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No.13840の一覧
[0] 【ネタ・完結】NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~[熊雑草](2013/09/21 23:12)
[1] 第1話 八百屋のヤオ子[熊雑草](2013/09/21 21:27)
[2] 第2話 ヤオ子のチャクラ錬成[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[3] 第3話 ヤオ子の成果発表[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[4] 第4話 ヤオ子の投擲修行[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[5] 第5話 ヤオ子と第二の師匠[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[6] 第6話 ヤオ子の自主修行・豪火球編①[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[7] 第7話 ヤオ子の自主修行・豪火球編②[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[8] 第8話 ヤオ子の悲劇・サスケの帰還[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[9] 第9話 ヤオ子とサスケとサクラと[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[10] 第10話 ヤオ子と写輪眼[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[11] 第11話 ヤオ子の自主修行・必殺技編①[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[12] 第12話 ヤオ子の自主修行・必殺技編②[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[13] 第13話 ヤオ子の自主修行・必殺技編③[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[14] 第14話 ヤオ子の自主修行・必殺技編④[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[15] 第15話 ヤオ子の自主修行・必殺技編⑤[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[16] 第16話 ヤオ子とサスケと秘密基地[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[17] 第17話 幕間Ⅰ[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[18] 第18話 ヤオ子のお見舞い①[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[19] 第19話 ヤオ子のお見舞い②[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[20] 第20話 ヤオ子のお見舞い③[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[21] 第21話 ヤオ子の体術修行①[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[22] 第22話 ヤオ子の体術修行②[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[23] 第23話 ヤオ子の中忍試験本戦・観戦編[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[24] 第24話 ヤオ子の中忍試験本戦・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[25] 第25話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅護衛編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[26] 第26話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅壊滅編[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[27] 第27話 幕間Ⅱ[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[28] 第28話 ヤオ子の新生活①[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[29] 第29話 ヤオ子の新生活②[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[30] 第30話 ヤオ子の新生活③[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[31] 第31話 ヤオ子の下忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[32] 第32話 ヤオ子の下忍試験・実技試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[33] 第33話 ヤオ子の下忍試験・サバイバル試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[34] 第34話 ヤオ子の下忍試験・試験結果編[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[35] 第35話 ヤオ子とヤマトとその後サスケと[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[36] 第36話 ヤオ子の初任務[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[37] 第37話 ヤオ子の任務の傾向[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[38] 第38話 ヤオ子の任務とへばったサスケ[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[39] 第39話 ヤオ子の初Cランク任務①[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[40] 第40話 ヤオ子の初Cランク任務②[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[41] 第41話 ヤオ子の初Cランク任務③[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[42] 第42話 ヤオ子の初Cランク任務④[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[43] 第43話 ヤオ子の初Cランク任務⑤[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[44] 第44話 ヤオ子の憂鬱とサスケの復活[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[45] 第45話 ヤオ子とサスケの別れ道[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[46] 第46話 幕間Ⅲ[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[47] 第47話 ヤオ子と綱手とシズネと[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[48] 第48話 ヤオ子と、ナルトの旅立ち[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[49] 第49話 ヤオ子と第七班?①[熊雑草](2013/09/21 21:50)
[50] 第50話 ヤオ子と第七班?②[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[51] 第51話 ヤオ子の秘密[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[52] 第52話 ヤオ子とガイ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[53] 第53話 ヤオ子と紅班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[54] 第54話 ヤオ子とネジとテンテンと[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[55] 第55話 ヤオ子とアスマ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[56] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[57] 第57話 ヤオ子とサクラの間違った二次創作[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[58] 第58話 ヤオ子とフリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[59] 第59話 ヤオ子と続・フリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[60] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[61] 第61話 ヤオ子とヒナタ班[熊雑草](2013/09/21 21:56)
[62] 第62話 ヤオ子と一匹狼①[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[63] 第63話 ヤオ子と一匹狼②[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[64] 第64話 幕間Ⅳ[熊雑草](2013/09/21 21:59)
[65] 第65話 ヤオ子とヤマトの再会[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[66] 第66話 ヤオ子とイビキの初任務[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[67] 第67話 ヤオ子の自主修行・予定は未定①[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[68] 第68話 ヤオ子の自主修行・予定は未定②[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[69] 第69話 ヤオ子の自主修行・予定は未定③[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[70] 第70話 ヤオ子と弔いとそれから……[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[71] 第71話 ヤオ子と犬塚家の人々?[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[72] 第72話 ヤオ子とカカシの対決ごっこ?[熊雑草](2013/09/21 22:03)
[73] 第73話 ヤオ子の居場所・日常編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[74] 第74話 ヤオ子の居場所・異変編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[75] 第75話 ヤオ子の居場所・避難編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[76] 第76話 ヤオ子の居場所・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[77] 第77話 ヤオ子の居場所・救助編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[78] 第78話 ヤオ子の居場所・死守編[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[79] 第79話 ヤオ子がいない①[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[80] 第80話 ヤオ子がいない②[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[81] 第81話 幕間Ⅴ[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[82] 第82話 ヤオ子の自主修行・性質変化編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[83] 第83話 ヤオ子の自主修行・能力向上編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[84] 第84話 ヤオ子の自主修行・血の目覚め編[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[85] 第85話 ヤオ子の旅立ち・お供は一匹[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[86] 第86話 ヤオ子とタスケの口寄せ契約[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[87] 第87話 ヤオ子の復活・出入り禁止になった訳[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[88] 第88話 ヤオ子のサスケの足跡調査・天地橋を越えて[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[89] 第89話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ①[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[90] 第90話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ②[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[91] 第91話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ③[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[92] 第92話 ヤオ子のサスケの足跡調査・状況整理[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[93] 第93話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁①[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[94] 第94話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁②[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[95] 第95話 ヤオ子とサスケの新たな目的[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[96] 第96話 ヤオ子と小隊・鷹[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[97] 第97話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・マダラ接触編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[98] 第98話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[99] 第99話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・深夜の会話編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[100] 第100話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦開始編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[101] 第101話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・奪還編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[102] 第102話 ヤオ子とサスケの向かう先①[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[103] 第103話 ヤオ子とサスケの向かう先②[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[104] 第104話 ヤオ子とサスケの向かう先③[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[105] 第105話 ヤオ子とサスケの向かう先④[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[106] 第106話 ヤオ子の可能性・特殊能力編①[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[107] 第107話 ヤオ子の可能性・特殊能力編②[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[108] 第108話 ヤオ子と砂漠の模擬戦[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[109] 第109話 ヤオ子とイタチの葬儀[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[110] 第110話 ヤオ子とサスケの戦い・修行開始編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[111] 第111話 ヤオ子とサスケの戦い・修行編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[112] 第112話 ヤオ子とサスケの戦い・最後の戦い編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[113] 第113話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[114] 第114話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・サバイバルレース編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[115] 第115話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・本戦編[熊雑草](2013/09/21 22:22)
[116] 第116話 ヤオ子の八百屋[熊雑草](2013/09/22 01:07)
[117] あとがき[熊雑草](2010/07/09 23:40)
[118] 番外編・ヤオ子の???[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[119] 番外編・サスケとナルトの屋台での会話[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[120] 番外編・没ネタ・ヤオ子と秘密兵器[熊雑草](2013/09/21 22:24)
[121] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と①[熊雑草](2013/09/21 22:25)
[122] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と②[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[123] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と③[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[124] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第1話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[125] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第2話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[126] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第3話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[127] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第4話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[128] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[129] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第6話[熊雑草](2013/09/21 22:29)
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[13840] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:9b88eec9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/21 21:53
 == NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~ ==



 木の葉崩しから復興著しい、木の葉の里……。
 平和で穏やかな日々の中、怪しい音が数日に渡って響いていた。

 音の発信源は、深夜のヤオ子の部屋。
 時には激しく、時には優しく、時には鑢を掛けるように……。
 コツコツキンキンシャッシャッと……。


 「ふふふ……。
  この里に足りなかったものが、遂に出来ました。
  何故、今まで誰も気付かずに作らなかったのかが分かりません。
  もしかしたら、これのせいで新たな観光名所になってしまうかもしれませんね。
  ・
  ・
  まあ、隠れ里なので場所は知られていないのがデフォルトなので、
  有名な観光名所にはなりえないでしょうが……。
  ただ、サスケさんも里抜けして、里の場所の機密情報ダダ漏れですし……今更ですよね?
  それに木ノ葉で、ここが隠れ里と認識している人は何人居るのか?
  あまり多くないでしょうね」


 そして、音が止んだ三日後に事件は起きた。



  第56話 ヤオ子と綱手の顔岩



 三代目火影の眠る壮大な火をイメージしたレリーフがある。
 その横に突如として石像が出現した。
 モデルは、自来也。
 上半身の着物を荒々しく脱ぎ、右手で空を指す。
 左手には著書である『イチャイチャパラダイス』を握り、顔はムカつくぐらいにニヒルな笑みを浮かべている。


 『何の記念の像なんだ?』

 『さあ?』

 『しかし、三忍の自来也様の像だぞ?』

 『何で、火影である綱手様を差し置いて?
  綱手様から作られるべきだろう?』


 住民達は首を傾げ、直に綱手の耳にも情報が入った。


 …


 数時間後……。
 当然、ヤオ子が呼び出された。
 場所は、自来也の石像の前。
 隣には鬼の形相の綱手。


 「何だ? これは?」

 「さあ?
  見たことないですね?」

 「シラを切る気か?」

 「あたしじゃないですよ」

 「お前以外に誰がやるんだ?」

 「カカシさん!
  あの人はイチャイチャ大好きです!」


 綱手が静かな口調でヤオ子に問い掛ける。


 「ほう……。
  これは、あのくだらない本のための像か?」

 「…………」


 ヤオ子は目を泳がせ、直にパタパタと綱手に手を振る。


 「い、いやですね~。
  自来也さんの像の手元の本を見れば、直ぐに分かるじゃないですか?
  それに……この里でカカシさんほど、
  イチャイチャパラダイスの虜になっている人は居ませんよ」


 綱手は拳を握る。


 「アイツは任務中だ!
  里に居ない!」

 「う!」

 (収拾した情報に誤りが……。
  像を置くタイミングを間違えました。
  変わり身の術、失敗です)


 これ以上は言っても無駄だと、綱手は溜息を吐く。
 そして、コンコンと自来也の像を叩いて強度を確認しながら呟く。


 「まあ、いい。
  壊せばいいのだからな」

 「やめてくださいよ!
  それを作るの、どれだけ苦労したと思っているんですか!」

 「やっぱり、お前が犯人か!」

 「しまった! 使い古された姑息な手に!
  ・
  ・
  誘導尋問とは……さすが、火影様です」

 「何処が誘導尋問だ!」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。
 ヤオ子は頭を押さえて言い訳を始める、


 「ううう……。
  だって、ここ暫く石屋さんで任務させていたでしょ?
  その培ったスキルを活かしたかったんだもん」

 「何で、自来也なんだ!」


 ヤオ子は頬染めてクネクネと悶え始めた。


 「だって~♪
  あたしの尊敬するエロ小説の作者さんですよ?
  里の中には、未だにイチャイチャを称えるものがないじゃないですか♪」

 「あるか!
  っんなもん!」

 「これから『イチャイチャを作った偉人の像』って、タイトルも入れた台座も彫り上げるんです。
  綱手さんは幼馴染みなんでしょ?
  それぐらい分かってあげてよ」

 「分かるか!」

 「否定ばかりしてますけど、
  この像のお陰で木ノ葉は、新たな観光名所になるかもしれないし……」

 「なるか!」

 「なりますよ。
  全国からイチャイチャに魅入られたエロ達が集まるんです」

 「木ノ葉を変態の巣窟にする気か!」

 「利益は出ますよ?」

 「いらん!」

 「でも、借金あるんでしょ?」

 「……何で知っている?」

 「シズネさんの口を割るなんて、
  HBの鉛筆を圧し折るより簡単ですよ」

 (シズネ……。
  ヤオ子にいい様にされているぞ……)

 「兎に角、綱手さんの選択肢は二つです。
  借金を返すために変態が集まるのを許可するか?
  一世一代のチャンスを棒に振り、像を撤去するか?」

 「…………」


 ヤオ子の提案に、綱手は考え込んでいる。
 借金の額の量は洒落にならない。

 だが、そんな綱手を見てギャラリーは思う。


 (考えるまでもないだろう……。
  この像で客が呼べるわけがない……)


 綱手も直ぐにギャラリーと同じ考えに達すると、首を振った。


 「考えるだけ無駄だったな。
  こんなもので利益が出るわけがないではないか」

 「こんなもの?
  ・
  ・
  あたしの信念をこんなものだと!?」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「こんなもの以外で、何て表すんだ!」

 「変態を舐めんなです!
  一体、どれだけの若者があの小説を読んで、
  人生を踏み外したと思っているんですか!」

 「踏み外しちゃダメだろう……」

 「分かんない人ですねぇ。
  きっちりと言っておかないとダメみたいです」


 ヤオ子は左手を胸に置き、右手を振る。


 「ある日、目覚めたエロへの欲求!
  ふと、本屋さんで目につくエロ小説!
  思わず手に取った『イチャイチャパラダイス』!
  視覚から伝わる脳を揺さぶる衝撃のプラズマザンバーブレイカー!
  あたし達は、あの時に覚えた感動を忘れない!
  ありがとう! 『イチャイチャパラダイス』!
  ・
  ・
  ということで、全国から必ず真の変態達が集まり、懐は温かくなります」

 「そこまでの変態は、お前だけだ!」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「あたしを、そういうタイプの変態と一緒にしないでください!
  あたしのファーストコンタクトは、道で落ちてたものを拾った時です!
  今、話したような一般人的な出会いはしていません!」

 「お前は、一段階上の変態なのか!?」

 「あたしが経験していない以上、一般的な変態説は妄想ですけどね」

 「どっちでもいい!
  ・
  ・
  ったく……。
  この里は只でさえ、問題のある輩が多くて苦労しているのに……」


 綱手は額に手を置いて項垂れた。


 「問題のある輩ね~。
  ・
  ・
  例えば、公衆の面前で平然と十八禁小説を読むカカシさんとか?」

 「そう……」

 「里一番のイタズラ小僧のナルトさんとか?」

 「そう」

 「ナルトさんが居なくなっても、
  しっかりと後を引き継いでいる木ノ葉丸さんとか?」

 「そう!」

 「色ボケして暴走するサクラさんといのさんとか?」

 「そう!」

 「ノリで行動するガイ先生にリーさんとか?」

 「そう!」

 「めんどくさがりのシカマルさんとか?」

 「そう!」

 「食い意地の張っているチョウジさんとか?」

 「そう!」

 「サディストのイビキさんにアンコさんとか?」

 「そう!」

 「借金こさえて火影やってる誰かとか?」

 「そう!
  ・
  ・
  いや、それは……まあ、許容範囲だ」

 「犯罪者が、何を今更になって」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「誰が犯罪者だ!」

 「世間一般では、ワザと借金を踏み倒す人を犯罪者と思っているはずです」

 (このガキ!)

 「今、あげたのは一部ですが、
  木ノ葉の人間は、一癖も二癖もありますよね」

 「その代表が、お前だろうが!」

 「あたし? 冗談!
  こんな可憐な美少女を捕まえて!」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。
 そして、自来也の像を叩きながら怒鳴る。


 「可憐な美少女は、こんなものを置かない!
  輪を掛けたような変態が!」

 「酷い言い草ですね?
  それに美少女とは見た目を言います。
  中身が変態でもいいじゃないですか」

 「いいわけあるか!
  変態の象徴の自来也の像なんか作りやがって!
  ・
  ・
  さっきから、この自来也の笑い方がムカつくんだよ!」

 「ニヒルなハードボイルド・ダンディーをテーマにしています」

 「アホか!」

 「やけに突っ掛かりますね?
  分かった!
  綱手さんも石像を作って欲しいんでしょ?」

 「は?」


 呆ける綱手のことを置いて、ヤオ子の暴走は加速する。


 「作ってあげますよ!
  立派な裸婦像を!
  像を移動すると、この自来也さんの像が綱手さんの裸婦像を抱きとめる感じになるヤツを!
  ・
  ・
  えへへ……。
  自来也さんの手が自然と綱手さんの乳へ行くようにしないといけませんね♪」

 「作るな!」


 怪力入りの綱手の拳が自来也の石像を粉砕した。
 綱手も我慢の限界だった。
 短気の綱手にしては我慢した方だった。


 「ぎゃ~~~っ!
  あたしの傑作が~~~っ!
  ・
  ・
  ううう……。
  あんまりだ……」


 ヤオ子は瓦礫になった自来也の破片を持って泣き濡れる。


 「あたしの胸板~。
  まだ十三回しか撫でてないのに~」


 事件は終わりを向かえ、住民達も去って行く。
 火影にタメ口を利く少女に疑問を残しながら。

 そして、綱手も踵を返す……が立ち止まる。


 「……待てよ。
  ・
  ・
  オイ! ヤオ子!」

 「……何ですか?」

 「お前、あれを作れないか?」

 「あれ?」


 綱手の指差す先にあるのは、先代火影達の顔であった。
 それは木の葉の何処に居ても見えるシンボルであった。


 「顔岩?」

 「そうだ。
  私の顔岩だ」

 「無理」

 「何でだ?
  ・
  ・
  もしかして、専門職ではないことを気にしているのか?」

 「いや……。
  エロが絡まないと力が出ない」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「どんな理由だ!
  白々しい嘘をつくな!」

 「本当ですよ。
  だから、自来也さんの石像は上半身裸だったんです」

 (何て理由だ……)


 ヤオ子はポンと手を打ち、指を立てる。


 「あ! 乳まで作っていいなら出来ますよ!」

 「だから、作るな!」


 綱手のグーが、ヤオ子に炸裂する。


 「ううう……。
  痛い……。
  綱手さんって、ワンランク上の痛さなんですよね」

 「アホなことばっかり言っているからだ!」

 「単に怪力も発動しているからでしょ?」

 「アァ!?」

 「……何でもないです」

 (何でしょうか?
  このサスケさんを彷彿とさせる懐かしさは……。
  綱手さんには突っ込みとしての素質があります。
  ・
  ・
  ふふふ……。
  見事なサスケ2号です。
  最近、少し寂しかったんですよ。
  ここまで切り返しの出来る人材が居なかったんで)


 ヤオ子がにやけていると、綱手は不機嫌そうに質問を繰り返す。


 「で、作るのか? 作らんのか?」

 「ちなみに『作らない』の選択をすると、どうなるんですか?」

 「サクラの16連コンボが、火影命令で発動する」

 「……やります」

 (この恐怖で縛り付けるところも懐かしい……)


 綱手はビシッ!とヤオ子を指差す。


 「余計なものは絶対につけるな! いいな!」


 こうしてヤオ子は、顔岩を作ることになった。
 そして、粉砕された自来也のバラバラ殺人のようになった石像も放置される。
 自来也が旅から帰って来たあと、ゴミ捨て場に自分の首が捨てられているのに気付き絶叫するのは、一年と数ヵ月後である。


 …


 顔岩は固い材質で出来ている。
 緊急時の住民の避難所が顔岩に設置されているのも、そのためである。
 そして、当然、ただ彫り易いような形もしていない。

 最初の形を決めるため、土遁を使える上忍数人が顔岩を慎重に隆起させ、そして、その作業が終わり、上忍の一人がヤオ子に声を掛ける。


 「なあ……。
  本当に一人でやるのか?」

 「そういう任務です。
  すいませんが、崩れる恐れもあるので下の通行禁止と、
  破片が飛ばないようにシートを掛けるのを手伝ってください」

 「分かったよ。
  頑張ってな」

 「ありがとうございます」


 忍達の協力で通行の規制が行なわれ、シートと足場が組まれた。
 ヤオ子の顔岩作りが始まる。


 …


 作業を行なう上で、ヤオ子と一般の職人達と違うことがある。
 影分身を使えるヤオ子には、部下への指示が必要ない。
 意思疎通が完璧に出来るため、指示を出す無駄な時間も発生しなければ間違った思惑で作業をすることもない。

 そして、顔岩を彫り続けて三日が過ぎた進捗状況は……。
 まだ大まかな顔のラインが決まっただけだった。
 これは影分身を使うことができ、デタラメな能力を有するヤオ子にしては作業がかなり遅い。
 ヤオ子は叩きのみと槌を持ったまま、チャクラ吸着で顔岩に水平にしゃがみ込んだ。
 気乗りがしない……。


 「ダメだ……。
  エロが絡まないから、本当にやる気が出ない……。
  任務と違って決まった設計図もないし、作る顔岩は自分の想像力が要だから……」


 ヤオ子は頭の近くに両手を持っていって叫んだ。


 「もう、ダメ!
  我慢出来ない!
  あたしは、想像力じゃなくて妄想力で勝負する子なの!」


 ヤオ子は計画を変えた。
 水平に立ち上がると叩きのみを強く握る。


 「胸像にする!
  絶対に乳まで作る!
  ・
  ・
  あたしのエロの境地!
  固有結界・無限の妄想を発動させる!」


 ヤオ子の集中力──もとい、妄想力という名のエロパワーを急激に引き上げる儀式。
 静かに目を閉じ、自身を引き込む詠唱を始める。
 ちなみに詠唱はパクリだ。


 「I am the bone of my eroticism.
  ────── 体はエロで出来ている

  Sexy is my body, and liquor is my blood.
  血潮は魅惑的で 心は酔っている

  I have created over a thousand delusions.
  幾たびの修羅場を越えて不敗

  Unknown to Death.
  ツッコミから 一度も敗走はなく

  Nor known to Life.
  ツッコミから 一度も理解されない

  Have withstood pain to create many delusions.
  彼女は常に独り 妄想の中で勝利に酔う

  Yet, those hands will never hold anything.
  故に 真人間に意味はなく

  So as I pray, unlimited eroticism works.
  その体は、きっとエロで出来ていた ──────
  ・
  ・
  固有結界! 無限の妄想!」


 ヤオ子の周りに恐ろしくも禍々しいチャクラが渦巻く。
 Fateのアーチャーのような固有結界は発動しない。
 いわゆる自己暗示の一つである。
 エロだけのために集中し、エロだけのために動き続ける機械になる。
 まあ、元々エロのためだけに生きているわけだが……。
 兎に角、ヤオ子は固有結界の発動により、三日三晩不眠不休でエロに従事することが出来る。


 「ふふふ……。
  体に力が漲ってきました……。
  胸像による乳の妄想があたしに無限の力を注ぎ込みます。
  もう、止まれません!」


 ヤオ子は影分身を使って人数を増やすと、一心不乱に動き続ける。
 そして、綱手の顔岩……ではなく胸像が徐々に姿を現し始めるのだった。


 …


 顔岩を作り始めてから、一週間目の朝……。
 ヤオ子が綱手の下を訪れる。
 そのヤオ子の形相を見て、綱手と付き人のシズネが驚く。


 「どうしたんだ!?」
 「どうしたの!?」


 ヤオ子はクマを作り、目が血走っていた。
 その状態のヤオ子が唇の端を吊り上げる。
 本当の変質者のようで怖い……。
 ヤオ子を見て、シズネは少し涙目だ。


 「終わりました……」

 「もう……か?」

 「ええ……。
  ここ三日間はろくに寝ていません……。
  ・
  ・
  くっくっくっ……。
  お陰で頭が変なテンションです……。
  あ~はっはっはっ……」

 ((壊れた……))

 「見ますか……?」

 「あ、ああ」

 「では、こちらへ……」


 ヤオ子はフラフラと危なっかしい足取りで部屋の外へと出て行った。
 その様子を心配し、シズネが綱手に話し掛ける。


 「だ、大丈夫ですかね?」

 「大丈夫じゃないだろう。
  ・
  ・
  アイツ、変に完璧主義者だと思わんか?
  誰が、ここまで身を削れと言った?」

 「根っからの職人気質ですからね。
  ヤオ子ちゃんは……」

 「まったく……。
  行くぞ!」

 「はい」


 綱手とシズネが、ヤオ子に続いて部屋を出た。


 …


 顔岩のよく見える少し離れた建物の屋上に綱手とシズネとヤオ子が居る。
 ヤオ子はオーバーワークなので綱手とシズネの側に居るため、シートの取り外しは、他の忍が担当することになった。

 今、綱手の顔岩はシートによって全て覆われている。
 それを上から少しずつ取り外していくのだ。

 やがて、少しずつシートが取り払われ、綱手の額が見えてくる。
 それを見たシズネが声をあげて指差す。


 「凄い!
  そっくりですよ!
  綱手様!」

 「ああ。
  大したものだ」


 綱手とシズネが素晴らしい出来栄えに笑みを浮かべる。
 そして、鼻のところまでシートが外れる。


 「……何でしょうか?
  随分と切ない目をしていますね?」

 「そ、そうだな……」

 「何というか……色っぽい?」

 「…………」


 嫌な予感が漂い始め、シートが顎下まで外された。


 「凄い……ですね。
  私、初めてですよ。
  顔岩でリップのウルルンを再現したものなんて……」

 (ふふふ……。
  少し前、幼児の間で泥団子をピカピカに磨くのが流行ったでしょう……。
  あれを応用しました……。
  故に雨が降れば、唇の光沢はなくなってしまいます……)

 「もの凄い高等技術の応酬ですね。
  職人の魂? みたいなものを感じます。
  ・
  ・
  でも、込められているものは魂じゃないですよね?」

 「そうだな……。
  ・
  ・
  出来だけ見れば文句をつけられないだろう。
  ただし、この顔岩は発注者の意図を悉く無視している」

 「ええ。
  何か……美術館の裸婦像を想像させますもんね」


 更にシートが外される。
 そこには散々注意した物体がついていた。
 木ノ葉の里全体がピンク色に染まった瞬間だった。


 「この大馬鹿ヤローが!」


 綱手のグーがヤオ子に炸裂すると、ヤオ子は屋上のコンクリートに減り込んだ。


 「シズネ!
  直ぐにシートを付け直させろ!」

 「はい!」


 シズネが顔岩に走った。
 綱手はヤオ子のポニーテールを引っ掴むと、コンクリートのクレーターからヤオ子を引き抜く。


 (この感触……。
  何か懐かしい……。
  アンコさんみたい……)


 そして、ヤオ子の首根っこを捕まえる。


 「お前って奴は!
  お前って奴は!
  お前って奴は───ッ!」


 ヤオ子の首が縦に高速で揺れる。


 「今回は疲れ過ぎて言い返す気力がない……」

 「お前は精も根も尽き果てて、何を作っていたんだ!」

 「ふふふ……。
  胸像ですよ……。
  三日目にエロストレスが決壊しました……」

 「何だ!? エロストレスって!?」

 「真のエロは、三日もお預けされると死ぬんですよ……」

 「いっそ、死んでしまえ!」

 「あれは、あたしのエロ技術の全てを注ぎ込み完成した……。
  我が生涯に一片の悔いもない……。
  どうとでもするがいい……さあ、殺せ」

 「どっかの魔王の最後みたいなことを言うな!
  お前は、本当に何を考えているんだ!」

 「綱手さんの裸婦の妄想……」


 綱手はヤオ子の相手をするのに心底疲れきった。


 「もう、いい……。
  ここからは正規の職人を雇って修正して貰う……」

 「乳だけは……。
  乳だけは壊さんでください……。
  あそこには……。
  あそこには……。
  あそこには、あたしのエロの結晶があるんです……」

 「あんなもん!
  今日中に爆破だ!」

 「ううう……。
  あんまりだ……。
  ・
  ・
  壊すなら顔を壊してください……。
  もう、顔がなくても乳だけあればいい……。
  顔岩じゃなくて乳岩にしましょう……」

 「この本物の馬鹿が!」


 綱手の懇親の怪力入りのグーが、ヤオ子に炸裂する。
 再び、ヤオ子は屋上のコンクリートに減り込んだ。
 八百屋のヤオ子……享年九歳。


 「し…死んでないから……」


 ガク…ピクピク……。
 ヤオ子は意識を手放した。


 …


 ヤオ子の作った、里をピンクに変えた物体は綱手自らの手で破壊された。
 殴る際には自来也とヤオ子の名前を叫びながら跡形もなく……。
 その後姿は、まるで地上最強の生物オーガのようだったとシズネは語っている。

 そして、その日のうちに正規の職人が呼ばれる。
 顔岩自体の修正は簡単だった。
 眉の角度や瞳を微修正するだけだったからだ。

 つまり、顔岩のほとんどはヤオ子が作り上げた。
 しかし、後の木ノ葉で、ヤオ子が綱手の顔岩作りに貢献したことは、黒歴史として封印されて伝わっていない。
 代わりに世にも恐ろしい変態的都市伝説が伝わっている。


 …


 ※※※※※ 顔岩について ※※※※※

 今回、顔岩について書かせて貰いました。
 実は、顔岩については、よく分かりませんでした。
 インターネットを調べるとアニメの疾風伝でエンディング後のおまけで紹介されたようですが、我が家にはデータとなるDVDやビデオはなく、詳細を知ることは出来ませんでした。
 分かったことは、とても固い材質で出来ているようで避難所が一緒にあることだけです。

 今回のSSでは、顔岩の作り方を少しだけ考えてみました。
 このSS内での作り方は、完全な想像ですので信じないでください。

 まず、顔岩を作る岩がないと顔岩は出来ません。
 つまり、削り出す出っ張りがないと顔岩のバランスが崩れます。
 粘土(?)や何かで少しずつ盛ってから削り出す方法も考えましたが、それだと固い材質という顔岩の特性が失われると思いました。
 そこでNARUTOの世界ならではの方法。
 忍術の土の性質変化を使った隆起です。
 これなら材質も変わらず、削り出しやすい岩に変化させることが出来るのではないでしょうか?
 そのような手法を取り、SS内ではヤオ子に綱手の顔岩を作らせました。


 ※※※※※ 隠れ里の位置情報について ※※※※※

 NARUTOの世界では、一国一里のシステムが取られていると、うちはマダラがサスケに話していました。
 しかし、このシステムというか隠れ里……名前だけで隠す気はないみたいです。
 冒頭でも書きましたが、抜け忍のせいで機密情報バレバレです。
 更に木ノ葉に至っては、顔岩があるから遠くからでも位置がバレそうです。
 軍事的拠点がダダ漏れ……大丈夫なんでしょうか?
 そう言えば、波の国のタズナが出て来た時も普通に奥から現れたような……。
 名前だけで隠れていないのが、NARUTO世界の常識なのでしょう。

 その後、ペイン来襲の際には結界を張っている描写があったので、隠すのを捨てて防御やレーダー(?)機能を強化したのだと思われます。
 結界に関しては、人的に行なわれていたように見受けられましたが、あの人達が疲労困憊しないかが不安です。


 …


 ※※※※※ 番外編・ヤオ子の呪い ※※※※※

 これは、サスケが大蛇丸の下で修行を開始して、まだ日の浅い時期の話……。
 あったかもしれない話……。


 …


 暗い室内に会話が響く。
 人数は、二人。


 「カブト……。
  サスケ君の実力は、如何なものかしら?」

 「まだ、ここを訪れて日が浅いですからね。
  何とも言えません」

 「そう……。
  今は、どんな修行をしているの?」

 「彼の起っての願いで、
  実験体と実戦まがいの修行をしています」

 「若いわね……。
  ・
  ・
  相手は?」

 「体感速度をコントロールする薬を投薬している者です」

 「ああ、例の……。
  まだ副作用が出るのよね……。
  ・
  ・
  今のサスケ君では相手に出来ないでしょう?」

 「はい。
  写輪眼のように視覚だけでなく五感全てにおいて、
  実験体は投薬によって相手を遅く感じます。
  故に、相手は動きについていけない。
  ・
  ・
  そして、これが副作用でもある。
  実験体は遅く感じることで、自分が速く動けると勘違いをする。
  無理をさせた肉体は壊れるだけです」

 「本来は、意識して体感速度をコントロールしたいのだけど……。
  まだまだ実験の域を出ないわね……。
  ・
  ・
  実験体の体は、まだ持つの?」

 「もう、暫くは……」

 「サスケ君の様子は?」

 「徐々にですが動きを捉え始めています」

 「流石ね……」

 「…………」


 カブトが少し複雑な顔をする。


 「何か気に掛かることでもあるの?」

 「実は……。
  何回かに一回、確実に実験体の動きを捉えるんです」

 「確実に?」

 「はい。
  そして、その後に『何かの呪い』だと呟くんです」

 「サスケ君が?」

 「聞き違いでなければ
  『ヤオコの呪い』だと……」

 「ヤオコ?
  ・
  ・
  何かしら?
  妖弧の間違いじゃないの?」

 「ナルト君に呪いを掛けるような忍術やセンスがあるとは思えませんが?」

 「確かにそうね……。
  直接、見た方が早そうだわ……」


 大蛇丸が腰を上げる。
 そして、カブトが先に部屋の出口へと向かい、大蛇丸を案内する形で暗い部屋からサスケの修行をしている場所へと移動した。


 …


 地下の闘技場……。
 その上に実験体を観察するために設けられた踊り場がある。
 そこに大蛇丸とカブトが現れる。
 闘技場では、今もサスケと実験体が戦っている。


 「ククク……。
  やはり、いい動きだわ……。
  うちはの血は、伊達じゃないわね……」

 「はい。
  しかし……いや、やはりと言うべきか。
  サスケ君の方が戦況が悪い」


 サスケは呪印の力を解放していない。
 あくまで己の力のみで実験体を制して倒すつもりでいる。
 しかし、写輪眼で相手の動きを先読みしても実験体の瞬身の術の方が早い。
 急所を狙うサスケの忍体術が悉く躱される。


 「見えてはいるのね……。
  でも、体がついていかない……」

 「実験体は無理をしていますからね。
  動きも普通の忍よりも、ずっと早い」

 「実験体相手にやられていないのは、
  サスケ君が致命的な攻撃をギリギリで躱しているからね……」


 戦いは、サスケが粘ってギリギリ続いているように見える。
 しかし、この追い込まれた条件の中から得る物も大きい。
 普段の修行で追い詰められることを経験するのは難しい。
 そして、それを乗り越える経験を得られるチャンスは、もっと少ない。
 だからこそ、サスケは望んでその条件に身を置く。


 「そろそろ終わりかしら?」

 「そうですね。
  ・
  ・
  実験体の方も、休ませないと壊れますしね」

 「代わりは幾らでも居るのでしょう?」

 「まだデータを取り終えていないんですよ」


 大蛇丸がカブトの話に唇の端を吊り上げる。
 その時だった。
 サスケのグーが、実験体に炸裂した。
 そして……。


 「くそ! まただ!
  ・
  ・
  ヤオ子の呪いか!」

 「…………」


 大蛇丸とカブトが沈黙した。
 そして、暫しの時間を置いて口を開いた。


 「言ったわね……確かに」

 「はい……」

 「何かしら? ヤオコって?」

 「分かりません。
  聞いても教えてくれませんでした」


 大蛇丸達には全く分からないが、種を明かすとこうだ。
 サスケは実験体に反応したわけではない。
 反応したのは『会話』だ。
 大蛇丸とカブトの会話が耳に入り、冗談と脳が認識した瞬間、目の前の実験体にグーを炸裂させていたのだ。
 本来なら、大蛇丸かカブトに向かうグーが届かないために実験体に向かった。
 そして、この時だけは、何故か的確に相手の頭を殴れる。


 (何なんだ? これは?
  ・
  ・
  ヤオ子のせいで、いらない冗談に無意識で突っ込みが入る!)


 ヤオ子にトラウマが刻まれたように、サスケにも突っ込みとしての条件反射が刻み込まれていた。
 故に……。


 「ヤオ子の呪いだ……」


 サスケは項垂れる。
 当然、突っ込みのグーで相手にダメージを与えられるわけがない。
 絶妙な力加減がヤオ子のせいで手に馴染んでいる。
 生かさず殺さず痛みだけを相手に的確に伝える。

 この現象は、暫く直らなかった。
 サスケは兄に復讐を果たす前に、ヤオ子に復讐したい気分だった。


 …


 ※※※※※ 番外編について ※※※※※

 やっぱり無理でした。
 本当に、一発ネタになってしまいました。
 感想欄にあったので、サスケのことを書いてみようと思いましたが、情報が少な過ぎました。

 そして、大蛇丸とカブトをギャグキャラにしたら、NARUTOの世界自体が崩壊します。
 また、この時期辺りから、サスケはギャグキャラを卒業していきますので、これが限界でした。


 …


 ※※※※※ 番外編を書く上でパロディ風に考察した大蛇丸とカブトの没ネタ ※※※※※

 死、迫る時①

 「カブト……」

 「何ですか?
  大蛇丸様?」

 「今だから教えてあげる……。
  あなたに転生しない理由……」

 「…………」

 「あなたの血液がAB型だからよ」

 「え?」


 死、迫る時②

 「カブト……。
  もう、この体も限界ね……」

 「はい……」

 「君麻呂に……転生してみようかしら?」

 「は?」

 「だから、君麻呂に転生するのよ……」

 「な、何故!?」

 「転生したら……。
  私の白蛇の力で治るんじゃないかしら?」

 「大蛇丸様!
  気を確かに!」

 「やって……みようかしら?」

 「やめてください!
  何で、いきなりそんなチャレンジをするんですか!」

 「おかしい?」

 「おかしいですよ!」


 新術と色

 「青色と黄色を初めて混ぜた者は……。
  そうして出来た新しい色を緑と名付けた……。
  私も、それと同じことをしたいだけですよ……」

 「大蛇丸……。
  最初から緑色があったかもしれんじゃろう?」

 「え?」

 「結果の名前が緑としてあって、
  偶々、青色と黄色を混ぜたら、緑色だったということだ」

 「何で、人の夢を壊すようなことを言うのよ……。
  ・
  ・
  まあ、いいわ……。
  色彩に限りなく種類があるのと同様に、
  術も数千数万とこの世にあろう……」

 「ただ、掛け合わせていくと最後に黒っぽい色ばっかだしのう。
  こげ茶とか黒っぽい紫とか……。
  あまり、いい結果になるとは思えんのう」

 「…………」

 「こんな里!
  出て行ってやるわ!」


 …


 今回、最後までお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。
 そして、変なネタで気分を害されてしまった方、申し訳ありません。
 ギャグなので、広い心で流してくれると幸いです。


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