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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2008/09/09 12:53)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
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[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
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[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
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[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ番外編③
Name: Shinji◆9fccc648 ID:1391bf9d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/04 17:45
――――今回はTEによる途轍もない独自解釈とオリ設定が含まれて居るので予め御了承の上 読んで下さい。
























これはひどいオルタネイティヴ 番外編③


もしも本編で来たのが篁中尉では無く"紅の姉妹"だったら。(不快感を感じたら此処でバックを!)
























2001年11月20日 午後


白銀少佐が横浜基地にやって来て早くも一ヶ月近く過ぎた頃。(22話のラスト)

既に彼は新OS(β版)・不知火S型による実戦データ・同機で武御雷(白)3機を相手にした模擬戦データ、
そしてシミュレーターとは言えバズーカで反応炉を破壊した事実を創ると言う数多くの偉業を果たしていた。

されど彼はオリジナルハイヴを潰した白銀"本人"の方が凄いと思っているので自覚が皆無なのは さて置き。

神宮司軍曹との2機連携でのヴォールク・データ攻略後"何処かに揺さ振りを掛けるわ"と言った香月副司令。

その彼女に月詠中尉等4名との訓練中、突然 執務室に呼び出され……言われた台詞に白銀少佐は驚愕する。


「不知火S型の複座型の開発~ッ!?」

「えぇ。アラスカに有る国連軍基地と共同で行うわ」


神代少尉ら3名と戦った様に新たなイベントが"物語が脱線しない程度"に有ると考えていた白銀だったが。

只でさえ自分の考えは原作から逸れていると思って居るのに、新たな戦術機の開発が行われる事になった模様。

……とは言っても原型は不知火S型なのだが、複座型を知らない白銀には新型と殆ど同じようなモノである。

よって新たに覚える事が増える&いい加減 女性陣とのフラグ乱立に力を入れたい等の理由の為 彼は力無く言う。


「い、今は"そんな事"に力を入れてる最中じゃないと思うんですけどねェ?」

「そんな事~?」

「えっ!? ホラ……(ゆ~こさんが)只でさえ色々と忙しいんですし、今以上 携わる必要は……」

「大丈夫よ」

「へぇあ(一刀両断!?)」

「(過労で倒れた位だし白銀が)多忙なのは認めるけど、ちゃんと考えてるから」

「考えておられる……と仰いますと?」

「心配しなくてもアンタが"結果"さえ出してくれれば後は こっちが旨く纏めるから安心しなさい」

「で、でも俺 複座型なんて初めて ですし第一"パートナー"が居ないんスけど?(好感度的な意味で)」

「……(やっぱり他に白銀の目に適う衛士は居ないのね……まりもや伊隅達は今の立場的に無理だし)」

「だから俺は無難に まりもちゃんと一緒に、榊達の訓練に付き合ったりする程度で――――」

「(けど"あのレベル"なら必ず満足する筈)……白銀」

「は、はい?」

「明日アンタに新しく2人の衛士を預けるわ」

「マジで!?」

「その娘達と一緒に不知火(複座型)の開発に力を入れなさい。アンタに言うのも何だけど腕は一級よ?」

「……ってか"娘達"って事は、両方とも女性なんですか?」

「そうだけど?」

「御任せ下さい、この白銀 武……必ずや副司令の期待に応えて御覧に入れます」(キリッ)

「期待してるわよ?("一級"に反応したって事は大方 知ってたのかもしれない)」

「ところで早速ですが、2人の名は何と言うのでコザルか?」

「え~っと、確か……(ワザとらしい態度だけど、やっぱり白銀への釣り餌には十分だったわね)」


――――勿論 白銀は"女性衛士"と言う単語ダケに多大な期待と興味を抱いたのは言うまでも無かった。


「ねぇ。ここって どこなのかな~? あたらしい しごとって なに?」

「……クッ……所詮 私達は国連軍の"道具"に過ぎないと言うのかッ?」

「???? どうしたの? クリスカ」

「イーニァは何も心配しなくて良いんだ……必ず私が守るから」




……




…………




2001年11月21日 午前


香月副司令から新たな任務を受けた白銀少佐は、執務室で部下となると言う2人の女性衛士を待っていた。

その際 早く来てしまったので空いた時間で色々と聞いてみると、彼女は複座型に相当な期待をしている模様。

何故なら例の2人を複座型を乗せBETAを蹂躙さたら、右に出る者は居ない程の戦果を叩き出すらしく、
当然 同乗せずとも一流な事から、その2人に白銀少佐の機動概念を学ばせれば更に化ける可能性が高い。

また複座型は扱いが非常に困難でコスト並みの戦果が出し難いが、色々な案を見出した白銀の頭脳が有れば、
一般の衛士2人の搭乗でも安定した戦果を出せるように成るアイデアを浮かべてくれると考えて居るらしい。

だが2人の女性衛士に対する成長と評価はともかく、複座型の運用方法を白銀(笑)に期待すると言う後者は、
ガン●ムの機体とかパイロットとかを適当に肖るダケで運良く結果を出して来た彼にとっては良い迷惑である。

されど彼は部下(しかも女性)が増える事は嬉しいし、複座型の新開発がエターなっても別に"あ号"は倒せるしで、
もし失敗したら"やっぱり無理だったんだ☆"と謝る事で済ませれば良いや~とかポジティブに考える事にした。

よって軽い気持ちで副司令・社 霞と共に待つ中、ピアティフ中尉が例の2人を執務室に案内して来るのだった。


≪ガシューーーーッ≫


「お待たせ致しました、香月博士」

「御苦労様」

「!?!?」

「(白銀さん……"嘘だろ"って……)」


その2人を見た直後、白銀の瞳が一瞬 大きく見開かれた……ダケだったが、社 霞は彼の珍しい感情に違和感。

"見た目"は常に無表情ながら、自分と遊んでくれる際 笑顔を浮かべている時でさえ感情は読めないのだが……

この様にハッキリとした感情が白銀に現れるのは珍しく、やはり"紅の姉妹"の事を知っていたのだろうか?

ならば自分が そうである様に彼女達も"オルタネイティヴ計画"によって生まれた存在なのだと察してしまった?

彼は恐ろしく勘が鋭い為 既に気付いたに違いない。だが彼は全てを知っても柔軟に物事を受け止める事が出来る。

それは社 霞が白銀に懐いている理由の一つであり、色々と訳有りの姉妹だが彼なら何とかしてくれるだろう。

根拠は無いが強ち彼女の期待は間違いではないのは さて置き。リーディング中断後の白銀の思考は こうである。




「(――――嘘だろ!?【此処までリーディング】……滅茶苦茶 可愛いじゃないですかッ!)」




執務室に招くと言う事実が有るダケで予想が出来ていたが、此処までの美少女が(しかも2人)来るとは!!

いや執務室と美少女は関係無いやんと自分でツッコミながら、白銀は興奮を抑えつつ"紅の姉妹"を黙って見る。

その際 彼がいち早く興味を示したのは2人の頭に付いていた"アレ"であり、心の中で僅かに首を傾げていた。


「ソビエト陸軍中尉、クリスカ・ビャーチェノワです」

「…………」

「イーニァ」

「あっ。おなじく イーニァ・シェスチナちゅうい です」

「貴女達を待っていたわ。遥々と良く来てくれたわね」

「……いえ」

「シェスチナ……か」

「……!?」


≪――――チラッ≫


「(白銀ッ?)」

「(白銀さん?)」×2


対してクリスカと名乗った女性は表情が硬く、少女(イーニァ)は何故か白銀を見上げていた為 自己紹介が遅れた。

されど2人の感情には気付かず白銀は、今のクリスカの言葉で"彼女達はソビエト人なのか~"とか今更 気付く。

そうなるとAFでは霞はロシア人とか言ってたし、この3人は故郷が同じ……其処で導き出される結論は一つ。

よって白銀は(意味も無く無意識に)イーニァの苗字を呟いた思うと(自覚は無いが)ワザとらしい仕草で霞を見て、
再び"紅の姉妹"の方へと視線を移した。当然ソレに夕呼と霞・そしてピアティフが違和感を感じない筈は無い。


「成る程……な」

「!?!?」×4

「ふぇ?」


――――だが頭のアレはソビエトで流行っている。それが今の一連で彼の導き出した無意味な答えだった。


「(何と言う良センス……姿を見たダケで見惚れてしまった。このファッションは間違い無く流行る)」

「(雰囲気だけで社とシェスチナが"同じ"だと察したのかしら? 生憎 説明は不要みたいね)」

「(2人とも安心してください……白銀さんなら、絶対に貴女達の力の使い方を間違わせたりしません)」

「(ビャーチェノワ少尉の警戒心が高まっているけど、白銀さんには きっと考えが有りそう)」


「(こ、この男……"読めない"!? だが"あの娘"から伝わって来る思考は どう言う事なのだッ?)」

「(あなたも わたしたちと おなじ……えっ? このひとは しんようできる? うん そうかもしれないね)」


「……って自己紹介が遅れたわね。国連軍 横浜基地 副司令の香月 夕呼よ」

「ははッ(……やはり私達を利用する気か……其処まで開き直れる辺り、最前線の司令官らしいとも言えるな)」

「自分は国連軍 横浜基地 少佐・白銀 武です」

「イリーナ・ピアティフ臨時中尉です」

「……社 霞です」

「このウチその白銀が貴女達の新しい"上官"って事になるわね」

「そ、そう言う事だから宜しく頼むよ?」

「はぁ~い」

「……クッ……で、では副司令。我々は白銀少佐の元で どの様な任務を担うのでしょうか?」

「最初は複座型 不知火の開発衛士をして貰うわ。近いウチに3人の誰かを僚機にして実戦投入も行う予定よ」

「それに(正史だと)12月下旬 辺りに佐渡島のハイヴとか行くかもしれないから頑張ろうな?」←対イーニァ

「うんっ!」

「まさかの同意!?」

「じゃあ、早速だけど貴女達の実力でも見せて貰おうかしら?」

「畏まりました(……ともかく私達は心を許す訳には行かない。衛士としての格の違いを見せてやるッ!)」




……




…………




……数時間後。

シミュレーターのヴォールク・データにて、クリスカはイーニァと共にSu-37UBチュルミナートルに搭乗。

そしてイーニァに火器管制処理 等を任せ、彼女は操縦を担当する事で圧倒的なBETAの蹂躙を開始し始める。

ソレは まさに理不尽な扱いを受けているクリスカの心情を表しているかの様な内容であり。まさに鬼神であった。

何せ近付いてくるBETAを手当たり次第に(しかも正確)撃破しながら強引に前進して行っているからであり、
流石の白銀少佐も(心の中で)ドン引きし、戦域管制を一応 担当しているピアティフも表情が引き攣っていた。

されど単機で万単位のBETAを倒し切れるワケが無く、最後は囲まれクリスカは自爆ボタンを押して散った。

結果 攻略は不可能だったが……この2人が100組も居れば事実上 蹂躙前提でのハイヴの制覇は可能であろう。

だが野暮な考えで有るのは勿論として、2組とも居ない存在だからこそ彼女達は"紅の姉妹"と言われているのだ。

よって自分達の真似が出来ない彼が、複座型の開発衛士を務められる筈が無い。ソレがクリスカの考えだった。

つまり今迄 此方を利用して来た上官達の様に、色々と命令するダケに留めて無駄に踏み込んで来るのは止めろ。

イーニァが"謎の少女"の能力も有って"新しい上官"に何故か懐いている様だが、私は認めるワケにはいかない!

そう改めて決意しながら特別筐体から出て来ると、再び姉妹は副司令・少佐・中尉・社 霞と向き合ったのだが……


「はいはい、御苦労様」

「如何でしたでしょうか?」

「あたしからはノーコメントよ」

「ふぇ?」

「なッ!」

「白銀。アンタは"どう見た"のかしら?」

「ん~☆」


ワザワザ横浜基地の副司令が見に来たと言うのに、いち国連軍少佐に評価を振るのは姉妹にとって意外だった。

心が読めないので力量は計れないが、その一連ダケで余程 目の前の新しい上官は副司令に買われていると察せる。

それに……何故だろうか? かなりの戦果を挙げたと言うのに、全員のリアクションが妙に乏しい気がする。

だが必然である。今ドナルドのノリで言葉を選んでいる彼は、一人で姉妹を越える"結果"を出せる衛士なのだ。


「まぁまぁ……かな?」

「!?!?」

「えぇ。そんなところよね~」


……対してイーニァは"あなたは もっと すごいんだ~すごいね~"とか言って目を丸くしているに留まったが。

クリスカはトボけた様子の白銀が自分達 以上の戦果を出せる事が信じられず、酷評に驚愕するしかなかった。

コレは彼女の"価値観"で考えれば仕方無いのだが、求められるのは撃破の戦果ではなく攻略の結果なのである。

正直 白銀は暴れまくっていた"紅の姉妹"の戦果を非常に高く評価しており、当然 部下としても申し分なかった。

もし今後XM3を導入させた機体に搭乗し、新たな機動概念を取り入れれば確実に怖いモノ無しになるだろう。

だからこそ、今の価値観を拭い去って欲しく……無理に戦って果ててしまう様な"結果"を残して欲しく無い。

故に本来で有れば褒めたいトコロだったのだが、白銀は好感度ダウンを覚悟して先程の"評価"を下したのだ。

一方 先程から(おっぱいの所為で)自分と目を合わせようとしない彼に対し、クリスカは更に疑惑を募らせた。

その視線に気付いて居るのか気付いていないのか、彼は軽いペースを崩さない。(普通に気付いていません)

一体 何処まで自信が有るのだろうか? 全く"読めない"が、クリスカは僅かな期待をも無意識に抱いていた。


「じゃあ、今度は俺がS型で魅せましょうか?」

「それも良いけど何だか つまんないし、複座型で試したら?」

「おいィ……俺は複座型どころかチェルミナートルとか言うのに乗った事すら無いんですがねぇ?」

「なら操縦は どっちかに任せて火器管制とかの方を遣れば良いんじゃない?」

「で、でも初めて会ったばかりの人間にパートナーってか、仮にも"命"を担わせるのは――――」

「!? だったら、わたしが しょうさと のるっ!」

「イーニァ!?」

「(り、立候補……だと?)」

「へぇ~。本気なの? シェスチナ」

「はい!」

「な、何を言ってるんだッ。今はシミュレーターが終わった ばかりだし、無理して遣る事は……」

「だいじょうぶだよ。"そのこ"が いってるんだもん。ほんとうは クリスカも きこえてたんでしょ?」

「確かに"社 霞"が先程から……しかしだな……」

「しょうさと いっしょにシミュレーターを やれば、わたし ハイヴの さいご にまで いけるんだって!
 すごいよ? わたしとクリスカが いくら がんばってもダメだったのに、しょうさなら じつげん できる」

「……ッ……(にわかに信じ難い話だ……とは言え、それが本当なら……)」

「だから わたし、ためしてみたい。クリスカと ずっと いっしょにいる ためにも さいごまで いきたい」

「!? い、イーニァは卑怯だ……そう言われては反対できない じゃないか……」

「えへへっ。ごめんね~?」

「白銀。シェスチナは試したい みたいだけど、どうするの~?」

「俺が一人で到達してソレを真似するんじゃダメなのかな? シェスチナ」

「わたしが こうりゃく したいんですっ!」

「の、乗るの初めてなのに期待され過ぎでしょ……どうなっても知らないからなッ?」

「では早速 準備に取り掛かります」

「御願いしますイリーナ中尉。それと霞 プロジェクション自重!」

「す、すみません」




……




…………




……十数分後。

イーニァの強い希望もあり、彼女と一緒にチェルミナートルに搭乗する事に成ってしまった白銀だったが。

"体が密着する"と言う最悪の展開を回避出来る造りになっていた事から、心の中で胸を撫で下ろしていた。

されど複座型 未経験の彼の焦りは募る。只でさえ慣れていないのに、最低でも下層に行く必要が有るのだ。

もし無理だったらイーニァがガッカリしてしまいそうだし、旨く彼女を誘導しなければ信頼の2文字を失う。


『白銀少佐・シェスチナ中尉。戦闘準備完了しました』

「ち、ちょっと待ってください。なんだコレ、随分と近接戦に特化してんだな……ブレード多過ぎだろ……」

「だいじょうぶ? しょうさ」

「それと噴射 云々の設計どうなってんだ? コレ。不知火の跳躍ユニットと全然違うし……ブツブツ」

『白銀。細かい事は考えなくて良いわよ? 大体の操作はシェスチナが遣ってくれるから』

「いやいやッ! そんな無茶苦茶 言われても……機体の状況を把握しない事には……」

『はい、状況開始~っ!』


≪――――パッ≫


「ちょっ!? ゆ~こさん何時から管制になったの!?」

「がんばろうね!? しょうさっ!」

「クソッ! 仕方無ェな……構わん、H行こう!!」

『(Come on, let''s go? それよりも、雰囲気が変わった?)』


此処まで色々と無茶なテストや模擬戦や実戦を繰り広げて来た白銀であったが……今回も超の付く無理難題だ。

されど実際の白銀はスサノオ初乗りでオリジナルハイヴ攻略しちゃったし、似たようなモノだと割り切った様子。

しかしながら。肖らなければ遣ってられない様で、火器管制は勿論 早速 真っ赤になるレーダーを見つつ叫ぶ!


「ドッキングセンサーッ!」


――――そんなワケで複座型な事も有ってか、まさかの"厨戦機エロガイム"の登場である。




……




…………




――――ヴォールク・データin上層。




「シェスチナッ! 早速だけどBETAは無理に相手にするな!! どんどん前に進めっ!」

「えっ? う、うん!」

「機動性なら……チェルミナートルだって!!」

『(ば、馬鹿な!? 早くもチェルミナートルの性能を把握したというのかッ?)』

『(やっぱり白銀ね。複座型 程度 簡単に理解してるじゃない)』




「しょうさっ! ずっと とんでたら ねんりょうが すぐ なくなっちゃうよ!?」

「勿論 跳躍噴射に留めて着地だ! 俺がマーキングするから其処のBETAを倒して もっかい飛べ!」

「りょうかい!」

「変な所に当てるな!」

「!?(いま しょうさから……つよく かんじた?)」

『(イーニァは操縦経験"そのもの"は私よりも浅い。其処さえも読んでいる?)』

『(此処でイーニァさんが撃つ場所を間違えたら失敗します……だから強く感情を込めているんですね……)』




――――ヴォールク・データin中層。




「おおきいのが けっこう いるよ!?」

「要塞級か……相手にするダケ無駄だッ! さっさと抜けちまうぞ!?」

「はい!」


≪――――フオオオオォォォォンッ!!!!≫


「その程度の触手(ビーム)なら……」

「あたら(効か)ないよ!!」

『へぇ。ひょっとして相性が良いのかも知れないわね』

『……ッ……(た、確かに"あんな"イーニァを見るのは……)』




「!? こんどは おおきいのが いっぱい います!!」

「流石に無視できないなッ。180ミリで一体殺って、突破しよう!!」

「うん!」

「良いか? 動力部(弱点)ダケを狙って……」

「いっけぇぇーーっ!!!!」




――――ヴォールク・データin下層。




「もうすこし、もうちょっと!」

「続けて行くぞ!? シェスチナ君ッ!(もう非現実的に進んでるけど)」

「!? ちがう、わたしイーニァ……イーニァだよっ?」

「いやいや、此処まで来てんのに訂正を求めてる場合じゃ無いだろ!?」

「だってイーニァなんだもんっ!」

「志が低いぞ、シェスチナ君!!(あとAFのOP曲 思い出したぞ)」

「あうっ」

『(私と同じ本当の苗字……イーニァさんはシェスチナとは呼んで欲しく無いみたいです)』

『(だけど戦場で"甘え"は許されない。流石は白銀さんね)』




「うおっ!? 流石に無理か!?(今のOS的な意味で)」

「だ、だめ……もう むり!!」


≪――――ドゴオオオオォォォォンッ!!!!≫


「なんと!? やるっ!」

「いやぁん」

『チェルミナートル・大破。状況終了します』

「……(それにしても、何と言うミ・フェラリオ。ポジション的に逆なんだけど)」

「(おこってる?)……ご、ごめんなさい」

「へぇあ」

「わたしが とちゅうで あんなこと いわなかったら……さいごまで いけたかも しれない」

「えっ? いや……俺でも今のOSなら中層迄が限界だったし、十分な結果だったと思うよ?」

「……でも……すごく てきかくに しじ してくれたのに……」

「気にするなって立派なモンだ。それにしてもチャ? チュ? いやチェルミナートル……複座型って凄いんだな。
 いくら負担が減ったからって、此処まで潜れるとは思って無かったよ。流石は"紅の姉妹"ってトコロだねェ」

「あ、ありがとうございます」

「まァ 今回はダメだったけど、次は最後まで行こうぜ? イーニァ」

「ふぇ?」


≪――――ポンッ≫


『白銀。何時までもイチャついてないで出て来なさい』

「何故そう見える……」

「ねぇクリスカっ! すごかったでしょ!? いま もどるからねっ?」

『……クッ……(まさか指示ひとつで此処まで……ならば、私は今迄 何を……)』




……




…………




……2回目のヴォールク・データの終了から15分後。


『状況開始します。2人とも宜しいですか?』

『何時でも どうぞ』

「問題 有りません」


今度は市街戦のマップで白銀少佐の不知火S型とクリスカ中尉のチェルミナートルが距離を置き向き合っていた。

状況を見るに対戦直前の様であり、白銀少佐&イーニァ中尉が出て来て間も無く香月副司令が提案したのである。

何故ならイーニァは彼を信用した様だが、クリスカはパートナーへの依存が高く彼を認めていなかったからだ。

故に今の思考の違いによる結果ダケでは無く腕"そのもの"の格差をハッキリと付けてしまおうと副司令は考えた。

結果クリスカは見事に釣られたが、白銀にとっては冗談では無い。何せ"あの戦果"を出したチート衛士が相手だ。

しかも自分もXM3を積んではダメならしく、タイマンでは勝てる気がしなかったので"マジ勘弁"な状況だった。

されど香月副司令が機体選択の際に今回は"S型"と言う単語を隠していた事を耳打ちされるとアッサリ同意する。

かつて2人の凄腕の衛士が白銀少佐に秒殺された様に、クリスカも"サブ射撃"の存在を知らなかったのだから。


『さぁ……楽しませてくれよっ!!』

「クッ、私が相手では役不足か!?」


――――此処で"貴様等の攻撃パターンなど御見通しよ"と言わんばかりに白銀はクリスカを翻弄する。


≪ガシイイイイィィィィンッ!!!!≫


『うおっ!? ……へへっ、やってくれたな……』(言いたかったダケ)

「(またシールドで防がれたのか!? だが私の方が確実に押している!!)」

『コイツでトドメだッ!』

「ちぃっ!(……しかし何だ? さっきから白銀少佐から感じる威圧感は……)」


だが実際のトコロ白銀少佐の旧OSによる技能はクリスカ中尉に劣っており、普通なら彼の負けは確定していた。

即ち"サブ射撃"が無ければ今の彼は"実力も無いのに良い機体に乗せて貰える人"に過ぎない。(エリート兵の事)

しかし多少の勝負は出来る様なのでサブ射撃の使用は"詰む"状況まで温存し、クリスカとの戦いを続けている。

対して完全に自分が優勢な筈のクリスカは、白銀少佐の"肖り"による根拠の無い自信に冷や汗が全く潰えない。

"トドメだ"とか言われて放たれる180ミリにも全く当たる気がしないが、彼の気迫に常に押されていたのだ。

其処で考えるのが自分は"手を抜かれている"のでは無いか? ……と言う事であり、その予感は見事に的中する。

盾を破壊し36ミリの弾幕を潜り抜けつつ接近できた今、彼に もはや防御する手段は無いと思われたのだが!?




『踏み込みが足りん』

「なっ!? うわッ!!」


≪――――ドオオオオォォォォンッ!!!!≫


『ビャーチェノワ機・致命的損傷、大破。状況終了』

「そ、そんなッ」




"勝った"と油断した直後、思わぬ(胸部マルチ・ランチャーによる)反撃でアッサリと逆転負けしてしまった。

この敗北と"踏み込みが足りん"と言う台詞にクリスカは理解した。始めから自分は試されてるダケだったと。

まさに"完敗"であり、此処まで優れた衛士が世界には存在するのだと彼女は痛感するしか無かったのである。

対して白銀少佐は失禁寸前であり、予想以上のチェルミナートルの踏み込みに反撃が間に合わないと思っていた。

つまり"撃破されると思ったのに切り払いが発動した"心境であり、下手すれば負けていたのは彼だったのだ。

ソレも凄まじいクリスカのレバテクに、距離を離しすぎてサブ射撃を放てば避けられると思った事が強かった。

よって勝ったモノの完全に押されてたし、チート(サブ射撃)による結果だった為 筐体から出た白銀は対応に困る。

一方クリスカも彼を認めるべきなのか……とは言えイーニァに対する想いは当然 蔑ろに出来ず迷って居ると……


「……と言う事だし、ひとまず複座型に乗るのはシェスチナと白銀に決定かしら?」

「なっ!? ま、待って下さい!!」

「何よ? ビャーチェノワ」

「確かに白銀少佐の実力には感服しましたッ! ですが複座型の搭乗ダケは私とイーニァに担わせて下さい!!」

「ふぅん。あたしの見た限りでは白銀の方が余程 良い"結果"を出したと思うけど?」

「そ、それは そうですが……私の方がイーニァの事を ずっと理解していますッ!」

「大きく出たわね。つまり、白銀より貴女の方が"その娘"を活かせるって事で間違い無いのね?」

「はい!! ですから――――」




「……寝言は寝て言いなさい(我ながら旨い事を言ったわね)」




「!?!?」

「考えて見なさい? アンタの"遣り方"はハイヴのBETAを馬鹿の一つ覚えみたいに殺して進んでゆくダケ。
 そんな方法でハイヴを単機で攻略 出来るとでも思ってんの? 何人もアンタみたいなのが居れば話は別だけど」

「……ッ……」

「それに対して白銀はアンタの"大切なパートナー"に何を優先させた? BETAを無視して進む事でしょ?」

「あっ」

「"あっ"じゃ無いわよ。フザけてんの? アンタは出来もしない目的の補佐を死ぬまで担わせたダケなのに、
 白銀は惜しいトコロで撃破されたとは言え、シェスチナに最期まで生きて帰る希望を捨てさせずに務めた」

「――――!?」


≪志が低いぞ、シェスチナ君!!≫


「(……しょうさは そこまで わたしのことを かんがえてて くれてたんだ……)」

「ねぇ。ソレでもビャーチェノワは白銀よりもシェスチナの事を"活かせる"とでも言うつもりなのかしら~?
 訓練を重ねて での初めてのハイヴ攻略で中層にも行かないウチに自爆ボタン押してアッサリと心中する事が、
 ハイヴを破壊して生還する事を考えて攻略する事よりも勝るって言うんなら、ちゃんちゃらオカしいんだけど」

「クッ……ぅうっ……」


香月副司令の横槍と容赦の無い毒舌により、クリスカは反論すら出来なくなってしまい拳をキツく握り締める。

まさか自分が正しいと思って当然の様に行っていた事が、イーニァの戦死の回避に全く結び付いて無いとは!!

ならばクリスカと"ずっと一緒"に居る為に白銀少佐との同乗に立候補したイーニァの方が余程 想ってくれている。

よって今迄イーニァの為に・祖国の為にと頑張って来たのだが何もかもが無駄に成ってしまった様な気さえした。

彼女の価値観で言えばハイヴで敵を無視するという時点で無茶なのだが、事実を得た以上は受け止める他 無い。

結果 イーニァは自分よりも白銀少佐に託す方が良いのではないか? ……と言うネガティブ思考に至ってしまう。


「(おっぱいデカ過ぎ!)」

「……ッ!?」


≪――――ダダダダッ!!!!≫


「あっ、クリスカ?」

「ゆ~こさん……流石に言い過ぎでしょうが……」

「何よ? 本当の事 言ったダケなのに。ビャーチェノワが打たれ弱いダケなんじゃないの?」

「つまり俺の代わりに悪役に成ってくれたんですね? 分かります」

「まァ、嫌われ役は慣れてるしね(……アンタの負担が少しでも減れば安いモノだし)」


其処で藁にも縋る思いで白銀少佐に視線を移したクリスカ。彼が否定さえしてくれれば、イーニァは奪われない。

だが彼は(おっぱいを直視できない意味で)複雑な表情で視線を逸らした為、やはり彼も同じ考えだったのだろう。

ソレが決定的となり、彼女は その場に居た溜まれず(強化装備のまま)シミュレータールームから走り去った。


「白銀さん……今は彼女を……」

「しょうさ。わたし クリスカが いっしょじゃないと やだよぉ」

「あァ、分かってるさ。放って置くワケには いかないよ(……あの格好じゃ恥ずかしそうだし)」

「ではシミュレーターは終了ですね」

「そうね。ピアティフ、後は御願い」

「畏まりました(……白銀さんの事なら大丈夫でしょうし、今後の戦果が楽しみね)」




……




…………




……十数分後。

白銀少佐は走るに走り(人気の無い)給水装置の傍の長椅子に腰掛けているクリスカ中尉を ようやく発見した。

彼はリーディング能力を持たない為 掛かった負担は相当なモノだったので、心なしか呼吸も荒くなっている。

それ故に必然だったのかもしれない……クリスカの発音し難い苗字をシッカリと言えなかったという失敗も。


「ビャーうまぇあチェノワ!!!!」←噛みました☆

「し、白銀少佐ッ?」

「こんな所に居たのか……ぜぇぜぇ、随分と探したぞ」

「……ッ……す、すみません」

「早く戻ろう。今頃シェスチナは着替えて待ってると思うぞ? あと霞も君と話がしたいって言ってたよ」

「…………」

「でも結構 疲れたから歩きだと助かる……って、何してんの? 戻らないのか?」

「白銀少佐」

「何ぞや?」

「……何故、私を追って来られたのです?」

「そんなの"仲間"なんだから、当たり前だろ?」

「!?!?」

「……ってか、ゆ~こさ……いや副司令の言った事を気にしてんのなら、止めた方が良いと思うけど?」

「…………」

「そもそも今迄の概念じゃアレが普通だったと思うし、間違ってたら今から直せば問題ないじゃないか」

「ですがッ」

「ビャーチェノワ?」

「ですがっ! 私は……そんなに簡単に他人を"信用"出来る程 柔軟を考えをした人間じゃ無いんです!!」

「んなっ?」

「私とイーニァは今迄 多くの人間に利用されて来ましたッ! 計画によって生まれたと言う存在が為に!!
 だから軽々しく"仲間"という言葉を発さないで下さい!! 先程から私と目さえ合わせないと言うのにッ!」

「…………」


イーニァは素直な事も有ってか、社 霞のアシストにより比較的 簡単に"白銀 武"と言う存在を信用してしまった。

ヴォールク・データを複座型に同乗して挑み、素晴らしい結果を残せた事も大きいだろう。(しかも旧OSで)

だが(おっぱい的な意味で)自分と一切 視線を合わさない彼をクリスカは未だに信用する事が出来なかった。

それも仕方が無い。此処一年2人は軍に利用され続けており、彼女はイーニァの負担軽減で精一杯だったのだ。

そんな中 存在意義で有る"衛士としての技量"を上回る衛士で有る"白銀 武"と言う存在が彼女を不安定にする。

彼は正当な理由でイーニァを奪う存在……なのに自分を仲間と言う上に、思考が一切 読めないのだから。

よって溜まっていたモノを無意識に吐き出してしまい、白銀少佐は そんな自分を見下しているに違いない。

されど彼の行動は予想外なモノで有り、何とクリスカの瞳をシッカリと見つめながら静かに近付いてくる。

彼女は てっきりリーディング防止だと思っていたので更に動揺するが……その上 彼は自分を抱き締めて来た!


≪――――ぎゅっ≫


「なっ……し、少佐!?」

「今度は俺が思ってる事……分かるか?」

「……あッ……」

「どうだい?」


≪――――絶対に守る!! 絶対に裏切らない!! 絶対に助ける!! 絶対に死なせない!!≫


「!? ど、どうしてッ?」

「ただ単に"気張り"を解いたダケだよ。暑苦しい事 思ってるのは自覚してるから恥ずかしいダケさ」(嘘)

「ならば……今迄の仕草は一体……?」

「一応 上官に成るんだから格好付けたかったに過ぎない。読ませないのは苦労した中で見つけた知恵だよ」

「(つまり、白銀少佐は……私達よりも余程 辛い道を歩んで来たと言うのか?)」

「だから他人を信用 出来ないとか悲しい事 言うなよ。少なくとも俺は絶対に君を裏切る事はしない」

「……ッ……」


白銀少佐にとってクリスカ中尉のダイナマイトなボディは視界に入るダケでも股間の負担になってしまう。

よって意図的に目を合わせていなかったのだが、信頼を大きく損ねていた様で自分の判断を猛省していた。

しかも何時までも強化装備 姿のクリスカに恥をバラ撒かせるワケにはいかないので、遂に彼は決断する。

一瞬とは言え強い負担は掛かるが目を合わせて彼女に近付き、抱き締める事で他人の目に入るのを減らそうと!

結果おっぱいの感触が彼の精神を蝕んでゆく事になるが、コレでクリスカの姿が隠れるのなら安いモノだ。

さて置き。その後 強く"念じた"事を彼女に読ませる事で彼は信頼をマイナスからゼロに戻せればと考えている。

対して抱き締められているクリスカなのだが……何時の間にか"今の感触"を心地良くさえ思ってしまった。


「ビャーチェノワ?」

「あっ! す、すみません! 何時までも何も言わずッ」←白銀から逃れながら

「別に構わないが……今後どうなんだい?」

「はッ、此処は白銀少佐に賭けて見ようと思います。イーニァの事も……わ、私の事も」

「それなら改めて部下として頑張ってくれるって事かな? 宜しく頼むよ、ビャーチェノワ」(ニコッ)

「……ッ……」

「えっ? ダメ?」

「其処は"クリスカ"で……御願いしますッ」

「へぇあ」

「む、むむむ無理にとは申しませんので!」

「いや、全然良いけど? さっきから言い難いって思ってたし」

「よ……よく言われます」

「ですよねー☆ ともかく いい加減 戻ろう。それと今は俺の上着 羽織ってた方が良いと思うよ?」

「か、感謝します(……イーニァ……私達は彼に付いて行けば幸せになれるのかもしれない)」


……結果 クリスカは初めて出会うタイプと言える、白銀少佐に自分達の運命を託してみようと決めたのだった。

普段は冷静沈着に装っている反面、心に誰よりも熱い感情を秘める若き天才衛士。偶然 自分ダケが知った彼の顔。

そんな彼と共に戦ってゆく結果、クリスカとイーニァは更なる成長を遂げ凄まじい戦果を上げてゆくに至る。

時にはクリスカが白銀と共に複座型に搭乗し、場合によっては彼が僚機を務めイーニァと共にS型を操り戦う。

この柔軟なポジションの変更により戦いを続けてゆく3名は、何時の間にか"ネプチューン"と呼ばれる様になる。

コレを香月副司令から伝えられた時 白銀少佐は盛大にズッコケていたが、その理由は未だに理解 出来なかった。




……




…………




2001年11月25日 早朝


――――白銀少佐の自室。


「白銀さん、白銀さん」

「……ぐ~っ……」

「白銀さん、起きてください」

「う~ん、もう朝か霞~? ……って、ななな何でクリスカとイーニァまで居るんだよ!?」

「ふにゃ……まだ ねむいよぉ? タケルぅ」

「それに霞とイーニァは百歩譲って良いとして、クリスカまで何て格好してんだッ!?」

「あ、あの……コレには深い理由が有りまして……」


その日 白銀は驚愕した。何故かスリップ姿の霞に加えて、下着姿の"紅の姉妹"までベッドに入り込んでいたのだ。

経緯は至って簡単……紅の姉妹に対抗意識を燃やした霞が、先ず早い段階で黒のスリップ姿で彼のベッドに侵入。

続けてイーニァの提案によりクリスカと一緒に白銀の部屋に入って来た2人だが、寝ている霞の姿を見て驚愕。

だが大胆にもイーニァも霞に対抗して下着姿に成ると、同様に白銀のベッドに侵入して添い寝する事に決めた。

一方クリスカは反対したがイーニァを放って置いて退室するワケにもいかず、結局は彼女も同じ選択肢を選んだ。

よって地面には2人が脱ぎ散らかした軍服が転がっており、今は誰が見ても誤解されそうな状況になっている。


「良いから服を着ろって。誰かに見られたら洒落に成らないぞ?」

「す、すすすすみませんッ」

「あっタケル……おはよぉ」

「おはよ。取り合えず離れてね? お兄さん暴走しちゃうから」

「お早う御座います、イーニァさん」

「えへへ。かすみも おはよ~」

「全くイーニァ……上官を名で呼ぶなと何度も……」

「今のオマエが言っても全然 説得力 無いぞ? クリスカ」

「うぐッ」

「やれやれ。今日はA-01との模擬戦だってのに、こんなんで勝てるのかねェ?」(28話 参照)

「だいじょうぶだよ~」

「その通りです。まだ複座型 不知火が未完成とは言え、私達3機が負ける道理は有りません」(キリッ)

「だ~から格好付けて無いでクリスカは早く服を着てくれよッ! 男として我慢してんのが辛いんだって!!」

「か、畏まりましたっ!」

「さいきんの クリスカ……なんだか たのしそう だね」

「はい。クリスカさんからは暖かい感情が流れています」

「いや、君達もノホホンとしてないで早く服着てね?」


何はともあれ"紅の姉妹"が白銀少佐の部下に成って間も無いが、今の状況を見るに旨くいっている様である。

特にクリスカはXM3搭載機の不知火S型によるハイヴの単機攻略を魅せられた事で、白銀に心酔した程だ。

此処 数日で彼が人間的にも信用できる事が確定的に成ったし、命すら預けても良い存在になるのも近いだろう。

故に此処から"紅の姉妹"の新しい戦いが始まってゆく。2人が本当の意味での幸せ……即ち平和を掴み取る為に。


「(横浜基地に来れて本当に良かった……イーニァの為にも、白銀少佐と社の為にも頑張らなければッ)」

「(これからタケルと かすみとも、ずっと いっしょに いられたら いいなぁ)」

「(グフッ、純夏ェ……すまない……どうやら俺は此処までみたいだぜ……)」←性的な意味で


――――だが白銀少佐にとっては言うまでも無く"此処からが本当の地獄だ!"的な危機感を募らせていた。








●戯言●
理由は申しませんが無性に新作を投稿したくなったので、エターならせる予定だった番外編を修正投稿しました。
改めて読み返してみるとマジ滅茶苦茶です。選択肢によってはコレが本編に変わる可能性が有ったんですよね~。
ちなみにエル●イム関連のネタの一部に[1341]氏の書き込みを肖らせて頂きました。感想有難う御座いますッ!


http://www.nicovideo.jp/watch/sm12594998
合計35機と決起軍と帝国軍の戦い並みにMSが落ちるという面白い戦場の絆の(祭り)動画が撮れました。
それと今更ですがブリハマチの霞たん動画を投稿された方 御疲れ様でした。マイリス余裕でしたから!!


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