「こんちは! オリジンさん。
昨日はどうもっした」
「お? ヨシハルか。
ロンリーも…… 今日も一緒か?」
「こんにちは」
「おう、今日も行くか?」
「え? 流石に2日つづけては悪いッスよ」
「いや、今日一緒に狩る予定だったギルメンが入れなくなってな。
唐突に時間が空いたんだ」
「ここでボーっとしてるよりは、お前らの壁やってる方が生産的だろ?」
「じゃあ、お願いします」
「おー、昨日と同じ大猿でいいよな」
オリジンさんは、俺とロンリーがペアで狩ってる時に助けてくれた、高レベルプレイヤーだ。
俺はアーチャーで、それまでずっとソロ狩りしてたんだけど、初めて組んだPTでロンリーと会った。
PTは1時間程度で解散したけど、時間の余った俺とロンリーは、ペア狩りしてたんだ。
ちょっとピンチに陥った処を、通りかかったオリジンさんに助けてもらって。
その後、暇してると言うオリジンさんに、レベル上げを手伝ってもらった。
「何? お前本当に初心者なの?
じゃあ、それ1stキャラ?」
「うん、まあ本当は1度、間違えた名前で作ったキャラが居たけど、レベル5くらいで消しちゃったし」
「間違えた名前って?」
「俺、本名は良治(リョウジ)ってんだけど、それを読み替えてヨシハル。
でも、間違えてヨシヒロにしちゃったんだ」
「バッカでー」
「うん、作り替えたよ。
ロンリーは別キャラいるの?」
「まぁな、1stは今70超えてるな」
「へー」
こんな感じで話しながら狩りが出来るのも、オリジンさんがタゲを取っていてくれてるからだ。
「お、レベルが上がった」
「おめー」
「おめー」
「ありがとう」
「でも本当に、オリジンさんが助けてくれて、ありがたいですよ」
「いや、ギルドでも低レベルのレベル上げとか、してるからな
結構なれてるからよ。
まあ、お前らもレベルが上がったら、ウチに紹介してやってもいいぜ」
「いえ、おれは別キャラいるんで」
ロンリーは断ったが、俺は興味あるな。
「どんなギルドなんですか?」
「ああ、ブルームーンライトっつってな、中堅ドコの合戦ギルドなんだが。
まあ、俺は少し後に入ったんで、マスターや副マスじゃないが、ナンバー3って位置にいるかな。
ギルド内にも、俺が育ててやったヤツが結構いるしよ」
「すごいんですね」
「いや、まあ低レベルの支援とかしてたら、普通に感謝されるじゃん?
別に派閥って訳じゃねぇけど、俺を慕ってくれるヤツとか出る訳よ」
「…… お、済まんがギルドに呼ばれた、いかなきゃならん」
「あ、はい。
レベル上げありがとうでした」
「ありがとうございました」
「お、じゃあな」
オリジンさんは行ってしまった。
俺もレベルが上がったら、低レベルの手伝いとかしてみたいな。
弓職じゃ、難しいかな?
「じゃあ、俺も落ちるわ」
「あ、うんじゃあ、おつ」
このゲーム、始めてよかったな。
みんな良い人ばっかりだし、ゲームも凄く楽しいし。
でも、ハマり過ぎない様にしないとな。
高校でオタクデビューってのも何だし。
よし、今日はログアウトしよう。