2001年6月2日―――
207の戦術機操縦課程の開始と、タリサ・ステラ両少尉の陽炎改造機によるテストが開始されてから数日後。
本日も、一つの演習場を挟んで、207とタリサ達が実機演習に励んでいた。
「ほら冥夜っ、長刀ばっかり使わないで突撃砲もサブウェポンも使えっ! 委員長は逆に射撃に頼り過ぎだ、弾が無くなるぞ! 涼宮は突っ込み過ぎだ、指揮官が突っ込んでどうするんだぁっ!?」
『くっ、了解!』
『了解しましたっ』
『す、すみませんっ!』
指揮車両傍らのテントからヘッドギアの通信機を使用して怒鳴るのは武。
現在A分隊対B分隊の模擬戦闘を行っているのだが、全員初めての実機模擬戦闘と言う事もあり、戸惑っている様子。
シミュレーターと講習でサブウェポンを理解していても、実機で模擬戦となるとやはり冷静に対処できず、つい手腕での武装攻撃になってしまうようだ。
「やはり、個々の癖が出てしまいますね…」
「そうっすねぇ…冥夜は長刀使いたがるし、委員長は射撃に集中しちまう。涼宮は突っ込みがち、築地は前に出ない。彩峰は単独行動が目立つし、タマは命中率が悪くなってる…」
問題が露出した面々を次々に挙げていく武。
こういった場面では、個々の性格や性質が露骨に出るようだが、それでチームワークや判断力が落ちるのでは話にならない。
「しかし、鎧衣や麻倉は大した物です。初の実機模擬戦闘なのに、冷静にサブウェポンと機動を使いこなしています」
まりもが言うとおり、美琴と麻倉は他の面子より頭一つ分上手にサブウェポンと機動を使いこなしている。
これは、腕前云々より性格に由来する結果だろう。
「あの二人、天然だしなぁ…」
周囲が焦る中、マイペースに自分の出来ることをやっているので、上達が早いのだろう。
「榊達は、操縦の遊びの少なさや、機動力に振り回されているのも大きいですね…」
「それでもXM3を使いこなし始めてますから、直に慣れるでしょう」
207は、初期から新型OSであるXM3を導入して訓練している。
これは後々に予定されているトライアルで、彼女達が最初からXM3を使用しての衛士として参加する事が決定している為だ。
現行のOSでの操作を知らない彼女達は、スポンジが水を吸収するが如く、XM3での操縦をモノにし始めている。
彩峰や高原は、既に可動式スラスターを使用しての空中機動を多用し始め、美琴と築地は壁などを使って積極的に三次元機動を行っている。
築地は単純に逃げ回っていたらそうなっただけだが、それでも見事な物だ。
現在全ての響には、CWSに扱い易いバルカンユニットが装備されている。
これは36mmを発射する武装で、見た目はマシンガンがアームで取り付けられたような見た目だ。
稼働範囲が広く、弾数も豊富な為、CWSのサブウェポンを覚えるのに一番適している武装だ。
威力は低いが、使い勝手が良いのでサブウェポンの概念を身体に覚えさせるのにとても使える。
「最初にいきなりガトリングユニットや多連装ミサイルは困りますよ…」
「御尤もです…」
まりもの苦情に、頭を下げる武。
彼女へのXM3とサブウェポンの教導の為に雪風で操作を教えていたのだが、初心者にガトリングユニットと多連装ミサイルを使わせたのだ。
前者は威力は高いのだが多用すると直に弾丸が無くなるし、取り回しが少々難しい。
後者に至っては、全弾撃ち尽くしたら楯にしかならないので、サブウェポンを覚える前に終わってしまう。
多用して身体に覚える前に弾丸が終わるのでは意味が無いのだ。
「でも、軍曹もだいぶサブウェポンを使いこなせるようになりましたよね?」
「はい、大尉のお陰で現在三つを使いこなせるようになりました」
雪風に搭載されているCWSは片側4ヶ所、全8箇所。
左右で一つの考えで、現在まりもは肩部・手腕前部・脹脛を使いこなしている。
太股には追加スラスターが装備してあるので、実際は全て使いこなしていると言っても過言ではない。
全てに武装が搭載されるパターンは、砲撃支援や制圧支援なので迎撃後衛を主にしているまりもはこれで十分と言える。
「あ、時間です大尉」
「ういっす、全機戦闘停止! 被害評価に入るぞ!」
『了解っ』×10
模擬戦闘を停止し、指揮車両側へと集まってくる207の響。
今回の模擬戦闘は、初めての実機であり、しかもCWSの練習も兼ねているので、撃破判定は行っていない。
その代り、制限時間一杯戦い、ペイント弾による着弾状況や記録された被害報告から個別に評価される事になっている。
これは、模擬戦闘で直にやられてサブウェポンを使う経験が少なくなるのを防ぐ為に武が考えた事だ。
全員がサブウェポンと機動を掴み始めたら、実戦形式の模擬戦闘へと入ってく。
それまでの、練習時間なのだ。
ペイント弾で黄色く塗られた207の響、どれもこれも黄色に染まっているのは仕方が無い事。
これをどれだけ減らせるかが彼女達の主な課題となるのだ。
全員が機体から降りたのを確認し、評価を始める武。
その様子を、望遠で見ている者が居た。
「ひゃ~、楽しそうな事やってるなぁ、あの訓練部隊」
『そうね、でもそれは私たちも同じでしょう?』
通信越しに会話するのは、演習場を一つ挟んだ場所で演習を行っているタリサとステラだ。
彼女達は現在、陽炎改造機の実機演習の真っ最中である。
「あのヒビキって機体にも、アタシ達みたいに新型OSが搭載されてんのかな?」
『動きを見る限り、そう見たいね…』
彼女達の機体、陽炎の改造機にも新型OSであるXM3が搭載されている。
その為、二人の初日は酷い物だった。
現行のOSと同じ感覚で動かしたタリサの機体は、見事に格納庫でこけた。
事前にこうなると予想していた唯依が整備班を退避させていたので被害は無かったが、折角塗装した胴体に酷い傷が出来たものだ。
それを見て操縦の遊びの少なさに気付いたステラも、注意して動いたものの足取りが危なかった。
二人とも最初はなんだこれはと怒り半分混乱半分だったが、操縦のコツを掴み始めると早かった。
改造された陽炎の性能をフルに発揮できると分かり、タリサは三日目にして自由に空中機動を行うようになっていた。
ステラも細やかな動作を実現し始め、戦術機でバックステップやバク転を披露し、唯依を驚かせた。
唯依自身、暇を見つけては大和から教えてもらっているので、XM3の能力とその効果を知ってはいるが、他人の向上を見るとさらに凄いものだと実感してくる。
まだ機密のOSだと大和に念を押されているので三人とも誰にも話していないが、タリサは早く周囲に自慢したくてウズウズし、唯依とステラはそれぞれの出身国、その軍隊に配備して欲しいと強く望んでいる。
が、製作者(と言うか構築者?)が夕呼であり、彼女がまだ秘密にしているなら守らねばならない。
この辺りはやはり軍隊であり、その事を理解している三人は確りと機密を守っている。
『二人とも、スナイプカノンユニットの望遠映像はどうだ?』
「ばっちりだぜ中尉っ、向こうの演習場の訓練兵の姿もクッキリだ」
『こちらもです。あらあら、一人真っ赤になってるわ』
唯依からの通信に、笑顔で答える二人。
現在二人の改造機には、スナイプカノンユニットが装備され、現在望遠映像の確認を行っているのだ。
左肩に搭載された各種センサーユニットに装備された関節望遠スコープの望遠映像は、広大な演習場を一つ挟んだ207の様子を捉えていた。
ステラが見ていたのは、タマなのだが、その表情も確り捉えている。
『では、次に支援狙撃砲の試射に入る。陽炎改造機で使用した場合の肩部ブロックおよび手腕の負荷測定も行うので、全弾撃ち尽くして構わない』
「了解っ、つってもアタシ狙撃は苦手なんだけどなぁ…」
『あら、これだけサポートがあるのだから、タリサでも当たるわよ』
ステラからの言葉にそうかなぁ…と呟きつつ、射撃姿勢を取るタリサ機。
演習場の端に用意された的へ、支援狙撃砲を展開して向ける。
多関節アームで展開した支援狙撃砲は、瞬時に手腕へと収まり、フォアグリップが展開。
それを左の手腕で掴むと、左のセンサーユニットから各種情報が送られ、弾道補正が自動で入れられる。
センサーユニットは、目標までの距離や高さのみならず、風向きから強さ、気温、周囲の機体の状況から敵機の位置まで正確に割り出して表示してくれる。
ステラ曰く、これだけ用意されて当てられなかったら恥だそうな。
「ワルキューレ02、狙撃開始するぜ!」
『了解した』
暫定で与えられたコールサインを口にしつつ、狙撃用ウィンドウに表示された的を狙い打つタリサ。
150mm支援狙撃砲は、弾丸の大きさと構造から連射は効かないものの、凄まじい貫通力と支援突撃砲の倍以上ある射程距離を持つ。
着弾したペイント弾が、的を染め、的内部に設置されたセンサーが着弾箇所を正確に割り出していく。
「ふぃ~、なんとか全弾当てたか?」
『……命中率71%だな。的全体が黄色くなっているぞ?』
「うぐっ!?」
判定外の場所まで黄色くなっている。
これにはタリサも反論できない。
『だが、実弾なら150mmが放たれるんだ、掠ってもかなりのダメージになる』
「そ、そうですよねっ、それにアタシ、やっぱ前衛だから狙撃は無理だしっ」
事実、タリサは前衛、近接戦闘での能力は唯依も認める高さだ。
空中機動もXM3と可動式スタスターの恩恵で目を見張るものがある。
『はぁ……。次、ブレーメル少尉』
『了解です』
タリサ機の隣にステラの機体が移動し、支援狙撃砲を展開。
表示される各種情報に目をやりつつ、砲身を的に向ける。
『ワルキューレ03、狙撃開始します』
『了解した』
ステラ機の支援狙撃砲から弾丸が撃ち出され、的へ着弾。
タリサは次々に撃っていたが、ステラは一発撃つ度に横目で情報を確認、細かく弾道補正を入れていく。
そして全弾撃ちつくすと、ステラが狙った的には黄色い円が出来上がっていた。
『命中率91%、しかもほぼ真ん中か…見事だ』
『ありがとうございます』
狙撃に関しては、やはりステラに軍配が上がるらしい。
しかしそこはタリサ、負けず嫌いの彼女は内心やる気を出して次の狙撃テストに望む。
今までのは立った状態での狙撃、次に膝を付いての狙撃、最後に伏せての狙撃になる。
対BETA戦闘で伏せるのは自殺行為だが、後方からの狙撃を可能とする支援狙撃砲なら近づかれる前に撃破できる。
大和としては、現在新しいポジションとして、スレッジハンマーと隊列を組んで狙撃する狙撃支援というポジションを考え中とか。
スレッジハンマーの200mmによる砲撃と150mmによる狙撃で、要塞級や重光線級などを駆逐するポジション。
前線部隊には組み込めないが、支援部隊として組み込めば期待できるポジションだ。
とは言え、衛士の数が少ないので現実化は遠いポジションだが。
で、膝付き、伏せでの狙撃でもステラは好成績。
タリサも頑張り、最終的に命中率80%を超える結果を残した。
支援狙撃砲は他にも口径別で種類があるのだが、立って撃つ場合、150mmから上だと関節が持たなかったり機体が揺れたり、下手をすると砲身がリコイルに持っていかれて破損するのだ。
スレッジハンマーの200mm支援砲も、重量級であり接地面積の大きいこの機体であっても反動が凄い。
和らげる為の最新のシュックアブゾーバーであっても、反動が殺しきれないのだ。
当然、スナイプカノンユニットにも、各部にショックアブゾーバーや破損防止システムを組み込んでいる。
さらに現在、連射が可能な狙撃砲を開発中だが、こちらは口径が60mmから80mmの間になる予定。
『ご苦労だった、午後からは試作の近接武装と、模擬戦闘の予定だ。時間に遅れないようにな』
「『了解!』」
予定していたテストも終了し、機体をハンガーへと戻す二人。
望遠スコープで隣向こうを覗いて見れば、訓練兵の機体が元気に飛び跳ねている。
「あ~~、早く実戦で使いたいなぁ、こいつっ」
『不謹慎よ、タリサ』
ステラに苦笑と共に窘められるが、それでもウズウズした気持ちが治まらないタリサ。
午後の模擬戦闘、特に近接武装が楽しみで仕方が無いのもあるのだろう。
そんな二人が乗る二機を見送りつつ、記録班と整備班に撤収準備をさせる唯依。
現在大和が横浜基地の教導部隊へ新型OSの指導へ行ってしまっているので、内心寂しかったりするが顔には出さない。
「しかし何故だろう…妙に胸騒ぎがするな…」
不安や恐怖ではない…どちらかと言えば、そう、大和が女性と楽しく話しており時に感じる嫉妬に似た感覚。
それが何なのか分からない唯依は、とりあえず食事の為にPXへ向うのだった。
同時刻、シミュレーターデッキ――――
「では、これにて午前の教導を終了する」
「全員、黒金少佐に敬礼っ!」
大和の言葉が終わると、伊隅が声を上げる。
A-01のメンバーが敬礼し、それに大和も答礼する。
現在大和は、A-01への教導を終えたばかりである。
A-01は現在XM3の操縦にも慣れ、シミュレーターでもヴォールクデータで反応炉破壊を成し遂げている。
しかしそれでも犠牲は多く、毎回必ず4人は犠牲になっている。
その現状を打破するのと、A-01の不知火改造が開始された事もあり、大和がA-01へサブウェポンの導入教導を行っていたのだ。
「お疲れ様です少佐、しかしサブウェポン…素晴らしい武装です」
「そう思って貰えるなら造った甲斐がありますよ大尉。種類もありますので、機体が完成するまでシミュレーターで練習を重ねて下さい」
話しかけてきた伊隅に答えていると、背後から良く知る気配が近づいてくる。
「ヤーマートっ」
「おっと」
「こ、こら、シェスチナ少尉っ!」
背後から抱きついてきたイーニァ、その衝撃に微塵も揺れずに受け止める大和。
伊隅が焦って窘めるが、イーニァは何処吹く風である。
「ヤマト、ゴハンたべよう、シヅエのゴハンっ」
「止めないかシェスチナ少尉、少佐に失礼だろうっ!」
あの夕呼の直属の部下であっても最低限の規律は守る伊隅。
そんな彼女に白い視線を向けるイーニァ。
「ぶーっ、大尉うるさい、そんなだからスキなヒトにふりむいてもらえないんだよっ?」
「なぁーーーーっ!? な、何故それをっ!!」
図星だったのか、それともイーニァが自分に好きな相手が居ることを知っていたのに驚いたのか、兎に角驚愕する伊隅。
「カミヌマがいってた」
「上沼ぁぁぁぁぁっ!!」
イーニァのその言葉に素晴らしい速度で先に行った上沼を追う。
「ひぇぇぇっ、大尉怖っ、速瀬中尉バリアーっ!!」
「ちょ、上沼アンタなにを――げふっ!?」
通路の向こうから何ともカオスなやり取りが聞こえるが、華麗にスルーする大和。
伊隅や宗像への、その手の話は鬼門である。
「さて、昼飯とするか」
「うんっ」
イーニァを連れてデッキを出る大和。
途中イーニァが強化装備から着替えるのを待っていると、先に着替えていたクリスカが出てきた。
「あ、少佐……」
「ん? どうかしたのかビャーチェノワ少尉?」
目が合った瞬間、何やら戸惑いを浮かべるクリスカ。
「いえ、その……」
「 ? 」
モゴモゴと口篭るクリスカ、考えてみれば最近の彼女は妙に大人しい。
元気が無いというより、何か心配事でもあるのか悩んでいるようにも見える。
「しょ、少佐はなぜ、その…わ、私を名前で呼んでくれないのだっ?」
「なぬ?」
自分の胸に右手を置き、見上げるように問い掛けてくるクリスカの言葉に面食らう大和。
名前、確かにクリスカの名前では呼んでいないが、何が問題があるのだろうかと考える大和。
彼は相手が許さない限り、決して名前を呼ばない性質であり、武にも最初は白銀と呼んで接している。
イーニァや唯依を名前で呼ぶのは彼女達がそう呼んでいい、呼んで欲しいと言ったからだ。
なので、別に理由があって名前を呼ばないのではなく、単純に許可や願いが無いから呼ばないだけだ。
「なんだ、名前で呼んだ方が良いのか?」
「う…そ、その、はい…」
何故か真っ赤になって俯くクリスカ。
ここ最近自意識の発達や感情の起伏が激しくなってきたらしく、イーニァもクリスカも人間らしい、歳相応の女性としての面が見られるようになってきた。
イーニァは少々幼い気もするが。
「そうか、じゃぁ次からクリスカと呼ばせてもらう」
「―――っ、は、はい…っ」
大和が彼女の名前を呼んだ瞬間、彼女の身体がビクリと震え、顔を真っ赤にして頷いた。
これには大和も彼女の心情を理解するも、それを表す訳には行かないのでスルーする。
「よかったねクリスカ♪」
「い、イーニァっ?」
と、何時の間にか着替えたイーニァがクリスカの後ろに居り、抱きついて笑顔を見せる。
イーニァはクリスカが自分だけ名前で呼ばれて居ない事に、寂しいという感情を覚えているのを知っている。
そして先ほど名前が呼ばれた瞬間、クリスカの中にその感情が無くなったのを感じ、嬉しくなったのだろう。
「ん~~~~っ♪」
「きゃっ、ちょ、ダメよイーニァ、人前で…ひぅっ……(///」
なんと、激しくもふもふを始めたのだ。
これには流石に毎日寝る時にもふもふされているクリスカも慌てる。
しかも目の前には大和の姿。
真っ赤になって悶えるクリスカと、もふもふ堪能中のイーニァ。
「見事よシェスチナ、もうもふもふで教える事は無いわ…っ」
なんか更衣室の扉からこちらを見て感動で泣いている上沼(頭にタンコブ2個装備)
東堂から聞いた話だと、レズッ気の強い上沼は何とかイーニァを懐かせようとし、自慢のバスト(Eカップ)を使って彼女にもふもふさせたらしい。
これを気に入ったイーニァは、次々にA-01のメンバーにもふもふを強行。
全員がこれに餌食になった。
因みにやられて一番ダメージが大きかったのが東堂。
彼女の母性ではイーニァは満足しなかった、そんな彼女の胸はAカップ。
彼女が大和に「貧乳で悪いんですかっ、胸が無いのがそんなに罪ですかっ、顔を埋めた後で悲しそうな顔で「もふもふできない…」と言われた、私のほうが悲しいんですよっ!?」と、涙ダクダクで訴えてきたとか。
近い未来、207の、特に築地・彩峰の二人は確実に襲われるだろうイーニァのもふもふ攻撃。
悪意も悪気もない純粋な甘え攻撃に抵抗できる人間は少なく、またもふもふ中のイーニァの小動物的愛らしさに母性本能が擽られて、もう好きにして状態。
遙や風間などは、寧ろ両手を広げて迎え入れる位だ。
実はイーニァ、京塚のおばちゃんや夕呼にまでもふもふしている。
おばちゃんは「甘えん坊だねぇ、はっはっはっ」と肝っ玉母ちゃんを体現し、夕呼は「アタシの胸は安くないわよ」と、怒られたそうな。
まぁとりあえず、諸悪の根源な上沼には、午後の教導で地獄を見てもらう事を決め、そろそろ性的な意味で危なくなってきたクリスカを救う為にイーニァを引き剥がす大和であった。
余談だが、シリンダーの部屋でイーニァが霞にもふもふを伝授している事は、まだ誰も知らない……。