令か通告書とかだと思う。黄色い色のヤツ」


藤吉郎がそう言った。
会話が中断してしまったが、よしおはとりあえず郵便受けに向かい、中に入っていた“赤い”手紙を取り出した。








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                                        王国暦653年6月24日
                                      ㈱ブーヘンヴァルト強制収容所
                                           人事総務部
 よしお殿

                       懲戒辞令

   貴殿は、王国暦653年6月24日、当社と労働契約を交わしているにもかかわらず再度
   無断欠勤を行った為、就業規則第8条7項の規定により、王国暦653年6月24日から
   2ヶ月間、基本給80%を減額する。


   また、再度無断欠勤を行った場合、就業規則第8条9項の規定に違反したと認め、懲戒  
   解雇に処すことをここに通達する。                                 
                                                        
   以上                                                  





















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「…って、桃色回路!それ赤紙じゃねぇか!お前無断欠勤2日目だったのかよッ!」


ユーマが何やら大声で喚いている。
だから、退職をしようと決心しているのに無断欠勤して何が悪いと言うのか。
藤吉郎は隣で何故か頭を抱えて溜息をついている。


「……いいかい、桃色回路。“解雇”って言うのは文字通りの意味じゃ無くて――」






藤吉郎の話を聞いて“解雇”の真の意味を知ったよしおはあまりのこの会社のブラックぶりに凄まじい動揺を示した。


(処刑って何よ!処刑って何よ!処刑って何よッ!)


“解雇”というのは処刑を意味するらしい。
安心と信頼と実績の“電気椅子”。
冗談ではない。


(うあぁ!やばいッ…!俺あと1日でアウトだよ!?)


あんまりにもキツ過ぎるんじゃないですか、おかしいんじゃないですか、この会社!?とよしおはこの会社の理不尽さの青天井ぶりに激しく動揺しているが、よしおはこの会社の社員は基本犯罪者であること、また自身も密入国者として連れて来られた事を未だ知らない。
その為、未だ“退職”を諦めてはいないのだ。


(ま、まだだ…きっと正式に退職届を出せばキチンと辞められるんだ。大丈夫、大丈夫だ、俺は…)


「フヒ、フヒヒ…」と気味のの悪い引き攣った声で笑うよしおを見て、やっぱりこいつ知らなかったか、と藤吉郎とユーマは思う。


「そう言う訳だから、もう決して無断欠勤しないでね?桃色回路には次はないんだから」


そんな藤吉郎の警告を聞いているのかいないのか「フヒッ、ヒヒ…ヒィイイイーッ!」と引き攣った笑いが奇妙な叫び声に変わるよしお。

よしおは二度と行きたくないと思っていた迷宮にこれからも毎日潜らねばならなくなった。


こうして、軽はずみな無断欠勤という行動によってよしおは更に苦しめられる状況へと陥ってしまったのである。






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あとがき

このSSに厨二病感を出すためにルビ振りを採用してみるテスト

超難産だった…。よしおを如何に立ち直させるかの展開に苦労しました。
大筋のプロットは作ってみたものの細かいプロットとなると何一つ作ってないのです。
本当はもっと精神的ショックを引きずらせて、PTSD発症するくらいに酷いトラウマを植え付けようと思ったのですが、それだと5時間以上頑張って考えたけど展開を進められないw
と、言う事で社員殺しに対峙した時、よしおは背を向けていて、何がなんだか分からないうちに殺されたので精神的ショックが少なかったという設定に。

そりゃねーよ!って思うかもしれませんが、そういうことにしておいてください('A`)
しかし、どんどん1話毎の文章量が多くなっていくのはどういうことか。

ちなみに冒頭の調査報告書に書いてある犠牲者の名前は全てフィックションです。


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