おいしいおにぎり。
狂った歯車の上で
なんでコイツはここにいるんだ?
奈良シカマルが初めて授業を逃げ出して、逃げ込んだ先にナルトがいた時の最初の感想。
シカマルは今となってはサボり魔の一角として数えられているが最初はそこまでサボるような生徒ではなかった。
教師は生徒に飽きらせないというのも仕事の一つである。より楽しく、より高度な授業を必要とされている。
海野イルカ、教師としての楽しさでは恵まれていた。しかし純粋にやさしく、生徒思いの教師だった。
そんな教師がIQ200のシカマルを満足させられる筈もなく、もし出来たとしても皆がシカマルに合わせれるか、否である。たとえ天才と言われているうちはサスケでも不可能である。
そしてシカマルは授業に対して不満、そして飽きを感じるようになった。
それからは授業を抜け出すか抜け出さないかのジレンマ、勝負はすぐについてシカマルは授業の始まる前に教室を抜け出した。
教師に見つからぬように走り、そして屋上に飛びだした。
休み時間中にもっとも寝やすいだろうと計画を立てていた場所を向いたら、そこにはいた。
前回の体術の授業で勝ち越していたうちはサスケをコテンパンに熨したうずまきナルトが気持ちよさそうに寝ていた。
シカマルは躊躇した。
この場から去るか、それとも同じように寝るか。
それすらもすぐに勝負はついた。
シカマルはめんどくさがりだ。
「めんどくせぇ………寝るか」
そう言ってシカマルはナルトの横で浅い、でも心地よい眠りについた。
シカマルは意識の遠のえる直前に疑問を抱いた。
こんなに強い奴がなんで授業をサボるのだろう、と。だが聞き出すのすらシカマルには億劫に感じた。
何故なら、シカマルは面倒なことが嫌いだからである。
カンカン、と半鐘の音でシカマルは目を覚ました。
一授業を潰すつもりが二つもの授業を寝てすごしてしまったことに自分ながら驚いていた。
ボォーっと空を眺めていたらついにナルトも目が覚めた。目を擦りながら上半身を起き上がらせているナルトを見てシカマルは苦笑した。
あんな化け物みたいに強い奴でも寝起きは可愛いもんだ、とシカマルは冷静に考えていた。
1,2時間程度の睡眠では寝起きがダルくなってしまうのも当たり前で、ナルトはシカマル同様にしばらくボォーっと空を見ていた。
シカマルはナルトが空を見始めたので、と自分も空を見てこう思う。空はいい、自由で、縛られないから、と。シカマルはナルトが雲を見てなにも考えているかを自分の持てる知識を総動員させて考える。
楽しかった、とても面白かった。ナルトの言葉を聴くまでは。
「………おいしそう」
半分寝ぼけてナルトはそう言った。
少年の身で連日徹夜ばかりしていて正常に頭が働くはずがない。アカデミーで学ぶことがない故にナルトの勉学の場は自宅と決まっていた。
寝ぼけたナルトの発言にシカマルは笑った。大いに笑った。
ナルトが覚醒してやっとシカマルの存在に気がつくまで、チョージがシカマルを連れ戻そうと屋上にやってくるまでシカマルの笑いは続いた。
「(気でも触れたか?)」
横で見ていたナルトが医者として真剣に心配するほどにシカマルの笑いは止まらなかった。
シカマルの中の、最強で最凶な不良生徒であるうずまきナルトのイメージが建物の取り壊し作業の如く瓦解していったのだ。シカマルのナルトへのイメージは180度移り変わった。
実際にシカマルが笑っていた時間は一分もない、それでも同じ行動をずっとされていると長く感じるもの。チョージに背中を摩ってもらいやっとのことで落ち着いたシカマルは寝る直前に思いついた質問をナルトに問いた。
その質問は既にシカマルにとってめんどくさくないモノで、シカマルのか細い探究心が求める質問へと変貌していた。
「アンタ、あんなに強いのになんで授業に出ねぇんだ?」
シカマルにとっては真剣な質問、名前しか知らない同級生に対してナルトは気だるそうに言った。
そりゃあオレが強いからだ、と。
そんなモンを受けなくてもオレはお前達に負けない。才能を超えてみせる、そうナルトは言いたかった。
どこまでナルトの意思は伝わったのかは本人には分からない、それでもシカマルは納得したようにうなずいた。
シカマルはゆっくりと立ち上がって教室に戻ろうと歩きだす。それに従ってチョージもナルトになにか言いたそうだったが何も言えずに続く。
「だけど、そこはオレの指定位置だからな」
そう言ってシカマルは屋上から出ていった。
ナルトはすぐさまシカマルの言葉を記憶から消去してまた体を横にした。
ナルトにとっては興味のないことであった。
ナルトは力を欲している、故に頭の中に無駄なスペースは作られていない。いらないと思ったモノは片っ端から消えていく。
強くなることに昨日の晩飯のメニューなど必要だろうか?
強くなることに何年も前に大通りで滑って倒れたなんて出来事など必要だろうか?
ナルトは切り捨てる。必要ないものは切り捨てる。
本当は残していたい、でも多くなりすぎた思いではナルトの小さな両手では支えきれない。
後にシカマルは惨劇を目にし生き様を変えるようになる。
日向ヒナタは彼女なりに努力した。
あの時見たうずまきナルトの凍った顔の原因は自分の作った握り飯が気に入らなかったのかもしれないと父親との鍛錬を終えた後に誠意を込めて料理の練習に打ち込んだ。
元より料理は好きだったが熱中するまでは練習しなかったヒナタであるがあの時からヒナタは変わった。
気に入られようと、またおいしいと言われようとヒナタは努力した。
日向ヒナタは努力家だ。
ただ、相手を殺す技術を学ぶことに努力するほどの魅力を感じられないだけの、努力家だ。
母親をも唸らせるほどの出来栄えの握り飯を両手で大切に持ちながらヒナタは学校に向かっていった。
その日、またしてもナルトの弁当箱はカバンの中から消えていた。
いい加減に殺そうかな、と一人心地でいるナルト。
これで三度目となる弁当の喪失、二度目からは取られるまでをずっと覗いていた故に分かった。盗む相手が複数いるということだ。昨日と今日の下手人が違う、きっと女子達は順番を決めて盗んでいるのだろう。
盗んだ後の弁当は中身を捨てられ空箱だけ放課後に返される。ナルトの怒りは最高潮だった。
だが、ナルトは動かない。動いてもいいが痛い目に遭うのは自分だと分かっているからである。もし訴えたとしても教師はどちらの味方をするだろうか、考える必要もなかった。
サスケに狂った変態共、そんなことを考えて今日も昼は水道水で過ごす。
別に嫉妬はしていない、ただその群集の在り方が気に喰わないだけ。それだけでナルトは急に冷めだす。
頭の中で唐突に理解しだす。アレも一つの愛し方なのだろう、と認めてしまっている。
気持ち悪いだけだろう、とナルトは唾を吐き捨ててまた、あのブランコまで歩いていく。
足取りに生気はなく、覇気もない。
ナルトは気分屋で自己中心的で、臆病者だ。自分の気に入らないことは極力関わらないように全力を尽くす。そして自分が到底勝てないだろう相手なんかに喧嘩も売らない。この場合は木の葉の里と言ってもいいだろう。喧嘩を売っても勝てる相手ではない。
その喧嘩に勝てるときまでナルトは泥まみれでもいいとヘラヘラと笑っている。嘲笑しながら、自嘲もしながら待っている。何時になろうとも、何時までも待っている。
ヘラヘラと、そして必要なときは頭を下げることも辞さないナルトの心は削れていく。ニコニコと、そして自分は反抗の意思は無いですよ、と教師や忍びの人達の前では諂えて機を待っている。
ナルトは常々思っている。
――――気が狂いそうだ、と。
「ナ、ナルト君……」
気がつけば目の前に少女が立っていた。
「なんだい?」
ニコニコ、とナルトは顔を作り出す。
後に分かった。目の前の少女の家系はこの里でも最も発言力の強い最古参の旧家であるということが。
―――やはり同情か、と知ったときは雲の上のような場所から哀れな痩せ狐に揚げ物でも放り投げたくらいにしか思わなかった。
「こ、この前は…ご、ごめんね。あまりおいしく出来なくって………」
顔を赤くして、ヒナタは言う。
ヒナタは前に与えた握り飯をナルトが気に入らなかったのだと勘違いしている。
そして今度は気に入られようと努力して、練習して、成果をだしてこの場にやってきている。
彼女にやっと出来た自信。初めて出来た自信。母親にも認められた自分の握り飯に自身を持ってナルトに食べさせたいとこの場にやってきている。
「この前のもおいしかったよ」
ニコニコ、と事情も知らないナルトの心は凍結している。
あの時とは違う。
ナルトも勘違いをしている。あの時、ヒナタが緊張のし過ぎで口が開けなかったのを、ほんの少しでも口を開いて話しかけていたら、こんなことにはならなかった。
ナルトの心になるのは、「如何にして目の前の貴族級少女を目の前から追い出すか」に限られている。
―――いい加減に目障りだ。
上から同情で施しを受ける。そんなもの吐き気がする。
カブトと出会う前に幾度もあった。食料不足、栄養失調、下痢などで死に掛けた。何故、あの時は施しを与えずに今なのだ。
そうナルトは吼える。
心臓の脈動も止まらない。熱く、ドロドロと黒いものが流れ出す。それが心臓に巣くう醜悪な獣の殺気と憎悪であることに数秒たって気づいた。
楽しいのかもしれない。庭の池で飼っている鯉に餌を与えているのと同じ要領なのだろう。
何かと自分に世話を焼いていた三代目火影の庭にも鯉がいたな、そうナルトはぼんやりと思い出していた。
餌を与えられないと生きていけない生存本能の欠けた可哀想な生き物、そうナルトは思っていた。それが自分に回ってくるとは思ってもいなかったナルト。
本当に狂いそうになる。
本当はナルトの勘違い、なぜなら人の気持ちを知る術を知らないから。他人に本当に優しくしてもらったことが普通に育てられた同世代に比べて極端に少なすぎるから。
「…頑張って作ったの」
今度は自信もあった、そして心の中で血反吐がでるまで練習もした。思いのほかスラスラと出てきた自分の言葉にヒナタはホッとした様子で自分の差し出したおにぎりを受け取ってもらえるか見ていた。
じっとおにぎりを見つめるナルト、そして―――払いのけられ、地に落ちていった。
「調子に乗るなよ、いい加減ウンザリしてんだ」
唇だけを歪ませて目の前の少年はそう言った。
その目には素人でも分かるほどの殺気に溢れ―――唐突に目の前から雨が降り出した。
天気予報にも無い、塩の味のする雨だった。
「…頑張って作ったの」
目の前に差し出されたのは以前よりも形の良いおにぎり。海苔は別にされている様で、米は自身には眩しすぎるくらいに真っ白だった。
きっと目の前の少女も綺麗過ぎるくらいに真っ直ぐなのだろう。穢れも知らない、綺麗なところで宝石のように育てられたのかもしれない。もしかすると厳しくされてきたからこんなに素直なのかもしれないが、きっとその生活は潤っているだろう。
―…はは、生きてる場所そのものが……違うのかよ…―
自我を持ったときから泥の中、泥の中から光が溢れる地中を夢見て育ってきた。それなのに目の前の少女、それだけではなく自分以外のほとんどの奴は最初から光の中にいた。その逆で光の無い地中が見れないでいる。
吐き気がする。綺麗な奴らは汚い奴を拒否し受け入れはしない。そいつらの常識がオレを傷つける。深く、痛く、痕が残るほどに。
ああ、だからか。
「調子に乗るなよ、いい加減ウンザリしてんだ」
見下してんじゃねぇ。
そう言ってオレは少女の手を叩いた。そして特に音も立てずに地面に落ちていくおにぎり。
綺麗だったものが汚れる瞬間、ある意味快感で、罪悪感すら感じた。
ああ、駄目だ。自分の感情が抑えられない。
それよりも、何故だろう。
何故、目の前の少女は泣いているのだろう。
分からない。分からない。
ゆっくりと思考し始める。何故、目の前の少女は泣いているのだろうか。
答えは出てこなかった。
シカマルは屋上からその一部始終を見ていた。
勇気あるなぁ、と少女を讃えていたシカマルだが次のナルトの行為に眉を潜めた。
唇からは何も読み取れない。シカマルにそんな才能もない、出来ることは状況分析のみ。
少女が何かを言ったのだろう、もしくはナルトにも何かの事情があってあの行為をしたのかもしれない。
どちらにしてもシカマルには理解が出来ない。しようとも思わない。
何故なら、シカマルはナルト以上に気分屋だからだ。
山中いのは教室の窓からヒナタが不良と名高いうずまきナルトの元へ歩いていくのを見ていた。
隣で座っている桃色の髪の親友、春野サクラは信じられない、と罵っている。気持ちは分かるが嫌悪しすぎのような気がしてならない、といのは不思議にならない。
噂は聞く。それがたとえどんなに悪い噂だろうが、だが在り得ないような誇張した噂まで信じるほどいのは素直でも、馬鹿でもない。
旧家の家系は里の掟である不干渉を未だに守り続けている。それは良くも扱わず、悪くも扱わない。他の家系は相も変わらずに罵り、想像からの出来事をすべてナルトにぶつけた。
旧家と一般家庭ではそういう環境の違いから何かと理解できない点があり旧家の子供達はナルトを悪く扱う者達を上手く理解できない。
いのからしたらナルトは同情に値する人間で、だが周りが嫌っているのに自分だけが言い出せない実は気弱な女の子であった。
目の前の少女は泣いている。泣かせた自分は睨んでいる。
こんな一瞬のことで泣かせるとも思っていなかった。餌を捨てられただけで主は泣くはずがない。
飼おうとしていた生き物が怖かったのかもしれない。つまり自分。
ああ、もう涙と鼻水で顔がぐしゃぐしゃだ。
人に泣かれるのが一番困る、すべてが自分のせいになるから。原因をすべて押し付けられるから。
神様は平等にオレを扱わない。何時だって不平等、理不尽だ。
オレは神様を信じない、だって神様だってオレを信じてくれない。
こうなれば後は誰も信じられない、だから自分を信じよう。いつだって、そうだったのだから。
「………おい」
ブランコからは立ち上がらずに声を掛ける。
「うっ……うっ………」
泣きながら、耐えているようで、怯えていた。
「……オレが…悪いのか?」
オレだって分からない。いまさら、なんでこうなったのかさえ分からない。
なんでだろう、目の前のコイツの涙を見ていると、胸が痛む。
初めて感じる、罪悪感。
彼女はコクリとも頷かない、頷けない。だれがどう見ても、まさしく自分から見たとしても悪いのは自分だろう。
ああ、止めてくれ。
それこそ―――気が狂いそうだ。
頼むからさ、
「……泣かないでくれよ」
やっとのことで腰が上がる。いや、本当は足が震えていて立ち上がれなかっただけ。怖かった。
「……泣かないでくれよ」
目の前の少年はそういった。
雨じゃなかった。ただ、私が泣いていただけだ。
良かった、傘を持ってきてなかったから。と私は心の奥で、ぼんやりと思った。
悲しかったわけじゃない、そういえば嘘だった。
頑張って作った。作っている間はずっと目の前のナルト君の喜ぶ顔を想像しながら作っていた。
また、おいしいって言ってくれるかな。どうだろうな、と楽しそうに作っていた。
心の中で授業中も黒板なんか見ずに、ずっと渡す練習をしていた。
本当はわかっていた。自分の気持ちが適わないってことくらい。
何もかも諦めていた。でも、本当は少し期待していた。
偶然を装って交わした「おはよう」、それだけで心が満たされていた。
彼のお弁当が女子に取られて、捨てられているのもこの眼で見ていた。だた、それを利用しただけ。
「本当に…ごめんなさい」
彼を追っていた。父親との訓練を終えた後、体力に余裕のある限りこの眼で彼を追っていた。
殴られるのも見ていた。血を吐くのも見ていた。それが怖くて見ていないふりもしていた。
可哀想、そう自分で口に出していた。
知らないうちに同情していた。哀れだと思っていた。それが自分と近いモノだと喜んでいた。
同じだ。同じなんだと心から嬉しかった。
私は一人じゃ生けていけない、淋しかった。怖かった。明日を覗くのが怖かった。
淋しかった。心から。
そう。淋しかった。
表面上の友達と一緒にいても、いつかは溢れて、流されて、結局は一人に戻ってしまう。
淋しかった、そう小さく、聞き取れないくらいに小さく口に零していた。
淋しかった、確かにそう聞こえた。
ナルトの心の一部が瓦解した。
ナルトは可哀想なヒトには優しい。自分が不幸というカテゴリー内でトップでいなくてはならないから。自分が不幸のどん底だということが揺ぎ無い事実だということを忘れない為に。
自分以上の不幸は認められない。
そういう生き方しか出来ないように出来ている。
「同情で作った飯なんて食えない」
事実を口にする。
これは自分を縛り付ける鎖。今も、これからも不変のままのナルトの生き方。
同情、その言葉にヒナタは反応する。
自覚している。心の底で、やっぱり、と自覚している。
ナルトは考える。
次に作り出す、この子の為の、自分の為の最高の『嘘』を。
泥まみれだった。無理して綺麗に繕うつもりなど在りもしない。
最後の最後まで騙しつくす、それがこの子の為にもなるのかもしれない。
口ずさむ幻想、言葉から作り出す未来。
自分の為、この子の為に
「だから、泣くなよ」
手で涙を拭おうとする。頬に触れたときにビクッ、とヒナタの肩が跳ね上がる、そんなもの無視。
下を向いて、前髪で隠れた顔を見ようと前髪をそっと上げてみせる。
涙でぼろぼろなヒナタの顔、ナルトは出来る限りのやさしい顔を作り、頑張って微笑む。
笑顔でいなくては皆が殴ってくる。笑う練習もした。他人の考えていることをある程度共感できるように観察もし続けた。
笑うことはナルトの武器であり、最強の盾でもあった。
「今度は、一緒に食べよう」
自分のを恵んであげる、そんな考えが一番嫌いなんだ。そう小声で言う。
肩を抱いて、ナルトの演技はまだ続く。
「今度は、二人で笑って食べよう。気を使うこともなく、一緒に食べよう」
それで君が笑ってくれるなら。何度だって付き合おう。
何度だって嘘を吐こう。君が笑ってくれるなら。
「だから、泣かないでくれよ」
何度だって言ってやる。
泣き止むまで言ってやる。
お前が聞き飽きたって言ってやる。
だから、
「笑ってくれよ」
オレの為に。
次の日から、一緒に昼を食べる二人の姿がちらほらと見えるようになった。
あの状況からどうやったらこうなるのかとシカマルは一日中悩むこととなった。