<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

ナデシコSS投稿掲示板


[広告]


No.27656の一覧
[0] もう一度ナデシコへ(ts転生 逆行 再構成)[メランド](2011/07/27 21:32)
[1] 01[メランド](2011/07/27 21:29)
[2] 02[メランド](2011/07/27 21:30)
[3] 03[メランド](2011/05/07 22:51)
[4] 04[メランド](2011/05/07 22:53)
[5] 05[メランド](2011/05/07 22:54)
[6] 06[メランド](2011/05/10 23:01)
[7] 幕間[メランド](2011/05/12 23:44)
[8] 07[メランド](2011/05/15 23:20)
[9] 08[メランド](2011/05/18 23:23)
[10] 09[メランド](2011/05/23 00:20)
[11] 10[メランド](2011/05/31 00:11)
[12] 11[メランド](2011/07/27 21:30)
[13] 12[メランド](2011/06/29 23:02)
[14] 13[メランド](2011/07/14 20:40)
[15] 14[メランド](2011/07/13 22:50)
[16] 15[メランド](2011/07/27 00:06)
[17] 最終話[メランド](2011/08/13 00:47)
[18] エピローグ[メランド](2011/10/23 20:44)
[19] 第2部~プロローグ~[メランド](2011/12/04 23:08)
[20] 番外編 01[メランド](2012/08/26 23:39)
[21] 01[メランド](2012/08/19 23:20)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[27656] 08
Name: メランド◆1d172f11 ID:00d6c168 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/05/18 23:23



「新しい武器……だと?」


 セイヤからの言葉に対し私はコクリと頷いた。


 復帰1日後、私はセイヤ達整備班の人間達と会議を行っていた。
 ちなみにガイはアキトと特訓中。なぜかアキトは「えっ……リンちゃんが教えてくれるんじゃないの?」とか言っていたが、私は人に物を教えるとか趣味ではない。
 まだ怪我の具合が悪いから、なんていう都合のいい言い訳を残しアキトの特訓はすべてガイに押し付けた。


 別に私だってサボっているわけではない。
 私は私でやることがある。その内の一つ、それがエステバリスの強化である。


 後半日程の運航でサツキミドリ2号につくという話だが、それまでにできればエステバリスの強化武装を整えたい。
 前回はたどり着く前にサツキミドリ2号は撃沈されてしまったが、まあこれは正直歴史がもう変わってしまったためどう転ぶか分からない。
 もし無事にサツキミドリ2号につけたのなら、武器弾薬も豊富に揃えられることだろう。その前に、強化案を立てておきたいのだ。


「新しい武器って……。何か具体的な案はあるのか、リン」
「ああ。私もエステバリスで何回か出撃させてもらったが、どうしてもエステはおとり、ナデシコで敵を殲滅っていうのがパターン化されてきている。できたらエステでも敵戦艦を落とせるくらいの武装が欲しくてな」
「おいおい、そりゃ無茶ってなもんだぜリン。バッタとかならいざしらず、戦艦クラスにはディストーションフィールドが搭載されてやがる。あれを貫く火力をてにいれようなんざ、エステのサイズじゃ無理無理。機体がバラバラになっちまうぜ」
「別に火力を問題にしているわけじゃない。ようするに、ディストーションフィールドがやっかいな訳だ。なら、そのディストーションフィールドを突破できれば?」


 そう。私が欲しいのはディストーションフィールドを突破できる武器。
 前回、セイヤが「オモチャ」と言って完成させたフィールドランサーである。


 あれだけで戦況が劇的に変わるとかそういったことはないと思うが、あったほうがいいだろう。
 実際、あれの有用性は前回立証済みなのだ。


 私の発言にセイヤはアゴに手をやり考え込み、5秒ほどして閃いたような顔をして口を開いた。


「――――そうか!! フィールドを突破する武器!! つまり!!」
「そうだ。フィールドr」
「――――ドリルだな!!」
「ンサー…………なに?」


 セイヤの発言に整備班の方々から「オオッ」と歓声が上がる。
 目に炎を灯したセイヤは拳を握り締め、


「かぁぁぁッ!! リン!! おめえやっぱ分かってんな!! ドリルだよな!? 漢のロマンだよなッ!!?」
「いや、待て。私はそんなこと一言も……」
「さすがリンだぜ!! 壁があったら殴って壊す!! 道がなければこの手で作る!! バリアーがあったらドリルで突き破る!! つまりそういうことだろ!!?」
「いや、ちが……」
「やっろうども!! 早速設計図を作るぞ!! 完成するまで眠れると思うな!? サツキミドリに着く前にプランを仕上げるぞ!!」
「「「「「「「「オオォォォォォォォッ!!!!!」」」」」」」」


 セイヤ達は怒声を上げながらそのまま走り去ってしまった。
 突き出した私の右腕は空で虚しく漂う。


 えっ? 何コレ? 私の言い方が悪かったのか?
 というか、ドリル? ちょっと待って。そのドリル私のエステにくっつくの? もしかして?
 いや待って。そんなん作るくらいなら、フィールドランサーより先に予備のバッテリーパック作ったり、ナデシコの重力波アンテナ外で動けるような取り外し可能なジェネレーターなんてものを作って欲しかったのに……あれ?


 遠くを眺めると、整備班スタッフ一同子供のように目を輝かせながらあーでもないこーでもない意見を出し合っている。
 今更そんなん作るななんて言える雰囲気ではなかった。


 …………ふぅ。相変わらず、私が行動すると、ロクな事にならないようだ。
















 第7話 確実に変わる未来
















「ルリ、外の状態はどうだ?」


 ルリちゃんと私以外誰もいない深夜のブリッジ。
 私は隣の席に座るルリちゃんにもう何度目になるか分からない問いかけを行った。


「異常はまったくありません。……ずいぶん心配そうですね、リンさん」


 ちろ、と横目で見られる。
 ちょっと心配性過ぎるのではないかと思われているのだろう。
 しかし、それはしょうがないことなのだ。だって前回は、もうこの時点でサツキミドリ2号は無かったのだから。


 さすがにそう何度もミスを繰り返せない私は、今回は最大級の警戒を持って常にルリちゃんの近くにいた。
 なぜルリちゃんの近くかというと、何かあったとき、一番早く異常を察知するのがシステム上彼女だからだ、ということ。


 病み上がりということで訓練も休ませてもらい、なんだかんだでココ5日ほど常にルリちゃんの側にいた気がする。
 そう、もう5日も経ったのだ。ナデシコがサツキミドリ2号に辿り着いてから。


「……………そろそろお腹が空きませんか? リンさん?」


 ルリちゃんは作業の手を止め私に問いかける。
 本音を言えば、まだ警戒は続けたいのだが、彼女にこれ以上負担をかけたくはない。私はコクリと頷き、


「そうだな。もうこんな時間だ。食堂に行こうか」


 そう言ってそのまま立ち上がった。
 時刻は日本時間で深夜を示していた。
 私たちもその感覚のまま生活をしていたのだから眠いしお腹が空くのも仕方がないことなのだろう。


 ルリちゃんはあまり多くを語らずに私の隣を歩いている。
 いつもは騒がしいナデシコの廊下も、さすがに皆寝静まっているのか酷く静かなものだった。


 私とルリちゃんは間もなくして食堂に辿り着く。
 とりあえず私は電気をつけ、そのまま厨房に入ると、


「……ルリ、何か食べたいものはあるか?」
「いえ、特に。あ、嘘つきました。あの火星丼っていうの、食べてみたいです」
「また珍しいものを……。わかった。すぐに作ろう」


 そう言って調理に取り掛かった。
 

 私が復帰したあの夜から、なぜか晩御飯のみ私が作ることになってしまったのだ。
 まあ、ルリは仕事上あまり定時に食堂に行くことができず、そして常に私と行動を共にしていたので気がつけば私が彼女にご飯を作ってあげることになっていたのだ。


 今日なんて晩御飯のみならず、3食、いや今を含め4食すべて私の手料理をルリちゃんは食べている。
 ホウメイさんが快く厨房を貸してくれているのだが、私の料理なんかよりホウメイさんの料理のほうがよほどおいしいと思うのだが、ルリちゃんはなぜか私に食事を作ってもらいたがった。
 私としても特に断る必要がないので作ってやっているのだが……なんかルリちゃん、心を開くのが早くないか?


 昔はもっととっつきにくかったような気がしたけど……。これも異性と同姓の差なのだろうか?
 そんなことを考えること数分。私は手早く料理を完成させるとそのままルリちゃんの下へと持っていった。


「あ、すいません。運ばなくて……」
「いや、かまわんよ。冷めない内に食べようか」


 そう言うと二人静かに食事を始めたのだった。


 私は元より、ルリちゃんも口数が多いほうではないので食事の際は食べ終わるまで無言、ということも少なくない。
 しかし、今日は彼女から口を開いた。


「……新しく入ったパイロットの方、どうですか?」
「ん? ああ、腕はさすがにいいみたいだな。私はまだ病み上がりで本格的な訓練は再開してなくて挨拶程度だったが、なかなかどうして。ナデシコの戦力は確実に上がったと言えるだろうな」
「パイロットが3人増えただけでですか? ……私、火星の戦争のことは詳しく知りません。ですが、最近になって暇な時間よく調べてます。リンさん、パイロット3人増えただけでナデシコは木星蜥蜴と渡り合えるんでしょうか?」


 紅茶を口に含みながら一言。


 ……相変わらず鋭い。正直、火星、つまり敵の真っ只中に行くのに当たりナデシコ1隻というのは非常に戦力的に不足している。
 足りないのは機動兵器ではない。ナデシコクラスの戦艦が足りないのだ。


 基本的に強固な防御力を誇る木星蜥蜴と渡り合うにはグラビティブラストなどの大火力が必須である。
 所詮機動兵器たるエステバリスはそのためのおとり、または打ち漏らしを叩くためのものと認識しても構わないかもしれない。


「まあ確かにまともにぶつかろうと思えば戦力的には不足しているだろうさ。しかし、私たちの狙いはそれではないだろう?」
「火星の生き残りの救助、ですか? リンさんには悪いですが、生き残りがいるなんて現実的じゃありません。そもそもネルガルの目的は生き残りの救助ではないですよね?」


 シラッと真実を口にするルリちゃん。
 フム。相変わらず本当に鋭いな。賢い子だ。


「ま、私は別にネルガルの目的とかそういうのはどうでもいいですけど……」


 そう締めくくり、紅茶を飲み干した。







 ――――ネルガルの目的。


 遺跡の調査。
 研究所のデータの保護。
 ナデシコ及びエステバリスの戦闘データの確保。
 ここらへんがメインとなる目的だろう。人命救助はあくまでオマケ。


 フクベ提督の目的。
 それは、死に場所を探しに行くこと。


 私の目的。
 それは、生き残った火星の人たちを確実に救い出すこと。
 ココだけ聞けば、私は随分いい目的を持っている。


 では、ルリちゃんの目的はなんなのだろうか?
 初めは目的なんて持っていなかったのかもしれない。ただ流されるまま、ナデシコに乗ったのかもしれない。
 そんな彼女は今何を思う? 何を目指す?


 ナデシコは進む。
 確実に私の知らない明日に向かって進む。


 ――――ナデシコは明日午前9時を持って、無事サツキミドリ2号を出発する。


 最早歴史は、私の知っているものとはまったく別の方向へと歩き出していたのだった。












 あとがき


 08書き終えました。

 ここから結構オリジナルな展開が増えていくことになりそうです。

 3人娘との出会いとかは面倒なのでカット。

 ナデシコ原作を知っているものとして書いているので説明不足な点があるかもしれません。
 分かりにくかったりしたら教えていただけると幸いです。


 後、私は実は某ドリルなアニメがかなり好きなのでキャラもその影響を受けているかもしれません。
 もし主人公以外で違和感あるキャラ等いましたら遠慮せずビシバシ言ってください。


 それでは長くなりましたが、また次回で。




前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.034641027450562