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No.38585の一覧
[0] 至急、秋道家に弟子入りします[クチナシ](2013/10/04 21:49)
[1] 1:激痛とはじまり[クチナシ](2013/10/02 15:25)
[2] 2:はたけ上忍のお悩み相談室[クチナシ](2013/10/02 15:26)
[6] 3:最後の頼みは火影様だった[クチナシ](2013/10/07 15:59)
[7] 4:本を返すときには、感想もそえるべし[クチナシ](2013/10/02 15:29)
[8] 5:酒の入った女子会の話を男は聞かない方がいい[クチナシ](2013/10/02 15:32)
[9] 6:変人ダサ眼鏡と変人医療忍者[クチナシ](2013/10/03 01:51)
[10] 7:初心なくノ一、未来ある少年を利用する[クチナシ](2013/10/04 21:18)
[11] 8:鍛えたはずなのに、存外に弱かった[クチナシ](2013/10/08 13:45)
[12] 9:シカマル、怪しげな女に遭遇する[クチナシ](2013/10/20 21:47)
[13] 10:ある日の修行内容[クチナシ](2013/10/28 18:54)
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[38585] 2:はたけ上忍のお悩み相談室
Name: クチナシ◆0a4684f5 ID:1a9eabf7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/10/02 15:26
「なるほど、君は本当の所20歳の成人女性であって、間違っても12、3歳の餓鬼ではないと」
「はい、その通りです」


 一日あけて、カカシ上忍に事情を話すこととなった。あの後錯乱した私の代わりにナースコールを押し、写輪眼で観た時の様子など、医療忍に事情を話してくださったのだった。彼もまた体を起こすのも辛い状況であるのに、手を煩わせてしまった。
 礼を兼ねて、その後の精密検査の結果など事情を説明した。
 というか、誰かに話さないとやってられない。


「記憶や精神はどうなの?」
「過去の記憶を照会、精神状況もチェックしましたが、特に問題はありませんでした。しかし、身体が幼くなった以上、今後精神にも影響が出る可能性があるそうです」
「本当に幻術じゃないんだよね?」
「写輪眼で確認したカカシさんが言ったんじゃないですか、幻術じゃないって」
「まあ、そうなんだけど……でも普通ありえないでしょ?」

 はい、ごもっともです。

「細胞レベルで若くなったって事なの?」
「細胞もきちんと12歳前後のものらしく、本当に若返りみたいです」
「若返り……ねえ」

 彼はその単語に何か思うところがあるらしかった。


「あんまり嬉しくないです。だって約8年の修行の成果も、胸の大きさも、全部パアになってしまったんですよ?!」

 語気を荒げると若干引かれる。
「……そりゃ、ご愁傷様」
「チャクラ量も減ってますし、マジありえないです。本当にありえないです。何なんですか、忍術でも幻術でもなくガチの若返りって。カカシさんはこういう血継限界みたことありますか?」
「見た事はない。だが、系統で言えば秋道一族の秘伝忍術に近いと思うんだけど? 要は細胞レベルでの変化、なんだから。痛みがあったって事は時空間忍術で君の時間を戻したわけではないでしょ」
 確かに、考えるならば秋道一族の倍化の術だろう。

「倍化の術の仕組みって細胞を巨大化させてるって事ですか」
「あれは俺もコピーできない。チャクラによって細胞そのものを強化、巨大化している。変化の術とは全く別系統の術だ。細胞一つひとつへの均等な配分、伝達は、彼らの専用の肉体があってこその技だ。ユウキちゃんのそれが、君自身にあるなら、君の血統もまたそうなるように最適化されているはずだ」
「外的要因ではなく内的要因を探るべきだというんですね」
「俺には外部からの忍術で、全身の細胞を変化させるなんてことがとても出来るとは思えない。聞けば、変化したのは一瞬だったんだろう? 一瞬で他人の肉体を変形させられるのは難しい」

 成る程、医療忍術は繊細なチャクラコントロールを必要とする。一部の傷を治療するにもかなりの時間を要するし、それを全身となれば半端じゃない時間がかかる。しかも倒れたのは自分の部屋で、複雑な医療忍術の為の整った設備も準備もなかった。
 いや、しかし口寄せや結界忍術でどうにかなるかもしれない。一度家に帰り痕跡の確認、そして発見者に話を聞いた方がいいだろう。

「……なんか整理がつきました。ありがとうございます。話に付き合わせてすいません。体は大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。療養ついでに写輪眼の検査させられて入院が伸びてるだけだから」
「はあ、検査ですか。その眼も中々難儀なんですね」
「ま、ユウキの体ほどではないよ」

 がっくりうなだれる。
 そうですよね、突然子供の体になるなんて面白体質程ではないでしょうよ。

「あ、ごめん」
 あわてて慰められるがその私の頭に乗せられた左手はなんなんだろうか。
「私は20歳の上忍ですよ?」
「ん? でも、女の子じゃない」
よしよしという手を止める気配はない。完全なる子ども扱いだ。
「セクハラです。監査に訴えます」
「ごめんなさい」
 そう言うと、大人しく手を引っ込める。



「早く退院して身体の調子を確かめたいところですが、まだ出ていない検査もありますし暇ですね」
「俺は明日には退院だからね、もし暇なら本貸そうか?」
「え」
 そういって差し出されたのは18禁本だった。カカシ上忍の顔みると、ニコニコと悪意は全くないのが受け取れる。

「……ありがとうございます、カカシさん。気が利きますね」
「いーのいーの」

 私だから別にいいが、これは他の女性にしたらかなりのセクハラになるだろう。
「……カカシさん、結構天然ですよね」
「んーそうかな、ユウキもかなり天然だと思うけど」

 確信する。
 間違いない、この人は天然のボケ体質だ。おかしいとは思ったのだ、いくら私が後輩とはいえここまで会話が弾むなんて。私のツッコミと相性が良かったんだろう。

「カカシさんは本当に話していて飽きない方で助かります。今度お礼に呑みに……あ」
「うん、行けないね。外見年齢12歳だもの」
 もう酒は飲めないのか……。あと、8年も。
 これはかなり凹む。
「ああ、落ち込まないで、ね! そうだ退院したら快気祝いに一緒に飯食いに行こう!」
「ありがとうございます。本当カカシさんは優しいです」
 変人だとか思っていて申し訳なかった。確かにちょっと天然かも知れないけど、気さくだしいい人だ。

「ああそうか、ということは新しい服も買わないといけないんですか。面倒です。ここまで小さい支給服もないでしょうし」
「だろうね、ホルスターとかも体にあわせたのを揃えないと」
 本当に面倒くさい。

「これで忍術まで下忍レベルに落ちてたら、また一からDランク任務に回されたりして、本当に笑えないです」
「Dランク面倒だもんね」
「いえ、私護衛任務ばっかりやってるんですけど、それに比べたら全然面倒じゃないですよ」
「へえ、護衛任務が得意ってことは長期任務ばかり?」
 意外だったらしい。

「そうです。護衛任務って長期になるとスケジュールが組まれるじゃないですか。私、最近そういうのばっかりで次の次の依頼まで決まっていて、あんまり待機所には寄り付かないんですよ。だからカカシさんとは今まで逢ったことがなかったんでしょうね」
「ふーん、予約で埋まってるとか優秀じゃない」

「どうなんですかね? 確かに護衛は探知やら戦闘やらが必要なんですけど、それ以上にコミュニケーション能力が必要なだけな気がします。私に回される依頼人、癖がある人ばっかりなんですよ。絶対狙ってますよね、絶対押し付けられてます」
 このハプニングのせいでその予約は全てキャンセルとなるだろうが。

「俺そう言うコミュニケーションが必要なのは苦手だからな。護衛だとしてもビジネスライクな依頼主か、危険なニオイする奴ばっかだな」
危険なにおいとは依頼主がややこしい奴だろう。情報が伏せられていたりして面倒な奴だ。
「うう、さすが木の葉一の稼ぎ頭、言うことが違います」
「ま、俺もそう仕事を選んでられなくなるだろうけどね」
「どういうことです?」
「上忍師になって下忍を持つことになったんだ。つまりはそういうコミュニケーションが必要な依頼ばかりになるだろうよ」
「子守、お手伝い、護衛……それに下忍の子とも連携とれるように気を配らないといけませんし」
「面倒……」
「言っちゃいけません。上忍師になることは名誉なことなんですから」
「まあそんな仕事だったら下忍に任せても大丈夫でしょ。要は俺、監督だし」
「せこい、せこいですよカカシ上忍」
「だってさ、そうでもしないと休みとれないって。絶対同時並行でSとかAランク任務入れられるもの」
「ああ、看板忍者でしたね。憐れ……」
可愛そうな目で見ると、憐れむなと嫌そうな声で返される。

「そうしてまた疲れて入院するんですね。ご愁傷様です、差し入れはコミュニケーションに関する本にしておきます」
「そんな差し入れはいらない。というか、入院すると決めつけるな」
「さっき看護師さんに聞きましたよ。よくチャクラ切れで入院するらしいじゃないですか。しかも退院したら即任務とか」
「……恐るべしコミュニケーション能力」




 そのまま結局夜まで馬鹿な話をしていると消灯時間になった。
「それではカカシさん、私はあの怖い看護師に怒られたくないので寝ます。他の病室にも迷惑ですし……今日はありがとうございました」
「俺も入院中退屈しないでよかったよ。おやすみ」
「はい、おやすみなさい」




 薄明かりの中、遠くで誰かが呻く声が聞こえる。
 身体の問題は何も解決されてないし、何も分かっていない。それでも落ち着いて眠れていたのは、はたけカカシが理由であることは明らかだった。


「もうちょっと入院してくれたらよかったのに」


 窓から気配を殺して去っていくのを感じながら、また穏やかな眠りにつく。


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