グラナダの執務室、その大モニターの前に立ちながらキシリア・ザビはその顔に僅かな嘲弄を浮かべた。珍しく、髪を下ろして後ろで束ねている。
最近はこれが気に入りなのだ。
『キシリア、冗談は止せ』
「兄上も意外とお甘いようで」
あいも変らずに癇に障る薄笑いを浮かべる兄の顔が僅かに引きつるのを見て、キシリアは内心で笑みを浮かべた。あの野心家で策略家の兄が、こちらの意図をまったく
持って読みきれて居ないと言う状況は、彼女にとってことさらに痛快であった。
『本気かねキシリア』
執務室の巨大モニター、その半分を占める兄の顔に動揺の色が混じるのを、彼女は見逃さなかった。どうやら、ギレンは彼女の意図を測りかねているらしい。
正直に言ってしまえば、意図もくそも無く、そのままを伝えたのだが、それを額面どおりに受け取れるほど健全な兄弟関係は気づいてこなかった。と言うよりは、
まだそこまで追い詰められては居ない。と認識なのだろう。確かに今までの関係を考えれば、キシリアの「提案」は、一歩たりとも後の無い状況にならねば、
冗句にも上げぬであろう内容である。依然として、グラナダは独自の戦力を維持しており、宇宙でのジオンの覇権は連邦に劣らぬものがある。しかし、だからこその
タイミングでなのだ。相手の意表を突き、弱いところを叩きのめすのが戦場の鉄則である。戦略などと言うものは、とどのつまり、相手を「驚かせる」類の悪戯を
どれほど効果的に行うかに尽きるのだ。
それはそれとして、まったく持って面白い、と言うのが現段階でのこの会合に対するキシリアの感想であった。裏表無く行動していると言うのに、必死に裏を
探ろうとする相手のなんとこっけいなことだろう。おもわず、こぼした笑みは「何らかの意図がある」とギレンに錯覚させるには十分なようだった。こちらの
反応を探ろうとしていることが手に取るように分かる。ともすれば、意外と兄は単純な人間らしい。
「兄上、兄弟げんかは戦争の後に」
思案顔のギレンに向かって、キシリアが畳み掛けるように言った。そこへ、意外な方面から援護射撃が入る。同意を示して、冷静に諭したのは以外にも
熱しやすい弟であった。
『そうだぜ、兄貴。このままじゃどの道ジリ貧になるのは目に見えてる』
頬に向こう傷を走らせたいかつい男はキシリアの、そしてギレンの弟でもあるドズル・ザビ中将である。この熱血漢で単純明快な人物であるはずの弟が
強力な味方になっているという状況も奇妙と言えば、奇妙である
『姉貴がやるってんなら、俺に依存はねぇ。ガルマの仇、取れるってもんだ』
ガルマを失いザビ家の末弟となってしまったドズルは、以外にも冷静な調子であった。いつもならば、真っ先に熱狂して感情論に走っていた弟が今度ばかりは
理路整然と兄を諭そうとしている。どうやら、僅かながら成長しているらしかった。
(妙なものだな。今までならきっと気づかなかったろうに)
いつのことからだろうか、血を分けた兄弟を政敵の一人としてしか認識できなくなったのは、2対1の構図となった会議の中で心あらずキシリアはそんなことを
思っていた。疑心暗鬼は文字通り人の目を曇らせる。無論、兄弟なのだから、信じあい助け合うべきだ、などという戯けたお題目をいまさら受け入れようと言う気に
なるほど、童心に帰れるわけではない。単純に、そうやって目が曇れば、何かを見落とすと言う単純な理屈に気づいただけだ。得てしてそれが致命的になるという
ところまで気づけたと言うのは、彼女にとって大きな収穫であった。
そして、それをキシリアに気づかせた男が始めた戦争を、彼女たちが「始めさせた」戦争の片を今付けようとしている。当然と言えば、当然での話ではあるが
なんとも因果な展開である。つまるところこの戦争は私闘であった。それが、様々な因果の末に積み重ねられた憎悪と不条理の発露であるとはいえ、往々にして
戦争などと言うものは私的な思惑によって呼び起こされ、私的な思惑によって終息するものなのだ。
ほどなくして、今回の議題であったザビ家三兄弟による共同作戦は、最終的に三者三様の思惑を抱えたまま合意に達した。
そして、それこそが、決まりかけていた歴史の流れを覆す新たな潮流に他ならなかったのである。
――― 静止衛星軌道上
青、眼下に果てしなく広がる深い青は、その下の海の色を写しているのだろう。ただ、太陽の光を受けて、輝いているだけだと言うのに、
どうして、こんなにも美しく見えるのだろうか。自分が住んでいる場所をそうやって、見ることが出来たなら、人はそこに住んでいる幸せと言うものを
かみ締めることが出来るのではないだろうか、もっと自分の立っている場所を大切に出来るのではないか。
HLVの艦橋から、これから向かう戦場を見ていたユーリ・ケラーネ少将は、柄にも無くそんなことを思った。
「やはり、地球は青かったか。第1次降下作戦の折にも見たが、何度も見てもすごいものだな」
衛星軌道上から見る地球と言う奴は、見るもの全てに「やはり地球は青かった」と思わせるだけのなんとも味わい深いものがある。その母なる大地の
重力から開放されたその場所に浮かんでいるのは、数十分前にキャリフォルニアベースから打ち出されたHLV群である。
頑強な体躯、袖を切り取って半袖にした軍服を着ているその男こそ、ジャブロー襲撃の総指揮を任されたユーリ・ケラーネ少将その人である。
「そろそろ始めるとするか…」
男は再び眼下に広がる青い空を見据えた。これから彼らが降りる場所であり、祖国の命運を決する戦場がその先にあるのだ。
(しかし、空に「降りる」とはな…言いえて妙だな)
一人、胸のうちで笑いながら、ケラーネは湧き上がる興奮を必死に押しとどめた。彼らは地球から脱出した敗残の軍ではない。
降りるのだ。友の消えた星、スペースノイドにとっては羨望と憎悪、そしてわずかな望郷の対象であるその場所へ、再び降り立つのだ。
(ギニアス、俺は戻るぞ。貴様の無念を果たして、再びこの宇宙(そら)へっ!)
ジャブローに対する軌道降下強襲作戦、前回のキャリフォルニアベースからの空挺作戦など比較にならない規模の大戦力による攻撃作戦である。
些細な腐れ縁であったが、それでもギニアス・サハリンは友人だった。その友の果たせなかったジャブロー攻略に、今、挑まんとしている。ともすれば
それは一種の敵討ちであった。
刹那に生じた凄まじい振動がケラーネの思索を打ち切った。
「何があった!」
ケラーネの怒鳴り声と共にけたたましい警報が艇内に響き渡る。オペレーターの一人が、緊張した声で答えた。
「456号艇被弾! 爆沈したようです! ……10時方向より敵艦隊!?」
「何だと!? 外周軌道のパトロール艦隊か…まずいな、取りこぼしがあったのか…俺たちでは反撃できんぞ!」
大モニターに索敵結果が表示される。敵を示す光点の数は決して多くないが、この座標から動くことの出来ないHLV群にとってはかなりの脅威である。
おそらくは連邦軍が宇宙での反抗作戦に備えて打上げていた艦隊であろう。
「このままではいい的ではないか。降下体制に入れ!」
「だめですっ! 現在の座標では落着地点が大幅にずれます」
「なんだと……」
今回の作戦の肝はジャブローへの直接降下である。それが失敗すれば作戦自体が瓦解する。それはすなわちジオン公国の敗北を決すると言うことだ。
「だが、このままでは全員犬死だ……」
ケラーネの背を冷たいものが流れ落ちる。心臓を掴まれたような不快な緊張感が全身を硬直させる。決断せねばならない。だが、それはどちらを選んでも
選択の余地が無いものである。
「35号艇、19号艇、126号艇、236号艇沈没、12号艇と203号艇が降下不能」
彼を追い立てるように、被害報告が続けられる。
「敵艦隊後方よりさらに増援っ!」
別のオペレーターが叫ぶ。もはやケラーネに考える時間は残されていなかった。
「やむをえん。このまま降下…」
そう言おうとした瞬間、モニター上の敵艦がいきなり爆発した。HLVの間を飛んでいたGMやボールが次々と爆発していく。
その爆炎を突っ切って、ケラーネの目に焼きついた姿は見慣れないMSの姿であった。
「アレは…新型か?」
「IFF確認、後方の艦隊は味方ですっ!!」
モニターに移った灰白色のMSが手にしていたバズーカを投げ捨てた。
『またせたな、ひよっこ共っ!』
通信回線に割り込みで響いた声は、ケラーネにとってはどこか懐かしさを感じる声音であった。
とさかの様な通信アンテナに、中世の甲冑の「犬面」を思わせる特異な頭部、立体的な胸部装甲、ジオニック系MSの特色を色濃く出したその機体こそ
最新鋭機「MS-11ゲルググ」である。
リックドムの編隊が、灰白色の機体を囲むように展開する。統率の取れた編隊機動はある種の几帳面さすら感じさせた。この几帳面なまでの編隊機動には覚えがあった。
『カスペン戦闘大隊指揮官、ヘルベルト・フォン・カスペン大佐である! 遅ればせながら助太刀に参った』
手にしたビームナギナタが、あたかも指揮棒代わりにおろされた瞬間に、雁行隊形を組んでいた大隊が、小隊ごとに散会し、状況の変化に戸惑う連邦軍MS部隊に
餓狼の如く襲い掛かる。
HLVを叩くために散会していたGM部隊は、次々とその餌食となった。自身もビームナギナタを縦横に振り回し先頭に立ってGMを切り捨てながら、
ヘルベルト・フォン・カスペン大佐率いるカスペン戦闘大隊は、突然の強襲に浮き足立つ敵部隊を容赦なく蹂躙した。
「か、カスペン教官殿? こいつはとんだ再会だぜ」
モニター上に移る光景に唖然としながら、ユーリ・ケラーネは奇妙な縁に苦笑を浮かべた。ヘルベルト・フォン・カスペン大佐、ケラーネが士官候補生だった
ころにたっぷり絞ってくれた恩人(怨人とも書ける)である。士官学校で教鞭をふるっていたおりに(これが比喩でなく本当に振るわれるのだから、恐ろしい)、
ギニアスやケラーネに士官としてのいろはをたっぷり叩き込んでくれた人物でもある。一年戦争の開戦とともに大隊指揮官として戦場に送られたという話は
聞いていたが、まさかこんなところで再開しようとは、まったく、予想していなかった。
そこへ、唐突にオープン回線に女性の声が入ってきた。
『いくら急いでるからって、おいてかないでおくれよ大佐。どうやら間に合ったようだね』
声と共に、混乱から覚めやらぬ艦隊に、先ほどとは別のゲルググ部隊が襲い掛かる。マシンガンとザクのシールドを改造したスパイクシールドに
刻まれたエンブレムは海兵隊のものである。巧みな連携で艦橋をつぶして、エンジンブロックを破壊する。見事な手際である。カスペンの灰白色のゲルググの後ろ続いた
もう一機のゲルググがどうやら指揮官機のようだ。カーキ系のパーソナルカラーに彩られたその機体は俊敏な機動でカスペン機に追随した。
通信ウィンドウにパイロットスーツ姿の女性が写る。
『海兵隊のシーマ少佐だ。あたしらがお守りしてやるから、安心して暴れてきな』
ノーマルスーツのせいで顔は良く見えないが、口調から察するにどうやら相当な女傑らしい。
「すまない。感謝する」
『おや、少将閣下直々とは光栄さね。仕事ですから、気にされないことですわ閣下』
上官相手に物怖じしない態度を見て、ようやく思い出した。シーマ・ガラハウ少佐、荒くれ者ぞろいのジオン公国海兵隊で数少ない女性指揮官である。
キシリア貴下でいろいろと後ろぐらい事をしていると、悪評も目立つものの、逆に言えばそれだけ重用されるほど有能だと言うことである。女だてらに
札付き揃いの海兵隊を束ねているところを鑑みても並大抵の手腕ではあるまい。
「噂は聞いている。頼もしい限りだ」
『時に、閣下は大佐の生徒だったとか』
「ああ」
『……』
「心中、お察しする」
なんとなく、通じ合ってしまうところが悲しい。どこか疲れたような顔に見えるのはきっと気のせいではないのだろう。
一見、杓子定規でお堅い軍人に見えるカスペン大佐だが、破天荒な行動力を持つかなりのマイペース人間である。
ありていに言えば、周りの人間を縦横無尽に振り回すタイプなのだ。
それでも部下を見捨てることは無いし、勇猛かつ有能な指揮官であるのだ。それゆえに人望が無いではないのが、ある意味腹立たしい部分だった。
『何をやっておるシーマ少佐。さっさと片付けるぞっ!』
『やれやれ、本当に人使いが荒いお人だよ。まったく』
そういいながら、シーマは自分の隊をまとめて、カスペンの部隊に追随する。なんだかんだ言ってなかなか息は合っているようだ。
「閣下! 作戦ポイントに到達しましたっ!」
「良し!! 全機降下だっ!」
「了解……閣下」
「なんだ?」
ケラーネが怪訝そうな顔で振り返ると、オペレーターが言った。
「カスペン大佐より発光信号、ブウンヲイノル、だそうです」
ケラーネはため息混じりに笑みを浮かべた。
「まったく、最後までありがたいお人だぜ…さあ行くぞっ!!」
艦橋から格納庫へと降りたケラーネは全てのHLVに向かって号令を発した。
「全HLV逆噴射! 降下開始!!」
無重力の船内が揺さぶられる。徐々に強まっていく転落感が、巨大な腕にとらわれたかのように錯覚された。いや、捕らわれたのか。地球の重力に引かれるのを
感じながらそれでも、魂までは惹かれることは無いだろうと、男は思った。見てしまったのだ。あの美しい光景を、それは地上にへばりついていては、決して
見ることの出来ない光景である。それゆえに、彼は再び宇宙(そら)に帰ることを決意していた。ともすれば、彼らは宇宙の子(スペースノイド)なのだ。
――― ジャブロー襲撃より一週間前 大西洋 ドライゼ艦隊
深く蒼い水中を巨大な影が横切る。水流ジェット推進によって、海中を進むのは、過日解散したマッドアングラー隊を吸収して、戦力を増強した
特務潜水艦隊ことドライゼ艦隊である。
黒い艦体に書かれた「U-801」の文字は、この艦体の旗艦を勤めるユーコン級の艦名である。潜水母艦であるマッドアングラー級を差し置いて
この艦が旗艦を勤めるのは、司令官の座乗艦であるからに他ならない。
(それにしても、あわただしいことだ)
この急造の特殊攻撃部隊を率いることになったドライゼ中佐はことの成り行きをそう評することにした。水中用MS部隊を搭載した潜水艦隊は
開封された命令書によって始めてその任務を明かされ、この集結ポイントへと集まったのである。
「中佐、作戦開始時刻です」
副官の若い中尉が緊張した面持ちで言う。
「MS部隊出撃用意!」
ドライゼの号令が下るや、格納庫に注水が始まり、MSが収納されている部分に海水が満たされていく。
「格納庫注水完了! 耐圧扉開きます!」
「MS部隊発信準備完了!」
『こちらはいつでも出れるぞ!』
癖のある声で言ってきたのは今回の作戦で先導を勤めるMS特殊部隊の隊長、ハーディー・シュタイナー大尉である。
「……幸運を祈る」
ドライゼは自分と同年代の男が写るモニターに向かって敬礼をした。
「感謝する」
モニターごしの相手に敬礼を返して、シュタイナー大尉はすぐにてきぱきと指示を出した。
格納庫の中が海水で満たされていく。像の歪む水の中で、MSの単眼に灯が灯った。鋼のきしむ音を立てながら、格納庫の扉が開放された。
(おそらく、今回のような作戦が可能なのも今回限り……亡国の民にはなりたくないものだな)
「サイクロプス隊! 出るぞ」
隊長機であるズゴッグEを筆頭に3機のハイゴッグが、次々と海中へと放出された。艦隊を構成する他の潜水艦群からも次々とMSが放出される。
まるで魚が卵を放つように放出された水中用MSは新旧の機体が混合した寄せ集めのようにも見えるが、歴戦の水中用MS乗りをかき集めてきたのである。
特に搭載能力に優れたマッドアングラー級は運用限界ぎりぎりのMS一個中隊は(16機)を搭載してきている。
センサー上に見える光点を見ながら、シュタイナー少佐は僅かに微笑んだ。
「なかなかに壮観だな。フロッグメン部隊とはよく言ってくれたものだ」
『将軍にでもなった気分になりますね、隊長』
陽気に軽口を叩くのはガルシア軍曹だ。そういえばガルシア軍曹の祖先はこのあたりに住んでいたらしい。最近、MSの写真をコクピットに貼るように
なったことをミーシャにからかわれていた。
『おいおい、愛しのアッガイちゃんが見れるからって、気張るんじゃねぇよ、ガルシア』
途中から割り込みで聞こえてくるのはミハイル・カミンスキー中尉である。
『だって中尉、可愛いじゃないですか』
ミーシャのからかいにガルシア軍曹が抗議の声を上げる。抗議するところが間違っているような気がしなくも無いが、そこはあえて口に出さない。
『まったく、アンディ何とかいってやれよ』
呆れたように、ミーシャが話を振ると、アンディ少尉はしばらく考え込んでぼそりとつぶやいた。
『何を考えてあんなに愛らしく設計したんですかね。あのMSは』
「いい加減に無駄口を叩くのはやめておけ、そろそろ目標地点だぞ」
シュタイナーは苦笑を浮かべながら部下たちをたしなめた。
「それからミーシャ。体を温めるのもいいが、ほどほどにな」
そう釘を刺しておくのも忘れない。しょうもない会話をしているようだが、それが彼らなりの緊張のほぐし方なのだ。今回の任務が
とてつもない重責を担っていることは、誰もが理解している。だが、それゆえに過度な緊張で反応が遅れれば、それが命取りにもなりかねない。
濁った水の中を密かに進みながら、それこそ大河の中を蛙のようにむのだ。アマゾンには小さくとも強力な毒をもつ蛙が居ると言う。極彩色の美しい体色を持つ
彼らは森の宝石と呼ばれているそうだ。潜入任務であるため彼らの機体は目立たぬ色で塗装されている(前回の襲撃作戦では潜入部隊のくせに目立つ
パーソナルカラーの機体に乗っていた挙句、部隊を壊滅させた愚か者が隊を率いていたらしい)。
優美さなど欠片も無く、ただ泥水の中を泳ぐ彼らこそが連邦と言う名の巨象を屠る毒となるのだ。
あとがき
純夏「3!」
リディア「2!」
純夏・リディア「「1!」」
パイパー「状況開始!」
リディア「UN-LUCKラジオ! は~じま~るよ~!!」
純夏「……」
パイパー「……」
リディア「…長かったわね」
パイパー「長かったな」
純夏「長かったですね」
パイパー「もう、前の話から読み返さんと分からんだろうな」
リディア「あんまりに更新してなくて、存在自体忘れられてたりして」
純夏・パイパー「「……」」
リディア「あ、あれ? 二人ともなんで黙るの、ちょっと、なんかあたしが地雷踏んだみたいじゃない」
パイパー「…なにはともあれ、やっと進んだな。某佐藤大先生なみの執筆速度ではないか」
純夏「なんだか、試験とか試験とか試験とか集中講義とかいろいろあったみたいですよ」
パイパー「そんな事は言い訳にならんがな」
純夏「しかし、今回も素敵なおじ様がいっぱいって感じですね大佐」
パイパー「そうだな、まったくもって懐かしい
リディア「懐かしい? って、お知り合いなんですか大佐」
純夏「なんかだんだん復活、早くなってますねリディアさん」
パイパー「お知り合いも何も、奴は私の士官学校時代の同期生だ」
純夏「えええ!? て言うかそんなことこんな場で言っていいんですか?」
パイパー「かまわん、どうせ本編には殆ど関係ないであろう裏設定の一つだ」
リディア(いいのかしら、そんなこと言って)
パイパー「さて、今月のお便りだが、ペンネーム帝国兵さんからだな」
リディア「あ、あの更新しようと思うと神がかったタイミングでコメントくれる人?」
パイパー「そうだ、長いことお世話になっている常連さんのひとりだ」
リディア「いいスナイピング能力よね。うちでスカウトしちゃおうかしら」
パイパー「好きにしていいが、どうやって志願用紙を届けに行く気だ? ん~、なになに、基地警備MS隊のトップ小隊所属MSパイロットになった純夏上等兵ですが、搭乗している機体は何でしょうか?『シュミレーター訓練しかやってません』と言ってましたので、未だ実物のMSは操縦していないみたいに書かれていましたので・・・だそうだぞカガミ上等兵」
純夏「あ、あたしですか。実機演習ではアプサラス基地のザクⅠに乗ってます。シュミレーター訓練でもおんなじです。あ、でも特殊部隊の人達と一緒に訓練したときはいろんな機体に乗せてもらいました」
リディア「でも、どっちかと言うとあたし達(射撃戦)よりは、マ・クベ少佐たち(白兵戦)のほうが成績は良かったわね。やっぱり、相性いいのかしら」
純夏「な、な、なに言ってるんですかリディアさん!!」
リディア「あら、格闘のほうが得意なのかと思ったけど、誤解しちゃった?」
純夏「い、いえあの、そういうわけでは」
パイパー「あんまり新兵をからかうもんじゃないぞ」
純夏「と、と言うわけで、帝国兵さん。ご質問ありがとうございました」
純夏「あ、あの。予定では外伝は次がラストみたいですね」
リディア「戦闘シーンてんこもりで書くのが楽しみらしいけど、更新するのいつになるのかしらね」
純夏「案外、来年になったりして……なんて、冗談ですけど」
パイパー「……」
リディア「…………」
純夏「あれ? なんで黙ってるんですか大佐、リディアさん、なんで目を合わせようとしないんですかぁぁぁぁぁっ!!」
パイパー「では、また次回にお会いするとしよう」
純夏「へ、大佐、なんかごまかしてませんか?」
パイパー「そんなことは断じてない! 読者諸兄に永久の栄光あらんことを! ジークジオン!!」