「そっか…白銀、ようやくお前が消えた理由が解ったよ。
お前…
死んじまったんだな」
ループにより確かに彼は死なない、だが彼の精神は、長い時を掛けて少しづつ死んでいったのだ。
人間の精神や魂は100年以上生きる事を想定されて設計されていない。
さっき自分で話していてようやく解った。
そしてその代打に選ばれたのは"このループした世界"と"白銀武"の情報を持った人間。
つまりマブラヴをプレイした俺。
成るほど、いい条件だ。それなら俺が駄目になっても俺の居た世界だけで1万人は候補がいるんだからな。
そして俺の世界に近い平行世界も無数にある。
「俺は代理だ。お前が最初にこの世界に来た時以上にこの世界に愛着がない。確かにゲームで泣いたし過去のお前の記憶を引き継いではいるけど、俺が直接彼女らに会うのは今回が初めてなんだから。だけどまぁ、戦ってみるよ。一つの軍隊、その中の一人の人間が何処までできるか、お前がどれほどスゲェ奴だったか、お前に見せてやる」
そこまで言って、
「そういやアイツも決意表明好きだったよな」
とどうでも良い事を思い出した。
----香月副司令執務室----
起こりうる事象とその解決方法を伝え、白銀の身の振り方も決まり解散した頃には、時刻は22時になろうとしていた。
「香月博士」
「何よ」
「言わなくてもそうするってのは解ってますし、ガキ臭いって思われると解ってるんですが、これだけ言わせてください。自分の事は…気にしないで下さい」
へぇ、と目を細める香月博士に俺は続ける。
そうだ、ガキっぽいと言われても、失望されても、この会話のせいで単なる駒として使い捨てられるとしても。
それでも俺は、俺だからこそ言わなくちゃいけない。
「自分としては仲間を全員助けたいとは思っています。ですが、毎度毎度何もかも上手くいくと思っているほど莫迦じゃない積もりです」
「まぁ、500年近く生きてそんな"軽さ"じゃねぇ」
クスクスと笑う香月博士を見て、やっぱりな、と思う。
「俺の我侭優先して仲間助けるために世界が滅んだら意味無いですから、だから…先生の好きにしちゃって下さい。ぶっちゃけ裏で何されても最悪先生の選択で誰かが死んでも、俺が死んでも…少なくとも俺だけは先生を恨みません。"今"を生きてる人に偉そうな事言える立場じゃないですしね」
「言われなくてもそうするつもりだったけど?」
当然じゃない?と笑っているけど、きっとそうじゃ無いんだ。
香月博士も、きっと、いや間違いなく辛いはずだ。
500年見てきた記憶が、そして元のゲームをプレイした俺は知ってるから。
香月博士もやっぱり、一人の人間だって事を。
「それも解ってます。でも1ナノグラム位はプレッシャーが減ったんじゃないですか?少なくとも俺だけは例え解剖されようが先生の敵にはなりません」
「……」
「自分の知り合いに昔、一人の人生に疲れた女性が居ました。
いいことなんて、生まれて一度も無かった女性です。
その人はただの女性でしたが、ある日、知恵を貸して他人の問題をひとつ解決しました。
でもひとつ解決したら、次の問題が待ってました。
次を解決すれば、また次が出ます。
適当なところで折り合いをつけて、やめればいいのに…文句と運命を呪いながら、ハイヒールのかかとを折って、
髪を振り乱し、歯をくいしばりながら人類の明日のために走り、そして戦いました。
持ってた武器は、ただのボールペンです。
けど、俺は思いました。
その人はもはや、ただの女性じゃない。
英雄だって。
人生に疲れてもいなければ、迷いもない、その暇もない。
本来の人間が居るべきポジションに戻った、誰もがその勝利を願う人の中の人。
人間の本懐たりえる英雄だと。
必要となれば、その人は、ペン一本で、刺し、切り、罠を突破し、図を書き、そしてエンジンを爆発させることが出来ます。
戦争を阻止し、化け物どもを倒し、名前も知らぬ誰かのために、明日を作る事ができるんです」
「…その女はどうなったのよ」
「…心臓が止まるその最後の一瞬まで立派に戦って、そして死にました。…人類を守って。
俺はその結果、まだ戦う事ができます。
ループの度に皆は忘れるけど、俺は知ってます。
世界は、何人もの英雄達によって、いつも最後の一線を守り続けて来たって。
次は、俺の番です。
俺は、英雄じゃないかも知れません。
その"代役"も果たせないかもしれない。
でも、最悪でもオルタネイティブ4発動までの時間稼ぎにはなります。
本物が現われるその時まで、人類を守って戦います。
借りは必ずお返しします。俺は決めました。
その女性をこの腕で抱きしめたその時に。
泣くのはやめて。戦おうと」
「私はそんな大それた女じゃないわよ」
睨んで来るその目は、本気で怒ってるのか?テレ隠しなのか?俺にはまだ解らないな。
「兎に角今日は、今日だけはっ…ゆっくり寝て下さい…色々考える事が増えてしまったのは解ります…でもそこを曲げてお願いします」
再度90度頭を下げる俺。
「わかったわよ…後ろを向いてそのまま一歩進みなさい」
「はい…おやすみなさい、夕呼先生」
「はいはい、おやすみ、白銀」
香月博士は扉が閉まってから手元のコーヒーを飲み干すまで閉まった扉を睨め付け…
「今日くらい早く寝てやろうかしら…それにしても500歳…か、いくら年下が圏外って言ってもおじいちゃんじゃあねぇ。霞?ええ、そう。じゃあ彼が寝てる間も試して。報告は昼過ぎでいいわ」
(それにしても"夕呼先生"とはね…)
ため息をつきながら彼女は明日の為にデータを整理して寝室へ向かう。
(しかし本当に、面白い男だ)
----横浜基地 グラウンド----
「まだ居りゃいいんだけどな…」
そう、俺は御剣冥夜に会うためにグラウンドにやって来た。
正直、ヒロインの一人に生で会ってみたかったってのもある。
もしかしたら走り終わって帰ってくる冥夜に会えるかもしれない。
何を隠そう、俺は冥夜派なのだ。
純夏も悪くないとは思うんだけど、なんというか、可哀想な言い方をすると"ズルい"。
同じ理由でFateの桜も苦手だ。だって知ったら愛さなきゃダメみたいな空気があるじゃん?
いやもちろん嫌いってワケじゃなくて好きだよ?好きだけどさ、人には好みってもんが…
「もし、そこの方」
ん?
思わず何の心の準備もしないまま振り返ってしまった。
アホか俺。この基地で話しかける時に「もし、そこの方」なんて言うヤツは一人しか居ないだろうに。
間違いない、"彼女"だ。賭けてもいい。
倍プッシュだ……!
「あっ…いえ、どうかなされましたか?」
うん、さぞかし面白い顔をしてるんだろうね、俺。
だってあの御剣冥夜が当初の用件を忘れて心配するくらいだから。
「えっと、いやー…驚いちゃって」
「何をですか?」
君の髪型。とは言えない。いやしかし髪型にも驚いた。
イベントで冥夜のコスプレイヤーさんは見たことがあるけどやはり3次では2次には敵わないのか、それは俺のド肝を抜くには十分過ぎるインパクトだった。
どう見てもGP-02サイサリスです。本当にありがとうございました。
「や、君も訓練兵だろ?日中も体動かしてる状態でさらに自己鍛錬なんて、誰にでも出来る事じゃないよ」
現に今君しか居ないしね、と続ける。
「一刻も早く衛士になる為ですから。君も、という事はまさか貴方も…」
横浜基地に訓練部隊は一つしか無い筈だから確かに俺の言動はちょっと変だよな…
「ん?あぁ、俺も明日から此処で訓練兵なんだ。207Bって部隊らしい。もし会ったらよろしくな」
そう言って手を差し出す。やっぱ最初は握手だろ。
「そなたは私と同じ部隊に配属されるであろう、この基地に訓練部隊は一つしか無い故な。207は私の所属する部隊でもある。こちらこそよろしく頼む」
うん、知ってる。
しかし階級というか社会的ランクが同じと判ると突然口調が変わるな。
いや、軍隊じゃコレが普通なのか?俺も慣れないと…
握り返してくる手が柔らかい。凄いな。元の世界の俺!見てるか?俺今冥夜と握手してるぞ!
というかヤヴァイ。スゲェ美人だ。肌とか超白い。健康的な白?化粧とかしてないんだろ?これで。
「何だそうだったのか、俺は武。白銀武だ。特技は…戦術機かな?」
本名思い出せないし白銀の名前しかどの道名乗れないんだが…なんかオフ会でハンドルネームで自己紹介してるみたいでなんか変な感じだな。
「そなたまだ総技演習所か配属すらしていないというのに…特技が戦術機なのか?」
「ん?あぁ、嘘じゃないぞ。まぁ色々事情があってな、明日着任の挨拶で話す予定だったんだが」
「そうか、詮索する様な真似をしてすまなかった。許すが良い。よろしく白銀。私の名は…御剣冥夜だ。接近戦では剣術を修めている」
「御剣…冥…夜?」
俺はちょっと驚くように反芻する。冥夜の顔に浮かぶのは諦めと失望の色。
まぁ安心しろって。そういう所はお前の期待ってヤツに答えて見るよ。
「成る程、名は体を現す…か」
「……」
「御剣…冥夜か、いい響きだな」
「はっ?」
「うん、その研ぎ澄まされてるようでいて静かにたゆたう水面のような君の瞳にぴったりじゃないか。
冥夜…か、うん、この響きは、実に君に似合っている」
言ってみたかったんだ。アー○ャーの台詞。
「そ…そうか、そなたは…変わって…いるな」
ガラにも無く焦ってるみたいだ、可愛いヤツめ。
「ん?あぁそうだなぁー俺変人らしいんだよ。まぁ同じ部隊だし早いうちに諦めてくれ。よろしくな、冥夜」
「なっ」
「どうした?冥夜」
さっきから驚いてばっかだな、まぁ知ってて驚かしてるんだけど。
「いや、今度はこちらが驚いていた。行き成り名前を呼び捨てとは…」
「あれ?ここじゃ違うのか?」
「何が違うというのだ?」
フフフ、甘いぜお上ちゃん。質問すれば答えが帰ってくるとでも思ったのか?
何故そんな風に考える…
とんでもない誤解だ。
世間というものはとどのつまり、肝心な事は何一つ答えたりはしない。
個人でもそうなのだ…大人は質問に答えたりはしない…それが基本だ。
それに何時までも気づかねば…気づいたときには手遅れっ…泥沼…
そう、地の獄に落ちた後ようやく気付くっ…!
あ、しまった。つい脳内利根川先生がっ…
そんなワケで俺は嘘八百の出鱈目をソレっぽく教えた。
「俺の居た前の隊じゃな、名前で呼ぶのが当たり前っつーか、世の中の部隊は全部そうだって教わったんだよ」
訓練兵の訓練期間。それは人類に余裕が無くなるにつれ短くなり続けていった。
四年から三年、三年から二年、二年から一年。
時間も人手も、人類には足りなかった。
だが絶対的に現場に人間は必要なのだ。
だから訓練期間が短くとも戦場に出す。
そんな短い期間でどうやってチームを、戦友を作る?
そうやって先人の教官達は考えた。
如何に短時間にチームを纏められるか。
思いついた手は何でも試した。
そんな中最初の方に考案されてなんだかんだで一番効果があったのが…
「名前で…呼ぶ事だというのか?」
「そうだよ。苗字はソイツの家系とか家柄をモロに反映するからな。だから皆下の名前で呼ぶのさ」
金も時間も掛からないし何より手っ取り早いだろ?と締めくくった。
俺流のセリフ回しというかセンスのつもりだったんだが、見事にスルーされた。くそう。
「そうであったか…では私もそなたの、いや世界の衛士の流儀に習おう。タケル…武…か。フフっ、そなたも戦う為に生まれてきたような名前ではないか。では…よろしく、武」
そう言って笑う冥夜が…やばい、かわいい。どんくらいやばいってマジやばい。
思わず見とれた。
「それじゃ、また明日な。おやすみ、冥夜」
「おやすみ、武」
「硬いな…この簡易ベッド」
こうして俺の、この世界での一日は終わった。社に会うのは…明日でいいよな、どうせもう寝てるだろうし。
10月23日(火曜)
----白銀個室----
目が覚める時って同時に目を一度はあけると思うんだけどどう思う?
テレビとかでスパイが捕まった時目を閉じたまま起きて、
「バイタル反応はどうた?」「まだ眠っています」「今だスキあり!」
ってなったりするのって凄くね?だって"目覚める"って言うくらいだしもう無意識の内に目開いちゃうだろ。
「おやすみなさい」
パタンーと
俺が起きた瞬間ベッドに倒れこんで来た社を見て現実逃避してしまった。
あれ?起こしに来てくれたんじゃないの?
そこで「そうですか…起こしてたんですね」じゃないの?
ゆすられたりしなかったし…イミフ。というか何故俺のベッドに倒れこむ。初対面だぞ。フラグか?フラグなのか?
すうすうと寝息を立てて完全に寝始めた社を見る。
「これは…」
うわ…寝顔やべぇ。破壊力やべぇ。(なんかヤバイしか言ってないな最近の俺。だって俺の表現できる範囲を超えちゃってるんだもん)
2次元の寝顔の破壊力は、俺の本来の人生で見てきた3次の寝顔を遥かに上回る破壊力を持って俺の心臓を掴んで離さない。
家飲みして床で寝たら、起き抜けに目の前15chに眉毛のない寝顔がドアップであった時に比べたら…
それはもう道頓堀のヘドロとアルプスの湧き水くらい違う。
天使だ…君は。
ちょっとほっぺたを触るか真剣に悩んだのは俺だけの頂点秘密だ。
もちろん触った。すまない同士諸君、即決すべきだったな。悩む事すら失礼だった。
しかしなんだコレは…マシュマロっていうか赤ん坊の肌っていうか…ぷにぷにっとしているようでさらさらしてるようでもある。
それにこの弾力…弾性を計測して癒しアイテムとして商品化できないだろうか。
商品名はそうだな…『やしろのほっぺた』なんてどうだろう。俺なら買うね。間違いなく買うね。
税込み3500円だ。
マウス操作する手の手首の下に置いてリラクゼーション及び関節への負担をだな…
しまった、またトリップしてしまった。
とりあえず社を起こさないよう努力しつつベッドから出る。
「床に似顔絵無し…か。起こしに来たんワケでもないっつーとなぁ…」
通常ループとちょっと違う俺を世界に固定するために香月博士が手配したのかとも思ったけど…似顔絵落ちてないしなぁ。
見てたのか?やっぱり。俺の頭を?
どの道香月博士の差し金だろう。
まぁあの人の精神構造は俺の理解の遥か外側にあるし、気にするだけ損か。
掛け布団の上に倒れこんでいる社をベッドにしっかり横にし、布団を掛けてやる。
「そのまま寝たらシワになるからっつってスカートなんか脱がせた日には処刑されんだろうな…やっぱ」
すまん社よ、服は後で自分でアイロンを掛けてくれ。
今日は午後から207Bへの入隊挨拶があるから…午前は香月博士の所に顔出すか。
「でもまぁもうちょっと…いいか」
そんな事より社の寝顔である。出来れば写真に撮って置きたいくらいなんだが、残念ながら俺の一眼レフは自宅に置いて…きたのか?
どうやらそうらしい。
社はというとうつ伏せに寝て顔を預けている枕の端を掴んでいたりする。
つまり頭が撫で放題だ。
しかし社よ、俺は確かにあまり体臭が強いほうでは無いが、流石に枕はちょっと臭くないのか?大丈夫なのか?
そんな事を考えながら後頭部を優しくなでる。
時折頭に圧力が掛からないように髪だけを梳くように撫でてみたり。
寝顔を見るに…嫌がっては無いな。んじゃもうちょっとやっちゃえ。
結局気付いたら一時間近く撫で続けてた。満足。
----香月副司令執務室----
「で、何でああなったんですか?事情の説明と謝罪と賠償を要求するニダ!」
「朝からうっさいわねぇ。そんな驚く事なの?まさか襲っちゃった?」
「えぇ、余りに可愛かったんで…性欲を持て余してたしつい…」
「ぬゎんですってぇ!」
「…冗談ですよ」
「知ってるわよ、モニターしてるから」
見も蓋もねーな。んで危ねーなオイ、※[1]セルフバーニング(別名:シャドーセクロス)なんてしなくてよかった。
という事は俺コレから先ずっと禁止か?※[2]オナキンスカイウォーカーか?
うぅむ、フォースの暗黒面に目覚めなければいいが…
「で、今朝は何の用なワケ?XM3のプロトタイプなら昨日話した通り夕方には出来るわよ」
「えっと…俺に回ってくる分の不知火なんですが…場合によっては複座型にできないかなー…と。確か昔は作られてたじゃないですか。まぁ不人気で廃止されちゃいましたけど」
そう、複座型は存在する。正式には複座型管制ユニットに換装した戦術機だ。
オペレータを乗せたり、射撃補佐、特にパイロンに格納してある武装の操作を行う事ができた。
衛士がバタバタ減ったんで廃止になったけど。
「ふーん…、アンタの事だからまぁ何も考えてないワケは無いと思うけど、誰乗せるのよ。殿下は乗せる必要無いんでしょ?」
クーデターは…ねぇ?と目で語る香月博士。正直ちょっと怖い。
「あぁこれは本人に確認してからでいいんですが、社で「何ですってぇ!」…す」
さっきより声がデカイ。今度はマジに驚いてくれたみたいだ。
まぁ凄乃皇・四型でもないただの不知火に乗せる価値があるのかって事なんだろうけど。
「いや、それが500年間やって来て戦術機で自分が一番強かった状態が社との複座なんですよ」
そして話した。
社が自分だけ基地に居る事を悔やむ事があった事。
オリジナルハイヴを落とした後衛士になりA-01に入った事。
社をとりあえず複座に乗せて出撃した時に機体がダメージを受けてメインパイロットの射撃システムパネルが壊れた事。
そして攻撃システムを預かった社が恐ろしく強かった事。
「相手の空間座標把握なら社にとってはリーディングするまでも無い初歩の技術ですからね、どんな姿勢でもどんな機動中でも確実に急所に当てるんですよ」
自分はただ、走り回る事、突っ込む事、回避する事だけ考えればよかった。
シュミレータと無人機相手じゃ流石にその能力を発揮しないが、有効射程内の相手なら目を閉じてても撃ち抜くその正確無比さ。
有効射程外でもブチ当てる珠瀬もアレはアレで規格外だが、珠瀬の場合は狙わないと当然当たらない。
社は無造作に打って当たるのだ。なんという中二病設定。
この二人が乗った不知火複座型は同じ人類からも『ネメシス』と謳われ恐れられた程だった。
「まぁ、社がやるって言ってからでもいいので、頭の片隅に置いといて下さい」
「はいはい、…それにしてもあの社がねぇ」
うん、俺もその記憶を見たときは相当ビックリした。
純夏への白銀の愛を知り、何より自分の気持ちを知り、恋人になれないなれないのならばせめて戦場で一緒に…
と社が思っていた事にも驚いたが…
(死ぬまでそれに気付かないお前もどうなのよ…白銀)
「あ、あとコレ見てください。腕に関する追加武装の案件なんですけど…これこうしたら…アレじゃありません?あと強化外骨格にも付いてるんですからアレも着けましょうよ…で、こう…ね?」
「ウフフフフフフ、面白そうね、ソレ。今まで無かった発想な上効果もありそうだし、まずシミュレータでデータ上の有効性だけしめしてみなさい。その程度の改造ならすぐ出来るから」
ケケケケケ、と擬音が聞えて来そうな程、俺が具体的に示した例は凶悪だった。
いつか開発したら月詠中尉相手に試して大爆笑してやろう。
…殺されなきゃいいが…
---------------
※[1]セルフバーニング
ググって下さい。ちょっと俺の口からは…
※[2]オナキン・スカイウォーカー
エクストリーム・オナ禁によりフォースに目覚めた状態。
超賢者タイム、スーパーサイヤ人とも言われる。