ぼくは、チヨさんをとても可愛らしい人だと思ってます。いつも悪戯して叱られるのですが、謝ると
すぐに笑って許してくれます。菩薩のような方です。
けれど、何の因果か僕は彼女に慕われているようで。 と
ても光栄なの事なのですが、リアル年齢差を考えると悩んでしまいます。
今も、彼女はブログを書き込む僕の後ろでニコニコ笑っています。
とあるVRMMOのはなし2
今日はまったりの日。
自室で電子化された週間少年誌を読みながら優雅にコーヒーを啜っていると、ドアからノックの音。
扉を開けるとそこにはモンペ美少女の姿が。
「おや、おチヨさんいらっしゃい。なんか用?」
「はいこんにちは。たまにはユウちゃんに美味しいものでも食べさせようと思ってねぇ」
まさかの押しかけ手料理イベントであった。
チヨさんに纏わる話は色々ある。
強化竹槍+99の使い手、元ギルド『竹槍部隊』副隊長にして最後の生き残り。モンペ。
仲間達から受け継いだ竹槍、その総数実に324本を10秒で投げつける絶技《竹槍ファランクス》に
窮地を救われた事も一度や二度ではない。さらさら黒髪ロング。
悪戯やらセクハラやらの果てにお仕置きとしてやられた事も一度や二度ではない。美少女。
しかし戦闘中や叱られる時以外は、基本的にとても優しいお婆ちゃんもといロリババァなのである。萌える。
「ユウちゃんはいつもお部屋綺麗にしてて偉いねぇ」
「いつでも女性を連れ込めるよう気を付けている次第であります」
「偉い偉い。男の子はやんちゃなくらいで丁度いいものねぇ」
「えへー」
この僕様が少女に子供扱いされ頭を撫でられる屈辱を与えられ、
あまつさえちょっと嬉しくなっちゃうとは恐るべき包容力である。
稀代のナデポの使い手であると言えよう。
「それじゃお台所借りるねぇ」
「はーい」
週刊誌も読み終えやる事も無くのんびりとした昼下がり。
まどろみの中響く音は、トントントンとリズミカルに。
香る味噌の芳しさにどこか郷愁の念を覚え。
なにこの超癒し空間。
テーブルに並ぶ肉じゃが味噌汁玉子焼き漬物白米。
なんとも定番のメニューである。独り暮らしキラー御用達の。
このような物で僕様を堕とそうなど片腹痛い。
「うまうまうまうまうまうま」
「はいはいもっと落ち着いて食べなさいな。はいお茶」
口内を焼く出汁の染みたイモをぬるめのほうじ茶で流し込み、
舌先で広がり脳髄を蕩かせるようななふんわり出し巻き卵をなんとか嚥下。
味噌汁の鰹と昆布の合わせ技に苦戦しつつも、
残す敵は後一つ。
胡瓜のぬか漬け。大好物である。
潔く口中に放り込み、噛み締め、飲み込む。
歯切れ良く響いていた音はいつしか消え去り・・・…
「ご馳走様でした。チヨさん愛してる」
「はいお粗末さまでした。私もですよぅ」
僕たち結婚する事になりました。なんでだろう。