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No.13840の一覧
[0] 【ネタ・完結】NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~[熊雑草](2013/09/21 23:12)
[1] 第1話 八百屋のヤオ子[熊雑草](2013/09/21 21:27)
[2] 第2話 ヤオ子のチャクラ錬成[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[3] 第3話 ヤオ子の成果発表[熊雑草](2013/09/21 21:28)
[4] 第4話 ヤオ子の投擲修行[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[5] 第5話 ヤオ子と第二の師匠[熊雑草](2013/09/21 21:29)
[6] 第6話 ヤオ子の自主修行・豪火球編①[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[7] 第7話 ヤオ子の自主修行・豪火球編②[熊雑草](2013/09/21 21:30)
[8] 第8話 ヤオ子の悲劇・サスケの帰還[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[9] 第9話 ヤオ子とサスケとサクラと[熊雑草](2013/09/21 21:31)
[10] 第10話 ヤオ子と写輪眼[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[11] 第11話 ヤオ子の自主修行・必殺技編①[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[12] 第12話 ヤオ子の自主修行・必殺技編②[熊雑草](2013/09/21 21:32)
[13] 第13話 ヤオ子の自主修行・必殺技編③[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[14] 第14話 ヤオ子の自主修行・必殺技編④[熊雑草](2013/09/21 21:33)
[15] 第15話 ヤオ子の自主修行・必殺技編⑤[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[16] 第16話 ヤオ子とサスケと秘密基地[熊雑草](2013/09/21 21:34)
[17] 第17話 幕間Ⅰ[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[18] 第18話 ヤオ子のお見舞い①[熊雑草](2013/09/21 21:35)
[19] 第19話 ヤオ子のお見舞い②[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[20] 第20話 ヤオ子のお見舞い③[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[21] 第21話 ヤオ子の体術修行①[熊雑草](2013/09/21 21:36)
[22] 第22話 ヤオ子の体術修行②[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[23] 第23話 ヤオ子の中忍試験本戦・観戦編[熊雑草](2013/09/21 21:37)
[24] 第24話 ヤオ子の中忍試験本戦・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[25] 第25話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅護衛編[熊雑草](2013/09/21 21:38)
[26] 第26話 ヤオ子と木ノ葉崩し・自宅壊滅編[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[27] 第27話 幕間Ⅱ[熊雑草](2013/09/21 21:39)
[28] 第28話 ヤオ子の新生活①[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[29] 第29話 ヤオ子の新生活②[熊雑草](2013/09/21 21:40)
[30] 第30話 ヤオ子の新生活③[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[31] 第31話 ヤオ子の下忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 21:41)
[32] 第32話 ヤオ子の下忍試験・実技試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[33] 第33話 ヤオ子の下忍試験・サバイバル試験編[熊雑草](2013/09/21 21:42)
[34] 第34話 ヤオ子の下忍試験・試験結果編[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[35] 第35話 ヤオ子とヤマトとその後サスケと[熊雑草](2013/09/21 21:43)
[36] 第36話 ヤオ子の初任務[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[37] 第37話 ヤオ子の任務の傾向[熊雑草](2013/09/21 21:44)
[38] 第38話 ヤオ子の任務とへばったサスケ[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[39] 第39話 ヤオ子の初Cランク任務①[熊雑草](2013/09/21 21:45)
[40] 第40話 ヤオ子の初Cランク任務②[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[41] 第41話 ヤオ子の初Cランク任務③[熊雑草](2013/09/21 21:46)
[42] 第42話 ヤオ子の初Cランク任務④[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[43] 第43話 ヤオ子の初Cランク任務⑤[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[44] 第44話 ヤオ子の憂鬱とサスケの復活[熊雑草](2013/09/21 21:47)
[45] 第45話 ヤオ子とサスケの別れ道[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[46] 第46話 幕間Ⅲ[熊雑草](2013/09/21 21:48)
[47] 第47話 ヤオ子と綱手とシズネと[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[48] 第48話 ヤオ子と、ナルトの旅立ち[熊雑草](2013/09/21 21:49)
[49] 第49話 ヤオ子と第七班?①[熊雑草](2013/09/21 21:50)
[50] 第50話 ヤオ子と第七班?②[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[51] 第51話 ヤオ子の秘密[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[52] 第52話 ヤオ子とガイ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:51)
[53] 第53話 ヤオ子と紅班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[54] 第54話 ヤオ子とネジとテンテンと[熊雑草](2013/09/21 21:52)
[55] 第55話 ヤオ子とアスマ班のある一日[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[56] 第56話 ヤオ子と綱手の顔岩[熊雑草](2013/09/21 21:53)
[57] 第57話 ヤオ子とサクラの間違った二次創作[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[58] 第58話 ヤオ子とフリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:54)
[59] 第59話 ヤオ子と続・フリーダムな女達[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[60] 第60話 ヤオ子と母の親子鷹?[熊雑草](2013/09/21 21:55)
[61] 第61話 ヤオ子とヒナタ班[熊雑草](2013/09/21 21:56)
[62] 第62話 ヤオ子と一匹狼①[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[63] 第63話 ヤオ子と一匹狼②[熊雑草](2013/09/21 21:57)
[64] 第64話 幕間Ⅳ[熊雑草](2013/09/21 21:59)
[65] 第65話 ヤオ子とヤマトの再会[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[66] 第66話 ヤオ子とイビキの初任務[熊雑草](2013/09/21 22:00)
[67] 第67話 ヤオ子の自主修行・予定は未定①[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[68] 第68話 ヤオ子の自主修行・予定は未定②[熊雑草](2013/09/21 22:01)
[69] 第69話 ヤオ子の自主修行・予定は未定③[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[70] 第70話 ヤオ子と弔いとそれから……[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[71] 第71話 ヤオ子と犬塚家の人々?[熊雑草](2013/09/21 22:02)
[72] 第72話 ヤオ子とカカシの対決ごっこ?[熊雑草](2013/09/21 22:03)
[73] 第73話 ヤオ子の居場所・日常編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[74] 第74話 ヤオ子の居場所・異変編[熊雑草](2013/09/21 22:04)
[75] 第75話 ヤオ子の居場所・避難編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[76] 第76話 ヤオ子の居場所・崩壊編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[77] 第77話 ヤオ子の居場所・救助編[熊雑草](2013/09/21 22:05)
[78] 第78話 ヤオ子の居場所・死守編[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[79] 第79話 ヤオ子がいない①[熊雑草](2013/09/21 22:06)
[80] 第80話 ヤオ子がいない②[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[81] 第81話 幕間Ⅴ[熊雑草](2013/09/21 22:07)
[82] 第82話 ヤオ子の自主修行・性質変化編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[83] 第83話 ヤオ子の自主修行・能力向上編[熊雑草](2013/09/21 22:08)
[84] 第84話 ヤオ子の自主修行・血の目覚め編[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[85] 第85話 ヤオ子の旅立ち・お供は一匹[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[86] 第86話 ヤオ子とタスケの口寄せ契約[熊雑草](2013/09/21 22:09)
[87] 第87話 ヤオ子の復活・出入り禁止になった訳[熊雑草](2013/09/21 22:10)
[88] 第88話 ヤオ子のサスケの足跡調査・天地橋を越えて[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[89] 第89話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ①[熊雑草](2013/09/21 22:11)
[90] 第90話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ②[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[91] 第91話 ヤオ子のサスケの足跡調査・北アジトへ③[熊雑草](2013/09/21 22:12)
[92] 第92話 ヤオ子のサスケの足跡調査・状況整理[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[93] 第93話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁①[熊雑草](2013/09/21 22:13)
[94] 第94話 ヤオ子とサスケ・再び交わる縁②[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[95] 第95話 ヤオ子とサスケの新たな目的[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[96] 第96話 ヤオ子と小隊・鷹[熊雑草](2013/09/21 22:14)
[97] 第97話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・マダラ接触編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[98] 第98話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦編[熊雑草](2013/09/21 22:15)
[99] 第99話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・深夜の会話編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[100] 第100話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・作戦開始編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[101] 第101話 ヤオ子とサスケの奪還作戦・奪還編[熊雑草](2013/09/21 22:16)
[102] 第102話 ヤオ子とサスケの向かう先①[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[103] 第103話 ヤオ子とサスケの向かう先②[熊雑草](2013/09/21 22:17)
[104] 第104話 ヤオ子とサスケの向かう先③[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[105] 第105話 ヤオ子とサスケの向かう先④[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[106] 第106話 ヤオ子の可能性・特殊能力編①[熊雑草](2013/09/21 22:18)
[107] 第107話 ヤオ子の可能性・特殊能力編②[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[108] 第108話 ヤオ子と砂漠の模擬戦[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[109] 第109話 ヤオ子とイタチの葬儀[熊雑草](2013/09/21 22:19)
[110] 第110話 ヤオ子とサスケの戦い・修行開始編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[111] 第111話 ヤオ子とサスケの戦い・修行編[熊雑草](2013/09/21 22:20)
[112] 第112話 ヤオ子とサスケの戦い・最後の戦い編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[113] 第113話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・筆記試験編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[114] 第114話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・サバイバルレース編[熊雑草](2013/09/21 22:21)
[115] 第115話 ヤオ子とサスケとナルトの中忍試験・本戦編[熊雑草](2013/09/21 22:22)
[116] 第116話 ヤオ子の八百屋[熊雑草](2013/09/22 01:07)
[117] あとがき[熊雑草](2010/07/09 23:40)
[118] 番外編・ヤオ子の???[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[119] 番外編・サスケとナルトの屋台での会話[熊雑草](2013/09/21 22:23)
[120] 番外編・没ネタ・ヤオ子と秘密兵器[熊雑草](2013/09/21 22:24)
[121] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と①[熊雑草](2013/09/21 22:25)
[122] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と②[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[123] 番外編・没ネタ・ヤオ子と木ノ葉と砂と③[熊雑草](2013/09/21 22:26)
[124] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第1話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[125] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第2話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[126] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第3話[熊雑草](2013/09/21 22:27)
[127] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第4話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[128] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第5話[熊雑草](2013/09/21 22:28)
[129] 番外編・実験ネタ・混ぜるな危険  第6話[熊雑草](2013/09/21 22:29)
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[13840] 第5話 ヤオ子と第二の師匠
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:9b88eec9 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/09/21 21:29
 == NARUTO ~うちはサスケと八百屋のヤオ子~ ==



 あの日以来、サスケは常にヤオ子を朝修行に付き合わせている。
 最初はサボり癖のあるヤオ子を引っ張っていくことが目的だったが、理由は少しずつ変わりつつある……。
 ヤオ子は疲れた顔で朝修行から帰宅すると項垂れた。


 「要するにあたしは、サスケさんの投げた手裏剣やクナイを取りに行く
  都合のいいお手伝いさんというわけです……。
  あの野郎は『いいパシリ見つけたぜ』とほくそ笑んでるに違いありません……。
  ・
  ・
  まあ、サスケさんの近くに投げ返すのが修行と言えば修行なんですけど……」


 しかし、ただ投げ返すだけなら、ここまで疲れない。
 疲れる理由は、サスケの修行場の的が一箇所ではないことだ。
 前後左右オールレンジに配置されてあるため、的を全部巡るだけでも大変な作業なのだ。


 「あのドSは、あたしという都合のいい下僕が欲しかったに違いない……」


 本日、延長して行なわれた朝修行のせいで、時刻は午後になっていた。
 ヤオ子は、居間に遅い昼食を食べに向かった。



  第5話 ヤオ子と第二の師匠



 居間に入るとテーブルの上に置き手紙がある。
 ヤオ子は、それを手に取り首を傾げる。


 「ん? 何これ?」

 『昼食は、終わりました。』

 「は? だから?」


 テーブルの上には何もない。
 ということは……。


 「お昼抜けってのか!?
  あいつら、あたしがサスケさんに連れてかれてんの見てただろ!
  しかも、和やかに挨拶まで交わして!
  あたしのエサは!?」


 ヤオ子は店先に走り、引き戸を乱暴に開くと叫ぶ。


 「あたしのエサは!」

 「勝手に食って来い!」


 接客中の父親は店の金を掴み、ヤオ子に投げつけた。
 ヤオ子は、それをダイレクトキャッチして呆然とする。


 「ありえない……。
  しかも、お金少ないし……」


 ヤオ子を無視して接客に精を出す父親の後姿を眺めると、ヤオ子は生まれの不幸を呪いながら店を後にした。


 …


 行くところは一軒しかない。
 『うまい』『安い』『早い』の札の貼ってある店、一楽である。
 ヤオ子が、一楽の暖簾を潜る。


 「おじさ~ん。
  安くて腹持ちのいいヤツ~」


 ヤオ子が先客の隣に座ると、一楽の主人は方眉を曲げて言葉を返す。


 「お嬢ちゃん……。
  メニュー見て頼んでくれないか?」

 「予算は、これだけで」


 一楽の主人の言葉を無視して、ヤオ子は自分の都合を押し付けてお金を先にカウンターに置いた。


 「仕方ねぇな。
  あそこの子なら……」

 (また、貧乏って思われた……)


 一楽の主人は代金を取ると、ラーメンを作り始めた。
 ラーメンの出来るまでの待ち時間。ヤオ子は隣の子に目を向ける。


 「何だよ?」

 「いや、同類かと思って……」

 「一緒にすんな!
  オレってば、自分で働いて払ってるんだから!」

 「働いてんの? その歳で?
  ・
  ・
  あ、額当て。
  忍者の方ですか」

 「そうだってばよ」

 「サスケさんと同じか」


 ヤオ子の言葉に、金髪でオレンジの服の少年が反応する。


 「お前、サスケを知ってんのか?」

 「はい」

 「お前ってば……。
  やっぱり、サスケが好きなの?」


 サスケは、くノ一達に人気がある。
 少年は、それが気に入らないため質問した。


 「ありえませんよ、あんなドS。
  あんなのがいいなんて、皆、目が腐ってんじゃないですか?」

 「やっぱり!
  お前、見所あるってばよ!」

 「当然の見解です」


 ヤオ子と少年は数分で打ち解けた。


 「オレ、うずまきナルト。
  え~っと……」

 「八百屋のヤオです」

 「そうか! ヤオ子か!」

 「いや……。
  ヤオですって」

 「で。
  ヤオ子は、何で、サスケを知ってんだ?」

 (何で、誰もあたしの本名を呼んでくれないの?
  ・
  ・
  まあ、この人馬鹿そうだし……)


 ヤオ子は自分の中で自己完結すると答えを返す。


 「まあ、ちょっと道で会って。
  それからの関係ですね」

 「ふ~ん」

 「うずまきさんは、どういった知り合いなんですか?」

 「名前でいいってばよ。
  オレは、第七班の同じ班」

 「最悪の人と一緒になっちゃいましたね」

 「分かる?
  そうなんだってばよ!
  アイツ、いつもすかしてカッコつけて!」

 「分かりますね。
  本人、きっとカッコイイと思ってますが
  根暗なだけですからね」

 「そう!
  お前、本当に見所あるな!」


 ヤオ子は、少年の名前である事を思い出す。


 「ナルト……?
  ・
  ・
  ナルトさんって、おいろけの術を開発した……あのナルトさん?」

 「知ってんの?」

 「ええ。
  あたしが最初に発動して、
  サスケさんに見せたのがその術です」

 「ヤオ子も出来るの?」

 「はい」


 一楽の主人は変な会話に首を傾げながら、ヤオ子の前にラーメンを置く。


 「おじさん、ありがとう」


 ヤオ子は美味しそうにラーメンを食べ始める。


 「ナルトさん。
  でも、サスケさんに見せたら殴られちゃいましたよ」

 「オレもだってばよ。
  ついでにサクラちゃんにも……」

 「何で、あの術の価値が分からないんですかね?」

 「オレも同じ気持ちだってばよ」


 一楽に馬鹿が二人。


 「あの術でオレってば、火影の爺ちゃんを倒したんだぞ」

 「凄いですね。
  でも、老い先短い老人にはキツイ術なんじゃないですか?」

 「そうかもしれない……。
  少し使うのを控えよう」


 ナルトは丼のスープを啜り、ヤオ子はラーメンを啜る。


 「あたしは、まだ術を覚え始めたばかりなんですけど、
  ナルトさんは他にも術を開発しているんですか?」


 ナルトの顔がパッと輝く。
 自分に興味を示す人間は久しぶりのことだった。


 「聞きたい!?
  本当に聞きたい!?」

 「聞きたいですね。
  特にエロ系の忍術は全部」

 (この子達、頭大丈夫なのか?)


 一楽の主人は二人の会話を聞いて、本気でヤオ子達の将来を心配し始めた。
 やがて、ヤオ子とナルトが食べ終わる。


 「おじさん、ごちそう様でした。
  美味しかったです」

 「また、来るってばよ」


 意気投合した二人が一楽を出て行くと、その後ろ姿を見て一楽の主人は呟いた。


 「あの子……言葉遣いは丁寧なのにな。
  ナルトと性格が合う時点で終わりかもしれねぇな」


 一楽の主人は、二人を諦めた顔で見送った。


 …


 ナルトに連れられて、ヤオ子はちょっとした広場に移動する。
 ここは木の葉の里から少し離れた演習場の一つだった。
 そこでナルトが胸を張って咳払いを入れる。


 「この術は、おいろけの術を超える高等エロ忍術だってばよ」

 「高等なんですか?」


 ナルトが力強く頷く。
 今、ナルトが披露しようとしているのはハーレムの術というものである。
 この術で使用される影分身の術は、確かに高等な上位忍術である。


 「いくってばよ!
  多重影分身の術!」


 ヤオ子の前で、印を結んだナルトが幾人にも増える。


 「続いて! おいろけの術!」


 更に幾人ものナルトが美女に変化する。
 それを見たヤオ子は驚愕する。


 「ま、まさかこれほどまでの強烈忍術とは……」


 ヤオ子は方膝をつくと、ナルトは腕組みをして自慢げに術を解いた。
 ヤオ子はナルトのズボンにヒシッとしがみ付いた。


 「ナルトさん!
  あなたを師匠と呼ばせてください!」

 「師匠……。
  いい! それ、いいってばよ!」

 「じゃあ──」

 「弟子にしてやるってばよ!」

 「えへへ……。
  弟子入りしちゃった」


 ここにサスケが一番恐れていた接触による悲劇が完成した。
 ナルトが威張りながら話し掛ける。


 「まず、師匠としてヤオ子の実力を見てやる。
  おいろけの術をやるってばよ。
  やれェーーーっ!」

 「分かりました! 師匠!
  ・
  ・
  猛れ! あたしの妄想力!」


 ヤオ子はチャクラを練り始める。


 「何かお前のチャクラってば……。
  禍々しいってばよ……」


 ナルトが一筋の汗を流している中で、ヤオ子が印を組んで術を完成させる。
 そして、煙と共に現れたのは、金髪のセクシーギャルだった。


 「うっふ~ん☆」

 「おお!
  中々の高得点だってばよ!」

 「やっぱり? やっぱり!」

 「だけど、ちょっと残念だ……」

 「え?」

 「エロの基本は『ボン! キュッ! ボン!』だ!
  それじゃ始めの『ボン!』が威力不足だってばよ!」


 ヤオ子が不適に笑う。


 「ふふふ……」

 「な、何だよ?」

 「師匠、一つ生意気を許してください。
  あたしは、体のラインのバランスを大事にしています。
  巨乳もいいですが美乳も捨てがたい……」

 「そう来たか……」


 師匠もといナルトが感動している。
 ナルトはヤオ子に親指を立てた。


 「分かった!
  合格をやるってばよ!」

 「ありがとうございます!」

 「では、ハーレムの術に必要な影分身の術を教える!」

 「はい!」

 「これはオレも苦労して覚えた術だから
  難易度もかなり高いってばよ!」

 「大丈夫です!
  ことエロが付く忍術に関しては妥協しませんし、
  失敗をした事もありません!」

 「何か、お前とは似た臭いを感じるってばよ。
  じゃあ、行くぞーっ!」


 ナルトとヤオ子の影分身の修行が始まった。


 …


 夕方、日が暮れだした頃に影分身の修行は終了する。
 チャクラもかなり浪費し、ナルトとヤオ子の息は上がっていた。


 「はあ、はあ……。
  じゃ、じゃあ、やってみるってばよ」

 「分かりました。
  体力はギリギリでも、妄想力で補います!
  猛れ! あたしの妄想力!」


 ヤオ子が禍々しいチャクラを練り込み、印を結ぶ。


 「影分身の術!」


 ヤオ子が四人に増えた。
 四人のヤオ子は続けざまに印を結ぶ。


 「続いて!
  ハーレムの術! ヤオ、バージョン!」


 ボンッ!と音がすると美女が四人現れる。


 「成功だってばよ!」

 「ありがとうございます! 師匠!」

 「ヤオ子ってば、天才かもしれないってばよ!」


 まさしく才能の無駄使いである。
 ヤオ子は自分の分身に手を掛け、まるでキャッチセールスのような言葉でナルトに話し掛ける。


 「どうです? 師匠?
  この子なんか師匠の好みに合わせて、
  完璧な『ボン! キュッ! ボン!』ですよ?」

 「いいってばよ!
  いいってばよ!!」

 「えへへ……」

 「もう、教えることはないってばよ」

 「そうですか?
  じゃあ、今度、新しいエロ忍術を開発したら教えてくださいね。
  あたしも、どんどん開発しますから」

 「ああ! 約束だってばよ!」


 ここに毒々しい友情の華が咲いたことを、サスケはまだ知らない。


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