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No.710の一覧
[0] 僕の生きる道[ネメ太郎](2006/06/10 14:13)
[1] Re:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/06/10 14:15)
[2] Re[2]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/06/10 14:21)
[3] Re[3]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/06/16 21:34)
[4] 外伝? 私の生きる道[ネメ太郎](2006/06/13 15:43)
[5] Re[4]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/06/28 03:33)
[6] Re[5]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/07/10 08:31)
[7] Re[6]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/07/15 01:39)
[8] Re[7]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/07/20 01:30)
[9] 外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2006/08/03 00:24)
[10] Re[8]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/07/29 15:25)
[11] Re:ウチの生きる道[ネメ太郎](2006/07/30 23:00)
[12] Re[2]:ウチの生きる道[ネメ太郎](2006/08/03 00:44)
[13] Re[9]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/08/06 22:15)
[14] Re[10]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/08/07 22:15)
[15] Re[11]:僕の生きる道[ネメ太郎](2009/06/13 16:59)
[16] Re[12]:僕の生きる道[ネメ太郎](2009/06/13 17:02)
[17] Re[13]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/08/13 18:43)
[18] Re:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2006/08/17 22:20)
[19] Re:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2006/08/27 17:59)
[20] Re:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2006/08/27 18:00)
[21] Re[14]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/09/26 00:00)
[22] Re[15]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/09/26 00:02)
[23] Re[16]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/11/25 02:34)
[24] Re[17]:僕の生きる道[ネメ太郎](2006/12/11 02:04)
[25] Re[18]:僕の生きる道[ネメ太郎](2007/03/15 01:21)
[26] Re[2]:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2006/12/11 02:09)
[27] Re[19]:僕の生きる道[ネメ太郎](2007/04/21 23:51)
[28] Re[20]:僕の生きる道[ネメ太郎](2007/05/10 00:38)
[29] Re[3]:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2007/07/14 00:33)
[30] Re[3]:外伝 オレ達の生きる道[ネメ太郎](2007/09/09 01:00)
[31] オレ達の生きる道[ネメ太郎](2007/11/28 03:42)
[32] オレ達の生きる道[ネメ太郎](2008/04/20 03:45)
[33] 僕の生きる道[ネメ太郎](2008/04/25 02:01)
[34] 僕の生きる道[ネメ太郎](2008/08/18 01:14)
[35] 僕の生きる道[ネメ太郎](2008/09/10 03:27)
[36] 僕の生きる道[ネメ太郎](2008/10/30 03:19)
[37] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/06/13 16:58)
[38] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/07/18 01:31)
[39] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/10/02 03:50)
[40] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/10/04 02:49)
[41] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/10/19 00:39)
[42] 僕の生きる道[ネメ太郎](2009/11/12 02:54)
[43] 僕の生きる道[ネメ太郎](2011/01/16 22:09)
[44] 僕の[ネメ太郎](2011/01/30 01:44)
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[710] オレ達の生きる道
Name: ネメ太郎◆f880db45 ID:9e323a96 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/04/20 03:45










「二百メートル走、玉入れ、綱引き……なんて言うか、思ってたより普通の競技だな」


「普通の内容で私が納得すると思って?」


カメラを片手に持ち、突如として横に現れた大蛇丸が言った。


「まぁ納得はしないでしょうね」


たいして驚きもせず君麻呂は続ける。


「それよりも、そのカメラ何ですか?」


「カメラでする事なんて一つしかないでしょう」


それはそうだ。


見るからに高そうな一眼レフカメラ。


この会話の最中も大蛇丸はシャッターを切っている。


被写体は青の鉢巻を巻いて座っている男子だろう。


だけど、なぜ競技中ではなく今とるのだろう?


そんな疑問が頭を過ぎるが、


「そう、そうよ。もうちょっと、もうっちょと足を開きなさい! ちがう閉じるんじゃないわ!!」


被写体には聞こえない程の小声で叫ぶ大蛇丸。


そして一瞬で理解した。


これはハミ○ン狙いの盗撮だと。


「大蛇丸様、犯罪ですよそれ……」


「この里では私がルールよ」


此方には目もくれなかったが、やけに説得力のある言葉だった。


が、そんなので納得する君麻呂ではない。


「そうですか」


いったん区切った後、大きく息を吸い込み、


「おーいみん……」


叫ぼうとしたが大蛇丸に口を塞がれて続ける事は出来なかった。


「……分かったわ、くノ一の写真を撮ってあなたに渡す。それでいいわね」


口を塞がれたままだったので、大蛇丸の提案に頷いて答える。


その答えを確認してから大蛇丸は君麻呂の口から手を離した。


そして君麻呂はニヤリと笑い、


「大蛇丸様、鬼童丸のやつトランクスですの撮るのにはベストかと……」


仲間を売った。


「君麻呂、あなたも悪ねぇ…」


「いえいえ、大蛇丸様ほどでは…」


「ウフフ」


「はっはっはっ」


二人の不気味な笑いが木霊した。


「で、君麻呂あなたは」


「俺はボクサーパンツですので」


「そう残念だわ……まぁ運動会がんばってちょうだいね」


「言われなくて頑張りますよ。賞金が懸かっているんだから」







二百メートル走


第一レースから君麻呂は出る事になっていたが、その顔には余裕の笑みが浮かんでいた。


それもそのはず、一緒に走る面子をみて楽勝だと感じたのだ。


その予想はあたり、ぶっちぎりの一位でゴ-ルテープを切ることになった。もう頭の中は賞金の事しか考えていない。


そんな君麻呂にかけられた声。


「君麻呂、早く戻ってスタート位置に着け」


「へ?」


フライングか? そんな疑問を抱きつつ、君麻呂は言われたとおりに素早く戻った。


そして、スタート位置について違和感に気付く。


「あれ? なんで次郎坊が横に?」


そう、横には先ほど一緒に走った奴とは違い、何故か次郎坊がいた。


よく見れば、他の色の所もしっかりと別のメンバーに変わっている。


「どういう事?」


次郎坊からの何かしらの答えを期待していたが、返ってきたのは次郎坊の声ではなくスタートの合図。


不意をつかれた君麻呂は完全に出遅れてしまうが、 ゴール直前でなんとかトップに立ち一位でゴールテープを切る事が出来た。


そしてまたもかけられる声。


「君麻呂、早く戻ってスタート位置に着け」


考えれば簡単な事だった。


白組は君麻呂一人。結果、全種目、全レースを一人でこなさなければならない。


かるい目眩を覚えつつ、スタート位置へと急いで戻った。


そして迎える最終レース。


青組からは左近。赤組からは鬼童丸。黄色組からは多由也。白組は息のあがっている君麻呂。


スタート位置についた四人を見て教師から声がかかる。


「この最終レースは忍術の使用が認められているかな」


この言葉に笑みを浮かべたのが二人いた。


「それじゃあ、位置についてヨーイ」


パンッ!!


音が鳴ると四人は同時に状態を上げ一歩目を踏み出す。が、三人の目の前には白い壁が出来ていた。


勿論、妨害の為に君麻呂が作り出した骨の壁だ。


ドン! という壁にぶち当たる音を聞いて君麻呂は勝利を確信した。


「フッ俺の勝ちの様だな」


そう言い残し、走り去っていく君麻呂。が、その君麻呂にも不幸が訪れる。


「ヘブッ!!」


五歩目を踏み出した後、顔面から盛大にこけたのだ。


よく見れば、君麻呂の足には鬼童丸の手から伸びた糸が…


「や、やるな鬼童丸」


「フッ、ただではいかさんぜよ君麻呂」


お互いに鼻からは血が流れている。


そんな二人の横を無傷の二人が通過していった。


多由也と左近の二人だ。


二人とも君麻呂と鬼童丸が何かするとある程度の予測はしていたのだろう。


骨の壁にもぶつからず、足に巻きついている糸も外し悠々と走っていく。


残されたのは策におぼれたお馬鹿な二人だけだった。











玉入れ


この競技、一人の君麻呂は圧倒的に不利だった。


逆に得意としていたのが鬼童丸。


六本の腕を使い、確実に球を入れていく。


そして君麻呂は悟った。


人数で圧倒的に不利なこの競技、どんなにがんばっても最下位は免れないと。


それからの君麻呂の判断は早かった。


標的を籠から男連中へと変え、玉を投げつける。


結果、この競技一位だったのはくノ一のクラスだった。












綱引き


白組対黄色組 青組対赤組となった。


またしても人数勝負と言っていい競技。


君麻呂の圧倒的不利なのは間違いない。


だが玉入れよりも望みはあった。


忍術の使用可なのである。


君麻呂は綱を持つと、足の裏から骨を伸ばし地面に体を固定した。


相手がくノ一なら、勝つのは無理でもなんとか引き分けに持ち込もうという作戦だ。


「口寄せの術」


聞こえたのは間違いなく多由也の声。


不安を覚えつつ顔を上げてみると、そこには多由也の呼び出した鬼が…


「ちょ、ちょっとそれは卑怯なんじゃ………」


結果、開始の合図と共に君麻呂は空を舞った。


ちなみに青組と赤組の戦いは、次郎坊のいる青組が圧勝だった。












二人三脚


人数勝負以前に一人では出来ない競技。


おまけに忍術不可。


流石にこればかりはお手上げだ。


「大蛇丸様、この種目無理なんですけど」


「無理? あぁそう言えばそうね………まぁでも、折角だし一レースぐらいはやりましょう」


「いや、だから一人じゃ」


「私が一緒に走るわ」


満面の笑みを浮かべているが、


「結構です!」


速攻で拒否をした。


「そう残念ね、なら多由也とでも組みなさい」


「………いいんですか?」


「あら、嫌なの?」


首を全力で横に振った。


「なら、問題ないわね」


今度は全力で頷く。


二人三脚なんて密着して行う種目。男子とやるより女子とやる方が、何倍も、いや何十倍も良い決まっている。


まぁ目の前にいる人物、大蛇丸は違うだろうけど……







甘かった。


二人三脚という競技をなめ過ぎていた。


お互いの足を結んで固定し、相手の肩に手を回す。


すなわち、手をつないでいるカップルよりも、腕を組んでいるカップルよりも密着すると言う事になる。


そして多由也との身長差は約15センチほど。


つまり、何が言いたいかというと、話すたび多由也はこちらを見上げると言う事だ。 若干顔が赤くなっているというオプション付きで。


このコンボ攻撃にはお手上げだ。確実にこっちの顔も赤くなってるに違いない。









そして迎えたレース直前。


白と黄色は合同という事で、君麻呂と多由也の二人が。


赤は鬼童丸とザクの二人。


青は左近と………


「左近、相手は?」


左近の横には誰もいなかった。


「相手? 相手なら」


指差したのは背中にいる右近。


そして生えてくる三本目、右近の足。


「おい、クソヤロー。テメーそれでまさか二人三脚って言う気じゃないよな?」


「あぁ。何か問題があるか?」


「「おおありだっ!!」」


君麻呂と多由也は声をそろえて言うが、左近はすました顔で告げた。


「大蛇丸様はこれでいいと言ったんだよ。文句あんのか?」


大蛇丸が許可したならどうする事も出来ない。


二人には引き下がる事しか出来なかった。






「チッ、ムカツクぜあのクソ兄弟が」


「文句言ってもしょうがないだろ、競技に集中しよう。左近達には負けて当たり前だけど、鬼童丸達には負けたくないから」


「当たり前だ!! あのバカに負けたら何言われるか分かんねーからな」


そして競技は始まる。


「位置について」


「君麻呂、右足からだからな」


君麻呂は黙って頷いく。


「ヨーイ」


パンッ!!


左近は当たり前の如く悠々と走り出す。


鬼童丸とザクの二人も何とか普通に走れていた。


ただ君麻呂と多由也の二人は、


「「ヘブッ」」


一歩目でこけていた。


二人とも砂を払いながら起き上がり、


「君麻呂、テメー右足からだっつたろーが!!」


「俺も右足から出したわ!」


二人とも右足から(多由也は結んでない方の足を、君麻呂は多由也と結んでいる方の足)を出したのだ。これではこけるに決まっている


二人は二、三秒ほどにらみ合った後、


「多由也、右足からだからな」


「あぁ」


仕切りなおしてスタートを切った。


そして、


「「ヘブッ」」


またもや一歩目でこけた。


今度の原因は二人とも左足を出してしまったから。


お互いが合わせようとして逆にこける結果となってしまったのだ。


「「プッ、ハハハ」」


地面に倒れこんでいる二人に聞こえてきたのは、馬鹿にしたような笑い声だった。


確認しなくても声の主は分かるが、二人同時に顔を上げ改めて敵を確認する。


前方にいる鬼童丸とザク。


二人はわざわざ立ち止まり、後ろを振り返って笑っていたのだ。


「馬鹿ぜよねー」


そして、笑い声に混じり、その声は君麻呂達に届いた。


「多由也」


「分かってる」


「俺は左足から」


「ウチは右足から」


目を合わせ頷き、二人はスクっと起き上がった。


踏み出す一歩、そして二歩目。二人は順調に走り出し、あっという間に鬼童丸とザクを捕え飛び上がった。


繰り出されるのは飛び蹴り。


多由也の足は鬼童丸に、君麻呂の足はザクの顔面へと吸い込まれた。


「誰が馬鹿だ、このクソゲス馬鹿野郎が!!」


倒れこんだ鬼童丸の顔面を何度も踏みつける多由也。


横にいる君麻呂も同じようにザクを踏みつけていた。


「ちょ、お、俺は馬鹿って言ってねーぞ」


「お前も同罪だ!!」


こうして、赤組の負傷退場をもって二人三脚は終わりを迎えた。













様々な競技を経て訪れた最終競技


ちなみに今までの得点は、白組80点  青組320点 赤組280点 黄色組280点 白組が最下位を突っ走っている。


最終競技、障害物競走の得点は60点。


最期というだけあってかなり得点は高いが、それでも白組が優勝するには程遠い。


「これじゃあつまらないわね」


君麻呂が思っている事を口にした大蛇丸。


「というわけで、得点は倍」


いい終えると同時、60の数字が120へと変わった。


「さらに倍」


120から240に。


君麻呂以外からは不平の声が漏れたが、大蛇丸が一睨みすると文句を言う者はいなかった。







そして始まる障害物競走。


ルールは全員参加で全員が一斉にスタートするという、少し変わったルールだった。


序盤は網や平均台などの普通のものばかり、いや忍びには簡単すぎるといっても良いだろう。


だがそんな簡単な事が最期まで続くわけがない。


大蛇丸の性格を考えれば分かる事である。


それを分かっている君麻呂は、いや君麻呂以外にも多由也、鬼童丸、左近、次郎坊の五人はあえてトップにはでず、若干後ろからレースを窺っていた。


そして、予想道理それは終盤にやってきた。


ゴールの前に佇む一人の影。


長い髪をなびかせ、爬虫類のような目で全員を見ていた。


勿論、カメラは首からぶら下がっている。


先頭を走っていた奴は立ち止まり、最後尾に居た奴まで追いつく始末。


「どういう事ですか大蛇丸様!?」


誰かは分からないがそう聞いた。


「どういう事って、こういう事よ」


大蛇丸が最期の障害という事だろう。

「さては賞金を渡したくないんだな!!」


この声は間違いなく君麻呂だった。


「違うわよ。最初に言ったでしょ、普通の内容じゃ満足しないって。最期は派手に盛り上げようと思ってね……それに安心して、殺しはしないから」


「だからって…」


誰かが喋るがそれを遮り大蛇丸は続ける。


「ちなみに、優勝チームには賞金は倍。 無事ゴールテープを一番で切れた人には副賞もあげるわ」


「副賞?」


「そうね、此処にいる全員にいう事を聞かせれるっていうのはどうかしら? 悪くないでしょ?」


「確かにわるく無いけど、少し話し合いの時間と作戦タイムをもらっていいですか」


提案したのは君麻呂だ。


大蛇丸は軽く頷き承諾した。








そして五分が過ぎた頃動きがあった。


「あら、もういいのかしら?」


「えぇ」


短く答え、それが開始の合図となった。


作戦は簡単だった。


五人衆以外が一気に突撃し大蛇丸を少しでも疲れさせるというものだった。


勿論この作戦には反対の者が多数出た。大蛇丸は殺さないといっているが、突撃する奴等にとってみれば死んでこい、と言われているようなものだから、反対するなというのが無理なのかもしれない。
でも、それでも彼等は突撃した。


理由は君麻呂が言った言葉。


「大蛇丸様に突撃して生き残るか、このままここで殺されるのどっちがいい?」


顔は笑っているが目が笑っていない君麻呂に、その場の全員が恐怖を覚えた。


そして今の突撃に至る。


「風遁 大突破」


作戦は一瞬で崩れ去った。


大蛇丸の放った術は突撃していった全員を見事に吹き飛ばしたのだ。


三十人以上を使っても、出来たのは術を一発使わせる事だけ。


はっきり言って、


「無茶苦茶ぜよね」


そう無茶苦茶だ。


「次は此方の番よね」


そう呟くと同時、大蛇丸は次郎坊の目の前に一瞬で移動し一撃で気絶させてしまった。


「クソデブが気抜きすぎだ!!」


多由也が怒るのも無理は無いが、いかんせん力の差がありすぎる。


君麻呂はどうしたものかと、考えたがやはり一つしか方法は無かった。


「あら、君麻呂。呪印を使うなんてやっとやる気が出てきたみたいね」


嬉しそうクナイを投げながら言う大蛇丸。


「まぁ大金が懸かってますんで」


投げられたクナイを避けずに受け止めて答えた。


そして気付く、クナイの先が潰されている事に。


(殺す気は無いというのは本当みたいだね)


そう思い頭の中ではどうすれば勝てるので無く、どうすればゴールできるのか必死で考えていた。


そんな君麻呂を他所に、他の三人は呆気に取られていた。


初めて見る君麻呂の呪印。


状態1だと言うのに、放たれる圧倒的な存在感。


三人の思考は一瞬だが停止した。


だがそれを見逃す大蛇丸ではない。


自身から一番近くにいた左近を、次郎坊と同じ様に一撃で昏倒させ、隣りにいる多由也へと狙いを定めたがそれはならなかった。


君麻呂が先ほどのクナイを投げ返したのである。


大蛇丸はそれを器用に舌で絡め、いったんその場を離れた。


「お前等やる気あんのか!!」


その言葉で多由也と鬼童丸の二人は我に帰り、すぐさま呪印を発動させる。


「ほんと、面白くなってきたじゃない!!」


大蛇丸は絡めとっていたクナイに加え片手で三本ずつ。計七本のクナイを此方向け放ち、一瞬送れて自身も突撃してきた。


だが、君麻呂が取った行動は大蛇丸の理解の範疇を超えていた。


クナイを弾くでもなく、避けるでもない。


隣りにいた鬼童丸を掴み、


「ぜよッ!!」


クナイに向かって投げたのだ。


鬼童丸はクナイをその身で全部受け止め、そのまま大蛇丸へと向かっていく。


先が潰れていないクナイだったなら、恐らく死んでいるであろう。


「滅茶苦茶ね、君麻呂。 だけど面白いわよ」


「そいつはどうも!!」


君麻呂の声は鬼童丸のすぐ後ろから聞こえた。


そして鬼童丸が大蛇丸にぶつかる瞬間、鬼童丸の影から飛び出し大蛇丸めがけて骨の刀で切りつけた。


そして響く高い金属音。


君麻呂の骨の刀と、大蛇丸の口から出ている草薙の剣がぶつかった音だ。


「無茶苦茶ですね、大蛇丸様」


大蛇丸の口から出ている剣と、右足で踏みつけられている鬼童丸を見て口にした。


君麻呂が大蛇丸にとって予想外の行動をとったように、大蛇丸の鬼童丸に対するこの扱いは予想外だったのだ。


「まさか、足を使うとは」


「避けるとでも思った?」


「受け止めてくれるのが一番良かったんですけどね」


「…そう、今度からはそうするわ」


こんな会話をしているが、二人の間では金属音が絶え間なく鳴っている。


そして一際大きな音がした後、二人の距離は離れていた。


「本当、楽しくなってきたわね」


「こっちは全然楽しくないですけどね」


大蛇丸は笑いながら。君麻呂は肩で息をしながら言う。


この戦い、ゴールすれば勝ちだからといっても、疲労がたまっている君麻呂には圧倒的に不利だった。


(チャクラも残り少ない、大蛇丸をどうにかしてゴールを─)


「潜影蛇手」


「ッ! 柳の舞」


辛うじて全ての蛇を切り落とすことが出来たが、反応が遅れてしまった事に苛立ちを覚える。


(残りのチャクラで出来る事……)


君麻呂は刀を体に戻し、呪印の力を高めていく。


「刀をしまうなんて……なるほど状態二ね。いよいよ面白くなってきたじゃない!!」


大蛇丸の言ったとおり、君麻呂にはもうこの手しかなかった。


(どれだけ持つかが問題だけど)


「ここまできたんだから、やるしかないでしょ……っておい!!」


ふと、君麻呂は視界に入ったものに声を荒げた。


大蛇丸も何事かと思い、君麻呂の視線の先に目をやる。


「………あの子、なかなかやってくれるじゃない」


二人が見たのはゴールテープを切り、1と書かれた旗を持っている多由也だった。













「…俺、すっごい頑張ったのに」


体育座りをし地面に『の』の字を書きながら言う。


「まぁそう落ち込むな、君麻呂」


「そうぜよ、落ち込んだってしょうがないぜよ」


「やるだけのことはやったんだから」


必死で君麻呂を立ち直らせようとする左近、鬼童丸、次郎坊の三人。


「やるだけのことはやった?」


のそっと立ち上がり続ける。


「テメー等、さっさとくたばって何もしてねーだろうが!!」


「ちょっと待つぜよ、俺はお前の盾に使われて──」








「あの子達、少しは静かに出来ないのかしらね」


「無理だと思いますけど」


四人を見て、多由也は冷静に告げた。


「…それもそうね」


軽く溜め息をつく大蛇丸。


「はい、これ賞金ね」


「ありがとうございます……あの、これ半分アイツに渡してもいいですか?」


「好きにしなさい。他のくノ一の子達も文句は言わないと思うから」


「じゃあ渡してきます」


そう言うと四人の下に歩き出した。


「あっ、そうそう多由也、副賞の事も考えておいてね」


多由也は振り返り軽く頷いた。

















あとがき?


次回はちゃんと本編の方を更新したいとおもいます。









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