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No.19794の一覧
[0] 天河くんの家庭の事情(逆行・TS・百合・ハーレム?)[裕ちゃん](2010/07/24 18:18)
[1] 天河くんの家庭の事情_00話[裕ちゃん](2010/07/23 17:46)
[2] 天河くんの家庭の事情_01話[裕ちゃん](2010/06/26 12:59)
[3] 天河くんの家庭の事情_02話[裕ちゃん](2010/06/24 07:53)
[4] 天河くんの家庭の事情_03話[裕ちゃん](2010/06/24 07:53)
[5] 天河くんの家庭の事情_04話[裕ちゃん](2010/06/24 07:54)
[6] 天河くんの家庭の事情_05話[裕ちゃん](2010/07/10 22:31)
[7] 天河くんの家庭の事情_06話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[8] 天河くんの家庭の事情_07話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[9] 天河くんの家庭の事情_08話[裕ちゃん](2010/06/24 07:55)
[10] 天河くんの家庭の事情_09話[裕ちゃん](2010/06/24 07:56)
[11] 天河くんの家庭の事情_10話[裕ちゃん](2010/06/24 07:56)
[12] 天河くんの家庭の事情_11話[裕ちゃん](2010/06/24 07:57)
[13] 天河くんの家庭の事情_12話[裕ちゃん](2010/06/24 07:57)
[14] 天河くんの家庭の事情_13話[裕ちゃん](2010/06/26 02:01)
[15] 天河くんの家庭の事情_14話[裕ちゃん](2010/06/26 11:24)
[16] 天河くんの家庭の事情_15話[裕ちゃん](2010/06/26 23:40)
[17] 天河くんの家庭の事情_16話[裕ちゃん](2010/06/27 16:35)
[18] 天河くんの家庭の事情_17話[裕ちゃん](2010/06/28 08:57)
[19] 天河くんの家庭の事情_18話[裕ちゃん](2010/06/29 14:42)
[20] 天河くんの家庭の事情_19話[裕ちゃん](2010/07/04 17:21)
[21] 天河くんの家庭の事情_20話[裕ちゃん](2010/07/04 17:14)
[22] 天河くんの家庭の事情_21話[裕ちゃん](2010/07/05 09:30)
[23] 天河くんの家庭の事情_22話[裕ちゃん](2010/07/08 08:50)
[24] 天河くんの家庭の事情_23話[裕ちゃん](2010/07/10 15:38)
[25] 天河くんの家庭の事情_24話[裕ちゃん](2010/07/11 07:03)
[26] 天河くんの家庭の事情_25話[裕ちゃん](2010/07/12 19:19)
[27] 天河くんの家庭の事情_26話[裕ちゃん](2010/07/13 18:42)
[29] 天河くんの家庭の事情_27話[裕ちゃん](2010/07/15 00:46)
[30] 天河くんの家庭の事情_28話[裕ちゃん](2010/07/15 14:17)
[31] 天河くんの家庭の事情_29話[裕ちゃん](2010/07/16 17:35)
[32] 天河くんの家庭の事情_30話[裕ちゃん](2010/07/16 22:08)
[33] 天河くんの家庭の事情_31話[裕ちゃん](2010/07/17 01:50)
[34] 天河くんの家庭の事情_32話[裕ちゃん](2010/07/21 01:43)
[35] 天河くんの家庭の事情_33話[裕ちゃん](2010/07/21 23:39)
[36] 天河くんの家庭の事情_34話[裕ちゃん](2010/07/22 04:13)
[37] 天河くんの家庭の事情_35話[裕ちゃん](2010/07/24 18:16)
[38] 天河くんの家庭の事情_小話_01話[裕ちゃん](2010/06/25 20:30)
[39] 天河くんの家庭の事情_小話_02話[裕ちゃん](2010/07/07 03:26)
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[19794] 天河くんの家庭の事情_22話
Name: 裕ちゃん◆1f57e0f7 ID:326b293b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/07/08 08:50
ピースランドの私設軍が12月に入る前後を境に大きく変わったという噂がピースランドの国内で流れていた。
しかし、民衆の人達が軍の教練を見る機会などほとんどなく、噂の真相を知る者は居なかった。
それはIFSの推奨による軍人たちへのIFS普及率の向上やIFS搭載の機動兵器導入などでも変わっただろう。
しかし、実際に一番変わった所は教練風景に現れていた。

「「「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!」」」
「次の特別教練は俺の物だ!」
「うるせぇ!てめぇは落ちろ!!」
「このミッションをクリアすればいける!!」

ある時期から教練に対する気合いの入れようがかなり高まっていた。
もし一般的な女性がこれを覗いたらトラウマになってしまいそうな程の熱気に包まれているのだ。

それはエステバリスのシミュレーターが軍へ導入されてしばらくが経った頃だった。
IFSがイメージを伝達して動きとトレースするという事もあり、最初は戸惑っていた。
だが、すぐに慣れると日頃教練している事もありかなりスムーズな戦いが出来るようになっていった。

しかしここで問題が起きる。
汎用型のIFS搭載機動兵器の大規模運用などピースランドが初めてなのだ。
そして大規模な戦闘もないに等しく、どの程度連度が必要なのかがわからずデフォルトのシミュレーションで満足し切っていた。
日頃の教練がそのまま出せるという事もあり、それならばそのまま教練を続行した方がいいという意見さえ出ていた状況だ。
そんな中、ルリ嬢・ラピス嬢直属の近衛騎士であるテンカワ・ルリによる特別教練が行われる事になった。

「アオさん。本当に私達が行かなくても大丈夫なんですか?」
「アオ。私たちいらないの?」

その特別教練に出かける直前、ルリとラピスは自分達が行った方がフォローも出来るといって着いて行こうとしていた。
しかし、アオはさとすような口調で二人に言い聞かす。

「二人がいくと軍の人の為にならないんだよ。ルリちゃん達がいるから手加減したんだって言い訳にしてしまう可能性があるの。
だから、この教練だけは私一人で行くようにしてたんだ。ルリちゃんもラピスも言い訳のネタにはされたくないでしょ?」
「...わかりました。でも気をつけて下さいね?」
「アオ、何かあったら逃げてね?」
「私は大丈夫だよ。ありがとね、心配してくれて」

アオは二人の頭を撫でるが、ルリもラピスもちゃんとわかって貰えずに少しむくれていた。
二人が心配しているのはむしろアオの方だった。
軍隊という大量の男の中にアオを一人で放り込む事になるのが嫌だったのだ。

「そんなに心配しなくても何もないから大丈夫だよ。それじゃあ、いってくるね」
「はい。お気をつけて」
「いってらっしゃい」

そうしてアオはジャンプを使いピースランドへと跳んだ。

一方ピースランドでは下士官達が大きな講堂へと集められていた。
その顔は一様には複雑な心境を覗かせている。
見た目中学生くらいの女の子が教官としてやってくるのだからしょうがないのかもしれない。
ルリやラピス、アオ達は確かに人気があり、それが要因になり軍や民衆へのIFS普及率は急上昇している。
しかし、教練とまでなると別である。
心のどこかで小娘なんぞにという思いが湧いているが決して口には出していない。
それでも不満は隠しきれずに雰囲気は悪かった。

そして、壇上に軍の将官とアオが上がった。
下士官達は流石規律正しく整列をし、一糸乱れず直立を守っている。
まずは将官から下士官達へとアオの紹介をする。

「これより、近衛騎士テンカワ・アオ殿手ずから教練を執り行って頂ける。皆一言漏らさず血肉へと変え鍛錬に励め」
「はじめまして。今紹介に預かりましたテンカワ・アオと申します。よろしくお願いします。
えっと...堅苦しいのは苦手なので楽にして頂いて結構ですよ」

アオが紹介を受け軽く挨拶をする。
楽にしていいと言われ全員が休めの体勢になるが、それを見ながら本当に楽にしているのかな?と疑問に思っていた。

「はい、結構です。以前私からのお願いでシミュレーターで簡単な試験をやって頂いたと思います。
その上でお話させて頂きますと、今の皆さんのレベルでは正直言ってこの国を守る事は厳しいです」

何を言われたのか信じられずに講堂全体がざわめいた。
恨みの篭った視線をアオに向ける者までいる。
それを見た将官がアオに断りを入れると声を張り上げる。

「黙れ!貴様らに上官の言葉を疑う事を許可した覚えはない!」

将官の言葉に水を打ったように静まり返った。
それでも納得は出来ず、一様に鋭い目をしていた。
アオは敢えてすぐに先を進める事はせずに講堂全体を見渡す。
先の言葉で悔しさなどが混じっているのだろう表情を見て向上心はありそうだなと微笑んだ。

先程アオがこの教練に先駆けてシミュレーターでの試験を行っていた。
デフォルトの物より難易度が高いシミュレーションで、アオは全員分の結果を既に確認し終わっている。
実際に現状で木蓮の無人兵器への太刀打ちなど到底厳しい状況である。
決して無理ではないのだが、そうなるとほぼ特攻に近い形になるので意味がないのだ。

先に将官には話を通してあり、その将官も始めは全く信じられなかった。
だが、アオのシミュレーションを実際に見て考えが変わる事となる。
今の下士官の連度では何人集まろうともアオには敵わないだろうと納得せざるを得ない程の腕前だったからだ。
その為に先程アオが言った言葉には素直に納得していた。

「では、私が言った事に納得して頂くために模擬戦闘を行いたいと思います。
今からこちらの将官さんから3人毎に呼んで頂きます。
その3名でスリーマンセルを組んで頂きます。
スリーマンセルを全部で16組、その総指揮は別の将官の方にお願いしてあります」

そうして将官が全部で48名を呼びだしていった。
その組はシミュレーションの結果を見たアオが考え組んでいった。
そして呼び出されたのは総て結果の上位の者ばかりである。

「では、今から皆さんにシミュレータールームへ行って頂いて、そちらにいる将官の方の指示に従って下さい」

呼び出された48名が駆け足でシミュレータールームへ向かっていった。
シミュレーターは全部で50台ある。
なのでこれがスリーマンセルでの模擬戦闘を行う際の最高人数である。
それからしばらくすると準備が完了したという連絡が入る。

「まずこちらに残っている皆さんにはお伝えしておきます。
今回、先程呼びだした48名の方を私一人で相手させて頂きます」

その言葉にまた講堂内がざわめく。

「百聞は一見に如かずと言いますから。しっかり見てて下さいね」

アオはそう伝えると将官に後を頼むと足早に講堂を出て行った。
更衣室へ寄ると手早くパイロットスーツへと着替え、シミュレータールームへと向かった。
そこへ到着するとコンソールへ向かっている将官へ挨拶をし、誰も入っていないシミュレーターへと入っていった。
そのシミュレーターは予めアオの設定に合わせるように弄ってある。
だが、パイロット用のIFSになるのでIFSをフル活用出来る訳ではなくかなりハンデがある。

「センサー全部を使うのは無理。カメラと機体センサーをだけならIFS直結でもなんとかいけそう。
ブラックサレナ使う訳にはいかないから48機はちょっと厳しいなぁ。私の専用機を使わせて貰っちゃおう」

そうしてシミュレーターの微調整を進めていく。
それもすぐに終わり、コンソールにいる将官へウィンドウ通信を開く。

「お待たせしました。大丈夫ですよ」
「かしこまりました。本気で落とさせて頂きますよ」
「えぇ、こちらも本気で行きますね」

アオと将官はウィンドウ越しにニッと笑うとウィンドウを閉じる。
一方講堂では大型のスクリーンに戦闘風景が映し出されていた。
舞台はピースランド、1機の所属不明機が領内へと向かって来ている為に48機で防衛するという設定である。
装備は下士官側は総て空戦フレーム、アオは専用機になり、共にフル装備である。
所属不明機の撃墜もしくは拿捕をすれば下士官側の勝利。
全機撃墜もしくは王宮へと到着すればアオの勝利となる。
バッテリーについてまで設定をしてしまうと突っ切るしか選択肢がなくなるので今回は無制限。

そして、模擬戦闘が始まる。
下士官側は12組を鶴翼に展開し、アオを包囲殲滅する方策だ。
残り4組で王宮を中心とした方円を組み、警戒している。

「...ぐっ!」

アオは限界ギリギリのGまで急加速して一気に最高速まで持って行くと敢えて鶴翼の中央へと突貫して行く。
12組、36機からの集中砲火にあうがディストーションフィールドをうまく利用し弾を逸らしつつ最小限の動きで突っ込んだ。
中央の機体が身体を張って止めようとするが脇をすり抜けられる。
その際にナイフでコクピットを串刺しにされ撃墜。
アオはすり抜ける瞬間に方向転換し急停止、墜落していく機体を掴むとそれを近くの機体に力任せに叩き込む。
体勢が崩れた所へライフルを叩き込んで撃墜。

「くそ!なんだあれは!」
「とにかく撃て!当てろ!」
「無理だあんなの!」

うろたえながらもなんとかアオを囲もうと展開していくがアオの早さに追いつかず段々と数が減っていく。
次第に陣形もなにもなくなっていき生き残りが半数近くまで減った時にはアオを中心とした乱戦状態に陥っていた。
アオは敵機を盾にするように動き回り同士討ちを狙いつつ自身も撃墜していく。
その為乱戦になってからは撃墜速度が一気に跳ね上がってしまった。

「くそ!くそ!!くそ!!!」

残った数が数機になるともう自暴自棄になり当たり構わず撃ちまくるだけになってしまった。
アオはそれを冷静にライフルで撃墜していく。
そうして戦闘開始から15分程で第一陣の生き残りはいなくなってしまった。

「...ふぅ。ちょっと無理しすぎたかな?関節が危うい」

各部の調子を確認すると、王宮へ向けて加速して行く。
その王宮周りでは下士官たちが半ば絶望的な思いで王宮を守っていた。
先程の戦いで流れた通信は総て彼らにも聞こえていたのだ。

「36機全滅だと...」
「しかも無傷...」
「俺は、このまま舐められっぱなしなんて我慢出来ない!
せめて一太刀いれてやる!」
「そ、そうだよな」

なんとか自分を鼓舞する者もいるが、大半の者は既に諦めが入っていた。
そんな中アオの機体が猛スピードで近づいてくる。

「くそ、来やがった!」
「まじかよ...」
「やってやる。やってやるぞ」
「くそ!くそ!!落としてやる!!!うおああぁぁぁぁぁ!」

どんどんと姿が大きくなるアオの機体を見て自暴自棄になった一機がアオへ向かって突っ込んでいった。
それを切っ掛けとして周りの者も動き出す。

「くそ!死ねえぇぇぇ!」

策も何もなく、とにかく銃を乱射しつつ突っ込んでくるだけの一機を見てクスリと笑うとそれを素通りした。

「...え?」

その機体は呆気に取られて立ち往生してしまう。
そして、後ろから援護に来た彼と組んでいる2機からの叫び声が届く。

「なんでこっちに!」
「くそ!あたんねぇ!!うわああぁぁぁ!」

アオは2機を沈めると、呆然としている1機を置き去りに次へと向かい突貫していく。

「はは。無視...?あはははははははは!」

素通りされた事を理解した頭に浮かんだのは憤怒。
馬鹿にされた、無視された、何様のつもりだと次々に頭に浮かんでいく。
そして最後に残ったのは憎しみにもにた殺意だった。
着実に撃墜数を増やしていくアオの機体を見据える。

「殺す!絶対殺してやる!!」

憎々しげに呟くとアオの機体を囲んでいる仲間の機体の外円部へと陣取った。
既に生き残りは6機だけになっていた。
男は援護をしながら、アオの動きと仲間の動きをじっと見つめる。
すると、近くにいた機体がアオへと突っ込んでいく。
男は愉しそうに口を歪めるとその機体の真後ろ、アオから死角になっている部分へと機体を進め前の機体に速度を合わせた。

「うおおぉぉぉぉ!」

前の機体がアオの機体へと突貫!
それをアオは左腕に持ったナイフを振るい一撃で沈める。
その一瞬の隙をついて、沈められた機体の背後から腕が伸び、左腕を掴んだ。
男の機体は勢いもそのままに沈められた機体へと突っ込み、共にアオの機体へも突っ込んでいく。

「くぅっ!」

思わうアオが呻いた。
何かを狙っているのはわかっていたが敢えて泳がせておいた。
わざと無視をして怒らせていたので直接狙うかと思っていたが、ただ腕を掴むだけだったので反応が遅れた。
しかも腕を掴まれたままかなりの勢いで突っ込まれたので左腕が使い物にならなくなっていた。

「いいね。あの子」

それでもアオはクスリと笑う。

男はこれで殺せる!と喜び味方機に共に撃ち落とせ!と通信を入れた。
そしてアオの機体を味方機の方へと振り向かせる。
しかし、その瞬間【バゴン!】と何かが弾ける音がした。
そして一瞬後残っている4機から一斉射撃にあい、男は撃墜された。

「「「「うあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」」」

4機は全員が叫び声をあげながら味方機諸共アオを撃っていた。
しかし、その内の一機が撃墜される。
驚愕する中、続けてもう一機が撃墜。

「な!どこから!?」
「あいつが捕まえてただろ!?」

その発射元は今撃ちこんでいた場所より更に下方。
そこには左腕をパージしたアオの機体があった。
見つかったと悟ると一気に上昇して突っ込んでくる。

「うわああぁぁぁ!」
「くそぉ!寄るな!!」

その後は一瞬で決まった。
ディストーションフィールドも駆使して銃弾を避けつつ、すれ違いざまにライフルを撃ちこみ一機撃墜。
落ちる機体を盾にしつつナイフを拝借すると残り一機へ突貫。
寄るな!来るな!と叫びながら乱射をしても当たる訳はなく、あっさりとコクピットを串刺しにされて撃墜。
結果はアオの圧勝だった。

アオはシミュレーターの中で息を整えるとそこから外へ出る。
下士官たちはパイロットスーツのまま、既に講堂へと戻っているようだ。

「お疲れ様です。如何でしたか?」

将官はアオへと声をかける。

「やっぱり、大量の無人兵器相手だとちょっと厳しいですね。
相手を倒すのは出来るでしょうが、こちらも毎回大量に兵士を失ってはジリ貧です。
ただ、身体は出来てますしエステバリスでの戦い方を覚えるだけで変わりますよ」
「そう言って頂けて光栄です。しかし、こちらも本気だったのですが...」

見込みは十分ある。
その言葉を受けて、将官は安堵の声を漏らした。
だが、それでも一機相手に壊滅したというのは悔しく恨み事を呟いてしまう。

「普通はあれで十分ですよ。私は1対多数に慣れてますからね」
「つくづく驚かされます。こちらも精進しないといけません」

当たり前のように言うアオに素直に驚き、自身の力不足を改めて感じた。
そんな将官に微笑むと言葉を返す。

「実際にみんなエース並の実力だったら逃げ回るのが関の山でしたので気にしないで下さい」
「ふむ。ですが、その言い方では撃墜される訳ではないとも取れますが?」
「例えエース相手でもそう簡単に落とされる気はありません」
「そうですか。近衛騎士アオ殿、そろそろ講堂へ向かわれないと...」

クスクスと笑いながら言うアオに敵わないなと思った将官は思い出したように講堂へと促した。
それを受けてアオは軽く会釈すると急ぎ足で講堂へと向かった。

講堂は重い沈黙に包まれており、誰一人身動ぎ一つしていなかった。
先程の戦闘がそれだけショックだったのだろう。
パイロットスーツのアオが現れると尊敬や驚愕、恨みなどといった様々な視線を向けられた。

「さて、先程の模擬戦を見て頂ければ現状を理解出来たと思います。
そして何故あのような結果になったのかを今からお伝えします。
まず一つはIFSを使っての戦闘を理解していない事。
何となくでもイメージしてしまえば出来てしまうのが原因なのですが、それをちゃんと理解出来れば格段に変わりますよ。
続いて機体の把握ですね。
陸戦・空戦・0G・重武装の各機体を把握し、何が出来て何が出来ないのかしっかりと確認して戦術に取り入れて下さい。
後は通常の鍛錬での事です。
これは出来ているのですが、より実践的な組手に加えて1対多や多対多の組み合わせもして戦闘時のイメージを明確にして下さい。
基となる身体、戦うに際しての心構えは問題ないのでその3つがちゃんと出来るよう頑張って下さい。
そうなればスリーマンセル1組だけでも私を寄せ付けなくするくらいは問題なく出来るようになりますからね」

倒せるとは言わなかった。
先程将官に言った通りそう易々と倒される気はないからだ。
それを聞いていた下士官たちはそれぞれの思いを秘めながら、自主訓練を考えている。
尊敬を感じていた者はアオへと近づけるように言われた事を全うしようと考えた。
驚愕していた者はそれで強くなれるならと今までの自分を恥じていた。
恨みを目に浮かべた者はならばそれ以上やって一機で圧倒してやろうと心を燃やしていた。
それぞれの目を見ながらアオはクスリと笑った。

「みなさんに届いてよかったです。これから頑張って下さいね。
さて、今回こちらに来た本題に入りたいと思います」

そこで下士官全員が呆気に取られた。
先程の模擬戦が本題ではなかったのか?と一様に思っている。
それを読み取っていたのかさっきのは本題じゃないんですよ~と口にする。

「本題は私からの特別教練になります。えっと、私の左腕を掴んだ下士官の方。
そしてその方と組んでいたお二人は今からシミュレータールームへ行って下さい。
すぐに私も向かいますので、身体を温めていつでも動けるようにして待ってて下さい」
「「「イエス、マム!」」」

3人は大きく叫ぶと駆け足で向かっていった。

「今後も週一でこちらへ足を運ぼうと思っています。例えば来週なら明日から来る日の前日までのシミュレーション結果。
このように特別教練の翌日から次の特別教練の前日までに行ったデータから頑張ってる方や伸び悩んでると見える方を5-6名呼んで行います。
私なんかの教練では不満だとは思いますが、皆さんがこの国を守れる力を得るために私も頑張りますのでよろしくお願いします」

そういってアオはぺこりと頭を下げた。

「では、後は将官さんに頼みます」

そうしてアオはシミュレータールームへと向かっていった。
アオから頼まれた将官は残った下士官全員へと声を張り上げる。

「貴様らもいい機会だ、近衛騎士殿が何をされるかしっかりと目に焼き付けておけ!」

しかし、それが結果として脳裏にまで焼きつく事となるとまでは将官でさえ予想出来なかった。

アオはシミュレータールームへ戻ると整列して待っていた3人へ週一でこちらへ来る胸を話した。
そして、自分の機体の腕を掴んだ下士官の前へと向かうとにこっと笑うと語りかける。

「あの時は無視してごめんなさいね。わざと怒らせてどうするかなって挑発してみたんです。
でも、予想以上に冷静でこちらも思わず焦ってしまいました。とてもお見事でしたよ」
「はっ!光栄であります!」

半ば恨みさえ持っている相手だが、実際に目の前で話しかけられるとその思いも霧散しそうな程愛らしい。
そんな男に、組んでいた二人が恨めしそうな目を向けている。

「では、貴方から特別教練に入るので、シミュレーターへと入って下さい。あ、どれでもいいですよ」
「イエス!マム!」
「入ったらハッチを開けて待っていて下さいね」
「イエス!マム!」

逐一声を張り上げて答えるものだからアオは少し困ったような恥ずかしいような表情を見せていた。
そして一旦更衣室へと向かっていくと何かを手に持ってとてとてと小走りで戻ってきた。
残された二人は興味津々にその一挙手一投足を見守るが、すぐに驚愕する事となる。

一方シミュレーターの中で待っていた下士官の男へアオの声がかかる。

「お邪魔するね」
「は!?はい!?」

その言葉が理解出来なかった。
しかし、そんな男を尻目にクッションを手にしたアオは大きく開いたハッチに乗りこんでいく。

「ごめん、座れないから足開いて貰っていいかな?」
「は!はい!!」

目の前にいるアオから申し訳なさそうに頼まれて断れるはずもない。
男が足を開くとその間にクッションを置いてぽむっと座る。
座席をアオに合わせ調整するとあっと漏らした。

「えっと、シートベルト...一緒にくくるけど大丈夫?」

思わず願ってもありませんと言いそうになってしまった。
なんとか自嘲すると、

「近衛騎士殿のしたいように...」
「ごめんね」

アオはそう言うと自分と一緒にシートベルトを締める。
自然と身体が密着しアオの甘い香りが鼻をくすぐり意識しないようにしても無理だった。
男はアオがクッションを持ってきた事を心から感謝していた。

「じゃあ、私の上から手を置いて、IFSから情報を取るように意識してみて?」
「い、いえす、マム!」

そういって男が手を重ね言われた通りに意識をすると頭の中にカメラやセンサーのイメージが入ってくる。
余りの違和感に驚き手を離してしまった。

「どうだった?」
「あ、はい。カメラの映像やセンサーの様子が直接叩き込まれたような...」
「うん。今は私を経由して貴方に送ってるから直接エステから読み込んでる訳じゃないんだけどね。
今やったのでわかったと思うけど、IFSの使い方は送信だけじゃなくて受信も出来るの。
これを戦闘中に意識しないでも自然と切り替えて使えるようになれればかなり戦闘が楽になるよ」
「近衛騎士殿はこれを?」
「うん。もちろん私はやってるわよ。知ってると思うけど、私はIFS強化体質だからパイロット用のIFSとは処理量が違うの。
だから、ここのシミュレーターだと私の処理に追いつかなくてオーバーフローしちゃうんだけどね」
「す、凄い...」
「それじゃ、これを使って何戦かシミュレーションをするから場面事でなんのセンサーを使ってるか見ててね」

そうしてシミュレーションが開始された。
アオが説明しながら読み取るセンサーを切り替えつつ戦っていく。
それを追うのに精一杯で既にアオと密着している事など気にならなくなっていた。
それが30分程続き、一通り説明が終わった頃には男はぐったりとしていた。

「だいじょぶ?」

いつの間にかシートベルトは外され、シミュレーターのハッチが開かれていく。
外の空気が気持ちいいがアオの匂いを感じられなくなる何故か残念だった。

「はい。ありがとうございます」

少しふらつきながらもシミュレーターから出る。
待っていたアオはスッと右腕を差し出した。

「じゃあ、今のを忘れないで頑張って」
「は、はい!」

思わず両手で握りしきりに頑張りますと伝えていた。
自分達は負けて当然だったと心から感じていた。
IFSの可能性、使い方を知ろうともせずにただ使われていただけだったのだ。
その事を教えてくれたアオに心から感謝をし、尊敬した。

その男が仲間の二人へと顔を向けると...
そこにはアオと二人っきりで30分過ごした男への嫉妬に狂いつつ、これから同じ事をして貰える期待に目を輝かせる二匹の雄がいた。
それを見て冷や汗を流すと思わずアオへと振り返る。

「こ、近衛騎士殿。あの二人へも?」
「うん。するけど?」
「そ、それは余りにも...」

危険だと言おうとした瞬間あり得ない程の殺気が背中へ叩きつけられる。
邪魔をしたら本気で殺されかねない。

「む、無理はなさらないで下さい」
「うん。ありがとね」

そうして次の人を呼ぶ。
その男はかなりだらしのない顔でシミュレーターへと乗り込んでいった。
見守る男はアオの無事を祈らずにはいられなかった。

その頃、ピースランドに保護されているIFS強化を受けた少女達の教室では騒ぎが起こっていた。
実はルリとラピスはアオに置いてけぼりにされてからすぐに少女達へ連絡をすると軍の監視をお願いしていたのだ。
二人からの頼みという以上にアオの身の危険という事があり、少女達は二つ返事で監視を承諾した。
少女達が引き受けると同時にルリ達はすぐさま学校へと連絡し、特別課題という理由をつけ丸一日自由時間へと変更させた。
それから少女達は監視を続けつつ、ルリ達へと逐次報告をしていた。
最初の内はアオの活躍を見て喜んでいたのだが、特別教練になってからは一変した。
まさかアオが下士官と一緒のシミュレーターへ乗るとは思っていなかったからだ。

それを見た瞬間にルリとラピスへと報告、リアルタイムで映像を送信。
それと同時に欧州圏の有力なメディアと警察へけだもの3匹の全情報をリークする準備を整える。
そしてリークする準備が整ったのを見計らったようにルリとラピスがウィンドウ通信を繋げた。

「みんなありがとう。恐れてた事態が起きてしまいましたね...」
「やっぱりアオは鈍感だね...」

ルリとラピスの杞憂はこの事だった。
アオはアキトだった時よりも輪をかけて自分が異性にどれだけ魅力的なのか理解していないのだ。
姉としての意識が強いとはいえ、元男だった事から男への距離感が一般的の女性と比べると段違いに近いのだ。

「ルリ姉さま、ラピス姉さま。以前から感じてましたけど、もしかしてアオ姉さまは...」
「えぇ、アオさんは鈍感です。それなのに無意識に男性を挑発、魅惑するのでとても性質が悪いのです」

ルリの言葉に少女達全員が苦い顔をする。
なら何か起こる前にと声が上がるが、ルリがそれを抑える。

「ですが、早まってはいけませんよ?アオさんは下士官の方を信頼しているのですから...
アオさんが信頼しているのに私達が先走ってしまってはアオさんに嫌われてしまいます」
「で、でもルリ姉さま。あの二人の顔を見て下さい。まさにけだものじゃないですか!」
「それでも...それでもです!」
「アオは身内には凄い甘い。だから、身内を陥れるような事をするのは、例えやったのが私達でも本気で嫌うし怒る」

アオに嫌われる事は絶対に看過出来ない。
ルリとラピス、それに少女達は涙を飲んで見守るしかなかった。

そして一人目が出てきた。
何もなかった事に安堵するが、問題は後の二人だった。
目が血走ってる上にニタニタと笑いながらシミュレーターへと乗り込んでいったのだ。

「ルリ姉さま!ラピス姉さま!私達はもう我慢出来ません!」
「あのけだもの達を社会的に抹殺させて下さい!」
「ダメです!!ダメ...なんです!!!」
「私達もそうしたい!でも...ダメ!」

少女達の教室ではみんな悲壮な思いで泣きながらそのウィンドウを眺めている。
今教室を覗いたとしたら余りの異様な光景に目を疑う事だろう。

それから1時間かけ残りてアオは2人の教練を終えた。
最初はだらしのない顔をした二人も終わって出てきた時には最初の男と同じようにアオを尊敬する程感動していた。

「3人にお願いがあります。それは、今の戦い方を他の方へも伝えて欲しい事です。
大切なのは技術を共に伸ばす事ですからね。だからみんなへ教えてみんなで強くなって下さい」
「「「イエス、マム!」」」

そうしてアオのピースランドでの教練が終わった。
一方教室の方でもアオに何もなくてみんな安堵の涙を流していた。

「あの、ルリ姉さま、ラピス姉さま。あのシミュレーターをなんとか教練用にすればよろしいのでは?」
「そうですね。私もそれを考えてました。先程の映像をアカツキさんとウリバタケさんに見せれば二つ返事で引き受けるでしょうからね。
それと、そのシミュレーターが出来てからもアオさんがそちらへ行く時は監視をお願いしますね。」
「はい!私達もアオさんの無事を確認してないと授業に身が入りそうにありません!」
「えぇ、よろしくお願いします。そのお礼として特別教練が終わった後は夜までアオさんにそちらへ居て貰うようにしますね」
「「「「「「「「「「やったぁ~~~!」」」」」」」」」」

それから毎週アオが来る日は丸一日特別授業という日程に変更される事となった。
IFS強化体質の少女達はアオへの危険が少なくなった事に加えて、週一で実際にアオが来てくれる事になったのでとても喜んだ。
頑張っていると直に頭を撫でて貰える、褒めて貰えるという事もあり今まで以上に勉強に身を入れるようにもなりこちらも力をつけていく。
そして数ヶ月の後に実務に耐えうると判断したアオ達は、少女達をメンバーに組み入れた企業の立ち上げを行う事となる。
その企業では少女達への実習を兼ねた物で、戦艦から機動兵器、はたまた工業機械やPCからゲーム機までのOSやシステム構築を行った。
ピースランドが独立後は王立会社となるのだが、IFS強化体質者が31人が作る物は性能が恐ろしくよく使いやすく、安かった為に世界的なシェアを誇る事になった。
その一因としては会社としてそれ以上人数を増やす気もなかった為に全員が食べれる程度の利益があればよかった為に価格も破格だった為でもある。
それに加え少女達のアオへの想いも育っていくのだが、今となってはルリとラピスへも姉として尊敬している。
それをルリ達も知っている為に奪い取ろうとしなければ問題ないそうだ。

そしてピースランド私設軍はこの特別教練以降ありえない程の伸びを見せる事になる。
次こそは必ず自分がアオの特別教練を!という動機なのでかなり不純ではあったが、それでも凄まじかった。
だが、それとは裏腹にそれ以降一緒のシミュレーターに乗るという事はなくなってしまった。

翌週はシミュレーター整備の為という理由で休み。
その翌週には複座式の教練用シミュレーターが出来ていたからだ。
中は透明なアクリルで区切られていて、アオの姿は見れるが何か間違いが起こる事はなくなったのだ。

そのシミュレーターを造り上げたのはウリバタケ、費用を出したのはアカツキだ。
ルリの言う通り、特別教練の映像を見た瞬間シミュレーター製作の号令を出していた。
しかし、必要は発明の母というがその複座式シミュレーターは教練用としてかなり優秀で、教練機のスタンダードとなっていく事となる。

そして、アオがピースランドからサセボドックの自室へと戻ってきた。
すると、そこにはルリとラピスが待ち構えていた。

「「アオ(さん)」」
「あ、二人ともただいま」
「「正座」」
「え!?」

いきなり正座と言われても理由が分からない。
どうして?と聞いても頑として答えない。
二人は怒った顔をしてただ繰り返した。

「「正座」」

二度も言われたので、理由はわからないが渋々正座をする。
ルリとラピスは正座をしたアオの前にウィンドウを出すと特別教練の映像を流す。

「アオさん。これはどういう事ですか?」
「ん?教練だけど...」

見たままなのでそう答えるが、二人が聞きたかったのはそういう事ではないらしい。
ルリもラピスも眉をひくひくと震わせてアオを睨んでいる。

「アオ、なんでこんな事したの?」
「IFSの使い方を教える為にだよ。実際に体験させた方がわかりやすいから...」
「アオさん。私達が聞きたいのは何故監視もつけずにこんな無防備な事をしたのかです」
「え?ルリちゃん。監視なんて必要ないよ。だって仲間だよ?」

アオの言葉に予想通りだという落胆と何でわからないんだろうという苛立ちが混じる。
そしてルリとラピスは若干声を荒げつつアオを叱咤する。

「あのですね、アオさん!アオさんは自分がどれだけ魅力的かわかってないんです!
この映像を見て下さい。目が血走って鼻息が荒くて...今にも襲いかかりそうじゃないですか!!」

ルリはそう叱りつけながら二人目と三人目の映像を見せる。
そこには実際に目が血走りながら妙な目線をした男が映っていた。

「そうだよアオ!これなんて抱きつこうとしてるのにアオは全く気にしてない!!
アオがどれだけ強くても襲われたらどうしようもないんだよ!?」

ラピスも同じく、シミュレーターの中で足の間に座るアオに今にも抱きつこうとしている二人目と三人目の映像を流す。
流石のアオもその映像を見て身の危険を感じていた。

「ちなみに、マナカさんやウリバタケさん、アカツキさんにプロスさん、ゴートさんとエリナさんも無防備すぎるって怒ってました。
これだけの人に言われたらいくらアオさんでもどれだけ危険だったのかわかりますよね?」
「うぅ.....」
「本当に心配だったんですよ?アオさんが襲われたらと思うと本当に気が気じゃありませんでした」
「私も心配した。アオがやる事だから大丈夫だとは思ったけど、それでも何かあったらって思って怖かった...」
「...ごめんなさい」

そんなにも周り全員から言われた上に映像を見せられては認めざるを得なかった。
でも大丈夫だったでしょ?とでもいつもの調子で言ってしまったらこの後どうなるか想像に難くない。
それに二人目と三人目がシミュレーターの中で妙に深呼吸をしていたのでその時は『緊張してるのかな?』と考えていた。
しかし、映像を見てるとどう考えてもアオの匂いを嗅いでいたのだ。

「それで、今ウリバタケさんに教練用の複座式シミュレーター作って貰っています。それが出来るまでは教練お休みです」
「え!?」
「2週間以内には作るそうなので1回のお休みで何とかなります」
「むぅ~、わかった。あの映像を見てまで同じ事をする気はないから、ルリちゃんとラピスの言う事を聞くよ」

流石に教練を休むのは承知しかねるのだが、あの映像を見てまで同じ事をするのは気が引けるのも事実だ。
その為に1回の休みで何とかなるならとアオも了承した。

それ以降アオが同じシミュレーターに入る事はなくなったが、それでももしかするとと考えた兵士達の執念は凄まじかった。
その成長度合いはアオの予想を上回る程であったという。
そして同時にピースランド私設軍内で、アオの人気が上昇していく。
その圧倒的な戦闘能力から兵士達に取っての守り神、戦乙女として半ば崇拝される事となる。

「流石にそこまでされるとは予想してなかったよ」

それを知ったアオは苦笑していたそうだ。


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