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No.13840の一覧
[0] 【ネタ・完結】NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~[熊雑草](2013/09/21 23:12)
[1] 第1話 八百屋のヤオ子[熊雑草](2013/09/21 21:27)
[2] 第2話 ヤオ子のチャクラ錬成[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[3] 第3話 ヤオ子の成果発表[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[4] 第4話 ヤオ子の投擲修行[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[5] 第5話 ヤオ子と第二の師匠[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[6] 第6話 ヤオ子の自主修行・豪火球編①[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[7] 第7話 ヤオ子の自主修行・豪火球編②[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[8] 第8話 ヤオ子の悲劇・サスケの帰還[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[9] 第9話 ヤオ子とサスケとサクラと[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[10] 第10話 ヤオ子と写輪眼[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[11] 第11話 ヤオ子の自主修行・必殺技編①[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[12] 第12話 ヤオ子の自主修行・必殺技編②[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[13] 第13話 ヤオ子の自主修行・必殺技編③[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[14] 第14話 ヤオ子の自主修行・必殺技編④[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[15] 第15話 ヤオ子の自主修行・必殺技編⑤[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[16] 第16話 ヤオ子とサスケと秘密基地[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[17] 第17話 幕間Ⅰ[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[18] 第18話 ヤオ子のお見舞い①[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[19] 第19話 ヤオ子のお見舞い②[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[20] 第20話 ヤオ子のお見舞い③[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[21] 第21話 ヤオ子の体術修行①[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[22] 第22話 ヤオ子の体術修行②[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[23] 第23話 ヤオ子の中忍試験本戦・観戦編[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[24] 第24話 ヤオ子の中忍試験本戦・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[25] 第25話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅護衛編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[26] 第26話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅壊滅編[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[27] 第27話 幕間Ⅱ[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[28] 第28話 ヤオ子の新生活①[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[29] 第29話 ヤオ子の新生活②[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[30] 第30話 ヤオ子の新生活③[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[31] 第31話 ヤオ子の下忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[32] 第32話 ヤオ子の下忍試験・実技試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[33] 第33話 ヤオ子の下忍試験・サバイバル試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[34] 第34話 ヤオ子の下忍試験・試験結果編[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[35] 第35話 ヤオ子とヤマトとその後サスケと[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[36] 第36話 ヤオ子の初任務[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[37] 第37話 ヤオ子の任務の傾向[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[38] 第38話 ヤオ子の任務とへばったサスケ[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[39] 第39話 ヤオ子の初Cランク任務①[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[40] 第40話 ヤオ子の初Cランク任務②[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[41] 第41話 ヤオ子の初Cランク任務③[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[42] 第42話 ヤオ子の初Cランク任務④[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[43] 第43話 ヤオ子の初Cランク任務⑤[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[44] 第44話 ヤオ子の憂鬱とサスケの復活[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[45] 第45話 ヤオ子とサスケの別れ道[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[46] 第46話 幕間Ⅲ[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[47] 第47話 ヤオ子と綱手とシズネと[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[48] 第48話 ヤオ子と、ナルトの旅立ち[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[49] 第49話 ヤオ子と第七班?①[熊雑草](2013/09/21 21:50)
[50] 第50話 ヤオ子と第七班?②[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[51] 第51話 ヤオ子の秘密[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[52] 第52話 ヤオ子とガイ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[53] 第53話 ヤオ子と紅班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[54] 第54話 ヤオ子とネジとテンテンと[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[55] 第55話 ヤオ子とアスマ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[56] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[57] 第57話 ヤオ子とサクラの間違った二次創作[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[58] 第58話 ヤオ子とフリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[59] 第59話 ヤオ子と続・フリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[60] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[61] 第61話 ヤオ子とヒナタ班[熊雑草](2013/09/21 21:56)
[62] 第62話 ヤオ子と一匹狼①[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[63] 第63話 ヤオ子と一匹狼②[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[64] 第64話 幕間Ⅳ[熊雑草](2013/09/21 21:59)
[65] 第65話 ヤオ子とヤマトの再会[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[66] 第66話 ヤオ子とイビキの初任務[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[67] 第67話 ヤオ子の自主修行・予定は未定①[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[68] 第68話 ヤオ子の自主修行・予定は未定②[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[69] 第69話 ヤオ子の自主修行・予定は未定③[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[70] 第70話 ヤオ子と弔いとそれから……[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[71] 第71話 ヤオ子と犬塚家の人々?[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[72] 第72話 ヤオ子とカカシの対決ごっこ?[熊雑草](2013/09/21 22:03)
[73] 第73話 ヤオ子の居場所・日常編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[74] 第74話 ヤオ子の居場所・異変編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[75] 第75話 ヤオ子の居場所・避難編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[76] 第76話 ヤオ子の居場所・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[77] 第77話 ヤオ子の居場所・救助編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[78] 第78話 ヤオ子の居場所・死守編[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[79] 第79話 ヤオ子がいない①[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[80] 第80話 ヤオ子がいない②[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[81] 第81話 幕間Ⅴ[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[82] 第82話 ヤオ子の自主修行・性質変化編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[83] 第83話 ヤオ子の自主修行・能力向上編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[84] 第84話 ヤオ子の自主修行・血の目覚め編[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[85] 第85話 ヤオ子の旅立ち・お供は一匹[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[86] 第86話 ヤオ子とタスケの口寄せ契約[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[87] 第87話 ヤオ子の復活・出入り禁止になった訳[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[88] 第88話 ヤオ子のサスケの足跡調査・天地橋を越えて[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[89] 第89話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ①[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[90] 第90話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ②[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[91] 第91話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ③[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[92] 第92話 ヤオ子のサスケの足跡調査・状況整理[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[93] 第93話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁①[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[94] 第94話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁②[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[95] 第95話 ヤオ子とサスケの新たな目的[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[96] 第96話 ヤオ子と小隊・鷹[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[97] 第97話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・マダラ接触編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[98] 第98話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[99] 第99話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・深夜の会話編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[100] 第100話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦開始編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[101] 第101話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・奪還編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[102] 第102話 ヤオ子とサスケの向かう先①[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[103] 第103話 ヤオ子とサスケの向かう先②[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[104] 第104話 ヤオ子とサスケの向かう先③[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[105] 第105話 ヤオ子とサスケの向かう先④[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[106] 第106話 ヤオ子の可能性・特殊能力編①[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[107] 第107話 ヤオ子の可能性・特殊能力編②[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[108] 第108話 ヤオ子と砂漠の模擬戦[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[109] 第109話 ヤオ子とイタチの葬儀[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[110] 第110話 ヤオ子とサスケの戦い・修行開始編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[111] 第111話 ヤオ子とサスケの戦い・修行編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[112] 第112話 ヤオ子とサスケの戦い・最後の戦い編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[113] 第113話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[114] 第114話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・サバイバルレース編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[115] 第115話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・本戦編[熊雑草](2013/09/21 22:22)
[116] 第116話 ヤオ子の八百屋[熊雑草](2013/09/22 01:07)
[117] あとがき[熊雑草](2010/07/09 23:40)
[118] 番外編・ヤオ子の???[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[119] 番外編・サスケとナルトの屋台での会話[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[120] 番外編・没ネタ・ヤオ子と秘密兵器[熊雑草](2013/09/21 22:24)
[121] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と①[熊雑草](2013/09/21 22:25)
[122] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と②[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[123] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と③[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[124] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第1話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[125] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第2話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[126] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第3話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[127] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第4話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[128] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[129] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第6話[熊雑草](2013/09/21 22:29)
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[13840] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:9b88eec9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/21 21:55
 == NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~ ==



 任務がお休みの日の早朝……。
 ヤオ子はサスケの秘密の練習場で体を解す。
 雑務担当として就任した忍と言っても、本分は忍者であることに変わりはない。

 休日は、一日全てを修行に費やすことが多く、目下修行の内容はヤオ子本人の判断で、ひたすらに体力強化を続けている。
 言われたことを素直に──いや、アレンジを加えて修行を真摯に続けられるのがヤオ子のいいところである。
 半分はトラウマを刻み付けたサスケの影響だが……。
 そして、基礎を繰り返して来たからこそ、今、課題にしている手裏剣術で過去の思い出が蘇る。
 一緒に修行したサスケの手裏剣術が頭に焼き付いて離れないのだ。


 「ここのオールレンジの的……。
  特にあの岩の裏……」


 サスケの修行場にはオールレンジの的の他に目視できない岩の後ろの死角に的があり、そこが一番の難関になっている。
 周りの的の位置を再確認して、ヤオ子は息を吐く。


 「今日こそ、全部当てたいですね」


 ヤオ子は手裏剣術の修行を開始した。



  第60話 ヤオ子と母の親子鷹?



 両足のホルスターから手裏剣を抜き、両手に手裏剣を持つ。
 このあまり見掛けないホルスターを両足に付けたスタイルは、どちらでも手裏剣を投げられるから……と、片方だとバランスが悪いから……らしい。


 「だって、利き腕だけで投げないし、
  片方だと利き腕と逆で投げるのにコンマ何秒かですけど遅れるじゃないですか」


 ヤオ子は一人ごちると、準備が完了とチャクラを練り、足に集中させる。
 そして、やや前傾姿勢で足に力を込めると地面を蹴り上げ、高くジャンプした。

 空中で体を回転させながら、ヤオ子は的に手裏剣を投げつけていく。
 前方、後方、右方、左方……そして、問題の岩の裏をイメージする。


 「予測、完了!」


 上に向かう慣性が弱まり、自由落下に入った瞬間、ヤオ子は腰の裏の道具入れからクナイを一本取り出し、上空高くに放り投げる。
 そして、着地して少しすると、ストンと音がした。


 「この音は、ハズレではないですね」


 ヤオ子は岩の裏に向かって的を確認すると、腰に右手を当てる。


 「まだズレますね。
  15cmか……。
  直立した人の頭を狙うにはお粗末過ぎますね」


 最後の岩の死角の的の狙い方はサスケと違う、ヤオ子なりに考えたオリジナルになっている。
 サスケや兄であるイタチは投擲したクナイにクナイを当てて方向を変え、見えない的にクナイを当てていた。
 しかし、ヤオ子はそうせずに、上空高くに放り投げて、落下速度で勢いをつけて的を狙う。
 これはクナイを上空に投げることで相手の視線を釘付けにし、もし、相手が視線を逸らそうものなら、第二撃で仕留めるためだ。
 それだけでなく、視線を逸らさなければ、体術でそこに釘付けにしてクナイの時間差攻撃に応用しようと考えている。
 また、この方法は上空の死角から攻撃するということから、命中率が上がれば暗殺向きになる。
 そして、ネタ元はスラムダンクの沢北だったりする……。

 ヤオ子が手裏剣とクナイを回収してやり直そうとした時、手を叩く音が聞こえ、ヤオ子は顔を向ける。


 「お母さん」


 ヤオ子はこの場所の現れた母親に、少し驚いた。
 この場所は、ヤオ子とサスケしか知らないはずだった。


 「えへへへ……。
  後を着けちゃった」


 ヤオ子の母親は、笑顔でチョキを作る。
 その母親の緩んだ笑顔は、ヤオ子にそっくりであった。
 というより、成長したヤオ子が母親に容姿が似て来たという方が正しいだろう。

 違いは服装と、少しの身長差と髪型。
 ヤオ子がポニーテールでサスケカラーの服、母親は髪を下ろしてお店のエプロン姿。
 ヤオ子が急激に身長を伸ばしたせいで姉妹のように見えなくもない。


 「実に不気味です……」

 「何が?」

 「前々から思っていたんですけど、お母さんって、あまり年取ってないよね?
  物心ついた時の記憶と今で差分がないんだけど?」

 「お父さんに対するエロパワーのせいじゃないかしら?」

 「何で?」

 「いつまでも魅惑のエロボディで、お父さんを誘惑し続けるために……」

 (この前、綱手さんに説明した酔った時の内容に似てる……。
  親子揃ってエロパワーで解釈……)


 ヤオ子は微妙な顔つきで、チョコチョコと頬を掻く。


 「着けて来たんですか?」

 「透遁術は、私の十八番よ。
  これでお父さんを覗きまくり、色んな部分の成長を日々チェックし続けたの。
  ・
  ・
  甘く酸っぱい思い出が詰まった術……」


 ヤオ子の母親が悶える。
 ヤオ子は母親のストーカーエピソードの第二弾を聞かされて乾いた笑いを浮かべる。


 「変態エピソードをバラしに来たんですか?」

 「そんな言い方をしないで」

 「あ……。
  ごめんなさい……」

 「自慢しに来たんだから♪」


 ヤオ子がこけた。


 「ぐ……そうでした。
  相手は、あたしの母親でした。
  変態的エピソードが返って来るのは当たり前でした」

 「そんなに褒めないで♪」

 (会話が進まない……。
  あたしと会話する人は、いつもこうなのか……)

 「と、娘をからかうのもここまでにして」

 (いや、本当にあたしって、お母さんの生き写しですよ……)

 「少し真面目な話をしたいなと思ってね」

 「真面目なんですか?」


 ヤオ子の母親は笑顔で頷くと、落ち着いた声でヤオ子に語り掛ける。


 「私達の忍の技術を、少しだけ、あなたに残そうと思って」

 「忍の技術?」

 「そう。
  ・
  ・
  だから、確かめないとね」


 ヤオ子の母親がエプロンのポケットから紙を取り出し、右手の人差し指と中指で挟んで見せる。


 「それって……。
  チャクラの性質を見極める……」


 ヤオ子の母親の手で、紙は切れながら燃え出す。


 「お母さん……。
  何系の性質なんですか?
  あたしは火の性質変化で一杯一杯なのに」

 「簡単でしょ?
  これはチャクラを練った時に反応するんだから。
  練った瞬間に"火"と"風"の性質に変化させればいいだけよ」

 「簡単って……。
  ・
  ・
  二つも性質変化を持っているんですか?」

 「私の火の性質は、後でつけたものよ。
  だから、あなたには、本来の私の風の性質か、
  お父さんの土の性質のチャクラが備わると思っていたんだけどね」

 「何で、お母さんは二つも?」

 「遠距離攻撃の性質が欲しかったの。
  風は中・近距離で威力が高まるから」

 「それで遠距離攻撃が出来る火か」

 「少し遊んであげるわ」


 ヤオ子の母親が指でヤオ子を呼ぶ。
 実力を見てくれるのだと判断すると、ヤオ子はチャクラを練り、体に流し始める。


 (現役を離れていたとはいえ、
  あたしより優秀な忍者に違いありません。
  ・
  ・
  ガイ先生のように気合いを入れてみよう)


 ヤオ子の視線が母親をロックオンすると、ヤオ子はガイやリーの体術と同じ基本姿勢を取る。


 「木ノ葉の妖しきピンクの淫獣!
  八百屋のヤオ子!
  体術で行きます!」


 ガイとリーの指導により進歩したヤオ子の体術。
 加速された体の勢いをスムーズに拳に乗せる右ストレート。
 続いて柔軟な体の捻りから繰り出される左のハイキック。
 しかし、どれも確実に当たったはずの攻撃の衝撃が伝わって来ない。


 「どうなってんの!?」


 裏拳、掌抵、肘打ち、全て流された感じがする。
 連続攻撃もかなり進歩したはずなのに決定打がない。

 あまりの不気味さにヤオ子は距離を取り、母親を凝視する。
 種を暴こうにも母親は微笑んでいるだけだ。
 立ち尽くすヤオ子に母親が右手を返す。
 今は、自分の実力を少しでもヤオ子に見せることが出来ればいい……。


 「私の性質の風……。
  チャクラを部分的に風に変えて、あなたの攻撃が当たると風の風圧が私を優しく押し出す。
  私には並みの物理攻撃は効かないの」

 「至るところで部分的にチャクラを変えるって……。
  それ、柔術と性質変化の高等技術なんじゃないですか!?」


 母親は頷いて腰に手を当てる。


 「そうね。
  習得まで苦労したもの。
  的確に体の部位でチャクラを発動しないといけないし。
  オートで発動するものじゃないから、
  必ず相手の攻撃を見極めてからじゃないといけないし。
  瞬間的に練るチャクラ量の調整も必要ね」

 「全身至るところから出せるんですよね?
  どうやって習得したんですか?」

 「それはね。
  色香と幻術で日向家のお兄さんを誘惑して──」

 「ストーップ!
  それ以上は犯罪の臭いがします!」

 「よく分かったわね。
  今、その人は忍者を辞めて仏像を彫っているわ」

 (母よ……何をした?
  真相を聞かなきゃ、ダメですか?)


 ちなみにヤオ子も、ヒナタに同じようなことをしている。
 その時は、気絶させてから目覚めて意識がハッキリしない時に真実を置き換えた。

 ヤオ子は困り顔で首を捻る。


 「危ないですねぇ……。
  この人に忍術を教わっていいんでしょうか?」

 「結構使えるわよ? 私の忍術」

 「まあ、さっきの回避術は……。
  ・
  ・
  でも、あたしは風の性質変化を持ち合わせていないので、再現することは出来ません。
  他にどんなことが出来ますか?」

 「こんなの」


 ヤオ子の母親が朽ちた枯れ木を地面に突き立てる。


 「右手に火……。
  左手に風……。
  心にやましさ……。
  ・
  ・
  猛れ! 私の妄想力!」

 (そのセリフ……。
  親子二代に渡っての言葉だったんですか……)


 ヤオ子の母親がガシッ!と両手を合わせる。


 「おいろけ!
  劫火の拷問術!」


 地面を炎が走り、下から上に向かう風の流れにより、枯れ木が炎の竜巻に包まれる。

 ~ 一分後 ~

 枯れ木は炭屑に変わり、倒れながら崩れた。
 豪火球と違い、対象に風が巻きついて焼き尽くす……凶悪な忍術だった。


 「何処がおいろけだ!
  竜巻で酸素を送り込んでコンガリじゃないですか!
  エロさがなくて、がっかりですよ!」


 怒るのはそこか?


 「エロい拷問術なのよ。
  相手が美少年か美少女だと服だけ燃えるの。
  それ以外は保障しないけど。
  ・
  ・
  ちなみに、美少年と美少女の判断基準は術者の好みに依存するわ」

 「素晴らしい!」

 「でしょう!」


 親子は感動して抱き合う。
 変態達は、術の素晴らしさを分かり合ったのだ。


 「しかし……。
  何故、拷問術?」

 「心に拭えぬ傷を作り出すから」

 「……まあ、戦場で裸にひん剥かれたらねぇ。
  戦って死ぬより惨めかもしれませんね」


 ヤオ子が指を立てる。


 「ところで。
  おいろけもいいですけど、戦闘向きの火遁を教えてくれませんか?」

 「では、ラブ・ブレスという術を──」

 「それ、豪火球の術でしょ」

 「何で、知ってるの?」

 「あたしも開発しました。
  ハート型の豪火球でしょ?」

 「やるわね」

 「多分ですけど……。
  あたしもお母さんも、エロが絡まないと術を開発できないんでしょうね」

 「困ったわね。
  後は、風を使った神風の術とかしか……」

 「それって『さすがの猿飛』という漫画の術じゃ……。
  ・
  ・
  そうじゃなくて!
  お母さん、さっきと言ってることが全然違いますよ!」

 「そう?」

 「遠距離攻撃がしたいから、
  火の性質変化を覚えたって言ったじゃないですか!」

 「それでラブ・ブレスを覚えたんじゃない」

 「他は?」

 「修行時間が勿体ないから、
  火と風の合成忍術の開発に充てちゃった♪」

 「役たたず!」

 「えへへへ……。
  あ!
  風の性質変化を覚えちゃいなさいよ!」

 「お母さんは習得にどれだけ掛かったの?」

 「七ヶ月」

 「今からじゃ、直ぐに覚えられないじゃないですか!」


 母親が顎の下に指を当てる。


 「そうねぇ……。
  そもそも風の性質を覚えられるかも未知数だし……」

 「何て自由人なんだ……。
  八割方エロで、二割が勘か……」

 「まあ、いっか……。
  お父さんの忍術を教えれば」

 「お父さん?
  馬鹿のお父さんに忍術が使えるんですか?」

 「使えるわよ。
  アカデミーを出る時は、私の次の成績だもの」

 「お母さんの次?」

 「私が一番で、お父さんが二番」

 「ハァ!?
  カンニングでもしたんですか!?」

 「愛の力よ」

 (嘘くさい……)

 「でも、お父さんの性質は土なんですよね?
  また、あたしに使えませんよ?」


 母親は自信のある顔で返す。


 「お父さんの忍術はね。
  アカデミーで習ったもの意外、印を使わないの」

 「は?」

 「お父さんは一途だから、基本のチャクラ吸着を極めたの」

 「チャクラ吸着を極める?」

 「あれも一種の形態変化と捕らえて使ったの。
  見てて」


 ヤオ子の母親がチャクラを練り上げると、掌からロープ大のチャクラが地面まで伸びる。
 そのチャクラが石に触れると、石が持ち上がり手元に戻った。


 「これよ」

 「凄いのか凄くないのか……」

 「お父さんは、これを20m以上飛ばせるわ」

 「20って……どんなチャクラ量をしてるんですか?」

 「お父さんは、昔から修行は欠かさない人だったから。
  というより、やり過ぎてる人だったわ。
  その分、筋力とチャクラ量と基本動作が達人の域に達している。
  投擲の正確さと威力。
  チャクラ吸着の強さ。
  筋力のみの怪力」

 「筋力のみ?
  チャクラを利用しないってことですか?」

 「ええ。
  綱手様の怪力はチャクラを爆発させる繊細なコントロールの賜物。
  しかし、お父さんのは純粋な筋力の怪力」

 「話から想像すると、あたしに教えたいのはチャクラ吸着の応用ですか?」

 「ええ。
  あなたをいきなりマッチョには出来ないから」

 (マッチョになる気もないです……)


 ヤオ子は気を取り直し、話を続ける。


 「さっきの伸ばすヤツですよね?
  バンジーガムみたいなの。
  あれも柔拳の応用じゃないの?」

 「お父さんは不器用な人よ。
  力任せにチャクラを搾り出して飛ばしていたわ」

 (時々、馬鹿って凄いと思いますよ。
  ・
  ・
  というか、ちゃんとチャクラを練ってるのかな?)


 ヤオ子も精神エネルギーに妄想力を使っているので、父親のことをどうこういう資格はない。
 ヤオ子の心の声など分からず、母親が説明を続ける。


 「とはいえ、そんなのが出来るのはお父さんだけ。
  柔術のチャクラ放出を教えるわ」


 ヤオ子が掌を広げて、母親に見せる。


 「手だけなら放出できますよ」


 ヤオ子がチャクラを放出して見せると、母親が微笑む


 「あなた、本当に私と似た忍者ね」

 「ええ。
  怖いぐらいにね」

 「やってみなさい」


 ヤオ子は頷く。


 「行きますよ!」


 ヤオ子はチャクラを練り込み、掌からロープ大の純粋なチャクラが伸び始める。
 しかし、地面まで全然届かない。


 「これ……!
  ハンパじゃないチャクラ量とチャクラコントロールが必要です……!。
  特に放出しっぱなしっていうのがキツイです……!」

 「分かる?」

 「ええ……!
  まず、今のあたしには腕から出るチャクラ量に限界がある。
  チャクラ放出を応用するのが一瞬の盾形成だから、持続して放出なんて考えていませんでした。
  そして、無駄なロープ形成をすればチャクラが伸びない。
  吸着を付加して太く伸ばすなんて木登りと違います。
  本当にチャクラを体外に搾り出す感じです」

 「でしょ?
  私も地面までしか伸びないのよ」


 ヤオ子はチャクラの放出を止め、負担の掛かった掌の経絡系に視線を落とす。


 「これを力任せで伸ばすって……。
  凄いチャクラ量ですね」

 「お父さんは、このチャクラ吸着の先端に岩石をつけて戦っていたわ」

 「岩石……」


 ヤオ子の頭に何かが浮かぶ。


 「鉄球魔人かボルトガンダムみたいです」

 「お父さんはチャクラ吸着の先に岩石をつける時だけ、
  土の性質変化でそこら辺の物を岩石に変えていたわ」

 「とことん不器用ですね。
  しかも、力任せ」

 「でも、シンプルであるが故に威力があった気がするわ。
  チャクラ吸着で敵を捕まえて力任せに引っ張り出す。
  そして、力任せに叩き潰す」

 「シンプル イズ ベスト……」

 「これを覚えてね」


 ヤオ子の額に青筋が浮かぶ。


 「出来るか!
  お母さんも出来ないでしょう!」

 「当たり前じゃない。
  でも、あなた若いし。
  何とかならない?」

 「無理!
  ・
  ・
  だけど、チャクラ吸着の形態変化だけは練習します」

 「そう」

 「初めからロープみたいのはしませんけど、糸ぐらいのから練習します。
  より綿密なチャクラコントロールの練習になりますから」

 「あんまり役に立たなかったかしら?」

 「参考にはなりました。
  ・
  ・
  しかし、話だけ聞くと二人とも規格外の忍者だったみたいですね?」

 「ふふ……。
  二人とも中忍でお終い」

 「それだけ出来ても?
  奥が深いですね……」


 ヤオ子の母親が、近くの切り株に腰を下ろす。


 「随分、頑張っているのね。
  手裏剣術の命中率も高かったし、教えようと思った技術の半分は持っていた感じだし」

 「ええ。
  知り合った方々に色々と教えて貰っています。
  でも、まだまだ未熟ですから」

 「チャクラ量が増えないとやりたいことも試せないからね」

 「そうなんですよ。
  結局、最後は、そこに行き着くんです。
  練習するにしても何をするにしても、チャクラがないとお話になりません」

 「それで体術と手裏剣術ばかりでしてるの?」


 ヤオ子は意外そうに母親を見る。


 「あたしのやってること、よく知ってますね?
  チャクラの身体エネルギーに回す体力を強化中です」

 「いいんじゃない?」


 ヤオ子の母親は微笑んでいる。
 それにヤオ子が戸惑いながら返事を返す。


 「そ、そうですか?」


 こんなにしっかりしている母親を見るのは、久方振りな気がする。


 「お母さん……」

 「ん?」

 「後悔していませんか?」

 「後悔?」

 「お母さんは、あたしなんかよりも立派な忍者です。
  忍者であり続けたいと思いませんでしたか?
  長年積み重ねてきたものを捨てるのは、勿体ないと思いませんでしたか?」

 「…………」


 ヤオ子の母親が空を仰ぐ。


 「後悔はないわ。
  私の目的は、お父さんと居ることだったから。
  忍者をしていたのは、お父さんと居る理由でしかないの。
  だから、後悔はないわ。
  でも、自分の努力を捨て去るのは勿体ないわね。
  だから、今、あなたに少しだけ伝えに来たの」

 「残念ながら、あたしのチャクラ性質は風じゃありませんでした」

 「似たような忍者だって分かっただけで、十分」

 「お父さんには似てないですけどね」


 ヤオ子の母親は可笑しそうにしている。


 「そっくりよ」

 「へ?」

 「あなた、自分じゃ気付いていないかもしれないけど、
  その歳で、そのチャクラ量は多いのよ」

 「そうなんですか?
  しかし、サスケさんに比べると……」

 「彼はエリートの上に、努力している子。
  あなたは、ただの忍者の子。
  でも、お父さんに似てサボらないから、今があるの」

 「そこが似てると?」

 「ええ」

 「でも、皆さん修行してますけど?」


 母親が首を振る。


 「アカデミーを卒業すると、担当の上忍から彼等の能力に特化した指導を受けるものよ。
  もしくは、自分にあった能力の師を見つけるか……。
  ・
  ・
  そこで基礎修行の練習時間が減るわ。
  だけど、それでも愚直に基礎修行を繰り返す人が居た。
  それが私達のお父さん。
  今のあなたと同じよ」


 ヤオ子は頭に手を当てる。


 「まあ……。
  あたしの場合は、担当上忍さんが休業中ってのもありますけどね」

 「今のうちにしっかりチャクラ量を増やすのを勧めるわ」

 「ええ。
  あたしも同感です。
  あたしの場合、スタミナさえあればいいですから」

 「精神エネルギーは?」

 「妄想力で補ってます」

 「……やっぱり、親子なのね」


 母親が立ち上がる。


 「お店に戻るわ。
  私達の娘が、私達の娘らしかったから安心しちゃった」

 「ええ。
  あたしは、お母さんと忍者の話が出来て良かったです」


 母親が再び微笑む。


 「また、お話ししましょうね。
  別の技術なんかも教えてあげたいわ。
  今度は、実家に顔を出してね」

 「はい。
  月の支払いの日以外に行きます」

 「電卓叩く日は、絶対忘れちゃダメよ」

 「そっちの方が優先度高いんですか?」

 「ごめんね」

 「何で、あやまるの?」


 母親は何でもないと、首を振ると再び微笑んで帰って行った。
 そして、帰り際に少しヤオ子に振り返った。


 (私が忍者を辞める時、家系の脳の活性化の期間は終わっていたの。
  そして、お父さんとずっと忍者をすると思っていたから、忍術にばっかり力を注ぎ過ぎちゃった……。
  そのせいで八百屋の商売をする知識や家事全般が疎かになってる……。
  そっちの方の才能は、本来、余りなかったみたい……。
  大人になっても努力してるけど、中々身につかないの。
  ・
  ・
  後悔があるとすれば、あなたより母親らしいことを出来ないことかな。
  いつも手伝って貰ってばっかり。
  でも、気持ちだけは母親だからね。
  頑張っているのを見守ってる。
  ・
  ・
  得意の透遁術でね♪)


 母親が去って静かになった森の中。
 ヤオ子の頭で会話が響く。
 母親と父親が忍者だった話……。


 「今日から、新しい修行の追加ですね」


 ヤオ子は指からチャクラの糸を形成する。


 「これ……。
  砂の人形遣いが使うチャクラ糸に似ていませんか?」


 似ていると言うか、まんまだった。
 それを無理矢理ロープ大にチャクラ形成させて、力で捻じ伏せていたのが父親であった。


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